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【掌編小説】ショパン君 (プレリュード72)4分33秒

ベートーヴェン先輩 19歳 ベートーヴェンの生まれ変わり 浅草音楽大学の学生 「かわいーカフェ」でアルバイトをしながら、ショクパン国際ピアノコンクールを目指している若者。


(1)浅草音大の校門横に屋台が出ていて、
そこで、4分33秒という音楽CDを売って
いました。

(屋台のおやじ)
「安いよ!安いよ! さあー買っていった、
買っていったー」

(シューベルト君)
「おじさん、このCD買ったのに、何も
音が出ないんだけど・・・」

(屋台のおやじ)
「そんなことないよー」


(2)
(ベートーヴェン先輩)
「どうしたんだい、シューベルト」

(シューベルト君)
「あっ、先輩、聞いて下さいよ・・・」

(屋台のおやじからヘッドホンを借りて
CDの音楽を聴くベートーヴェン先輩)

(ベートーヴェン先輩)
「聞こえないよ。でも、聞こえるよ。
素晴らしい音が・・・
君には聞こえないのかい?」

(シューベルト君)
「先輩にそう言われると・・・
聞こえるような、聞こえます。
素晴らしい音が・・・」

(ベートーヴェン先輩)
「そうだろー」


(3)そんなやり取りを聞いていた
音大の学生たち

(音大生)
「ねー、ベートーヴェン先輩が褒めて
いるから絶対良いに決まってるよ。」

(音大生たち)
「私にも一枚」「私にも」「俺は10枚!」


(4)CDが完売した屋台の裏で

(屋台のおやじ)
「おっ、ベートーヴェン君これは、
約束のお金、売上の20%ね」

(ベートーヴェン先輩)
「上手くいきましたねー
ピタゴラスさん」

(屋台のおやじ)
「これが、ピタゴラス式音律販売
ってわけよ」


(おまけ)

『4分33秒』は、アメリカの音楽家ジョン・ケージ1952年に発表した楽曲です。全3楽章からなり、演奏者は楽器を演奏せず、合計4分33秒間沈黙を保ちます。客席のざわめきや外の環境音など、その場で聞こえるすべての音を音楽と捉える作品です。

ウイキペディア

ピタゴラス音律とは、周波数比「3:2」(完全五度)の美しい響きを重ねて音階を作る方法です。古代ギリシャの数学者ピタゴラスが発見したとされ、弦の長さを基本に数学的な比率で音を決めます。

ウイキペディア

(プレリュード73へつづく)


本日が、加藤七海さんのリサイタルの日ですよ!

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