ディーゼル発電機のピストン抜き整備【③組立編】~取説にはない、復旧・試運転の実務ポイント
※本記事はディーゼル発電機のピストン抜き整備三部作の第三弾です。第一弾「分解編」、第二弾「点検・計測編」を読んだうえで進めると、流れがつながりやすくなります。
第一弾「分解編」、第二弾「点検・計測編」はこちら
!注意!
ディーゼル発電機ピストン抜き整備の三部作、これらをひとまとめにしたマガジンもあります。
1部ずつご購入するよりまとめ買いの方がお買い得となっていますのでご了承ください。
ピストン抜き整備は、分解して、点検して、計測した時点で峠を越えたように感じます。
でも、最後にきちんと復旧・試運転を完了させるところまでやって、はじめて整備が成立します。
しかも、この頃になると作業にも慣れてきて、チーム全体の集中力も少しずつ切れやすくなります。特に夏場の暑い機関室で長時間作業していると、「早く終わらせたい」という気持ちが先に立ちやすく、そこからミスが生まれやすくなります。
厄介なのは、組立時のミスほど、その場では気付きにくいことです。
向き、順番、識別、締付け、養生、異物確認。
一つひとつは分かっているつもりでも、復旧段階に入ると作業は一気に進むので、細かい確認ほど置いていかれやすくなります。
そして、その抜けは復旧直前か、復旧後にまとめて現れます。
実際、自分もピストン挿入後、ピストン吊りで使っていたアイボルトを外さないままシリンダヘッドを乗せてしまったことがあります。焦りと暑さで集中力が切れていたのだと思います。こういうミスは、作業そのものが難しいから起きるというより、分かっているつもりで確認を一つ飛ばした時に起きます。しかも取説には、わざわざ「アイボルトは確実に外しましょう」なんて事は書かれるはずもありません。

組立ては、単に分解の逆順で復旧すればいい作業というわけではありません。
交換した部品はどこか。向きに意味がある部品は何か。識別を残したまま組むべき箇所はどこか。締付けトルクはいくつか。どの順番で復旧していけば効率がいいのか。締付け前に異物確認を入れる箇所はどこか。
こういう確認を流れの中に組み込めているかどうかで、手戻り無く確実に進める事ができます。
特に詰まりやすいのは、
連接棒つなぎボルトや大端部ボルトの識別
ピストン挿入時の引っかかり
大端部締付けナットのトルク
シリンダヘッド締付けナットのトルク
シリンダヘッド重心不安定による締付けボルトネジ部の損傷
油圧ジャッキ締めの扱い
排気管フランジボルトの締め込み
このあたりです。
この記事の位置付けは、取説では書かれない実務上の注意点を整理することです。
あなたが新人なら、上司から注意を受けやすい内容がかなり含まれています。
逆に先輩の立場なら、新人に事前に伝えておくべき内容でもあります。
今回の組立編では、
どの順で組んでいくのか
どこで向きや識別を再確認するのか
どこで締付けや養生をミスしやすいのか
復旧前に何を確認しておくべきか
ここから先は、実際の復旧作業をどの順で進めていくかを、作業の流れに沿って整理していきます。
以下、組立編の全体像です。
では、具体的な内容に入っていきます。
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ディーゼル発電機のピストン抜き整備【総集編】
今までに販売したディーゼル発電機のピストン抜き整備の記事3部作をひとまとめにしました!
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