厳選採用・現実的な給与提示傾向における新卒のガクチカ・中途の自己PR
先立って自称コンサル内定者の方が「ガクチカで嘘をつく、Webテストで不正するみたいなのは、社会全体で見たら悪いことなのかもしれないけど、個人として”就活”というゲームで勝つためには、それが最適解なこともあるよね」という投稿をして炎上していました。

一般的に選考の過程で虚偽の情報があると内定取り消しにあいますし、入社後に判明すれば解雇されます。
IT怪談を集めていると虚偽の申請によるトラブルも多く集まります。
経験があると本人が主張していた業務をしていなかった
未経験なのに経験3年との申告
自身ではなく社内の別の人の功績
当該組織に正社員であったかのように記載していたが、正社員ではなく業務委託や派遣契約
こういうのはザラにあります。より極まってくると下記のようなものが見られます。
当該組織に在籍実績がない
名前が本名ではない
最後のはマイナンバーによってある程度解決が期待されていますが、ツッコミどころが多すぎてよくわからない事案でした。
例え嘘を墓場まで持って行ったとしても、選考時に期待される能力と、実際の経験が異なっているとキャッチアップできるものでもありません。いずれバレると思って良いでしょう。こういう話があるとリファレンスチェックは避けられませんね。
この投稿は消えましたが、投稿主の方は匿名なので本当の内定者かどうか、就活生なのかは分かりませんが3,980円のフェルミ推定攻略解説を書くなど、コンサルブームに則って商売をされている方と見えます。例え本当に内定を得ていたとしてもn=1の体験に過ぎないのですが、需要はあるようです。実際にこうしたコンテンツを買った方のお話もお聞きすることがありますが「ここで課金をすることで優位に振る舞えるかもしれない」と口にされる方は散見され、それなりに売り上がるのだと思います。
何にせよ、誰にせよコンテンツ販売者が「就活というゲームで勝てば何でも良い」というケースや、虚偽の実績をもとにテキスト販売をしているというのは看過できない状態です。
ガクチカ、自己PRの重要性
本題に入る前に新卒におけるガクチカ、中途における自己PRについての位置づけを整理しておきたいと思います。
新卒のガクチカ
就活生の皆さんの前で就活に関する話をすると、学部生、修士生、博士問わずガクチカのまとめ方を質問されます。
一部企業ではガクチカをヒアリングしない風潮も出ています。背景としてはコロナ禍で学校がオンラインになったことにより、かつてガクチカで王道であった下記の3つが大幅に制限されたことが挙げられます。
留学
ボランティア
アルバイト
ではこのままガクチカを問わなくなるかと言うとそうではないと考えています。一つはコロナ五類移行に伴う上記3点の復権です。もう一つはこの半年間での景気の急下降です。スタートアップ、自社サービス、コンサルの多くの業種が大量採用から厳選採用にシフトしています。下記は2024年版の業界地図ですが、就活の手始めに知らない業界やプレイヤーを大筋で把握するために購読をお勧めしている一冊です。見ていると自社サービスで目立っていた企業の売上や利益がマイナス傾向にあります。
不景気になると日系大企業などの人気が親の後押しもあり、上がる傾向にあります。先に上げたガクチカを見ていない企業として例示されていたのは日立ですが、ここ数年のコンサルブームを踏まえて優秀な人材を獲得するための緩和施策の一貫ではないかと推測しています。コンサルの採用も厳選採用にシフトしていることから、再度日立などが復権する可能性を予測しています。そう考えると、売り手市場から買い手市場にやや比重が寄れる企業があることから「ガクチカを聴くのはオワコン」とは言えず、再度重要視されるのではないかと考えています。
中途の自己PR
2015年から2022年にかけてのエンジニアバブル下では頭数を揃える採用が優先されていたため、スキルレベルのハードルは低く設定されていました。また、年収についても1.25倍以上に跳ね上がるチャンスがありました。一部では1.5倍、2倍の提示も見られました。
書類選考なども採用目標人数達成が第一のために甘かったことから、スカウト媒体などではプロフィールが多少薄くても声はかかっていました。また、職務経歴書を求めないような企業も存在していました。
しかし2022年11月以降は採用ハードルも上がり、スキルレベルもカルチャーマッチも慎重にジャッジされる傾向にあります。加えてフルリモートワークを希望したり、地方在住だったりすると条件の良い求人も減るため、現職比較で0.8倍という年収ダウン提示をされているケースも見られます。昨年までの相場で見られた年収の下駄がなくなったような形だと捉えています。
未経験についても自社サービスの受け入れは少なく、SESについても採用を渋る傾向が出ています。一説によると1求人に対して応募者は30倍とも言われています。
経験者についてはカルチャーマッチなど従来は重要視されていなかった点も見られるため内定は集まりにくいですが、全く決まらないわけではありません。特にITエンジニアの場合、専門性の高さに全振りをしているような方を多く見かけます。業務委託であれば人当たりさえクリアできれば大筋で問題がありませんが、正社員の場合はスキルレベル(それに伴う年収や年齢)が上がれば上がるほどリーダーシップやマネジメント経験、顧客折衝経験が上がる傾向が見られます。提示年収に関しては良くて微増です。
相場としては年収理由で動くと損をするリスクが高いですが、会社が危ういであるとか、レイオフの告知を受けたなどやむを得ない事情で転職をしなければならない場合もあるでしょう。自分自身の確からしさを証明するためにもしっかりと自己PRを書きつつ、現年収据え置きが狙えれば御の字だと思いながら動くことをお勧めしています。
面接で意識される観点に則ってガクチカ・自己PRを整理をする
面接慣れしていなかったり、面接官研修が未実施の企業であれば「面接官が自身が受けた面接を再現する」傾向にあります。圧迫面接しか知らない面接官は圧迫面接をします。
そうでない企業の場合、自社で求める人物像が定義され、それを噛み砕いた質問がなされます。更に体系だった企業であれば、評価制度を念頭においた質問がなされます。
一つの面接質問の事例としてアメリカ退役軍人向け面接対策質問表であるPBI Performance Based Interviewingがあります。
ガクチカや自己PRを組み立てる上で、下記のnoteを参照していただければと思います。自身の強みを整理し、気持ちよく働ける会社選びができることを切に願います。どうしても強みが見つからない場合、今から行動に移しましょう。
自身のキャリアを棚卸しする際、青田さんの下記の書籍もお勧めです。
就活・転職活動はは内定を集めるカードゲームではない
日系大手企業などであれば新卒で入社した方が有利になれたり、中途採用をほぼしていないところもあります。しかし現在人気のコンサルティングファームなどであれば、確かに新卒や第二新卒であれば育成対象として扱われるという利点はあるものの、そもそも転職者が多いので後から入社できます。
誰が入社しても理想的な企業はありません。内定を集めてカードゲームのように手札を見てその知名度っぷりにニヤニヤするのは楽しいかもしれませんし、自尊心も満たされるかも知れませんが、2割ほどの人が企業規模を問わず短期離職する現実を踏まえると、自身が気持ちよく働けるキャリアや、転職をするにしても何かしらの職務歴歴書にかける実績を残せるかどうかの観点で企業を選ぶことをお勧めします。1社しか内定が出なくても、これらの条件に当てはまるのであれば何ら問題はないでしょう。
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