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人材紹介会社のITエンジニア紹介フィー相場が40%以上になったようです

2022/2/16にGeeklyさんが発表した資料によると、ITエンジニアの紹介フィーは40%が下限になってきたようです。 

私自身、人材紹介会社で技術顧問として社内教育をしていましたし、今でも親交の深い方々も多く思い入れのある業種です。しかしそれを差し引いても尚、長期どころか中期的に見てこの高騰はチャンスではなくピンチではないかと捉えています。

ITエンジニア紹介フィー相場の推移

私がエンジニア採用に関わり始めた2012年のITエンジニア紹介フィーの相場は想定年収の25%程度でした。

フィーアップは10年前からある手法であり、珍しくはありません。ソーシャルゲームブームのときも想定年収の50%や100%を出す企業があり、LAMPエンジニアの奪い合いがありました。2021年には外資ITコンサルが同様の施策を打っていたのも記憶に新しいところです。

こうしたフィーアップは各企業からすると短期的な効果が得やすいという傾向があります。数年前にフィーアップ50%キャンペーンを半年ほど実施しましたがあまり効果はありませんでした。1-2ヶ月限定でフィーアップする方が営業担当の士気が上がるため効果が高い傾向にあります。

しかし期間限定のフィーアップキャンペーン手法がメジャーになってきた結果、全体の相場がじわじわと上がる傾向があるというのもまた事実です。2020年初頭にはITエンジニア紹介フィーは35%が一般的になり、新規契約企業からは40%という動きが出始め、現在の一般化に至ります。

紹介フィーというものはあくまでも想定年収にかかるパーセンテージであるため、昨今のITエンジニアの給与高騰も踏まえると採用コストの跳ね上がりには眼を見張るものがあります。2019年頃であれば経験数年メンバークラス、希望年収500万円の紹介フィー35%で180万円でした。2022年現在は同等の人材を想定すると希望年収は600万円程度、紹介フィー50%で300万円です。コスト回収を考えると厳しい企業は出てきています。

短期離職時の紹介フィー払い戻しも6ヶ月から3ヶ月になっている

よくある契約形態として、入社後の短期離職についての払い戻し特約があります。紹介会社によって異なりますが例えば1ヶ月以内で100%、3ヶ月以内で50%、6ヶ月以内で80%などです。

払い戻し特約なのですが6ヶ月のパターンがなくなり、3ヶ月で契約するパターンが増えてきています。人材の流動化を反映しての備えにも見えますが、なかなか厳しい現実です。

人材紹介企業が注意すべきは揺り戻し

今現在人材紹介会社を取り巻いている状況としては、紹介フィーを40%〜100%以上払える企業と取引できているだけです。これは状況としては先に紹介した2010年代前半のソーシャルゲームバブルに伴うLAMP人材の奪い合いに似ています。

現在の採用バブルは対象者がLAMPエンジニアから経験者エンジニア全般へとスコープが拡がったという違いはあるため、永続的に需要があるように見えるかも知れません。

しかし今一度ソーシャルゲームバブルが終了した際に何が起きたかは振り返っておきましょう。当時、それまで塩対応をしていた企業からそっぽを向かれる人材紹介会社が多く見られました。ソーシャルゲームバブルが一段落した2016年頃にはダイレクトリクルーティングが広がったことで、ITエンジニア界隈にも「人材紹介会社を利用するのは未経験、転職初心者、転職が難しいミドルのみ」という風潮がありました。「ITエンジニアたるもの、スカウトの一つもないと恥ずかしい」と豪語するエンジニアも居ました。

現在は採用チャネルとしてリファラル採用の比重が増え、スカウト媒体も数が増えました。フットワークの軽い小規模人材紹介会社の活躍も目立つようになりました。また、オフショアを検討・開始するベンチャー企業や、M&AによるITエンジニアリソースの組織買収もメジャーになりつつあります。こうしたその他採用チャネルの台頭により大手人材紹介会社の足元が怪しくなるシナリオは十分に考えられます。

尤も、私の理解している範囲では人材紹介会社の人たちもまた流動的なため、5-10年前のことを教訓として理解しているプレイヤーがどの程度各社に残って居るのかは怪しいのではないかとも推測しています。このこともあり、ソシャゲバブル終了時にあった揺り戻しはほぼ確実に起きるのではないでしょうか。

介在価値・顧客満足度に拘っていただきたい

ITエンジニアが希少だから値段が高いです、というのが業界に漂っている雰囲気です。市場の原理からすると正しい一方で、流れている商材はヒトだということを忘れてはなりません。ヒトをヒトに紹介するマッチングが人材紹介です。

ある大手人材紹介企業では候補者には「とりあえず70社応募しましょう」とする一方で、推薦はあるものの散弾銃のように全くスキルセットが合わない人を投げつけてくるので企業の採用担当がストレスに感じていたりします。全く赤入れされていない職務経歴書や、「元気に話される方です」のような気のない推薦書にも介在価値の疑わしさを感じます。

それより大きな問題として、別の大手人材紹介会社では契約はしたものの全く担当者に連絡がつかなくなったという話を複数企業で耳にしています。2年前は気持ちよくお取引させていただいていたので繋がりのある他社さんにも紹介したのですが、いずれも数ヶ月連絡がつかないとのことです。私も困っています。

無尽蔵に採用フィーが使える採用強者の数社と違い、社運を掛けて採用フィーを捻出しているのがその他大多数の企業です。もちろんビジネスなので売上が期待できない企業に紹介するのは経営判断として無いのでしょうが、それならせめて高い紹介フィーでも少しは納得が行くような対応を切に願います。

今は上客で忙しいと思うのですが、周囲の採用チャンネルの台頭は意識して顧客との関係性を温めておかないとバブル崩壊の煽りは大きいのではないかと予測します。

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