【参加型note】夕暮れの教室、ミラクル・ロマンス(mimiさんver.)
【参加型note】夕暮れの教室、ミラクル・ロマンス(mimiさんver.)
夕暮れの教室。
最後のチャイムが鳴り響いても、
二人は帰ろうとはしなかった。
窓から差し込むオレンジ色の光が、
彼女の横顔を優しく照らしている。
「……ねぇ。」
名前を呼ばれて振り向く。
彼は、いつもより少しだけ近くに立っていた。
「今日、なんか変だよ?」
「……そうかな。」
照れ隠しに笑う彼の耳は、夕焼けよりも赤い。
そんな姿に彼女は思わず笑みをこぼした。
「な、なんで笑うんだよ。」
「だって……やっぱり、なんか変」
その一言で、
彼の時間が止まった。
教室には二人だけ。
カーテンが風に揺れるたび、
ふわりと甘いシャンプーの香りが届く。
彼は一歩。
ゆっくりと距離を縮める。
もう、
手を伸ばせば触れられるくらい近い。
彼女の鼓動も、
彼の鼓動も、
どちらが速いのかわからない。
「……急にどうしたの?」
少し照れたように笑う彼女。
夕焼け色に染まる教室。
見つめ合う二人。
彼は一度だけ深呼吸をした。
そして、覚悟を決めたように微笑む。
「ずっと伝えられなかったことがある。」
彼女は少し驚いたように目を丸くして、
静かに頷いた。
彼の瞳には、もう少年の面影はなかった。
教室が静まり返る。
聞こえるのは、二人の鼓動だけ。
彼は少し照れくさそうに笑って、
カバンへ手を伸ばした。
「……笑わないでね。」
そう言って取り出したのは、
一本のマイクだった。
彼女は思わず吹き出した。
「えっ……そのマイク、どうしたの?」
視線を下に下げたまま、
彼は小さく頷いた。
「俺さ……歌いたいんだよね。」
一拍置いて、
照れ隠しのように笑った。
「聴いてくれる?」
窓から差し込む夕焼けが、
二人をそっと照らした。
彼はマイクを握り直し、
彼女だけを見つめる。
「この歌が……
俺の気持ちだから。」
静かな伴奏が流れ始める。
夕焼け色に染まった教室は、
まるで二人だけのステージだった。
伴奏が静かに消える。
教室には、夕焼けだけが残っていた。
彼はマイクをゆっくりと下ろす。
「……伝わったかな、俺の気持ち。」
彼女は少しだけ俯いて、小さく笑った。
「ずるいよ。」
「え?」
「そんな歌、聴いたら……」
彼女は胸に手を当てる。
「もう……すごく、ドキドキした。」
彼は思わず息を止める。
「誰かに気付かれたら、どうしようって。」
彼女は照れたように笑う。
「でもね。」
一歩だけ近づく。
「嬉しかった。」
夕焼け色の瞳が、まっすぐ彼を見つめる。
「私も……
ずっと、同じ気持ちだった。」
彼は信じられないというように目を見開いた。
「……ほんと?」
彼女は恥ずかしそうに頷く。
「だから。」
彼女はそっと手を差し出した。
「今度は、一緒に歌お?」
彼は笑った。
「うん。」
夕焼けの教室に、
二人の笑い声だけが優しく響いた。


(終わり)
この物語はmimiさんと一緒に創作しました😊
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