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【CGS1次試験対策】CGS卒の勉強法を鵜呑みにするな―「教範を覚えるのは意味がない」という言葉をどう受け取るべきか

こんにちは。Mr.Kです。

先日、少し気になる話を聞きましたので、その話をしたいと思います。

CGS卒の方が発信されている情報の中に、「(防衛系の)教範に記載されていることを覚えても意味がない」という趣旨の話があったそうです。

合格者の言葉は貴重です。

しかし、合格者の言葉ほど、聞き方を間違えると危ないことがあります。


1. はじめに:CGS卒の助言ほど、聞き方を間違えると危ない


教範を覚えても意味がない

その話を聞いて、受験生の方は少し混乱されていました。

「自分は今まで教範を頑張って読んできたけれど、もしかして方向を間違えていたのだろうか」と。

最初にはっきりさせておきたいのですが、私はその発信をされたCGS卒の方を批判したいわけではありません。

その方にとっては、そのやり方で合格できたのですから、本人にとっては間違いなく正しいやり方だったのだと思います。

実際に突破した人の言葉には、それだけで重みがあります。

ただ、一つだけ気になることがあります。

それは、受験生の方がその言葉を表面的に受け取ってしまうと、かなり危険だということです。

合格者の言葉は貴重です。

でも、合格者の言葉こそ、聞き方を間違えると受験生を遠回りさせてしまうことがあるのです。

この記事では、「教範を覚えても意味がない」という言葉を、受験生としてどう受け取るべきかについて、私の考えを書いていきます。


2. 結論:教範は"無駄"ではない。論文を書くための土台である


先に、私の結論をお伝えします。

教範は、CGS論文を書くための土台です。

もちろん、教範を覚えるだけで合格できるわけではありません。

ここは誤解されやすいところなので、丁寧に書いておきます。

ただ、教範を理解せずに論文を書こうとすると、かなり苦しくなります。

教範には、陸上自衛隊の作戦、戦術、用語、そして基本的な考え方が詰まっています。

教範事項は、日々の業務や演習でも使われる陸上自衛隊の共通言語です。

もし教範が本当に不要なのだとすれば、学校教育で教範を学ぶ意味そのものがなくなってしまいます。

そんなことはありませんよね。

教範は、答案を固くするための"型"です。
型を知らずに応用へ行くのは危険です。

教範はゴールではありません。

しかし、教範は間違いなくスタート地点です。

スタート地点を飛ばして走ることは、どれだけ足が速い人でもできません。


3. なぜ「教範を覚えるのは無駄」という言葉が危険なのか


✅ 「無駄」という言葉の強さ

「無駄」という言葉は、とても強い言葉です。

受験生は、ただでさえ不安を抱えています。

業務があり、演習があり、家庭もある。

時間が足りない中で、「これは無駄だ」と言われれば、つい楽な方向へ解釈したくなります。

これは人間として自然な反応です。

受験生を責めるつもりは一切ありません。

ただ、ここで立ち止まって考えてほしいのです。

✅ 「丸暗記だけでは足りない」と「学ばなくていい」は、まったく違う

その発信をされたCGS卒の方が本当に言いたかったのは、もしかすると「教範の丸暗記だけでは足りない」という意味だったのかもしれません。

これは、私もその通りだと思います。

しかし、「教範の丸暗記だけでは足りない」と「教範を学ばなくていい」は、まったく違う話です。

ここを混同すると、基礎を飛ばして、いきなり応用へ進んでしまうことになります。

これは、かなり危険です。

✅ たとえるなら

料理にたとえてみます。

包丁の使い方も、火加減も知らない人が、いきなり創作料理を作ろうとしたらどうなるでしょうか。

おそらく、料理にすらならないと思います。

武道でも同じです。

型を知らない人が、自由に戦おうとしても、それはただの喧嘩になってしまいます。

CGS論文も、構造としては同じです。

型を知って、初めて応用ができる。

この順番を飛ばしてしまうと、何を書いているのかわからない答案ができあがってしまうのです。


4. ビジネスの成功者の話をそのまま真似しても成功できない理由


少し話題を変えます。

✅ 成功者の言葉には、前提条件が隠れている

ビジネスの世界でも、成功者の話はよく聞かれます。

起業家の方がこんなことを言うのを、聞いたことはないでしょうか。

「計画なんていらない。まず動け」
「細かい勉強より、実践が大事だ」
「人と同じことをするな」

これらの言葉は、その方にとっては本当に正しい。

成功した実体験から出てきた言葉なので、嘘でもなんでもありません。

ただ、その言葉の背景には、必ず前提条件があります。

その方のそれまでの経験。
資金力。
人脈。
失敗しても立ち直れる余力。
時代の流れ。
そして、本人の能力。

こうしたものが、言葉の裏にびっしりと張りついています。

✅ 初心者が表面だけ真似すると、何が起きるか

初心者が、その表面の言葉だけを真似するとどうなるでしょうか。

「計画なんていらない」を真似すれば、ただの無計画になります。

「細かい勉強より実践」を真似すれば、基礎のないまま失敗を繰り返すだけになります。

成功者ご本人は、自分がすでに持っているものを、無意識に前提にして話していることが多いのです。

✅ CGS受験も、構造はまったく同じ

CGS受験も、これとまったく同じ構造です。

超優秀なCGS卒の方が「教範を覚えても意味がない」と言ったとしても、その方はすでに教範の内容を十分に理解されていた可能性があります。

日々の勤務や演習を通して、教範事項が自然に身についていた可能性もあります。

つまり、その方にとって教範は、すでに「通過した場所」だったのかもしれません。

だから「覚える」という工程がいらなかった。

しかし、まだ土台を固めている途中の受験生が、その言葉を表面だけ受け取ってしまうと——。

優秀な人の"省略"は、凡人にとっては"欠落"になることがあります。

ここは、本当に気をつけてほしいポイントです。


5. 超優秀な人の勉強法は、凡人には危ないことがある


✅ 優秀な人が見えている景色

優秀な方は、基礎を無意識に処理できます。

教範事項を「覚えた」と意識すらしていないこともあります。

読めば頭に入る。
一度理解すれば忘れない。
最初から応用的に考えられる。
経験や地頭で、穴を埋められる。

こういう方は、実際にいます。

✅ そのやり方が、全員に通用するとは限らない

しかし、普通の受験生が同じことをしても、同じ結果にはなりません。

なぜなら、そのやり方は、その人の能力・経験・環境に最適化されたやり方だからです。

同じ方法を別の人が使っても、答案の土台が抜け落ちてしまうことがあります。

地頭や経験値でカバーできる人と、そうでない人がいる。

これは、残念ながら事実です。

だからこそ、凡人が合格を目指すのであれば、基礎を飛ばすという選択肢は、最初から持たない方がいいと私は思っています。

あなたは、自分をどちらのタイプだと思いますか?


6. CGS卒の方も、過去の受験勉強を正確に覚えているとは限らない


✅ 人は、今できることほど、過去の苦労を忘れる

これは、CGS卒の方を批判する話ではありません。

人間の記憶の特性の話です。

人は、今の自分が当たり前にできることほど、過去にそれを身につけるためにした苦労を忘れやすいのです。

自転車に乗れる人が、最初にどれだけ転んだかを正確に覚えていないのと似ています。

私も、子供が逆上がりの練習をしている時、「何でこんな簡単なことが全然できないんだ」と思ってしまうことがあります。

でも、それは、逆上がりが当たり前にできる今だから言えることであって、できなかった頃は、相当練習していたはずです。

今は、その努力は忘れてしまっているだけです。

✅ 合格後に起きること

CGSに合格された方も、受験当時はかなりの量の教範事項を学習されていた可能性があります。

しかし、合格してから時間が経つと、当時の苦労は少しずつ薄れていきます。

「あそこは当たり前だった」
「そこはそんなに苦労していない」

そう感じるようになることがあります。

その結果、発信される内容が、応用段階の話に偏ってしまうことがあるのです。

本人に悪気はありません。

むしろ、一番難しかった部分を伝えようとしてくださっています。

ただ、受験生にとっては、土台の部分の話こそが一番知りたいということも多いのです。

合格者の話には、本人も気づいていない"前提条件"が隠れていることがあります。

この視点を持って話を聞くだけで、受け取り方はかなり変わります。


7. 凡人がCGSに合格するなら、王道を外してはいけない


✅ 私は、自分を凡人だと思っています

私は、自分のことを凡人だと思っています。

特別な地頭があるわけでもなく、記憶力が抜群にいいわけでもありません。

だからこそ、凡人でもCGSに合格できる効率的な方法を、ずっと考えてきました。

これまで多くの受験生の方と話し、支援してきた中で、一つの確信があります。

それは、王道は、やはり強いということです。

✅ 王道とは何か

私が考える王道は、こういうものです。

  • 教範を理解する

  • 基本事項を押さえる

  • 答案で使える形に整理する

  • そのうえで、応用的な視点や自分の経験を加える

この順番です。

いきなり応用から入るのではありません。

土台を作ってから、その上に自分の経験や現代的な視点を重ねていく。

この積み上げ方が、一番遠回りに見えて、結局は一番早いと私は感じています。

凡人が勝つためには、天才の近道ではなく、王道を効率よく進むことが大切です。

近道を探して遠回りになるより、王道をまっすぐ、でも効率よく進む。

これが現実的な戦略だと思っています。


8. 「教範を読むだけでは非効率」と「教範を軽視する」は違う


✅ 過去の記事で書いてきたこと

私はこれまで、「論文を書くために、ただ教範を読めというのは誤りである」という趣旨のことを書いてきました。

この部分だけ切り取ると、「教範を軽視している」と読めてしまうかもしれません。

そこは、はっきり否定しておきたいです。

私が本当に言いたかったのは、こういうことです。

教範を最初から最後まで漫然と読んでいるだけでは、論文を効率よく書けるようにはなりにくい。

教範そのものは、とても重要です。

✅ 試験で求められていること

CGS試験で求められているのは、教範の文章をそのまま写すことではありません。

設問に応じて、必要な要素を選び、整理し、自分の答案として組み立てることです。

だから、教範に書かれている事項を、論文で使える形に変換する工程が必要になります。

具体的には、こういう作業です。

  • 要旨・本論・結言の形に整理する

  • 大項目・中項目・小項目として構造化する

  • 設問に応じて取り出せる形で覚える

  • そして、答案として再現する

この工程を経ないまま、教範をただ通読しているだけでは、いざ答案用紙を前にしても手が動きません。

✅ 誤解しないでほしいこと

つまり、私が言っているのは「教範を軽視しろ」ではなく、「教範を、答案で使える形に変換しろ」ということです。

教範を読むだけでは非効率だからといって、教範そのものを飛ばしてよいわけではありません。

教範はゴールではありません。
しかし、教範はスタート地点です。

ここは、何度でも書いておきたいところです。


9. 教範をどう学ぶべきか


では、教範を具体的にどう学べばいいのか。

私の考える流れは、次の5段階です。

① 用語を理解する

まず、使われている言葉の意味を正確につかむ。ここが曖昧だと、後の工程がすべてぼやけます。

② 基本的な考え方を押さえる

なぜこの行動が必要なのか、なぜこの順番なのか、という思想の部分を理解する。

③ 論文で使える形に整理する

要旨、本論(大項目、中項目、小項目)、結言。
この構造に沿って、自分の言葉で整理し直す。

④ 設問に応じて組み合わせる

設問を読んだときに、どの要素をどう組み合わせるかを判断できるようにする。

⑤ 自分の経験や現代的課題と接続する 部隊運用や演習での経験、今の情勢と結びつけて、自分なりの論点を加える。

✅ 例として「陣地防御」で考えてみる

少し具体的にしてみます。

たとえば陣地防御なら、こんな流れになります。

教範上の基本的な考え方を押さえる。
防御の目的や要領を、自分の言葉で説明できるようにする。
主要な用語を、答案の中で違和感なく使えるようにする。
そして、自分が演習や勤務で経験した部隊運用と結びつける。
最後に、設問の問いに合わせて、単なる説明ではなく、論述として組み立てる。

これが、教範を「読む」ではなく「使う」という状態です。

教範は丸暗記して終わりではありません。
答案で使える形にして初めて、論文試験で武器になります。


10. CGS卒の助言を聞く時の判断基準


ここまで読んでくださった方は、もうお気づきかもしれません。

合格者の助言は、そのまま飲み込むものではありません

では、どう聞けばいいのか。

私は、次の観点を意識することをおすすめしています。

  • その方は、どれくらい優秀なタイプだったのか

  • 自分とその方の前提条件は、似ているか

  • その助言は、教範理解を前提にして語られていないか

  • その助言は、初学者向けなのか、応用段階向けなのか

  • 自分の現在地に合っている話なのか

  • その方法を真似したとして、自分が答案を書けるようになるか

この観点を通すだけで、同じ助言でも受け取り方がまったく変わります。

助言は、そのまま飲み込むものではありません。
自分の現在地に合わせて翻訳するものです。

翻訳という言葉を、私はよく使います。

合格者の言葉を、自分の状況に合わせて翻訳する。

この作業ができる受験生は、強いです。


11. 私が発信しているのは、普通の人が合格するための王道


少しだけ、私自身の発信についても書かせてください。

私の記事や教材は、超優秀な人だけに通用する特殊な方法を紹介するものではありません。

普通の受験生の方が、基礎から一歩ずつ積み上げ、答案で使える力に変えていくための内容です。

教範を土台にしながら、漫然と読むのではなく、論文で使える形に整理する。

そして、効率よく覚え、答案へつなげていく。

王道でありながら、できる限り無駄を省いて合格に近づくための地図。

そんなつもりで書いています。

もし必要があれば、有料記事や教材も、そういう観点で使っていただければと思います。

ただ、一つだけお伝えしておきたいのは、教材も、読むだけでは意味がないということです。

最終的には、自分で答案を書ける状態まで持っていく必要があります。

ここだけは、誰にも代わってもらえません。


12. 最後に:合格者の話は聞け。でも、考えずに真似するな


長くなりましたが、最後にまとめます。

CGS卒の方の話は、ぜひ聞いてください。

実際に突破された方の経験には、本を何冊読んでも得られない価値があります。

ただ、鵜呑みにはしないでください

その方にとって正しかった方法が、あなたにとっても正しいとは限りません。

特に、超優秀な方のやり方には、必ず前提条件があります。

そこを確認せずに真似すると、遠回りになってしまうことがあります。

教範は、軽視してはいけません。

まず土台を固める。

そのうえで、応用へ進む。

凡人が合格するためには、王道を外さず、効率よく積み上げていくことが、やはり一番近い道だと私は思っています。


合格者の言葉は、道しるべになります。

しかし、その道しるべが指している道が、今のあなたに合うとは限りません。

だからこそ、聞く。

でも、考える。

CGS受験では、この姿勢がとても大切です。

あなたの挑戦が、遠回りではなく、最短で実を結ぶことを願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Mr.K


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