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不登校の息子と、「うつ」への理解。将棋棋士の本と出会い、私は腹を決めた。

思春期の「うつ」かも


約7年前の話になる。


中1の秋から不登校になった息子には、不登校直前からしばらくの間、こんな症状があった。

  • 急にイライラする、怒りっぽく荒れる、絶望する

  • 文章の内容が頭に入ってこない。

  • 教室の音に敏感になり、「うるさい」と感じる

  • 人と会うと極端に疲れる

  • お風呂に入れない(這うように行く)

  • 体が極端にだるく、数歩歩くだけで疲れる

  • 学校に限らず、行く・行かないをなかなか決められない


心療内科(思春期外来)に行っても、「疲れているんだね」程度で、診断のようなものはおりなかった。


その病院内の心理士さんからは
「これは休んでもいい状態です」
と言われた。


その言葉に少しホッとしたのを覚えている。


息子は「自分は病気じゃない」と、それ以降病院へ行くのを嫌がった。


私が限界を感じていたので、しばらく私だけがこの心理士さんのところへ通院し、相談を続けることになった。


「もしかしたら、思春期のうつかもしれない…」心のどこかで、少なからずそう感じていた。


別人になったような息子を見て落ち込む私に、
「母が読んでいた本なんだけど、良かったら」と一冊の本を貸してくれた友人がいた。


彼女はそれ以外、何も言わなかった。


あえて、言わずにいてくれた。


『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』先崎学(著)


本を開いた。


驚くほど息子と症状が似ていた。


著者の先崎学さんは、息子とは年齢も境遇も発症のきっかけも違う。


だけど、そこに綴られた実体験はとてもリアルで、「同じだ…」と思えた。


うつの初期のころの先崎さんは、歩くのがとてもしんどかったこと、
人ごみがきつかったことを綴っている。


他にも、家で自分が荒れて、家族が逃げるように2階に上がったことや、
小さな2択さえ自分で決められず、コインの表裏で決めたことなど、


軽いタッチで、詳細に記されていた。


当時の私の精神状態では、深刻すぎるものや重いものは読みたくなかった。


だけど、この本はちゃんとリアルなのにどこか軽やかで、少しクスっと笑えるところもある。


不登校に直結しない内容も、私にとっては良かった。


とても読みやすかった。


何より救われたのは、


どん底から回復していくプロセスが、丁寧に書かれていたこと、


そして、精神科医である実のお兄さんから
「必ず治ります」
というLINEが毎日届き続けた、というエピソードだった。


不登校の息子にその姿を重ね、想像した。


読む前と読んだ後では、私の意識が変わっていた。


「息子は相当しんどいんだ。


うつのような、病気といえる状態なのかもしれない。


「この状況をちゃんと受け入れよう



私は腹を決めた。



それと同時に、


必ず治る。


今の彼が、彼の全てじゃない、


そう思うようにしていった。


心の中でその言葉を繰り返すようになった。


何も言わずに本を差し出してくれた友人、


あえて「何も言わない」ということ。


そんな優しさもあるんだ、ということを知った。


とてもありがたい出来事だった。

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