哲学的テーマ読書会を開いてみたレポ【本紹介式読書会×哲学カフェ】
今年の5月に書いた「哲学的テーマ読書会」を、「ディープなテーマ読書会」という名前に変えて、実際に3回開催してみましたので、レポを書いておきます。
哲学的テーマ読書会とは、本紹介式読書会と、哲学カフェの合体型・ハイブリッド型のようなものです。
読書会に参加するような知的意欲の高い人たちが、本を通じて自分の考えや意見を交わし合える場を作りたいと思い、始めました。
会の名前から「哲学」というワードをなくした理由
元々「哲学的テーマ読書会」という名前で今年5月に募集をかけたのですが、人がほとんど集まらず、残念ながら中止となりました。
そこで名前を「ディープなテーマ読書会」という名前に変えたところ、人が集まるようになり、第1回は4人、第2回は5人、第3回は6人と参加人数が増えていきました。
これは思うに、世間一般において「哲学」という言葉は馴染みがなく、専門性を感じさせる表現として受け止められがちだからだと思います。
私も大学1年生くらいまでは、「哲学」ってなんだか怪しい宗教みたい・・・と忌避していた覚えがあります。
「哲学」と聞くと、何やら難解で、高尚なもののように感じる人も少なくはないと思います。
私としては、哲学という言葉が自分から遠いもの、日常から乖離したもの、馴染みがないものとして扱われるのは、社会にとっても望ましくない状況だとは思います。
「ディープなテーマ読書会」という名前にした理由
だからと言って、意地をはって「哲学」という言葉を使い続け、
いつまで経っても人が集まらないようであれば、前回の記事で書いた
「本と共に考え、言葉を交わし合う場、文化を創る」という本来の目的を果たせません。
そこで、「ディープなテーマ読書会」という名前に変え、
読書会でいつもより「深め」の話がしたい方を募集中!
というキャッチフレーズで募集したところ、人が集まるようになりました。
このキャッチフレーズは、私自身が普段は哲学的な話、小難しい話、深い話をする人が周りにほとんどいない、という状況があって、そのような人は他にもたくさんいるんじゃないかな、と思ったからです。
そのような人が集まり語らう場を作りたいという目的もあるのです。
余談ですが、実は私は「ディープな」「深めの」という表現はそこまで好きじゃありません。
哲学者の中島義道は、「深い」という言葉が多くの場合、何かを理解したつもりになったり、意味があるように見せかけたりするために使われると指摘します。
例えば何かの長編映画を「深いね・・・」と言う感想だけで肩付けてしまったとします。それは思考のプロである哲学者からすれば、
実際にはよく分かっていないこと、もっと考えて言語化できたものを、「深い」と言ってしまうことで、考えることを止めてしまう危険性があると捉えられます。
こうした問題が孕んでいる表現ですが、日常会話から逸脱するような言葉を交わし合う場を簡潔に表現する言葉として、
「ディープな」「深い」と言う言葉を選び、募集しました。
実際に募集に使用した告知ページをご紹介しておきます。よければご覧ください。
哲学的テーマ読書会の実践
そうして「ディープなテーマ読書会」という名前で募集し、人が集まるようになりました。
3回実施してみて、参加者の方々の知への意欲が高く、また、自分の考えを言葉にして共有する意欲も高いと感じています。
もちろん、通常の本紹介形式読書会でも、そういった意欲が高い人は多く見受けられます。しかし、特にテーマを絞っていないため、参加者が最近読んだ本が紹介されることが多いです。
そこでのメインは「本」に比重が置かれていると思います。
それは読書会の形式の一つとして正統派と言えるものでしょう。
それに対し、哲学的テーマ読書会は、「世の中」や「自由」といった抽象的テーマを掲げ、それに沿った本は何かを参加者に考えてもらいます。
そして、選んだ本を通じてテーマに沿った発表内容を考えてもらいます。
ここでのメインは「本」よりも、本を選び、発表内容を考える「参加者」に比重を置いています。
実際に参加していただいた方は、知的意欲が高い方や教育関係の方が多かったです。
社会学を学んでいる方
学校教師
塾講師のアルバイトをしている大学生の方
読書家のサラリーマンの方
他の読書会主催者の方
読書会が好きな方
トークの内容も、テーマに沿って本を通じて各々が考えたことだけでなく、本から離れた各々の見解や意見も交わしていただきました。
この、本から離れた見解や意見を出してくれるというのは、自分の考えや意見を交わし合う場所として開いたこの会にとって嬉しいことです。
哲学カフェを知らない人ばかりでありながら、そのような内容の話ができたのはとても楽しかったです。
このような語り合いの場は初めて、という方にも多く参加いただき、楽しんでもらえているのは良かったです。
これから色々考えていきたい、自分の考えを言葉にしていきたい、そんなに人のためにも続けていきたいと思います。
読書会で紹介された本
実際に紹介された本を写真で紹介しておきます。



テーマを絞ってもバラエティ豊かになっていることが嬉しく、参加者の方々の個性が出ているようでした。
社会学の本
ビジネス本
哲学者の本
ロシア文学
歴史の本
心理学の本
仏教の本
人文書
これからもこの会を通じて色々な本と出会いたいなと思います。
哲学的テーマ読書会の展望
本を読んでいると、何かを学んでいるとさまざまな知識が溜まります。
するとものの見方が広がったり感受性が豊かになり、考えることや感じることが増えてくるようになると思います。
それをただ頭の中の知識として溜めておくだけではなく、
自分の言葉で表現して、自分で考えられるようになった方が、
本を通じて自分の人生が豊かになると思います。
哲学的テーマ読書会もとい、ディープなテーマ読書会は、本を通じて自分の言葉で表現すること、自分で考えること、そしてそれを共有することの楽しさを味わえる会として、続けていきたいと思います。
