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ママもずっとゲームは楽しくないんだ


夜の静けさの中で、
小さな背中がどこか小さく見えた。

​今夜の息子は、いつもより少し元気がない。

リビングのソファで、
なんとなくしょんぼりとした気配をまとっている。

言葉にはしないけれど、心のどこかが少し
繊細になっているような、そんな夜だった。

​「もしかして……寂しかった?」

​ここ最近、私がスマートフォンを片手に、
noteを書く時間が増えていた。

その画面を見つめる私の横顔を、
彼はどんな気持ちで見ていたのだろう。

​問いかけると、息子は小さく、
こくりとうなずいた。

​私はそっと息を吸って、
自分の本音を言葉にすることにした。

子ども扱いするのではなく、一人の人間として。

​「ママね、あなたと一緒にいる時間は本当に大好きなんだよ。でもね、あなたがやっているゲームや動画が、同じように大好きなわけじゃないんだ」

​息子は少し意外そうな顔をして、じっと私を見た。

​「この前、ママと一緒に歴史博物館に行ったでしょ? ママはすっごく楽しかった。でも、あなたは興味がなくて、ブーブー文句を言ってたじゃない? あのとき、退屈でしんどかったよね。……ママもね、同じなんだよ」

​ゲームの画面をずっと見ていること。
ただ時間が流れていくのを感じること。
それが、私にとっては
少ししんどい時間になることもある。

「あなたのアニメやゲーム、YouTubeに一日中ずっと付き合っていると、ママもさすがに疲れちゃうんだよね。

文句を言いながら付き合うくらいなら、自分の好きなことをしたいなと思って、それでnoteを書いていたの。

あなたのことが嫌いだからじゃないんだよ」

息子は黙って聞いていた。

親子だからといって、
好きなものまで同じとは限らない。

私が歴史博物館で目を輝かせている横で、
息子は退屈そうにしていた。

息子がゲームに夢中になっている横で、
私は文章を書いている。

たぶん、それでいいのだと思う。

「お互い別々の人間だからさ」

そう言うと、
息子は少し考えていた。

それから、すとんと腑に落ちたような顔で言った。

「あ、そっか。わかったよ」

そして布団にもぐりながら続けた。

「じゃあ明日は、二人で楽しめることをやろうね」「うん」

そう約束すると、息子の表情に
少しだけいつもの柔らかさが戻った。

明日は何をしよう。

電気を消した部屋で、そんなことを考えていた。


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行き渋りシリーズ第一話
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