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ビジュアル思考を使ったビジュアルメタ認知トレーニング 初級コース― 対象をイメージ化し、自分の反応まで観測する5分ワーク ―



この教材を作った理由

私には、自分のことを伝えようとする時に、感情も含めて塊、つまりチャンクのまま一度に吐き出してしまう癖があります。

感情的になるというのとは、少し違います。

感情も情報の一部として、チャンクのまま相手にぶつけてしまうのです。
本意ではないのに、制御が間に合わない。

ここでいう「制御が間に合わない」は、発散や爆発ではありません。

情報が構造ごと、高密度のまま、速度を落とせず出続けてしまう。
そういう種類の不制御です。

ビジュアルメタ認知をより意識的に扱うようになって、それが少しずつ変わりました。

言葉になる前の段階で、感情の位置、注意の向き、情報の密度を、塊のまま把握しやすくなってきたのです。

言葉として出てくる時には、もう気づいている。
だから、吐き出す前に、今どんな塊があるのかを確認できる。

そのまま出すのか。
分けるのか。
少し置くのか。

そういう選択が、少しずつしやすくなります。

ただ正直に言うと、ビジュアルで自分を観測するというのは、私にとってはもともとデフォルトに近い動き方です。

頭の中で対象をイメージとして扱い、構造ごと把握するのが、特別な訓練ではなく、かなり自然な思考として動いています。

だからこそ、この教材を作りたいと思いました。

デフォルトでない人には、入口が必要です。

逐次的に追わなくても、一度に多くを把握し、整理できるこの感覚は、練習で少しずつ育てられると思っています。

そしてそれができると、自分の認知特性との付き合い方を、少しずつ変えていける。

自己モデル化にも直結する能力になります。

この教材は、その入口を作るためのものです。


この教材について

対象をただ見るのではなく、見た対象を頭の中にイメージとして立ち上げ、その対象を観測し、さらにその対象を観測している自分自身の反応まで観測します。

単なる観察練習でも、イメージトレーニングでもありません。

対象を観測し、その対象を観測している自己まで観測する練習です。


これは医療・心理療法ではありません

この教材の目的は、診断や治療ではありません。

目的は、

  • 自己観測

  • 思考整理

  • 感情の観測

  • ビジュアル思考の練習

  • メタ認知の入口づくり

です。

強い不調がある時、気分が大きく不安定な時、フラッシュバックや強い身体症状がある時は、無理に行わないでください。

このワークは、根性でやるものではありません。

短く、軽く、負荷を残しすぎない範囲で行います。


無料公開部分


1. ビジュアルメタ認知とは何か

ビジュアルメタ認知とは、対象とそれを観測している自己を、同一の視覚的思考空間の中で同時に扱うことです。

外部対象を頭の中に立ち上げて観測する段階は、主にビジュアル思考です。

その対象を観測している自分自身まで扱う段階が、ビジュアルメタ認知になります。


2. ビジュアル思考は、ビジュアルメタ認知ではない

ここは最初に切り分けます。

ビジュアル思考は、ビジュアルメタ認知ではありません。

ビジュアル思考とは、対象を頭の中にイメージとして立ち上げ、その形・配置・関係・動きを把握することです。

たとえば、

りんごを思い浮かべる。
フィギュアの形やポーズを把握する。
ゲーム画面の配置を確認する。
部屋の構造を思い出す。

これらはビジュアル思考です。

この段階では、観測しているのは対象であり、自分自身ではありません。

ビジュアルメタ認知は、ビジュアル思考で対象を観測しながら、その対象を観測している自分自身まで観測します。

どこに注意が向いたか。
何に惹かれたか。
どこで違和感が出たか。
どんな感情が出たか。
どこで疲れたか。
何を強く残し、何を曖昧にしたか。

ここまで含めて、初めてビジュアルメタ認知になります。

一文で言えば、

ビジュアル思考は、対象を頭の中で扱うこと。
ビジュアルメタ認知は、その対象を扱っている自分自身まで観測すること。

です。


3. なぜビジュアルメタ認知なのか

言語型メタ認知は、自分の思考や感情を言葉で整理します。

記録しやすく、他人にも説明しやすい。
非常に有効な方法です。

ただ、言葉は基本的に一列に並びます。

感情。
身体感覚。
相手の表情。
言葉のニュアンス。
過去の記憶。
場の空気。
時間軸。
関係性。

こうしたものが同時に動いている状態を、言語だけで扱おうとすると、情報がほどけやすくなります。

ビジュアル型メタ認知は、対象や自分の反応を、配置・関係・距離・動き・重心・流れとして扱います。

何があるか。
どこにあるか。
何とつながっているか。
どちらへ動いているか。
自分はどこに反応しているか。

これらを同時に把握しやすくなります。

言語型と比べると、同時に扱える情報の並列量が大きいです。

ただし、そのぶん認知疲労も大きくなります。

言葉になる前の感覚。
複数要素の関係。
感情の位置。
判断の偏り。
自分がどこに巻き込まれているか。

これらを観測するのが、ビジュアルメタ認知です。

このワークを続けていくと、対象をネットワークとして捉える感覚が育ちやすくなります。

何と何がつながっているか。
どこに負荷が集まっているか。
どこが原因で、どこに影響が出ているか。

これはシステム思考・ネットワーク思考の入口にもなります。

ただし、それは続けた先の話で、初級で目指すことではありません。


4. このワークで特に大事な注意点

目の裏を見ようとしない

「頭の中で見る」と言われると、まぶたの裏の暗さを見ようとする方がいます。

扱うのはそこではなく、頭の中に立ち上がる対象イメージです。

映像を鮮明にしようとしない

写真のようにくっきり見える必要はありません。

むしろ鮮明にしようとしすぎると、色・輪郭・質感に意識を取られ、構造把握が弱くなることがあります。

対象を見るだけで終わらない

見た対象を一度、頭の中にイメージとして立ち上げてから観測します。

外部対象を見るだけでは、単なる観察になります。

自分を観測対象に入れる

対象だけを観測する段階は、まだビジュアル思考です。

その対象を観測している自分自身の注意・感情・解釈・違和感・疲労まで観測して、初めてビジュアルメタ認知になります。

長くやりすぎない

ビジュアル型メタ認知は、時間あたりの情報処理量が大きいぶん、認知負荷も高いです。

初学者は1日5分。
長くても10分まで。


ここまでがビジュアルメタ認知の基本的な考え方です。

ここから先では、実際に5分で行う初級ワークの手順、初心者が失敗しやすいポイント、記録用ワークシートをまとめています。


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