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お昼にカツ丼(トラックドライバー日誌)

トラックドライバーをやっていると、長年の経験で分かることがある。カツ丼はうまい。
そしてもう一つ。
カツ丼を食べた午後、だいたい眠くなる。これはほぼ確定事項だ。それなのに、人はまたカツ丼を頼んでしまう。もちろん、俺もその一人だ。

その日も朝から忙しかった。6時半に出発して、最初の配送先に向かう。案の定、渋滞。ようやく着いたと思ったら今度は荷下ろし待ち。
「ちょっと待ってて」その“ちょっと”がだいたい長い。気が付けば午前中が終わっている。

そして昼。近くの食堂に入る。メニューを見る。ラーメン。
そば。
焼き魚定食。
本当はこういう軽いものにした方がいい。午後の運転がある。眠くなったら大変だ。
頭では分かっている。でもそこにある。
【カツ丼】
写真がすでに美味い。卵がトロトロ。カツは分厚い。湯気に色気がある。そして気がつくと…口が勝手に動いている。
「カツ丼ください」
注文してから思う。
「やっちゃったな」

しばらくするとカツ丼が運ばれてくる。
フタを開ける。匂いがいい。完全にいい匂いだ。この瞬間、さっきまでの後悔は消える。
一口食べる。「うま〜い!」
二口目。「やっぱりうま~い!!」
三口目。「これ午後眠くなるやつだな」
でも箸は止まらない。結局、全部食べる。
満腹。
満足。
そしてトラックへ戻る。
走り出してしばらくするとー
来る。
やつが来る。
眠気だ。
しかもかなり強い。信号待ちで思う。
「やっぱりラーメンにすればよかった」
でもその直後、こうも思う。
「でもカツ丼うまかったな」
トラックドライバーにとってカツ丼は、少し危険な昼メシだ。午後の眠気を呼ぶ。分かっている。それでもまた頼んでしまう。
なぜなら——
カツ丼は、やっぱり美味いからだ。

眠くなったら安全な場所に止めて一休みして下さいね。安心安全を皆で届けましょう。

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