映画『教誨師』を見る
(この記事は2018年のものです)
今年(2018年)2月に亡くなった俳優、大杉蓮さんが、初プロデュース、主演を務めた遺作の映画『教誨師』を見てきました。監督・脚本は、 佐向大。
教誨師とは、死刑囚のこころの救済や、罪との向き合いの手助けをするという、ボランティアの宗教者のこと。
この映画では、大杉蓮演ずるキリスト教の教誨師が、6人の死刑囚と対話するシーンが続きます。以下多少ネタバレあり。
6人死刑囚は、(自分の意志で)何等かの思いがあって、教誨師と面談するわけですが、登場する人達は、はっきり言って、かなりヤバイ感じのキャラクターばかり。
これを演ずるのが、玉置玲央、烏丸せつこ、五頭岳夫、小川登、古舘寛治、光石研。
脇役として、見慣れた顔もあれば、自分的には初めて認知した、舞台俳優もいますが、とりわけ大量殺人犯の玉置玲央は、ヤバイ。本当に殺してそうw素晴らしい演技です。
(※2026年追記:この作品で第73回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞 受賞)
また老いた死刑囚で、強烈なキーワードを残す、五頭岳夫も、ほとんどドキュメンタリーとしか思えない、枯れた演技。
うっとしい、おばちゃん役の烏丸せつこも、地ですか~といいたくなるほど、嵌っている。
6人を通して、実際に殺人を犯すのは、ごく一部の人に過ぎないが、その過程にある「何か」は、誰でもが持っており、それを突出させたのが、これらの人々である、と訴えているように思えます。
生きるとは何か、人と関わるというのは、どういう事なのか。
そして、教誨師自身の秘密。
オチや答え探しが目的になる映画でなく、様々な感想が出てくる映画です。
尚、全編、二人で向かい合う対話劇なので、緊張は、求められるかもしれません。
初出:2018年11月7日 「ふろむせんだい」ブログ
2026年5月15日更新
