日本語教育:僕の志 〜万物のWell-beingのために〜
日本語教師としての僕の志
万物のWell-beingのために、
コミュニケーションや言語習得を含んで超える「日本語」の学びを通して、幸せをともに育み、
愛に満ちあふれた世界の実現に
貢献する
この志のベースとなっているのは、対話を通して引き出された僕の根本的な「志」(2021年)です。
そこに、同じく対話によって明確化された二つの価値観を加え、現在の形となりました。
① 愛の伝播の源となり、愛の循環を生み出す
② 自己成長と他者貢献を通して愛に満ちあふれた世界を育む

志の実現への道筋
⭐️ 教師のWell-beingが起点となり、伝播していく
僕の志の達成において最も重要なのは、教師としての自分のWell-beingを育むことです。
なぜなら、社会ネットワーク理論には、幸せは「3次の隔たり」まで伝わるという研究結果があり、一人ひとりのWell-beingが、私たち、社会、そして地球の幸せを紡いでいくからです。
Christakis, N. A., & Fowler, J. H. (2008). Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study.
世界各国各地で活躍している日本語教師が、長い歴史の中で紡がれてきた思いやりと調和の心が深く根ざした日本語を丁寧に使いながら、自分のWell-beingを育むことで、それは自分を越えて伝播していきます。
向き合う学習者へ
同僚へ
組織へ
地域へ
国へ
世界各地から200人が参加している『日本語教育 x Well-being』というコミュニティを運営しているのも、Well-beingへの理解を深め、ともに育んでいくことを目的としています。
長い補足
⭐️ Well-being とは?
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
⭐️ 日本語教育×Well-beingへの転換
語学教育にWell-beingを絡めていくことに、以前は躊躇がありました。
語学学習は「コミュニケーションのため」という暗黙の強い前提があるように感じていたからです。
また、僕の博士論文は、母語以外の言語習得におけるアウトプットをテーマとし、実験を行って統計的に分析する量的研究でした。この研究手法に慣れていたため、漠然とした『幸せ』と、語学教育を結びつけることのイメージができず、これも躊躇の理由でした。
しかし、ウェルビーイング研究やポジティブ心理学の学びを通して、習得やコミュニケーションの奥にあるものは、その言語を学ぶそれぞれの人の「幸せ」につながっているという認識が深まりました。
そして、『日本語教育×Well-being』のパイオニアとしてセルフブランディングを行い、実践と理論構築の探究を始めました。
⭐️ Well-beingへの注目の高まり
たとえば、OECD の Learning Compassでは、すでに2018年の時点で、Well-beingが目標となっていました。

最近では、日本語教育分野でも、Well-beingをテーマとした論文や書籍を見かけるようになりました。

また、日本語教育の国際大会として最大の『日本語教育国際研究大会』の2026年台湾大会では、5つの発表テーマの一つが『日本語教育とウェルビーング』となっています。
このように、政治や経営分野だけでなく、教育、日本語教育の分野においてもウェルビーイングが注目されています。

おわりに
言語学習の本質は、習得やコミュニケーション手段の獲得を超えて、幸せ、そして、人間存在そのものの豊かさを育んでいくことにあると思うようになりました。
それは「ことばの学び」は『あり方の学び』ということだと思います。
一人ひとりの学習者が「日本語」という言語を通して、自らのWell-beingを育み、それが水面に広がる波紋のように、愛に満ちた世界を創り出していく。
教師である僕たち自身が、まずWell-beingを大切に育み、学習者とともに幸せを紡ぐ学びの場を創っていく。
その場は、教師と学習者、母語話者と非母語話者という二項対立を超えて、日本語を使う人『日本語ユーザー』として、フラットな関係性において学び合う場であり、ともに何かを創造する場です。
それが、AI時代における新しい「ことばの学び」の在り方であり、万物のWell-beingという大きな願いへの、小さくとも確実な一歩になると考えています。

荻野雅由
ニュージーランド国立カンタベリー大学教員。博士(応用言語学)。研究領域は言語習得・日本語教育学。 カンタベリー大学最優秀教員賞受賞。ニュージーランドの全国大学教員のトップ10の一人として国会議事堂で表彰。最近の関心はウェルビーイング・ポジティブ心理学・コーチング・インテグラル理論など。
『日本語教育 x Well-being』のパイオニアとして、言語習得を含んで超え、幸せをともに育むことばの学びの実践と理論構築を探究している。
世界各国各地の日本語教師200人が参加する『日本語教育 x Well-being』 コミュニティ主宰。
編著書に Creating new synergies: Approaches of tertiary Japanese programmes in New Zealand. Massey University Pressなどがある。
『つながり・越境・幸せ』をコアとした日本語教育実践の一環として、2014年から『踊ってつながる日本語教育 ダンスビデオプロジェクト』を実施している。
YouTubeチャンネル『転機・支え・幸せ』では、日本語教師や言葉に関わる方々にインタビューを行い、その貴重な対話を配信中。
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ます。
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