共生の黎明 #31 第11章 第7節:あたたかな記録、伝える想い 連続小説
やがて、その小さな集いの輪は、少しずつ広がっていった。
どの会場にも、君と私はできる限り足を運び、
制度の説明だけでなく、そこに込められた“想い”を語った。
「これは、“経済”ではなく、“共感”に根ざした仕組みです。
“与えること”と“受け取ること”の間に、
あたたかな記憶が残るように設計されているんです。」
君のそんな言葉に、若い学生がこう尋ねた。
「それは、技術的にはブロックチェーンみたいなものですか?」
「似ている部分もあるけれど、もっと大切なのは、
“誰かの役に立てた”という想いを、消さずに残すことなんです。
人が信じられるのは、数字じゃなくて、その記憶だから。」
会場の空気がふっと静まり返る。
そして、君がそっと加える。
「だから、“アヤ/ユラ”は、単なる通貨ではなく、
“共生の記録”なんです。」
その言葉に、誰かが深くうなずいた。
人々は、ただ知識を得に来たのではなく、
“つながり”を確かめに来ていたのだ。
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