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オンラインとオフライン、チームの「無意識」がこんなに違うとは思わなかった話

私が今スクラムマスターをしているチームは、日本人メンバーとベトナム人メンバーで構成されている。発足からずっとオンラインで開発を進めてきたのだけれど、数ヶ月経っても会話にどこか壁を感じていた。

言葉の壁もあるとは思う。でも、それだけでは説明がつかない何かがある気がしていた。

そこで思い切って、ベトナムのメンバーに日本に来てもらい、2週間だけオフラインで一緒に働く機会を作ってみた。この2週間では、実際にプロダクトを使ってくれているクライアントのもとにも訪問した。日本とベトナムでは状況が全然違うこと、そして自分たちが作ったものが実際に使われている様子を、自分の目で見てもらいたかったからだ。せっかくなので、この期間中のレトロで「オンラインとオフラインの違い」をテーマに振り返りをしてみることにした。

「良さ」を出し合ったら、無意識の話にたどり着いた

レトロではまず、オンライン・オフラインそれぞれの良さを出し合った。

オンライン側からは「通勤がなくて良い」「自宅のいい環境(モニターやいい椅子)で作業できる」という声。オフライン側からは「わからないことがあったときに聞きやすい」「今何をしようとしているのかがわかる」という声が出た。

ここまでは、まあ想像の範囲内だった。面白くなったのはこのあとだ。「オフラインだとできるのに、どうしてオンラインだとできなくなってしまうんだろうね」と掘り下げていったとき、誰かがぽろっとこう言った。

オンラインだと、無意識のうちに「それぞれで作業しよう」という気持ちになってしまう。でもオフラインだと、無意識のうちに「一緒に作業しよう」という気持ちになれる。

これを聞いたとき、なるほどと思った。誰かがサボっているとか、コミュニケーションを避けているとか、そういう意図的な話では全くない。意識してすらいないところで、モードそのものが変わっているという指摘だった。

実際、行動にもはっきり違いが出ていた。オフラインだと、誰かが自然にペアプロを誘うようになる。何かに行き詰まったら、わざわざチャットツールで声をかけるのではなく、そのまま隣の席に聞きに行く。オンラインのときはなかなか出てこなかった動きが、オフラインだとごく自然に起きていた。

同じメンバー、同じチーム、同じタスク。違うのは物理的に同じ場所にいるかどうかだけなのに、これほど行動が変わるのかと驚いた。

オンライン=それぞれで作業、オフライン=一緒に作業

オンラインに戻ってからも、何かが変わっていた

面白かったのは、オフライン期間が終わってオンラインに戻ったあとの話だ。

以前と同じオンライン環境のはずなのに、「一緒に作業しよう」という行動を意識的に取るメンバーが増えた。モブプロやペアプロの頻度も、体感として明らかに上がった。

一度オフラインで「一緒に作業する気持ち」を実際に体験したことで、オンラインに戻ってからもそのモードを自分たちで意識的に呼び戻せるようになったんじゃないかと思う。オンラインが悪いわけではなく、オンラインだと放っておくと「それぞれで作業する」方向に無意識に流れてしまう、その慣性に気づけたのが大きかったのかもしれない。

もう一つ思い当たる要因がある。オフライン期間中にドラッカーエクササイズもやったのだけれど、そこでメンバー全員が「自分はコミュニケーションを取ること自体が好きだ」とお互いに確認できた。この気づきが、チームの土台としてじわっと効いていた気もしている。

オンライン前提のチームにも、一度は体験してほしい

この経験から思ったのは、最初からオンライン前提で始まったチームであっても、一度オフラインで働く機会をつくって「オンラインとオフラインの違い」を実際に体験してもらうことに、それなりの価値があるんじゃないかということだ。

言葉で「もっと一緒に作業しましょう」と伝えるのと、実際に隣に座って一緒に作業する感覚を体で覚えるのとでは、たぶん効き方が全然違う。オンラインのままでは気づけない「無意識の壁」があるということ自体、体験してみないと分からなかった。

今のチームがずっとオフライン中心になれるわけではないけれど、定期的にこういう機会を作ることは、チーム力を高める上で意外と効くカードなんじゃないかと感じている。

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