【掌編小説】ショパン君 (プレリュード71)願い
ショパン君 18歳 ショパンの生まれ変わり ピアノは浅草音楽大学のみで練習できる。 山の葉パン屋でアルバイトしてショクパン国際ピアノコンクールを目指している若者。
(1)ショパン君が、コンスタンツィア
ちゃんの家の窓に向かって歌って
いました。
♫ もし私が空の太陽だったら
♫ あなただけを照らすのに。
♫ 海でも森でもなく
♫ あなたの窓辺だけを永遠に。
♫ 太陽になれたなら・・・
(老夫婦)
「誰や、こんな早朝から・・・
おちおち朝飯も食べてられへんわ」
「あんた、見て来てよ」
(2)ショパン君は、自分の心に
酔って歌っていました。
♫ もし私が森の小鳥だったら
♫ あなただけのために歌うのに。
♫ 海ででも森ででもなく
♫ あなたの窓辺でだけ永遠に。
♫ 小鳥になれたなら・・・
(窓から顔を出したバッハ学長)
「うるさーい、誰やこんな朝早くに!」
(3)窓からおやじに怒られてたショパン君
(ショパン君)
「あれ? コンスタンツィアちゃん家じゃ
ないんですか?」
(バッハ学長)
「コン、コン、コンなんちゃらちゃん家
とちゃうでー!」
(ショパン君)
「すみませーん!」
(4)
(ショパン君)
「あれ? いまのハゲおやじ、
バッハ学長に似ていたけど?」
(バッハ学長)
♫ あなただけを照らすのに・・・
(奥さん)
「あんたのハゲ頭で照らされてもね」
(おまけ)
ショパンが作曲した歌曲「願い」(日本では一般に『乙女の願い』)は、友人のステファン・ヴィトヴィツキが作詞した、恋する乙女のいちずで可愛らしい想いを描いた作品です。
ショパンの初恋の相手は、19歳の時にワルシャワ音楽院で出会った声楽科の美しい学生コンスタンツィア・グワトコフスカです。
(プレリュード72へつづく)
加藤七海さんのリサイタルが、いよいよ明日に迫りましたよ!
