“話しやすいこと”から英会話を始める理由
現在、ECM(English Conversation Map)という、
会話をすること
を重視した英会話システムを作っています。
そもそも
英語を話せるようになりたい!
と思ったきっかけが、
海外旅行に行ったときに
現地の人といろんな会話がしたい!
っていうことだったんですよね。
だから
楽しく英会話を学べるシステムを
作りたい!
って考え始めたときに
最初に思いついた方向性は
旅行英語を中心にした
システムにしよう!
というものでした。
なのでシチュエーションとして、
空港
ホテル
レストラン
ショップ
みたいに分けて
どんな会話が必要かな?
っていう感じで作り始めました。
具体的には
AIがユーザーにする質問として、
例えば空港での入国審査だったら、
"Why are you here?"
(なぜここに来ましたか?=目的は?)
"How many days?"
(何日間ですか?)
"Where is your hotel?"
(ホテルはどこですか?)
とか。
レストランだったら
"How many people?"
(何名様ですか?)
"Do you have a reservation?"
(予約はありますか? )
"What do you want?"
(何が欲しいですか?=ご注文は?)
とか、
そういう質問から始まるやり取りを
考えながら作っていました。
でも、作っていて
全然おもしろくなかった
んですよね・・・。
で、
なぜこの会話が面白くないんだろう
って考えてみて、
気づきました!
これって、
旅行でやりたいこと
じゃなくて、
旅行するために
やらなきゃいけないこと
だったんですよね・・・。
空港の入国審査のときの英語も、
レストランでの英語も
もちろん必要は必要です。
でも、これって、
楽しい英会話
というよりも
必要だから
覚えないといけない英語
すなわち
勉強寄りの英会話なんですよね。
だから作っていても
楽しくなかったんだ・・・。
そこで今度は
自分が楽しく会話するためには
どんな話題がいいのか
を考えて、
次に思いついたのが、
自分の趣味や好きなものの話
をすることでした。
これはいい思いつきだと思ったんですが、
じゃあ好きなものについて
自由に話してください
だとさすがに難しすぎてしまう・・・。
もちろん、最終的なゴールは
自分の好きなものについて
英語圏の人に
自分の言葉でつたえること
なんですけれど、
そこにたどり着くまでに、
どうやったら
挫折しないで、
楽しく英会話を学んでいくことができるか。
それを考えるようになりました。
そして思いついたのが、
まず自分について話すことです。
それも趣味の話とかではなく、
普段の日常について
話し始めるのはどうだろうか?
ということです。
つまり、
はじめから好きなものの話をする
となると
あなたが好きなものはなんですか?
どんなところが好きですか?
なぜ好きなんですか?
っていうふうに日本語で聞いても
即答できるとは限らないような
ちょっと考えて答える質問になりやすいですが、
日常の話だったら、
朝は何時に起きますか?
朝食には何を食べますか?
朝食と一緒に何を飲みますか?
みたいに、比較的答えやすい質問になります。
こんな流れで
まずは日常の話やすいことから
会話を広げていこう
ということで、
再度英会話システムを
作り直していたんですが、
次にぶち当たった壁は
日常のことを話す英会話から、
どうやってレベルを上げていくか
という問題でした。
最初、
単語の難易度や
文法の難易度を上げていくことを
考えていましたが、
あるとき街で
外国の方同士が話しているのを聞いて
こんなことを思いました。
欧米人同士の会話でも日常会話では
意外とそこまで難しい単語は使っていない。
でも、いまいち意味がわからない・・・
ここで一つの仮説が浮かびました。
英会話の難しさって、
単語の難しさより、
一度に扱う情報量なんじゃないか。
例えば、
私は朝食を食べます。
これなら、
初心者でも何とか言えそうです。
でも、
私は朝6時に朝食を食べます。
になると、
時間という情報が増えますよね。
さらに、
私は朝6時に自宅で
トーストを食べて、
コーヒーを飲みます。
になると、
時間・場所・食べ物・飲み物
といった複数の情報が増えます。
おそらく、情報がひとつだけなら、
時間だろうと場所だろうと初心者でも
ある程度は文章が作れるはずなんですよね。
でも、情報の数が増えると急に難しくなる。
つまり、
英会話の難易度って、
単語や文法だけじゃなく、
一度に扱う情報量
で変わるんじゃないか、
と思いました。
だからECMでは、
文法の難易度や
単語の難易度
ではなく、
扱う情報の量でレベルを変える
ことにしました。
まずは単語からでもいいので
短く話すところからはじめて、
情報を少し足す。
また情報を足す。
そうやって会話を広げていく
イメージです。
日常の話題から話すこと
会話の情報量を徐々に増やすこと
という方向性は決まったものの、
問題は相変わらず
これをいかにおもしろくできるか?
でした。
何時に起きますか?
何を食べますか?
どこで食べますか?
いつ飲みますか?
みたいに、
情報量を増やすためだけに
質問を並べると、
会話というより、
アンケートみたいになりがちです。
これだとやっぱり
おもしろくないなぁ・・・
ということでECMでは、
まず会話を作ること
を大事にしました。
例えば、AIが
「朝は何を飲みますか?」
と聞いた時にユーザーが、
「コーヒー」
と答えたとします。
一般的な英会話レッスンであれば、
"Good!"
"Next question ."
っていう感じに進んでいくと思うんですけど、
その時に、
「コーヒーを飲むんですね!
朝にコーヒー飲む人って多いですよね」
って、発言の中身についてリアクションされたら
どうですか?
ちょっと、
自分の話を聞いてくれてるな
っていう感じになりませんか?
それどころか、
「朝のコーヒーの匂いっていいですよね」
みたいに、
AI側も会話へ参加してきたら
ちょっと楽しくないですか?
僕の理想としてはAIの
「朝のコーヒーの匂いっていいですよね」
っていうリアクションに対して、
ユーザーの方も
「そうそう。
僕は濃いめのエスプレッソが好きで・・・」
みたいに
会話が自然に広がって
いって欲しいんです。
つまり、会話を優先させる、
っていう感じです。
もちろん、会話感が出てきて、
もっと話したい
と思い始めると、
今度は逆に、
英語が追いつかなくなる
可能性が高くなります。
だからECMでは、
英語で言えなければ、
途中だけ日本語でもいい。
単語だけ日本語でもいい。
とにかく会話を止めない。
とにかく、
まず頭の中にあるものを出す
ということを重視することにしました。
もちろん、
日本語OKで会話する
だけだと、
英会話レッスンとはいえません。
だから、話の流れを止めないように
AIが整理する。
英語化する。
レベルに合わせて短くしたり
要点だけを英訳する。
という方式をとることにしました。
すると、
「あ、自分が言いたかったのってこれか」
が見えてくる。
しかも、
自分の話だから、
記憶にも残りやすい。
また使いたくなる。
つまり、
ECMでやりたいことって、
最初から英語を話させること
ではありません。
自分のことを、
自分のレベルで、
少しずつ英語に変えていくこと
なんです。
だから今のECMでは、
英会話学習システムである前に、
その人が話せる材料
を集めています。
いきなり話したいことから始めるのではなく、
まずは話しやすいことから始める。
ECMは、その積み重ねが
「話したいこと」
につながると考えています。
話せる材料が増える。
↓
会話が続く。
↓
もっと話したくなる。
↓
少しずつ英語になる。
僕は、
これが会話のエンジンになるんじゃないかな
と思っています。
