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《北海道・道東》僕と自転車と、人生の話。あの道は今も続いている。


僕は、自転車が好きです。

ここでは、ロードバイクで旅をした記録をもとに、自転車と人生、大切な人との関係を書いています。

過去の旅と現在の自分を重ねながら、心のどこかに残っていた景色や気持ちをたどっていきます。

過去の旅を振り返ることで、今を丁寧に生きようとする気持ちや、忘れかけていた感覚を思い出せるような、そんな時間になればと願っています。

ひとりで走った道は、今に続いている。


自転車。このシンプルで、前にしか進めない乗り物は、これまでいろんなことを教えてくれました。

かつては、休みのたびにロードバイクにまたがって、遠くの景色を見に行っていました。
坂がきつくても、風が強くても、ただ走るのが楽しかったのです。

でも今は、子育てや仕事に追われる毎日。
気がつけば、自転車に乗る時間も、心の余裕も、少しずつ減ってきたように思います。

また、あんな旅がしたい。そう思いながらも、なかなかそんな時間は取れなかったりもします。

僕に限らず、結婚して子供ができると、同じような方がいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなある日。

ロードバイクの置き場所をめぐって妻と交わした何気ない会話がきっかけで、僕の記憶は、10年前のあの旅へと遡っていきました。


※少し長めの文章です(約5分)。手が空いたときにでものんびり読んでいただければと思います☕


■はじめに

子ども部屋を確保するため、妻とロードバイクの置き場について真剣に話し合っているとき、ふと思い出した旅がある。
10年以上前、まだ独身の頃、10月の北海道をロードバイクでひとり旅をした。今でも人生を豊かにしてくれる思い出となっている。

当時はmixiで旅先から日記を書いていた。あの時期は、スマホだったか、ガラケーだったか、記憶があいまいだが、今ほど通信環境は良くなかったので、ユースホステルの共用PCから日記を書いた記憶がある。 

今日は、そんな思い出をひとつ、思い出しながら書いてみようと思う。


■本編

・1日目:関空〜女満別、そして網走へ

長期休暇を利用して、いざ北海道へ。初めての「飛行機輪行」。デカいリュックと輪行箱を持って、空港へ。

女満別空港に降り立った瞬間「さむい…」いや、寒すぎる。聞いてたけど、10月ってこんなに冷えるのか…。早速、用意していた薄手のダウンを着る。10月の北海道を舐めていた…。この日は北海道では初冠雪だったとニュースで報じられていた。

この日は網走のビジネスホテルへ。夕方、少しだけ近くを走ってみたけど、風が冷たすぎて心が折れた。明日からが本番。あったかくして、今日は早めに寝よう。

・2日目:知床峠を目指して

目覚めると、空気はさらに冷たい。
今日は、知床峠を登る予定だ。

知床峠へ向かう朝。
空と道と自分しかいないような感覚になった。


しかし…電光掲示板には「知床峠・路面凍結により通行止め」の文字。おいおい、 今日のメインが…。でも、向かってる間に通行止めが解除されると信じて向かってみる。

道中、オホーツク海を横目に走る。景色が最高すぎて何度も止まってしまう。

オホーツク海を眺めながら。


途中の「オシンコシンの滝」これは‥あまあかな(笑)

疲れてきたのでコンビニで補給を済ませることにする。セブンイレブンまで、セブンイレブンメートルの看板。くだらないダジャレも旅のスパイスか。

こちらは「ヒグマ生息地域」の看板。餌やり厳禁とあるが、やるわけない。ビビりながら知床峠へ向かう。

でも遭遇したのは熊ではなく、鹿‥!!そして、北海道の鹿は、かなりの北海道サイズ‥。でかいし、ものすごい見てくる、怖い。

気を取り直して、走る。

知床峠へ向かう道。


通行止めのゲートまで到着。解除にはなってなかった。落胆しつつ、知床五湖へ立ち寄る。ここで鹿肉バーガーを買って、ベンチでぼんやりしていると…。

向こうのベンチの兄さんが、やたらチラチラ見てくる。|ω・`)

鹿肉バーガーモグモグ、兄さんチラチラ…
鹿肉モグモグ、兄さんチラチラ…
鹿モグ兄チラ…
鹿チラっ…!
ついに目が合ってしまう。

話しかけてくれたその人は、自転車乗りだった。デュアスロンもやってるらしい。

「せっかく来たなら秘湯行きましょう!車で案内しますよ!😬」

見知らぬ土地、知らないチラチラ兄さん、でも自転車乗りに悪い人は…たぶんいない(笑)と独断と偏見で、ロードバイクを置いて秘湯「カムイワッカ湯の滝」へ。

チラ兄とは記念写真も撮って、握手して別れた。この頃には、もう親しみを込めて「チラ兄」と呼ばせてもらう。旅の一期一会ってこれやんか。

帰り道、海鮮丼(カニ・鮭・いくら全部のせ)を食べ、地平線が見える「開陽台」へ。

綺麗な海を見ながらの最高の時間。


開陽台へ向かう途中。どこまでも続く直線。地平線が見える。言葉を失った。

自分と自然の境界線が曖昧になる感覚があった。その感覚がたまらなく好きで、何度も何度も足を止めては、その感覚を楽しんだ。そのあと、開陽台に到着。

開陽台からの景色。


夜は摩周湖ユースホステルへ。ユースホステルのオッチャンが教えてくれたラーメン屋も最高だった。

・3日目:拷問ルートと野生動物、そして文明の素晴らしさ

翌朝。ユースホステルのオッチャンおすすめコースを採用していざ出発。
峠は2つ。摩周湖(690m)、 美幌峠(490m)を含むルート。走行距離はだいたい100kmぐらい。キツイけどなんとかなりそう。

な、はずだった…。

途中には、オッチャンが教えてくれなかった地味で終わらない20kmのアップダウン区間が横たわっていた…。
登って、下って、また登って。どうせ下るなら登らせるなよ。しかも景色が変わらない拷問区間をひたすら走る。

そしてようやく終わりかと思ったら、オッチャンが教えてくれなかった小清水峠(600mぐらい)…コシミズトウゲッテナニ…。オッサンどうしてくれんねん。

それでも気合で何とか乗り越え、下りが始まった。ここでは、リス、キツネ、ウシ、シカたちに見守られながら、ひたすら進む。濃いなあ自然。
それにしても、コンビニはもちろん、自販機もない。のどカラカラや。キャンプ場見つけて蛇口ひねったけど、なんも出てこん。10月のキャンプ場は店じまいか?

のどカッラカラの状態で、ようやく町に降りてきて、自販機を見つけた。そして文明に感動した。
皆さん、自販機はすごい。お金を入れたら飲み物が出てくるんですよ。知ってました?文明って最高ですね🙇

宿に帰ると、ユースホステルのオッサンがニヤニヤして迎えてくれた。
「いやー、きつかったでしょ? (笑)」
「まあいいトレーニングやったわ!今日はこれぐらいにしとくわ!」
結局この日は、走行距離139km。
人生で初めて、1日で3つの峠を越えた。

■帰路へ

北海道から帰ってすぐ、僕は当時交際していた彼女に会いに行き、旅先であったいろんなことを夢中で話した。
「痩せすぎ!やつれてるやんか」
と心配され、
「いいトレーニングやったわ!」
と強がったことを思い出す。


■そして今

あの旅から10年以上が経った。その彼女は、今目の前にいて、ロードバイクの置き場所について真剣に悩んでいる。

さて、冒頭の問題に戻ろう。

ロードバイクの置き場所問題。あの旅の記憶を辿ったあと、ようやく答えが出た。僕のロードバイクは、なんとか室内に置けることに。妻のロードバイクは、輪行袋に入れて、しばらくクローゼットでお休みすることになった。

輪行袋を見る僕の顔が、寂しそうに見えたのか、「まあ、またそのうち一緒に走ろう」そう言ってくれた妻の言葉に、少しだけほっとした。

輪行袋に入れた妻のロードバイク。

■おわりに

この旅のことは、今でも妻との笑い話の定番になっています。

誰にでも「大切な誰か」との思い出があると思います。でも、毎日の忙しさに追われる中で、そんな思い出を振り返る余裕って、なかなか持てなかったりします。
でも、ときどき立ち止まって、後ろを振り返ってみることは、前に進むためにも、すごく大切なんじゃないかと思います。

キラキラした毎日なんて、そうそう続かない。
SNSには映えた人生があふれてるけど、実際の僕らの日々は、ご飯作って、洗い物して、洗濯物たたんで、子どもが寝なくてイライラして…「今日もなんとか乗り越えたな」って、その繰り返しです。
だから、ふとしたときに思い出す過去は、少し美化されて見えてしまうのかもしれない。

でも、だからこそ、思い出した時に「ああ、あれはいい時間だったな」と思えるように、今をできるだけ丁寧に生きていけたらと思っています。

この話が、あなたの「大切な人」との記憶を、少しでも呼び起こすきっかけになれば、嬉しいです。

■これからについて

ロードバイクは、前へ前へと進む乗り物だけど、こんなことを教えてくれます。

ときには立ち止まって、後ろを振り返ることも大切だということ。

向かい風が強いとき、峠がキツイとき、だらだらとアップダウンが続く道…「もういやだ」と思っていても、それがいつまでも続くわけじゃないということ。

ゆっくりでも前に進んでいけば、ちゃんと景色は変わっていくということ。

頑張ってるときは気づかないけど、ふと立ち止まって振り返ったとき、「こんなに遠くまで来たんだな…」と感じられる瞬間がある。それは、僕にとってすごく大切な時間のひとつです。

2人の子どもたちにも、このロードバイクの魅力を少しずつ伝えて、一緒に自転車で走りにいけたらと思っています。
が、今のところ、自転車にはいまいち興味を示さない。一筋縄ではいかないものです(笑)

上の子はリビングで一生懸命にダンスの練習をしていて、下の子はYouTubeを観て笑っている。すでに妻は忙しく動き回っていて、僕はというと、今まさに冬用布団を圧縮袋に入れてと妻に頼まれているところだ。

もう少し大きくなったら、この旅の話をしてみようかな。

みんなで一緒に走れたら、またその続きを書いてみたいと思う。

そんなことを考えていた、そのとき…

「圧縮袋終わったー!?」
「今やってるー!」

🚲️   🚲️   🚲️   🚲️


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。もしこの記事が少しでもよかったな、と思っていただけたら、よければ「スキ」や「フォロー」、「コメント」などしてもらえると続きを書く励みになります!
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▼続編

道北編も書いてみました。よければ下の記事をどうぞ📘


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