見出し画像

【参加型note】夕暮れの教室、百年後も君の名前を(瀬海歩さんver.)

【参加型note】夕暮れの教室、百年後も君の名前を(瀬海歩さんver.)


夕暮れの教室。

最後のチャイムが鳴り響いても、
二人は帰ろうとはしなかった。

窓から差し込むオレンジ色の光が、
彼女の横顔を優しく照らしている。

「……ねぇ。」

名前を呼ばれて振り向く。

彼は、いつもより少しだけ近くに立っていた。

「今日、なんか変だよ?」

「……そうかな。」

照れ隠しに笑う彼の耳は、夕焼けよりも赤い。

そんな姿に彼女は思わず笑みをこぼした。

「な、なんで笑うんだよ。」

「だって……やっぱり、なんか変。」

その一言で、
彼の時間が止まった。

教室には二人だけ。

カーテンが風に揺れるたび、
ふわりと甘いシャンプーの香りが届く。

彼は一歩、
ゆっくりと距離を縮める。

もう、
手を伸ばせば触れられるくらい近い。

彼女の鼓動も、
彼の鼓動も、
どちらが速いのかわからない。

「……急にどうしたの?」

少し照れたように笑う彼女。

夕焼け色に染まる教室。
見つめ合う二人。

彼は一度だけ深呼吸をした。

胸の奥で何度も練習した言葉。
何度も伝えようとして、
そのたびに勇気が足りなくて飲み込んできた想い。

今日だけは、逃げたくなかった。

夕焼け色の光が教室を包み、
時間まで息を潜めているようだった。

彼は彼女をまっすぐ見つめた。

その瞳には、もう迷いはない。

ゆっくりと口を開く。

「君に出会うまで、夕焼けはただの空だった。

星はただ光っていて、季節はただ過ぎていった。

でも君を好きになってから、世界中の景色が、君に会うための前奏だったんだと気づいた。

もし人生が一冊の物語なら、最初のページから最後の一行まで、君の名前で埋めたい。

君が笑う日は、俺がその理由になりたい。

君が泣く日は、涙が地面に落ちる前に、この手で受け止めたい。

百年後、俺の名前を誰も覚えていなくてもいい。

君の心のどこかに、俺と笑った記憶が一つ残るなら、それだけで生まれてきた意味になる。

好きです。

俺の今日も、明日も、未来も、全部君に捧げます。

だから、俺の人生のヒロインではなく、人生そのものになってください。

君を幸せにするとは言わない。

幸せが君を見失わないように、俺が一生、隣で道しるべになる。」

教室に、静かな沈黙が流れた。

言葉はもう、いらなかった。

二人はただ、
お互いの瞳だけを見つめていた。

窓の向こうでは、
夕日がゆっくりと水平線へ溶けていく。

茜色に染まる海は、
この刻を未来へと運ぶように、
静かに輝いていた。



(終わり)



この物語は瀬海歩(せかいあゆむ)さんと一緒に創作しました😊✨




作品が生まれた経緯はこちらをご覧ください☺️


この作品は宮崎の赤い夕日と、真っ赤マンゴーを思い浮かべながら作りました😊✨

いいなと思ったら応援しよう!

こっぺぱん 今後の創作の糧にしたいと思います☺️ 応援して頂けるととっても嬉しいです😆

この記事が参加している募集