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英語長文の下書き生成術:「なるべく使える下書き」をめざして

ア~ブラ~カダ~ブラ~。いい感じの英文を書いておくれっ!

魔法のようにChatGPTで瞬時に「使える英文」を生成できたらいいのに。
でも、そんなことができたら、私のような英語教材の執筆者は即座にクビになってしまうでしょう。

この記事では、「なるべく使える下書き」をChatGPTに生成してもらうことをめざしたプロンプトをご紹介します。
タイプの異なる4つの英語長文について、それぞれプロンプトと生成された英文を掲載しています(1つめまでは無料でご覧いただけます)。

英語教材の執筆者だけでなく、学校や塾で英語を教えている先生がたや英文ライティングを学習されているかたのヒントになればうれしいです。

プロンプトに入れる内容を整理する

英語教材の執筆の仕事では、依頼元からの執筆要領で英文の形式やワード数、語彙レベルや範囲、文法事項の範囲、問題の数や種類などが指定されています。

それらの要件をはじめとする以下の項目を、ChatGPTへのプロンプトに落とし込んでいきます。

●役割

ChatGPTの役割を明示しておきます。
「日本の中学校教員で、中学3年に英語を教えている」などです。

●ワード数

「約400語」や「500~520語」などと提示しておきます。
指定したワード数よりもだいぶ少ない英文が生成されてくることがほとんどですが、あとから調整していきます。

●形式

英文の場合:講義、スピーチ原稿、説明文、エッセイ、プレゼンテーション、物語、ニュース記事、感想、メール、日記など。
なるべく具体的にしたほうがよい。
「日本人女子高校生がホームステイで滞在したオーストラリアのホストファミリーに宛てたEメール」など

対話文や会話の場合:発話者の人数、それぞれの発話者の情報(性別・出身・おおよそ年齢などの設定)、場所など。
「日本の高校で、アメリカからの留学生JohnとクラスメートのRinaが廊下に掲示されたポスターを見ながら話している」など。名前は決めなくても、男性か女性か、英語ネイティブか日本人かなどの情報は与えるようにしています。特に、リスニング問題のスクリプトを執筆するときは含めるとよい情報です。

●語彙のレベル

おすすめ:CEFRや学年などでざっくりとレベルを提示しておいて、難しい単語や表現をあとから直していく。
単語リスト:中学校の教材や模試などでは、その時点までに習っているかどうかを厳密に確認し、「未習」とみなされた単語には注釈をつける必要があることが多いです。
使える単語のリストがあるならば、カンマ区切りのデータをChatGPTにアップロードして、その単語リストに載っている単語だけを使って文章を書くように指示することはできます。ただし、リストに載っていない単語も使われた英文が生成されてしまい、あとから「1語ずつ単語リストを照合して、使ってはいけない単語とその言い換え候補を箇条書きにして」などと指示することになりました。

●文法

使ってもいい文法事項を提示する:中学2年や中学3年では特に、どの会社の教科書を使ってどこまで授業が進んでいるかによって、「受け身」「比較」「現在完了」「関係代名詞」の使用可否が決まってきます。
(このあたりの文法事項を使えると、話題や表現に幅が出てきますよね。)
「受け身」「比較」は使っていいけれど、「現在完了」「関係代名詞」は不可などと伝えておくとよいでしょう。

使ってはダメな文法事項を提示する:中学校レベルの英文を生成したいのに、高校で扱う文法事項を使った英文が生成されがちです。
関係代名詞の非限定用法や関係副詞、分詞構文あたりは注意が必要なので、あらかじめ使ってはダメだと提示しておくのもよいでしょう。

●テーマや内容

この前のステップで決めた題材についての説明を入れます。
ここでは、テーマだけを提示するのではなく、なるべく文章やアウトライン形式で伝えることをおすすめします。
少し手間はかかるかもしれませんが、文章全体の構成やいちばん言いたいことに沿って書いてもらうと、あとでの直しが楽になります。

例えば、「スマホ依存について」だけでなく、次のようにまとめます。
(例1)文章形式
「スマホ依存はティーンだけの問題ではなく、大人たちも1日に何時間も手放せないでいる。視力低下だけでなくさまざまな問題がある。どうすればいいか。」
(例2)アウトライン形式
 導入:スマホ依存はティーンの問題だけでなく、大人たちも1日に何時間もスマホの画面を眺めているから、子どももそれが当たり前だと思っている。
 問題①:身体的なこと(目のトラブル、睡眠不足、手のしびれ、ストレートネックなど)
 問題②:精神的なこと(対面でのコミュニケーションが苦手になりがち、マナー違反)
 解決案:大人も子どももスマホを使う時間を減らす、何時間使ったかを表示させて意識する
 結論:心身の健康を守って、目の前の人たちとの交流を大事にするためにスマホに依存するのではなく賢く利用する

●口調

対話文や会話では、casual and friendlyやnatural、あるいは「あまりこなれた会話表現は使わない」などと指示してもよいでしょう。

●問題をつくるときのことを考えて

使ってほしい文法事項・表現を提示しておく:模試の場合など、英文が仕上がったあとに問題を作成することを想定して、あらかじめ「too ~ to do」を使った文をどこかに入れておくよう指示することもできます。

入れてほしい文を指示しておく:英文の最後の文としてWhat do you think we can do?のような疑問文を入れるように指示を出しておいて、条件英作文の問題につなげることもできます。

●参考文献や出典

「事実」「科学」「統計」などは、信頼のおける文献を使って確認できるようにするように指示しておくとよいでしょう。
(※私はこの記事執筆時点でChatGPT Plusを使っています。)

実例(プロンプトと生成された英文)

それでは、いくつか実際のプロンプト例をご紹介します。

私は英語教材の仕事でChatGPTを使うときは、プロンプトを英語で書くことがほとんどです。
ただし、「関係代名詞の非限定用法って英語でどう言うんだっけ?」のように調べないといけない場合は、そこだけ日本語で済ませてしまうことも。
また、日本語での情報が多そうな話題については日本語でプロンプトを書いたほうがよい回答が得られそうな気がしています。

①中2実力テスト用の英文(こども食堂についてのスピーチ/文法事項制限あり)

You and I are English teachers at a junior high school in Japan.
We are writing a reading passage for a test for 2nd-year students.

Please write a speech by a Japanese high school student, based on the conditions below:
・Length: About 350 words
・Vocabulary: Around CEFR A2 / Eiken Grade 3 level
・Grammar:
   - You may use 受け身 and 比較表現.
   - Do not use 現在完了 or 関係代名詞.
   - Keep the sentence structures simple
・Topic:
こども食堂のボランティアを始めた。子どもだけでなく、普段ひとりで食事をとっていると言う高齢者も多く来る。みんなでおいしい食事をとると笑顔になる。ちがう世代の人たちと交流する場にもなっている。私は、そのような場が地域でもっとあるといいなと思う。
・End the speech with the question: “What do you think?”

こんな英文が生成されました。

ChatGPTが生成した英文

ワード数は不足しているし、習っていない単語や表現、文法事項も含まれています。さっと読んだだけでも気になることがいろいろあります。こども食堂をchildren's cafeteriaにしたほうがいい? 高校生ボランティアも調理を担当して問題ないんだっけ? 段落ごとに言いたいことを整理し直したほうがいいかな? あと、なんか尻すぼみ? うーーーん。

ここからどうするかは自分次第。
・ブラッシュアップしていけば何とかできそう! → 次のステップに進む
・少し違うバージョンが見たい! → 同じプロンプトでもう一度生成する
・内容的にいまいちかも → プロンプトを変更して生成する

あと3つ、同じようにプロンプトと生成された英文をご紹介します。

② 高3進学クラス向けテスト用の英文
 (ベネチアが直面する問題/説明文/アウトライン形式/出典を脚注で)
③ 中3読み物教材向けの対話文
 (日米の小学生の登校の仕方について/口調の指定/話者情報あり)
⓸ 高1入学後のプレースメントテスト用英文
 (恐竜時代の海はイカだらけ/科学ニュース記事/参考資料PDFあり)

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