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母の日に贈られた那須塩原・日帰り旅〜

5月のある日、娘が「どこかにビューーン!」の旅をプレゼントしてくれると言いました。
「母の日に行こう!」と。

行き先は、ランダムに表示される4つの候補地から選ばれる仕組み。

ただ、実際は「一番近い場所が選ばれる」ことが多く、今回も例に漏れず那須塩原行き。予想は的中しました。

那須塩原ならではの、乳製品と温泉を楽しむ旅の始まりです。

🍞 パン屋で、宇宙を感じる朝ごはん
パン・アキモト 石窯パン工房「きらむぎ」

那須塩原駅から15分ほど歩いた場所に、
美味しい缶詰パンで有名な「パン・アキモト」のベーカリー「パン・アキモト 石窯パン工房 きらむぎ」があります。

外には「NASUからNASAへ」の看板。
この店の缶詰パンは、宇宙食として本当にNASAに採用されているそうです。
でも私が惹かれたのは、

この片田舎で、楽しそうに働くスタッフの姿や、

店の片隅に並んだ地元作家さんのアクセサリー、

地域に寄り添ったイベントのチラシにこめられた地元の“日々の営み”でした。

ただのパン屋さん。

だけど、地道に、真摯に、パンを追求していったら、やがて宇宙まて飛んで行ったということ。

好きなパンを選び、那須の牛乳と共にイートインで味わう中で、なんとなくどこかに迷い込んだような不思議な感覚になったのでした。

頭の中で小さな宇宙旅行をした感じ…。

地元で人気のパン屋さん。味は美味しくて、コスパも最高!種類も多く、全部食べたいから、地元民でなくても通いたい、そんなパン屋さんで、幸せな時間を過ごしました。

🐄 新しくなった千本松牧場で、スローな時間を味わう

この牛、食べるより撮る派です。


次に訪れたのは、2024年秋にリニューアルされた「千本松牧場」。

子どもたちは15センチほどの浅い温泉の池で遊び、
大人は開放感あふれるレストランでジンギスカンを楽しむ

――そんな穏やかな風景が広がっていました。

入り口には、こんなかわいいポストが🩷


私たちも、牧場の牛肉ではないかもしれませんが、鉄板で焼く那須牛を堪能。自分で焼くスタイルも牧場らしくて心地よく、「ただ時間を過ごす」ことの価値を、静かに感じました。

用意された食材を自分で焼く。観光地の人手不足を補いつつも牧場らしさを楽しめる。
千本松牧場だけで食べられる?バッカ・ドルテ。
乳製品の那須!と思ったソフトクリームの美味しさ。
感動レベル!
地元の人も多く訪れる憩いの牧場へ


『大草原の小さな家』を思い出す。

♨️ 旅のハイライト、「炭の湯」へ。
日本で唯一の黒い温泉の源泉を持つ「大出館」

この旅の目的は、温泉。あえて有名な鹿の湯ではなく、那須塩原温泉郷の公式サイトで見つけた「大出館(大出温泉)」へ。

https://www.siobara.or.jp

炭の湯、大出館で感じた“本物”のお湯と静けさ

大出館は、多種の源泉を持つ温泉宿。ここには、日本で唯一という“炭の湯”があります。墨のように黒い湯、混浴(女性専用時間あり)というスタイルに少し緊張ししながらも好奇心で行ってみました。

外観は昭和の香りを残し、中に入れば古びた木造建築。
でも、それがかえって懐かしく、妙に落ち着く。

お風呂で出会った方からの話。

スタッフの方々は、決して過剰な接客はせず、
かといってぶっきらぼうでもない、淡々とした距離感が絶妙。料理も美味しく、そして、温泉で炊いたお粥が絶品。
ここ10年通っているけど、
源泉の力に甘んじるわけでもなく、
「お湯がいいのは当然」という前提の上で、お客が求めている “お湯” と “食事”にきちんと応える。部屋からの景色は素晴らしく、おすすめ。

ベタベタした接客や過剰なサービスをしないというスタイル。
その潔さに、私は深く感動しました。

今はSNSの声に神経質になり、
「過剰なサービス」や「高品質アピール」が蔓延する時代。
でも、大出館はそこに迎合することなく、
昔からのやり方で、変わらず愛されている。
その姿勢に、私は「こういう場所が日本にはまだある」と嬉しくなったのです。

お湯について。

ここは複数の源泉を持っているため、お風呂毎にお湯が異なるのですが、女性風呂の源泉は素晴らしい。これは、私にとって有馬を超えました。

お湯が柔らかくとろりとした感触。そして、どこか緑ががったような美しい色。とろけるお湯に浸り、肌が優しく磨かれていく感じ。体の芯から満たされていくような、忘れられない感覚。

炭の湯は、女性専用時間に入ってみました。

皆様この時間を目指しているようで、10人ほどの女性と炭の湯を満喫しました。

炭の色をした湯は、細かい黒い粒子によって彩られたもの。

炭の湯が一番ぬるめの温度でした。

常連さんのお話ですと、大出館は源泉そのままなので、お湯の温度も日によって変わるそうです。

温泉は自然が育んだものだと実感。

有名温泉地でなくても、
日本には、静かに素晴らしい湯がある。

日本の自然の恵みに、あらためて敬意を抱かせてくれる宿のお風呂でした。

湯感触のいいお湯と女性専用の露天風呂からの新緑と渓流。心が整うしかない。

また訪れたいお風呂と泊まりたいと思えるお宿でした。

🍓 湯上がりに、地元スイーツ「とてやき」
果物店が営むカフェ「藤屋」で過ごす、ゆるやかなひととき

塩原温泉の名物「とてやき」。聞き慣れない名前ですが、かつて走っていた「トテ馬車」のラッパ型クラクションに由来する、地元ならではのスイーツです。
老舗果物店が営むカフェ「藤屋」は、地元の方々に愛される憩いの場。店主が丁寧に手作りする様子が見えるカウンター。そして、店主からは、常連さんや観光客の笑顔が自然と眺められる。
雰囲気を説明すると、まるで香川のうどん屋さんのような、肩肘張らずにみんなが過ごせる温もりがこの場所にはあります。

私が選んだのはフルーツサンド。
フルーツとクリームの相性を熟知する店主が、本日のおすすめを教えてくれました。メロン入りには豆乳クリームがよく合うと、自然な対等さで勧めてくれるその姿勢に、プロとしての誇りとお客さんへの優しさがにじみ出ていました。

ここには、どんな人も居心地よく染まっていく独特の空気感があります。
旅の疲れを癒し、心と体を整えるひとときにふさわしい、そんな場所でした。

娘はとて焼きをオーダー。茶屋 藤屋のフルーツとて焼き。
お店ごとに個性的なとて焼きがある。
ピザとてや寿司とてなどおかず系のとて焼きもあるので、
いろいろなとて焼きを楽しみたい。
私が選んだのは、フルーツサンド。
豆乳クリームがヘルシーかつ素朴で
メロンととても合いました。

♨️ ふたたび温泉へ。美肌磨き旅の締めくくりは、再び千本松牧場にある千本松温泉

千本松温泉はモール温泉です。少しオイルのような香りを含んだ植物由来のアルカリ泉で、肌をつるりと包んでくれるような感覚。

pHは、9.0。モール成分も含み、保湿効果が高い温泉です。

色はコーヒーのよう。口コミでは「牛さんの匂いが漂う」なんて書かれていますが、大丈夫、臭いませんでした。

外の涼しさと湯の熱さ。そのコントラストが心地よい。

踵がツルツルになった幸せな美肌の湯。

🍴 駅前で味わう、旅の余韻。手打ちそば「平成」でほっとひと息

レンタカーを返却し、帰りの新幹線を待つ間、駅前の手打ちそば屋「平成」を訪れました。

山菜の天ぷらが添えられたそばは、瑞々しさとコシがうまく調和した感動ものの手打ちそばでした。

麺の太さも不揃いな感じがとても好みです。

人の作業を感じます。

カウンター越しに複数いるお店の方を見ながら、誰がそばを打ったのだろうと想像する。

職人気質というより、家族のような関わりで働く人々の姿が見える。

後30分で閉店時間、「お疲れ様」と言ってクローズを待たずに帰る女性スタッフ。子供が待つ家に急ぐのかなと想像してしまう。

蕎麦つゆも優しい味わいで、冷たいお蕎麦を啜ると心まで爽やかに冷却して行く。

店内は、地元の老夫婦、観光客や学生など、さまざまな客層がそれぞれの時間を過ごしている。

その空気感が一日の終わりの幸福感をより豊かに感じさせてくれました。

日常の忙しさから離れ、こうした小さな余白に身を置く。

何かを見て、触れて、感じるだけの時間。

何も生み出さないけれど、でも、明日に繋がる活力が確かに生まれている。

心がゆっくり整っていくのを感じます。

手打ちの蕎麦。
瑞々しさと適度な弾力があり、心から美味しい。
私は春の山菜天ぷら付きのお蕎麦を注文。
春の名残を楽しむ。

🚉 寒かった駅待合室でのひととき
新幹線の時間まで、駅の待合室でひと休み。

夜、那須塩原駅付近では、車なしで、時間を潰せるところはなく、駅の待合室に座り、大河ドラマをスマホで観ることに。

JR那須塩原駅2階の待合室の中にあるNasu cafe。寒いのに、夜8時閉店ギリギリで”森林ノ牧場”のソフトクリームを購入。

だって、この旅は、乳製品と温泉がテーマ。

そして、那須の乳製品は本当に美味しいから。

那須の実力を感じたソフトクリーム


JRの待合室の寒さに耐えかね、新幹線内の待合室へ移動。

でも、やはり変わらず寒い。

娘がマッサージチェアに腰かけて、ほぐされている横で、私は人目を忍び、ヨガのポーズを取り、体を温めていました。

実は、ホームの待合室が暖房が効いていてあたたかかった…という小さなオチとともに、新幹線に乗り込み、旅の終わりを迎えました。

どこかへビューーン!の口コミでは、コスパ上ハズレとも言われる那須塩原。

旅にハズレはない。

そんな「どこかへビューーン!」の旅でした。

最後まで、お読みいただき、有難うございました。

余白を旅するシリーズの次回は、「母と娘、銀座で一泊。マリオットで過ごすちょっと贅沢な日曜日の午後」です。

火曜日は、リアルな子育ての体験をシリーズ「うちの子は言うことを聞きませんでした。」として。

金曜日は、大人になった子どもと過ごす心を整える旅のこと(シリーズ「余白のある旅〜日常で疲れた心を整える〜」)

不定期で、子育てをひと段落した私のこれからのことを綴ります。(シリーズ「"私"という自由〜50代からの人生デザイン〜」)

心が疲れたときやほっとしたいとき、「ここが私の居場所だ」と思っていただけるささやかで心地のよい場所でありたいと思っています。
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「また来よう」と思っていただけたら、本当に嬉しいです。

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