世界に誇る日本の特撮の原点!戦争をくぐり抜けたクリエイターたちが放つ血と汗と涙の結晶『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』
【個人的な満足度】
2026年日本公開映画で面白かった順位:47/63
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:-
製作年:2026年
製作国:日本
配給:TOHO NEXT、円谷プロダクション
上映時間:105分
ジャンル:ドキュメンタリー
元ネタなど:特撮テレビドラマ『ウルトラマン』(1966-1967)
公式サイト:https://m-78.jp/videoworks/the-origin-of-ultraman/
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
本作品には、映画、特撮、デザインなど各分野を代表するクリエイターが出演。
ギレルモ・デル・トロ(映画監督)、是枝裕和(映画監督)、小島秀夫(ゲームクリエイター)、庵野秀明(監督・プロデューサー)、樋口真嗣(映画監督)、ニコラス・ウィンディング・レフン(映画監督)ほか、国内外から多彩な証言者が集結しました。
それぞれの立場から語られる言葉が重なり、ウルトラマンという存在の輪郭が浮かび上がっていきます。
主人公がヒーローでありながら、怪獣のバックグラウンドが丁寧に描かれてきた唯一無二の世界観、そしてウルトラマンと怪獣双方の造形が持つ強い魅力をひもといていきます。
さらに、円谷英二や当時のスタッフの発想と仕事にも光を当てながら、ウルトラマンがどのようにして世界へ広がっていったのか、その歩みをたどっていきます。
【感想】
日本を代表するヒーローのひとりであり、世界中で愛される作品『ウルトラマン』(1966-1967)。
本作はそのよさを著名なクリエイターたちが語るドキュメンタリーです。
制作経緯に迫るというよりは、『ウルトラマン』大好きマンたちが思い出を語るだけなので、個人的にはもう少し歴史的な背景を知りたいなと思いつつ、みんながうれしそうに語るその姿には特撮のロマンが詰まっているなと感じました。
<空白世代の寂しさ>
僕も小さい頃は『ウルトラマン』をよく観ていました。
もちろん、再放送で、ですけど。
実は、自分の生まれた年代って『ウルトラマン』シリーズ(1966-)が途切れていたんですよ。
国内は『ウルトラマン80』(1980-1981)の次は『ウルトラマンティガ』(1996-1997)。
その間に生まれてる子は、リアルタイムのウルトラマンが存在しないんですよね。
まあ、海外の『ウルトラマンG』(1990-1991)と『ウルトラマンパワード』(1993-1994)はありましたけど、観てませんでしたね。
今回のインタビューに応じている人のほとんどが1960年代生まれ。
つまり、子どもの頃にリアルタイムで『ウルトラマン』を観ていた人たちなんですよ。
ウルトラマンが纏う神々しさ、個性的な怪獣などなど、思い出話に花を咲かせていますが、国産初の本格的な巨大ヒーローということで、それを初めて観た子どもたちにはとてつもない衝撃だったことが窺えます。
庵野監督もおっしゃっていましたけど、「アニメはみんな作り物だと思って観るけど、特撮は現実のことだと思わせる余地がある」って言葉には激しく納得です。
巧みなミニチュアで再現された街並みが怪獣によって壊され、爆発するリアルさ。
それは何度も試行錯誤を繰り返したスタッフたちの血と汗と涙の結晶で、今観ても鳥肌が立つぐらい圧倒的なクオリティだと思います。
その興奮をリアルタイムで味わえて、友達と共有できたのはうらやましいですよね~。
自分にはそれがありませんでしたから。
ちなみに、『仮面ライダー』シリーズ(1971-)も『仮面ライダーBLACK RX』(1988-1989)から『仮面ライダークウガ』(2000-2001)の間がかなり空いていて(90年代に映画はありましたけど)、僕はその間に興味を失ってしまったので、ずっと続いてた『スーパー戦隊』シリーズ(1975-2026)と比べると『ウルトラマン』シリーズも『仮面ライダー』シリーズも早々に卒業してしまったんですよね~。
<戦争世代だからこそ持ち得た感覚>
『ウルトラマン』のスタッフたちは、ほとんどが1930年代生まれだそうですね。
つまり、若い頃に戦争を経験した世代です。
戦闘機や戦車に憧れながらも、それで死んでいく人たちを目の当たりにしているからこそ持ち合わせた感覚が、この『ウルトラマン』にも反映されていたのではという話もあって興味深い視点でした。
国民全員が敵と戦い、危機的状況に陥る経験ってまずないじゃないですか。
今の時代、天災以外ではほとんど起きないですよ、特に日本においては。
全員が共通して持っている負の経験、負の歴史があるからこそ、秘めたる想いとか闘志とかそういうのがあって、作品を作り上げていく中でのモチベーションやクオリティに影響を与えていた節はあるんじゃないでしょうか。
また、小島監督もおっしゃっていましたけど、高度経済成長期にあって日本が盛り上がっている中で、公害問題などマイナスの側面を作品内に取り込んだのは、子ども向け番組にしてはかなり先進的だなと感じます。
それもやっぱり、未来を担う子どもたちに対しての何かしらのメッセージだったのかもしれません。
<フジ隊員の笑い話>
あと、フジ隊員を演じた桜井浩子のエピソードには笑いました。
当時、デートの約束をしていたのに撮影で行けなかったそうなんですね。
それで不機嫌そうにしていたら、監督の円谷一が「30年後、キミはスターだし、ウルトラマンも大ヒットしてるから、今は我慢して」って。
彼女は「30年後まで残ってるもんですか」って思ったそうですけど、60年経った今も続いているからびっくりしたって(笑)。
ちなみに、彼女は今、円谷プロでコーディネーター、プロデューサーを務めているらしいです。
御年80歳。
バイタリティがハンパないですね。
<そんなわけで>
ウルトラマンの持つ影響力とそれを生み出した円谷英二の偉大さを痛感する内容でした。
こういうシリーズは作り続ける必要があるなと思います。
間を空けてしまうと、自分のような"空白世代"が出ちゃいますから。
