2025年、出口戦略を見据えた「アセットアロケーション」の進化
1億円の「その先」で直面した本質的な問い
2024年に念願の資産1億円(億り人)を達成したとき、私はひとつの到達点に立ったという安堵感の中にいました。
しかし、2025年の幕開けとともに、世界はこれまでの常識を覆すような荒波へと突入しました。
資産が1億円を超えると、市場がわずか1%変動するだけで、評価額は100万円単位で上下します。
かつての数万円、数十万円の変動とは、精神にかかる負荷の桁が違います。
そんな中で迎えた2025年は、単に「入金力を高める」フェーズから、いかにして「相場の嵐に耐え、守り抜くか」という、投資家としての真の資質を試される一年となりました。
1億円という数字は、決して幸運だけで辿り着いたものではありません。
激動の金融ニュース、高まる地政学リスク、そして自分自身の「弱さ」との対峙。
それらを経て辿り着いた、2025年末時点の私の投資に対する考え方をここに記録します。
2025年の激震:トランプ関税と「狼狽」の誘惑
2025年のマーケットを象徴するのは、間違いなく第2次トランプ政権による「トランプ・ショック」でした。
「関税の壁」がもたらしたパニック
トランプ大統領が掲げた「一律関税」と、それに伴うサプライチェーンの分断懸念。
市場はこれを強烈に嫌気し、一時は主要株価指数が大きく崩れる局面がありました。
ニュースを開けば「世界経済の終焉」「スタグフレーションの再来」といった刺激的な見出しが踊り、SNSでは多くの投資家が悲観に暮れていました。
狼狽売りをせず、ただ「静観」する勇気
当然ですが、私のポートフォリオも数百万円単位の年初来評価損を一時的に抱えました。
しかし、私はここで「何もしない」という選択をしました。
手持ちのファンドは一株も売らず、設定していた自動積立も止めない。
投資信託の基準価額が下がっているということは、同じ金額でより多くの口数を買えているということ。
そう自分に言い聞かせ、余剰資金があれば淡々と買い増しを続けました。
この「投資スタイルを変えない」という規律こそが、最大のリスク管理であることを改めて実感しました。
回復の果実を享受する
結果として、市場は過度な懸念を織り込み終えた後、再び力強い回復を見せました。
もしあの時、恐怖に負けて「狼狽売り」をしていたら、その後の反発のメリットを享受することはできず、資産増という結果もなかったでしょう。
「相場に居続けること」の難しさと重要性を、身をもって実感した出来事でした。
1億3,321万円、着実な歩み

2025年末時点の運用実績は以下の通りとなりました。
年末資産額:1億3,321万円
前年比:+2,755万円

2008年から始まった私の投資人生を振り返る長期グラフを見ると、リーマンショックやコロナショックなどの停滞期を乗り越え、近年の伸びが「複利の魔法」によって加速度的に進んでいることがわかります。
短期的な推移を見ても、トランプ関税による混乱期の一時的な落ち込みを乗り越え、最終的には前年比で2,700万円を超える増加となりました。

現在の資産構成は、一見するとシンプルですが、その内側には「安定」と「成長」の絶妙なバランスを求めた私の苦悩と決断が反映されています。
出口戦略を見据えた「新・アセットアロケーション」
資産が1億円を超え、将来の早期リタイアが現実味を帯びてくると、投資の目的は「資産の最大化」から「資産の安定化」へとシフトします。
私が辿り着いた、現時点での最適解がこの比率です。
■アセットアロケーションの黄金比(10:85:5)
現金 + 個人向け国債:10%(生活の防衛線・緩衝材)
コア資産(オルカン・S&P500、含む自分年金):85%(資産成長の原動力)
サテライト資産(ゴールド):5%(地政学リスクへの備え)
前年までと比べて特に変えたのは、現金を「生活費の○年分」という固定額ではなく、「総資産の10%」という割合で管理することです。
資産が増えれば、それに比例して安全資産も増える。
現在は生活費数年分を大きく超えるキャッシュがありますが、余剰分は「個人向け国債(変動10年)」へ。
下限金利が保証されつつインフレにも対応できる、最強の緩衝材として組み込みました。
コア資産の変革:米国集中から世界分散へ
出口戦略において重要なのは「安定性」です。
これまではS&P500と全世界株式(オルカン)を半分ずつ保有してきましたが、2025年からは「全世界株式(オール・カントリー)」へのシフトを明確にしました。
米国株の強さは認めつつも、トランプ関税のような一国の政策に世界がこれほどまでに振り回されるのを見ると、一国に運命を託すリスクを無視できなくなりました。
より広範囲に分散されたオルカンは、下げ相場での安心感が違います。
含み益の大きいS&P500を一気に売るのではなく、特定口座から新NISAへの移行時やリバランスのタイミングで、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を優先的に売却。
買い直しは全てeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で行う。
こうして時間をかけて、ポートフォリオを堅牢なものへ変えていきたいと思います。
地政学リスクへの備え:サテライトに「金」を添える
2025年は、経済的な混乱以上に、地政学的な緊迫感が高まった年でもありました。
ロシア・ウクライナ、イラン・イスラエル、中国・台湾、そして北朝鮮。
これらはもはや「一過性のニュース」ではありません。
株、債券、そしてドル。これらはすべて「発行体の信用」に基づく資産です。
もし世界的な混乱がさらに深まれば、ドルの覇権すら揺らぎかねない。
そう考えたとき、現物資産としての裏付けを持つゴールドの重要性を再認識しました。
そこで、これまで何度も機能に疑問を持っては売ったり買ったりしていた先進国債券をまた全売却、SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)をサテライトとして採用しました。
資産の5%というわずかなスパイスですが、この「黄金の盾」が私のポートフォリオに、これまでにない安心感を与えてくれています。
サラリーマン投資家が辿り着いた「ほったらかし」の極致
2025年を振り返ると、資産額の増加以上に、「自分が納得できる運用の枠組み」を構築できたことに深い満足感を覚えています。
山崎元氏と水瀬ケンイチ氏の共著 『ほったらかし投資術』 に感銘を受け、自分なりにアレンジを加えながら続けてきたこの道のり。
トランプ関税に震えたあの日も、地政学リスクに不安を覚えた夜も、結局私を救ってくれたのは、自分で決めた「アセットアロケーション」という規律でした。
資産1.3億円は、確かに大きな数字です。
しかし、私の生活の本質は変わりません。リフォームで快適になった自宅で過ごし、週末にはカメラとともに散歩に行く。
この穏やかな日常を、市場の荒波から守り抜くこと。
そのための「アセットアロケーション」を、これからも淡々と守り続けていきたいと思います。
投資スタンスに向き合いアセットアロケーションの考える参考にした本です。
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