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【新人看護師】「ただついていくだけ」で終わらない|シャドーイングで10倍学ぶ人の“見るポイント


前回の記事の最後で、こんなことをお伝えしました。


「明日の勤務で“見るポイント”を1つだけ決めてみてください」


もしまだ読んでいない方は、先にこちらからどうぞ↓


実際にやってみて、どうでしたか。


もしかすると、

「意識してみたけど、よく分からなかった」
「そもそも、どこを見ればいいのか曖昧だった」

そんなふうに感じた人もいるかもしれません。


今回はもう少し解像度を上げて、
「具体的に何を見るのか」を整理していきます。


1. 先輩の言葉が、するっと通り過ぎていく


シャドーイングが始まると、先輩はいろんなことを教えてくれます。


「この子はね、昨日から熱が続いていて……」

「点滴はここを必ず確認して……」

「この保護者さんは少し不安が強いから……」


一生懸命メモをとります。

はい、はい、と頷きながら、全部受け取ろうとします。

ーーでも、

午後になるころ、気づくと頭に霧がかかったような感覚になっていませんか。


先輩が話してくれているのはわかる。
でも言葉が、するっと通り過ぎていく。


「ちゃんと聞けていない自分が情けない」

そう思うかもしれません。

でも違います。
全部受け取ろうとしたから、溢れているのです。

では、どうすればいいのか。

実はシャドーイングには、見るべきポイントがあります。

2. シャドーイングの本当の目的は、「判断の流れ」を盗むこと


シャドーイングは、手技だけを覚える時間ではありません。

もちろん、手技は大切です。

でも先輩の動きをよく見ていると、ただ手を動かしているわけではないことに気づきます。

・この子は今どんな状態か。
・今声をかけるべきか。
・何を先にやるか。
・何を後回しにするか。
・保護者への説明はいつ入れるか。

こうした小さな判断を、息をするように積み重ねています。


特に小児は、教科書通りにいかない場面が多い領域です。

だからこそ必要なのは、知識の量だけではなく、
「この場面でどう考えるか」という視点です。

なぜ、今そうしたのか。

なぜ、それを後回しにしたのか

その「なぜ」を拾い集めていくことが、やがて自分の判断の軸になっていきます。


3. 「1つだけ」見るべき5つのポイント


「よし、取りこぼさないように全部見ていくぞ」
と肩肘張らなくて大丈夫です。

まずは、次の中から1つだけ選んでみてください。


① 先輩の「一歩め」

先輩は、なんとなく病室に行っているわけではありません。
必ず目的を持って訪室しています。

ただし、いきなり本題に入るわけではない。


病室に入った瞬間、何を見ているか。

最初に何をするか。

どんな声をかけているか。


この「一歩め」に、先輩が優先していることや関わり方の大切な要素が詰まっています。


② 何を「あえて後回し」にしているか

新人のうちは、「すぐやること」が正解に見えます。

でも現場では、“今やらない”判断もとても重要です。


なぜ今はやらないのか。

何を優先したのか。


そこに目を向けると、その場での優先順位の付け方が見えてきます。

③ 子どもへの最初の一言

小児看護では、最初の関わりがその後を大きく左右します。

先輩はどんなトーンで、どんな距離感で声をかけているでしょうか。


“何を言ったか”だけではなく、
“どう関係をつくりにいっているか”
に注目してみてください。


④ 保護者への関わり方

先輩はどのタイミングで保護者に声をかけているでしょうか。

説明の前に、安心をつくる一言があるか。

不安そうなとき、すぐ説明するのか、
それとも一度受け止めるのか。

言葉だけでなく、表情や間も含めて観察してみてください。


⑤ 手技の「前後」の動き

手技そのものも大事ですが、本当に差が出るのはその前後です。

どんな順番で準備しているか。

どのタイミングで声をかけるか。

終わったあとに何を確認しているか。


手技を「点」ではなく「流れ」で捉えると、ただの沐浴がケアとしての沐浴に見えてきます。


ーーー

このようにポイントを絞って、
1つずつの行動の意味を考えながら見ていると、

次第に「これはなぜだろう」と思う場面が必ず出てきます。


4. 今日の「?」を次につなげる


その「なぜ」を、1つだけ手帳にメモしてみてください。

答えはなくていい。

解決しなくていい。

ただ、「?」を1つ残しておく。

もし聞けそうなタイミングがあれば、
処置が一段落して先輩が少し落ち着いた瞬間に、こう聞いてみてください。


「さっき〇〇されていたのは、△△という理由からですか?」


答えを教えてもらうというより、
自分の理解を確認する聞き方です。

そうすると先輩も根拠をもとに答えてくれると思います。

その日に聞けなかったとしても、
その「?」は翌日の見るポイントになります。

これで「受け身の見学」がより「考える学び」に変わっていきます。


5. 今日の病棟には、空気がある


1つのポイントに絞って見ていくことに慣れてきたら、
もう少しだけ視野を広げてみましょう。

病棟全体にも目を向けてみてください。

病棟は、毎日同じ顔をしていません。

入院が多い日
オペが重なる日
検査が集中している日


忙しいことが明らかな日は、
朝から病棟全体がピリッとしています。

先輩の足が速い。
声のトーンが少し違う。
ナースステーションの空気が張り詰めている。

「この子のオペ出しをして、その後時間があくから点滴を作って…」

先輩の頭の中では、自分の受け持ちだけでなく、
病棟全体の流れが同時に動いています。


受け持ちを持ち始めると、
自分の患者さんのことで頭がいっぱいになります。

病棟全体を俯瞰して見る余裕は、なかなか持てません。


だからこそ今のうちに、
「今日の病棟はどんな空気か」
を感じてみてください。


おわりに


新人さんを指導していると、よく感じることがあります。

一生懸命メモをとって、全部を受け取ろうとする。

その姿勢はとても大切です。

ただ振り返りになると、
先輩の言ったことをそのままなぞるだけで、
自分の言葉になっていないことが多い。

最初はそれでもいいんです。
それも一つの学びの過程の形です。


でも1つだけでいいから、少し踏み込んでみてほしい。

すると、自分の言葉で話せるようになり、
その積み重ねが、受け持ちが始まったときの判断につながっていきます。


この記事が、
シャドーイングをただの見学ではなく、
あなたの看護師のスタートとして、
意味のある時間にすることに、
少しでもお役に立てたら幸いです。

次回は、受け持ちが始まる前に押さえておきたい、
情報収集の仕方を整理します。

ーーー

木曜日は番外編として、
小児病棟で本当に使えるナースグッズをご紹介します。
よかったらそちらものぞいてみてください。


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