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「私、ライターやめます」ーー150記事書いたライターが「書く」を手放して見つけた、仕事の原点

「私、ライターじゃないかもしれない」

フリーランスとして1年半、150本以上の取材記事を世に送り出してきた、言葉のプロフェッショナル、木全彩花さん。彼女が「ライター」という言葉に違和感を感じたのは、意外にも「初心者向け」と銘打たれた、noteのワークショップでのことでした。

「ひとりにひとつ、物語を」という温かいコンセプトを掲げ、多くの人の想いを紡いできた彼女が、なぜ今、自らの肩書きを手放したのか。

書くことのプロが見つけた、本当に伝えたかった想いとは。彼女の活動の根幹を揺るがした、2週間の物語が今はじまります。


木全 彩花(きまた あやか)
「ひとりにひとつ、物語を」をテーマに、起業家・クリエイター・地域で働く人々の人生や想いを取材し、物語風の取材記事を執筆。これまでに150本以上の取材記事を手掛けてきた。自身が運営する「たしかなこと」は「誰にも知られたくないほど魅力的な人」を紹介し、新たな出会いや挑戦のきっかけになっている。
note / X

noteは「感情を吐き出す場所」だった

ーーご自身のアカウントのほかにメディアも運営している木全さんは「想いを伝えるプロ」という印象ですが、なぜ初心者向けのワークショップに参加したのですか?

木全:私はnoteを書き始めて4年ほどになります。それまでのnoteは、自分の想いを良いも悪いもさらけ出す、日記のような場所でした。他人に「読まれる」という意識はほとんどありませんでしたね。

ーー今の木全さんからは想像がつきません!

木全:取材記事をnoteで発信するようになってから「木全さんの記事を読んで行動が変わった」とか「きっかけになった」とか嬉しいお声をいただくようになりました。そのとき初めて「人に読まれる」ということを意識したんです。

それで「ネガティブなことを吐き出す場所じゃない」って気がついたんですよ。そこから「もっとポジティブな使い方ができるんじゃないか?」と考えていた矢先に、美和先生の「Wi-Fi代、恵んでください!」の記事に出会ったんです。

記事を読んで衝撃を受けました。
「こんなに面白くて、楽しい連鎖がnoteで生み出せるんだ!」

それ以来、毎日チェックするようになり「私も読んだ人が前向きな気持ちになれるnoteが書きたい」と思っていたので、ワークショップのお知らせを見てすぐに申し込みました!

「安心できる場所」で見つけた、書くことの、その先

ーー実際にワークショップに参加してみて印象に残っていることはありますか?

木全:一番印象に残っているのは、美和先生がお話しされていた「安心できる場所でチャレンジすること」という言葉です。

新しい挑戦って、どうしても足踏みしてしまいますよね。私自身も、それまでネガティブなことを書いていたので、ポジティブを意識してnoteを書くのには勇気がいりました。でもこのワークショップは、周りの人が背中を押してくれて、「一緒に手をつないで飛び込んでみようよ!」って言える環境が印象的だったんです。

だからこそ、参加者全員が2週間で3本の記事を書き上げたという成果につながったんじゃないですかね。

ーー木全さんのチームの雰囲気、とても楽しそうでしたよね。

木全:はい!とても楽しかったです。最初、緊張されてた方もいたのですが、ワークを通してお互いの過去に似た部分があることがわかって。そのお話をした途端、パッと心を開いてくれた感覚があったんです。

ほかのメンバーとも、お互いがアドバイスし合っていて、最終的にみんなで記事を書き上げられたことが、自分のことのように嬉しかったですね。

「私、ライターじゃない!」ーー怖くても肩書きを手放した瞬間

ーーワークショップを通して、ご自身に気づきや変化がありましたか?

木全:とても大きな気づきがありました!それは「書くことに固執していた」ということです。感情の棚おろしをするワークがあったのですが「ライターという肩書き」に違和感を感じていたことに気づけました。

以前から「『取材して記事を書いて終わり』ではいけないのではないか?」とうっすら思っていたんです。私が本当に求めているのは、もっとその先にある「クライアントさんの活動や想い」を表現することでした。

ご依頼者さんのゴールを「ご自身の活動の原点を振り返り、コアファンを作ること」とするのであれば、お話を聞くだけでもいいし、動画やイラストという形でもいい。手段は書くことじゃなくてもいいし、もっとできることがあるはずなんです。

ワークを通してこの結論にたどり着いたときに「あ、私、ライターじゃないや」ってストンと腑に落ちましたね。

ーーそれが「肩書きを手放す」という決断につながったんですね。怖くはなかったですか?

木全:もちろん「取材ライター」という肩書きで仕事を積み重ねてきた分、それを手放すのは勇気がいりました。でも同時に「ご依頼者さんの想いを表現したい」という自分の気持ちがはっきりしたんです。

私の根底には「正解も不正解もない、ひとりにひとつの人生を肯定したい」という想いがあります。そう考えると、ご依頼者さんのためになるのであれば、ライターという肩書きを手放すことも、選択肢のひとつだと感じました。

「ライター」と名乗ることで、どうしても活動が「記事を書いて終わり」になってしまう気がして。これからは手段にこだわるのではなく、お客様の未来に寄り添い、その先の選択肢を1つでも多く渡せるような存在になりたい。今は、そう強く思っています。

“孤独なバス待ち”から、“仲間と乗る猫バス”へ

――ワークショップを終えて、noteとの向き合い方に変化はありましたか?

木全:劇的に変わりましたね。ワークショップのとき書いたnoteには、必ず誰かがコメントをくれるので、読まれることを意識したnoteが書けました!

今までの私にとってnoteは、一人で時刻表もないバス停で、いつ来るか分からないバスを待っているような、孤独な感覚だったんです。でも、このワークショップで皆さんと交流するうちに、その感覚は一変しました。

一人で待っていたバス停に、一緒に傘をさしてくれる仲間が現れて、やっと来たバスに乗り込んだら、そこにはもっとたくさんの仲間が乗っていて、面白い遠足に出かける、そんな感じです!

私にとってのnoteは、“孤独なバス待ち”から、“仲間と乗る猫バス”に変わったんです。視点が変わると、日常の些細な出来事から「これをnoteに書こう」とネタを見つける癖もつきましたし、何より毎日が楽しくなりました。

――最後に、このワークショップをどんな人におすすめしたいですか?

木全:日々の仕事に追われて、書くことの楽しさや原点を見失いがちな「ベテランライター」の方にこそ、おすすめしたいです。ここには、書き方のノウハウのような「答え」はありません。でも、「どうしたら読まれるかな?」と自分の頭で考え、読者のことを深く想う機会になりました。

書くことに追われている人ほど、一度立ち止まって「発信するって、なんだったんだろう?」と、その根本に立ち返れる。ワークショップは、そんな場所でした。


書くことが好きだからこそ「書くことがゴールになってはいけない」と感じた木全さん。彼女がこのワークショップで手放したのは「ライター」という肩書きではなく、「書く」という行為そのものにとらわれていた過去かもしれません。

新しい肩書きを手に入れてより軽やかになった彼女が、どんな未来を描いていくのか、新たな物語の始まりに期待が高まります。


取材・執筆:金沢美和|読まれるnoteの案内人


今回の記事のきっかけとなった「note初心者向けワークショップ」にご興味のある方は、こちらの開催報告もご覧ください。

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