旗を、掲げよ ー AI時代の分野No. 1戦略 まえがき&目次
人が足りない。
その言葉を聞くたびに、私は思う。
また、その話か、と。
営業が足りない。幹部が育たない。
新しい拠点を出したいのに、任せられる人がいない。
技術には自信がある。全国に広げたい。だが、そのための人がいない。
もちろん、その悩みが切実であることはわかる。
だが、その話に入った瞬間、次はこうなる。
人を増やすのか。育てるのか。
そりゃ金もかかるし、時間もかかる。
だけど、本当に問題は、そこだろうか?
人が足りないんじゃない。
旗がないのだ。
いま私たちが体験しているAI社会の本質は、単なる効率化ではない。
一部の優秀な人に集中していた力を、組織の中に広げられることにある。
だから、一人あたりの生産性は10倍、場合によっては100倍単位で変わりうる。
だとしたら、先に決めるべきは、人を何人増やすかではない。
自社は、どこで勝つのか。その一点である。
そこで必要なのが、旗だ。
ここでいう旗とは、気合いの入った標語でもなければ、きれいな理念でもない。既存業界の中で、順位をひとつ上げることでもない。
そんなものでは、人は動かない。
そうじゃない。新しい分野のNo.1をつくることだ。
この分野なら、うちの会社だ。
そう誇らしげに語られる新しい場所をつくる。
それが、旗を掲げるということである。
そして、旗を掲げた瞬間、会社の景色は変わる。
誰に何を届けるのかが定まる。
どんな仲間を集めるべきかが見えてくるし、会議で何を議論し、何をやめるべきかも変わる。
すると、これまで想像もしなかったような大きな可能性が、現実の選択肢として立ち上がってくる。
本書では、その道筋を一つずつたどっていく。
すでに会社の中にある強みを見抜き、それを分野No.1の旗へ変え、市場に届く形へ整え、言葉にし、AIで実装し、最後は組織の動きにまでつなげていく。
読み終えるころには、自社の見え方は、もう変わっているはずだ。
なぜ、いままで気づかなかったのだろう。
うちの未来は、ここにあったのか、と。
では、その眠っていた可能性を、ここから解き放っていこう。

『旗を、掲げよ』目次
AI時代の分野No.1戦略
この本は、AIツールの使い方を解説する本ではありません。
AI時代に会社が埋もれないための、分野No.1をつくる実用書です。
本書では、次の5つの実用メソッドを使って、会社の中に眠る強みを、売上・採用・組織の動きへ変えていきます。
自社の勝つ場所を見つける
分野No.1創造ロードマップ社内に眠る強みを掘り起こす
「つい」発見ワーク売れる導線だけを残す
捨てるマーケティング設計強みを売上に変える
D-BE UNICKメッセージモデル未来を現場の一手に変える
フューチャーマッピング会議
まえがき
人が足りないのではない。旗が足りないのだ
採用難・営業不足・幹部不足を、ひとつの問題として捉え直す
AI時代に最初に決めるべき「勝つ場所」
人を増やす前に、会社の旗を立てる理由
序章
AI時代は、すべて、逆だ
会社を軽くし、選ばれる存在に変える「旗」のつくり方
なぜ、人を増やしても会社は軽くならないのか
業界No.1ではなく、分野No.1を狙う理由
旗を立てると変わる4つの領域
営業・採用・会議・商品開発AI時代に会社を重くする「複雑性」の正体
DXで整えた会社を、AIで軽くする方法
この章で得られること
自社が「何でも屋」から抜け出し、選ばれる会社になるための基本設計。
第1章
モブになるな。勝つ場所は、102通りある
「社会課題 × 事業の型」で、自社だけの市場をつくる
採用ページを直しても応募が来ない本当の理由
改善すればするほど比較される「改善思考の罠」
分野No.1を見つける公式
分野No.1 = 社会課題 × 事業の型17の社会課題を、自社の事業機会に変える方法
6つの事業の型
奉仕・教育・ネットワーク・商品・メディア・テクノロジー6事業類型 × 17社会課題 = 102通りの勝ち場所
自社の分野No.1候補を見つけるワーク
この章で得られること
自社がどこで勝つべきかを、思いつきではなく構造で決める「分野No.1創造ロードマップ」。
第2章
高収益事業は、「つい」から生まれる
現場の反復を、AI時代の収益源に変える
OpenAIやGoogleと戦わずに、AI時代の主役になる方法
自社の現場接点・現場データこそ、最強の資産である
AIに学ばせるべきものは、最新情報ではなく「現場の判断」
「つい確認してしまうこと」が、現場データになる
強みを見つける2つの質問
頼まれなくてもやってしまうことは何か
お金をもらわなくてもやってしまうことは何か
感覚 → データ → 判断 → 仕組み → 新規事業の5段階
自社の「つい」を商品化する実践ワーク
この章で得られること
社内に眠る無意識の反復を掘り起こし、AI時代の新規事業に変える「つい発見ワーク」。
第3章
捨てるマーケティング
増やしすぎた施策を整理し、売れる導線だけを残す
マーケティングの50年を、コーヒー一杯で理解する
売れない理由は、施策不足ではなく施策過多である
SNS、動画、LINE、メール、ウェビナー、診断、無料PDFを全部やる会社が失速する理由
情報を足すほど、顧客は防衛に入る
本当に残すべきものは「変容の場」
商品説明ではなく、未来のプレー画面を見せる
売れる導線だけを残す「捨てるマーケティング設計シート」
この章で得られること
増えすぎた施策を整理し、見込み客が動く導線だけを残す「変容の場」設計。
第4章
強みは、言葉で売上に変わる
D-BE UNICKで、提案を「説明」から「旗印」に変える
なぜ、いい商品なのに伝わらないのか
問題起点の文章が、AI時代に弱くなる理由
D-BE UNICKとは何か
「違い」を推薦の輪に変えるメッセージモデルPESONAからD-BE UNICKへ
問題起点から、旗印起点へD|圧倒的な違いを宣言する
B|その違いがもたらす未来を見せる
E|証拠で、変化の予感を立ち上げる
U|なぜ今なのかを伝える
N|見えない敵に名前をつける
I|新しい勝ち方を3ステップで示す
C|事例で、未来を再生させる
K|最初の一歩を軽くする
LP・営業資料・採用ページに展開する方法
この章で得られること
自社の強みを、売上・採用・協力者獲得につながる言葉へ変える「D-BE UNICKメッセージモデル」。
第5章
旗は立てただけでは、動かない
フューチャーマッピング会議で、未来を現実の一手に変える
未来を語る会社は多い。だが、現場が動く会社は少ない
フューチャーマッピング会議とは何か
未来から逆算して、現実の一手を見つける創発会議積み上げ式会議と、逆算式会議の違い
2倍目標は努力を増やす。10倍目標は協力者を呼ぶ
未来の頂上から見下ろすと、真の課題が見える
同じ「AI導入」でも、社内では4つの意味に分裂する
人は情報では動かない。意味で動く
会議を「報告の場」から「未来が動き出す場」に変える
フューチャーマッピング会議の基本ステップ
この章で得られること
掲げた旗を、現場が動くプロジェクトに変える「フューチャーマッピング会議」の実践法。
終章
社会課題を価値に変える社会へ
未来の担い手が集まる会社になる
足りないのは、人の数ではなく、未来の担い手が見つけられる旗である
探究学習は、起業の原型である
子どもたちは、すでに社会課題を価値に変える練習を始めている
次世代人材が求めているのは、給料や福利厚生だけではない
会社は、学校で育った問いの受け皿になれる
社会課題を価値へ変える企業に、未来の人材は集まる
旗印の連鎖が、次の社会をつくる
この章で得られること
採用・教育・事業開発を一体化し、未来の担い手が集まる会社になるための「旗印経営」の考え方。
