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【11章】step37 あとがきに代えて

この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。

■ 登場人物

■ 前回のストーリー


第11章 あとがき

step37 あとがきに代えて

健人「いよいよか〜〜!!楽しみだなー!!」

舜「なんか学校の外で4人集まって会うの、久しぶりだね。」

爽太「だね。あれからもう3年くらい経つのか‥!」

詩「みんな、大学での生活はどう?私たち、あのあと受験勉強頑張ったよね〜」

健人「あれ、詩って受験勉強頑張ってたっけ?」

いつものように戯れてはいるけど僕たちはそれぞれ進路を決めて大学に進学し、無事に大学生になっていたこともあり、少しだけ大人になろうとしていた。

空港のアナウンスが流れた。
今日は4人で東京の成田にある国際空港にやってきていたのだ。

「よう、相変わらずお前ら仲良いな」

後ろから声をかけら得ると、サングラスをしてもはやバカンスにきているかのような出たちの蓮人と葵がやってきた。

爽太「うわー、蓮人さん、完全にバカンスモードですね。それにしても休みだから混んでるよな〜。」

舜「本当。でも嬉しいな!ジョンさんが 本当にKUSS JUICEをマレーシアに広げてくれて、移住して1年でいきなり大成功して、3年目にはもうこんな風に僕らを招待してくれるなんて。」

詩「ね。嘘みたい。あのマークってさ、実はデザイナー舜のはじめてのデザインだったよね。」

舜「そう、あのまま使ってくれているんだよね。」

健人「はじめてのデザインがマレーシアで大成功なんて、ホント、出来すぎてるよな。」

爽太たちが乗る飛行機のアナウンスが流れた。いよいよ出発だ。
爽太のスマホにはジョンが送ってくれたKUSS JUICE マレーシア一号店の写真が映っていた。

あっという間にクアラルンプールについた6人は、むせかえる暑さと人混みの中、タクシーの呼び込み、Grabタクシーの列を通り越して、駐車場の方へ向かう。

フォン、フォーン。少し遠くの方から手を挙げて、僕たち6人に笑顔を振りまいている長身のサングラスの白人が見えた。ジョンだ。アロハシャツに短パンだが、とってもかっこいいオープンカーに乗っている。後ろには、会社の人たちなのか少しゴージャスなSUVの車も準備されていた。

詩「ジョンさん・・・大成功している!!すごい。なんか有名な社長さんみたい!」

葵「ジョンは実際に、マレーシアのビジネス誌で何度もインタビューされて特集されている今やクアラルンプールではちょっとした有名人よ。」


ジョンは本当にマレーシアで成功し、クアラルンプールを中心にジョホールバル、ペナン、コナキタバル、マラッカなど各都市のショッピングモールや空港、駅、などに出店し現在、約100店舗ほどのお店を展開させている凄腕の経営者として知られるようになっていた。

ジョンは、マレーシア支社の事業の話をしたいから、と蓮人と葵を自分のオープンカーに乗せ、4人をスタッフの運転する車に案内した。現地採用をしてジュース事業の補佐をしている後藤さんが4人に自己紹介をして荷物を車に入れ込んでいく。

車2台を使ってKUSS JUICEの本社に向かう途中、マレーシア1号店に立ち寄ってくれることになった。

車を路肩に停めたジョンが、車外へ出てこいとジェスチャーする。目の前には、「KUSS JUICE」という看板のついたビル一階の大きな店舗にたくさんの若い女性たちが集まっているのが見える。


ジョン「君たちが作ってくれたジュースに込める想いや、あのときのレシピ、幸せにしたいお客さまなどの基本的な考え方なんかはほとんど変えてないんだよ。

健人「それは嬉しいなぁ〜。僕たちが考えたものが大きくなっても活きているってのは当時考えてた自分を褒めてあげたい。」

ジョン「ただ、アプリの使い方ってところだけは、マレーシアの通信環境や文化に合わせて変えたんだけど、基本、店内に来てからはアプリからでしか注文できない仕組みになってるんだよ。ここは若い子たちに大人気。そして、君たちの考えた店と同じで、注文してからしかジュースは作らない。廃棄が出ないように売り切れになることもかなりあるんだ。それが逆に人気に火をつけているよ。」

舜は、自分がデザインしたロゴが海を超えてマレーシアでたくさんのお店で使われていることに興奮しているのか、スマホで写真を撮りまくっている。

葵が人数分のジュースを買ってきてくれた。みんなにジュースを配る。

詩「懐かしい〜〜〜〜。私たちが作っていたものと全く同じ味だ!本当にレシピ変えてないんだね。」

ジョン「オフコース。この味で、マレーシアを制覇したんだ。実は、今、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、シンガポール、オーストラリアと東南アジア各国、アジアを超えてオセアニアまで出店依頼がきてるんだよ。おっと、改めて言うけど、君たち、もう返してっていっても返せないからね〜!」

ジョンはぺろっと舌をだしてみんなにおどけて見せた。思わず4人はジュースを吹き出しそうになる。

爽太は、みんなには伝えなかったけど、実は静かに感動していた。涙が出るというよりは、何か熱いものが静かに込み上げてくるような感動だ。

自分の自宅で、健人といろんな野菜と果物を試していたこと、そこからの工程が一枚一枚、アルバムのように思い出されてきていた。そんな事業が海を超えて、本当に多くの人の笑顔につながっているなんて。もちろん、ジョンの経営能力があってのおかげだ。でもそのきっかけは自分たちが高校生だった頃に熱中して没頭して作り上げた数ヶ月の起業体験だったのだ。

このやり方は、いつからでも何度でも試せる。次は、僕の番だ。いよいよ大学生として、これから自分にしかできないチャレンジを考えていこうと思う。

あたらしいことをはじめるって、怖いし勇気が必要だ。だけど、きっかけなんて実はささいなことで構わない、と今なら自信を持って言える。大事なことは、はじめ方とやり方なんだ。

そんなことを考えながら、ぼーーーっとしていると、みんながすでに車の前にいることがわかった。

みんな「おーーーーい!」
健人「爽太、なにぼーっとしているんだよ。置いてくぞー」

僕たちは、何度あの夏の日に戻っても、同じように楽しくワクワクするチャレンジができる。そんなよくわからない確信を胸に、爽太はみんなのいる車に急いで戻って行った。


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