小説『楽園の烏』 八咫烏シリーズ 巻七 (第二部第一巻)第五章 慈悲 登場人物・ストーリー <ねたばれ>
『楽園の烏』 八咫烏シリーズ 巻七 (第二部第一巻)第五章 慈悲
<あらすじ>
180万部異世界ファンタジー、第二部開始!
<シリーズ累計180万部突破>
「八咫烏シリーズ」新章スタート!
新宿の片隅でたばこ屋を営む青年・安原はじめ。7年前に失踪した父から「山」を相続した途端、「山を売ってほしい」という依頼が次々と舞い込み始める。そこへ現れたのは、“幽霊”を名乗る美しい女。山の秘密を知るという美女に導かれ、はじめはその山の“中”へと案内される。
その場所こそは、山内と呼ばれる異界。人の形に変じることのできる八咫烏の一族が統治する世界だった――
猿との大戦(『弥栄の烏』)より20年の時を経て、物語は現代の風景から始まる。
舞台は次第に「山内」へと移り、動乱の時代を生き抜いた八咫烏たちの今、
そして新たなる世代の台頭が描かれる。
第1部以上のスケールで展開される、傑作異世界ファンタジー。
<目次>
第一章 逃避行
第二章 異界
第三章 貴族
第四章 地下街
第五章 慈悲
終章 置き土産
『楽園の烏』 八咫烏シリーズ 巻七 (第二部第一巻)第五章 慈悲


<ストーリー>
やっとぼんくらな頼斗にも、はじめに同行して花街や明鏡院長束・女工場の女達が言っていた意味が理解できた。
はじめの問いに答えながら、頼斗の背後にいる悪魔・博陸候に対して無難な回答を選んで答えているのだ。
女工場に視察後、南領との領境に設けられた関所に宿を取った。
食事と湯浴みを終えて部屋に戻ると、大宅座の舞台で踊り始めたところであった。
宿は貸し切りで、神官や客を装った山内衆が別室で待機している。
はじめは、山内は楽園かと聞かれ、俺の目は節穴じゃないと答える。
女工場も護衛も名目で見張りがつき、自由はない。 そして誰もが全く不平不満を漏らさない。
頼斗は現実から目をそらし、中央花街街のやつらは不平がないように装わざるを得ない。と指摘した。
小さな不満一つ言えないほど、健全ではない。 自由はまったくない、逃げることは出来ない。
東領の近くの村が猿に襲われたとの情報が入り、はじめ達はすぐにそこに向かった。
村民は山内衆がとっくに中央へ護送した。と兵の詰め所で聞いた。
後追いは、山内種の迦亮に止められ、しぶしぶ諦めた。
トビの仲間たちは、さほど悪いことをした訳でもないのに足を斬られ、馬となってこき使われている。
地下街の連中をご丁寧に3分割して管理するのは、それぞれを人質とするためだ。
子供と女と男。 どこかが下手を打てば、どこかが割を食う。
男が反乱を起こせば、女は盾にされる。 女が反抗すれば罪として子何処達の食事供給が減らされる。
子供たちは地下街で子供を育て、人質を抑え、馬を育てる場所である。
これ以上大きくなったら手に負えなくなると判断した物から順に連れていかれ、足を縛り馬にされる。
何も罪もないものを馬にして、奴隷のようにこき使う。
そして、人質を使い逃げられないようにがんじがらめにする。
本当の悪魔は雪斎その人。 合理的に事を進めるが、真の悪党である。
猿に殺された村人の傷は、見事な刀傷であった。 大戦の際の猿が暴れた傷とはまったく違う。
頼斗はやっと悪党の真の正体を理解した。
ただ、そうと分かっても善良な側につくか、もしくは悪の加担をするかは現時点でも将来的にも未知数だ。
大体悪魔の真相がわかったところで、はじめ・千早・トビ・頼斗4人は地下街に戻った。
上手い事、トビがはじめだけを階下に連れていった。
首元にアイスピックを突き付けられて、階下に誘導し、仲間たちがまっていた。
襲ってきた連中と通じていたのはトビだった。
トビはなぜか外界語(人間)が理解できているようだ。
<登場人物>
・千早
金烏が襲われた際の山内衆の責任者。 責任を取って自ら山内衆を辞める。
善良な烏。
・長束
明鏡院・院主。 真の金烏の兄上であり、奈月彦の味方でもあり良き理解者であった。
奈月彦が幼いころ、外界に游学で命の危険から救ったのも長束であった。
善良な鳥で、悪魔たちと敵対。
味方の翠寛に紫苑の宮を託し、裏ぎった悪魔・雪斎から浜木綿と紫苑の宮を殺されかけたところを逃がした。
浜木綿・大天狗・真穂の薄・千早・澄尾の善良な者たちと共に、悪魔と対峙する。
