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牡蠣を求めて赤穂まで

牡蠣を……おいしい牡蠣を……食べたいですよね……と深く思う瞬間があり、ぬるっと赤穂旅が決まった。
日帰りでも余裕な距離なので、旅館のキャンセル期限まではすこし悩んだのだけど、行ってよかった。
温泉旅館でしか味わえない時間というものがある。

大石内蔵助の銅像

播州赤穂にはじめて降りたつ。
忠臣蔵のふるさとであると同時に、アース製薬発祥の地でもあるらしく、駅の出口が「モンダミン口」と「アースジェット口」にわかれていた。
CMでみるような青くきらきらした粒になりきればいいのか、なんともいえない気持ちのまま出る。

旅館の夕食にも牡蠣があるはずだけれど、やはりお昼から牡蠣を堪能したい。
ということで、バリエーション豊富な牡蠣が食べられるというお店へ。
開店前から整理券をとる方式で、一巡目に入ることができた。

ほんとうの旅、はじまる――

普段あまりお昼から飲むことがないので、これだけでも特別感がある。
昼飲みって最強の気持ちになれる。
お隣さんが「ビール、ええな…」とつぶやいたのを聞き逃さない家人。それを教えてもらい、ややドヤ顔でグラスを持つわたし。

忠臣蔵御膳

ほとんどのお客さんがこれを注文していた。
立派な名前のとおり豪華な牡蠣づくし。
生牡蠣、蒸し牡蠣、牡蠣フライ、見切れているけれど牡蠣ごはんに牡蠣スープ。
牡蠣の、宝石箱や~!と、誰かに叫んでほしかった。

ひとりだと多いので、ふたりでわけることにして、もう一品追加。
これが、追い牡蠣……!

牡蠣の天ぷら

天ぷらでいただくのはたぶんはじめてだ。
塩をつけなくても、十分に旨味と磯の塩気があって、たまらない。
フライよりもダイレクトに牡蠣を感じられる気がする。

家人はリスクヘッジだとかなんとかで生牡蠣はやめておくらしく、じゃあ蒸し牡蠣3つはあなたにあげますからわたしに生牡蠣2つをよこしなさい。

光そのもの

何年かぶりに食べた生牡蠣はあまりにも絶品だった。
ぷりんぷりん。記憶が飛びそうなほど幸せの味。光。
もう他はいらないのでこれを三皿四皿と重ねたいほどだった。いや、牡蠣フライもめちゃくちゃおいしかったが。

どうしよう、続きを書かねばならないのに、光(=生牡蠣)のことを忘れられない。わたしを生牡蠣屋さんに連れて行ってくれませんか?

わけあったとはいえ大ボリュームの昼食で、ほわんほわんとしながら赤穂城跡へ。

お濠

敷地内に神社があったり、広大な公園があったり、のんびりした時間が流れていた。
自然のなかを歩くのはほんとうに気持ちいい。
遠くでは河津桜が見頃だった。
桜と河津桜はまったく別物だと思っているけれど、ピンク色がかわいらしいというのはよくわかる。

旅館の送迎車の運転手さんによると、今年は牡蠣が不漁だったようだ。
旬ではあるので、料理のために遠方から取り寄せていたが、最近やっと地元のものが獲れるようになったとのこと。
つまりわたしたちは、すべりこみ赤穂牡蠣を堪能できると。

海、意外と人がいる

旅館がいくつかある南側のエリアをぶらぶらする。
海へ行くと、わたしはほんとうに海が好きなんだなと思う。吸い寄せられるので。

たくさん歩いたあとは、温泉にゆったり浸かる。
あまり熱くなく、長めに入ってものぼせることはなかった。
露天風呂も気になりつつ、内湯から離れたところにあった。一旦旅館を出てから道路を挟んだ移動が必要とのこと。
三秒ほど悩むふりをしたが、ふたりして断念する。無精者なので……。

ぽかぽかで、待ちに待った夕食。
食べてばかりだが、生きるとは食べることだ。

地酒の飲み比べ

ふたりとも同じものを頼んだのだが、先付があまりにお酒に合いすぎて、向かい側では序盤でほとんどがなくなっていた。気持ちはわかる。
どれもおいしいけれど、純米吟醸がやっぱりいちばん好きだった。

牡蠣の土手鍋

本日、十何個目の牡蠣……数えてしまうとおそろしい。なんたる贅沢。

新鮮なお造りや蒸し鮑、金目鯛の西京焼きなどに舌鼓を打つ。
ほどよくお腹いっぱいだなあと思いきや、最後の釜飯の量がものすごくて、ありがたい悲鳴をあげながらいただいた。
おそらく1人1合ほどあったのではないだろうか。
自称オコメスキーの家人も、わたしの分までは食べられないというほどだった。

二次会をしようと、日本酒の一合瓶とおつまみを持ってきていたのだが、もう、こんなに満腹では無理です。
ふたまわりほどふくらんだお腹を抱えて部屋に戻り、泣く泣く早めに布団にもぐった。
YouTubeで好きな曲を流しながら歌ったり喋ったりして、睡眠導入を図る。

朝風呂はあきらめながら起床。
朝風呂に行けなくなったのはいつからだろう……ここ二年、旅行中の早起きがかなり苦手になってしまった。
のそのそしていると、さっぱりした顔で家人が戻ってくる。うらめしく見上げる。

きのうあれだけ食べたのに、朝食がわれわれを待っている。

サラダがあって嬉しい

焼き鮭を網の上であたためていただくスタイル。
後半で皮だけを炙ってカリカリにしようとしたが、火が消えてしまった。向かいからは何をしたいんだという目でみられる。
つみれ、出汁巻き、海苔の佃煮、ひじき、ほっこりとやさしい味で幸せだった。

海のみえる景色においしいお料理、とても素敵な旅館だった。

なんと、小石を並べて文字にしている

朝も都合のよい場所まで送ってくださるというので、駅とお城のあいだくらいの交差点に降ろしてもらった。
運転手さんからすると、なぜこんな中途半端なところへ…という気分だっただろう。すみません、パンです。
目的地を聞かれたらどうしようとヒヤヒヤしたが、ヒヤヒヤする必要もなく、まず聞かれなかった。

お客さんの絶えない人気のパン屋さん。
食パンやレモンケーキ、エピ、スコーンなどをもりもりと買い、大満足だった。
スコーン愛は変わらず継続していて、出先にあればかならず買う。

電車は30分に一本ほど。
駅でお土産を物色したのち、ストリートピアノがあったので、久しぶりに弾く。指が動かない。

姫路で乗り換えるので、いったん降りてもよかったのだが、わたしたちは十分に満足していた。もう、何も、要らないッ。
なんとお昼には最寄り駅に着き、スーパーで買い出しをしてから帰る。
旅先が近いと、こんなに時間の余裕がうまれるのか……。

旅行帰りあるあるだが、まな板もフライパンも使いたくない気分であり、しかも胃は拡張しているというお困り状態。
夜は家でおとなしく……とはいかず、近所にできた居酒屋さんに行くことにする。
海鮮ばかり食べたからお肉がほしくなったね、という言い訳を添えて。

ひねぽん、チャンジャ、枝豆、メンマ

レモンビアという名前のビールに惹かれて注文したものの、蜂蜜レモンのような強い甘味・ビールというにはおとなしい泡・たっぷりの氷という、写真および話が違うぜ三拍子をくらってしまい、ほどほどにして切り上げる。

帰ってリベンジ二次会をしつつ、家人がモンハンの昔のソフトをやるのを眺める。
自分のアバターをとにかく詳細につくりこめることに驚く。
パーツひとつにつき5,6個以上の項目と、それぞれに1~100の数値があり、本気を感じる。
最初はすごい!と感動していたが、肝心のストーリーが始まるまでたいへんな時間がかかり、結局めためたに武装するのであまり関係なかったのでは……と思ったりする。

お供に名前をつけていいというので、ワインの品種から命名することにした。
「ピノ」「カベルネ」「メルロー」などのワイニーな猫や犬(?)が誕生していく。
デフォルトのお供は、ジンファンデルからとって「ファンデル」と、「シラー」です。

アルコール濃度の高い旅行記になってしまった。
楽しかったなあ。温泉はやっぱりいいなあ。
生牡蠣を食べたいなあ。生牡蠣……。


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