公認会計士、証券会社、ファンド出身でもなくCFOになった話(後編)
前編のおさらい
スタートアップで、公認会計士、証券会社、ファンド出身等でない方が、CFOキャリアに進むケースとして、あくまで私の経験からですが、
IPO準備企業もしくはIPOして間もない企業で実務経験を積む
専門知識を身につける
が必要で、1.について記載したので、後編では「2.専門知識を身に着ける」についてです。
私の専門知識の習得方法
私は、自己紹介で記載した通り、1年で金融機関を退職し、その後は管理部門の何でも屋として、経理、人事、総務、法務、経営企画を経験しましたが、どうしても広く浅く、当然自分で経験したことがないことに対する知見はありません。
例えば、
M&Aをしたいが、対象会社の調査(デューデリジェンス)をどう行い、どう企業価値を算定すればよいのか
新しく子会社ができるが、連結決算をどう行えばよいのか
株式報酬制度を導入したいが、どういうスキームでどのように行えばよいのか
事業が拡がってきたが、それぞれの事業別の収益管理、予実管理をどうおこなえばよいのか
等々、新しい課題が出てきますが、上司、先輩は退職し、周りは自分よりも入社年次が浅い人ばかりでしたので、社内で相談できる相手はいません。
ネットで調べるとある程度は情報は出てくるので、何となくは分かるのですが、いざ実務として行うとなるとどうしても情報不足です。
こうした状況で、何としても自分で解決方法を見出していかなくてはなりません。
そこで、私が実践した知識習得方法は下記の3つです。
1.顧問の専門家の活用
会社には、顧問税理士、顧問弁護士、顧問社労士がいるところが多いと思います。
通常の税務相談、法律相談、労務相談だけではなく、自分の知識不足、経験不足をサポートしてもらい、新しい知識を得ました。
顧問ですので、会社の状況も理解しており、気軽に相談しやすいはずです。
もし、会社の顧問があまり頼りにならない場合は、一層のこと変えてしまうことを考えても良いと思います。
大体社長の知人であったり、昔紹介してもらった縁で顧問になっているケースがあり、変更は難しい場合もありますが、意外と出来るものです。
私も上場企業2社とも、顧問税理士、顧問弁護士を変えました。
また、顧問ではないですが、監査法人にもお世話になりました。
監査法人の担当者にもよるのですが、相談に乗ってくれる方ですと、「このようなことを考えているが、どう考えるか」と聞いて、的確なアドバイスをもらい、非常に勉強になりました。
専門家に相談する際のポイントとしては、ざっくりと質問すると、ざっくりとした回答しか返ってきませんので、ある程度こちら側でも調べた上で、また可能であれば「こういう理解している」、「こうしたらよいと思っている」がどうかというように聞くと、よりこちらが欲しい回答が得られる可能性が高いです。
2.書籍
これはかなり頼りました。
聞こうにも、調べようにもある程度分かっていないと聞けませんので、前提となる知識、体系的な理解をするためには、書籍は最も良いと思います。
自分の足りない知識、知りたいことは大抵なんらかの書籍がありますので、書籍を読むことで解決策を見つけていました。
会社帰りに、大型書店にすべりこみ、よく実務書を購入しました。
Amazonでもよいのですが、自分に合う本か、知りたい内容が書かれているかは実際に見てみないとわからないためです。
あるテーマの書籍で1冊でよく分からなければ、同テーマで2冊、3冊と購入すれば、大体理解できると思います。
この分野はこれという書籍がありますので、その本を中心し、よく理解できなければ、もう少し優しめの書籍にしたり、幅を広げるために少し専門的なものにしたりと、どれを読むべきかもだんだん見えてくるはずです。
3.セミナー
結構値段がするのが多いのですが、りそな総研やみずほ総研等の銀行系のシンクタンクやプロネクサスや宝印刷等が開く、実務セミナーに行っていました。
公認会計士、弁護士等の専門家が講師で、勉強のためではなく、より実務よりの内容ですし、疑問に思っていることは直接聞けますので、知りたい内容であれば受講してよいと思います。
また、大原やTACが行っている、実務向け講座も受けていました。
専門学校ですので、資格取得のイメージが強いと思いますが、資格以外にも社会人を対象とした、実務向けの講座もあり、書籍だけではイマイチわからないことをこれを通じて学びました。
今はCPAラーニングや他にも無料で公開している動画セミナーもありますので、こうしたセミナーを活用するのも手です。
経験だけではその経験のうち自分が担当した範囲内でしか、知識は身についていかないですし、経験していないことは当然分からないままです。
当たり前のことですが、経験と知識の両方身に着けていくことで、公認会計士、証券会社、ファンド出身者にも負けない能力を身に着けていくしかないと考えています。
ここまで読んでみて、スタートアップCFOのキャリアに興味を持ったなら、具体的な経験の積み方やキャリアの築き方等をまとめた有料記事もありますので、是非御覧ください。
