2025年7月29日(火)「醗酵食品・ごど」
今日の豊田は晴れ。
朝方の最低気温は26℃、日中の最高気温は37℃超。こりゃあ、暑い。毎日暑い暑いとばかり言うてますが、流石に37℃超の体温超えはヤバい暑さですね。年寄りには堪える暑さです。さて、
昨日は「未利用魚・アカシャ」について書いてみましたが、本日は青森は十和田の「醗酵食品・ごど」についてお届けしたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。
ごど。
聞いたコトのない食べ物の名前でしょうねぇ。実は自分のその存在を知ったのはつい最近。
NHKはEテレで「小雪と発酵おばあちゃん」と言う番組がありまして、女優の小雪さんが日本全国の醗酵食品作りの名人であるおばあちゃんを訪ねては、その作り方を教えて貰う、と言うモノです。醗酵食品が大好きな自分としては、中々に興味深い番組内容なので、ソレが放映される時には録画しておいて、観てるんです。
その番組で、とある時に紹介されていたのが、この「ごど」。
いやはや、誠にオモシロい醗酵食品ですよ、コレは。
青森県の南部、彼の有名な八甲田山の麓に広がる十和田市でもごくごく限られた家庭でしか作られていない、知るヒトぞ知る醗酵食品です。
この地域では、嘗てはその冷涼な気候とやませ(梅雨から夏にかけて北東から吹く冷たく湿った風)の影響で稲作が難しく、豆類が主食として重宝されていたのだそうです。
従い、納豆は各家庭で手作りされていたワケですが、その冷涼な気候の影響で温度管理が難しく、醗酵が上手く行かないコトも屡々あったようです。
そんな失敗した納豆を廃棄するコトなく、モッタイナイ精神を以って生み出されたのがこの「ごど」なんだとか。
作り方としては至ってカンタン。
納豆に米麹と塩を加え、常温で数日~1週間程度醗酵させれば出来上がり。
1週間程度のモノは浅漬けとしてゴハンのお供や酒の肴に、2週間ホド醗酵させたヤツは深漬けとして調味料替わりにして炒めモンに加えたり、ドレッシング代わりにしたりすると美味いらしいです。
十和田では自作の納豆で作るのが一般的なようですが、勿論市販の納豆でも作るコトは可能なので、その意味からはドコにいても作るコトが可能な再現性の高い醗酵食品であると言えます。
納豆の粘りに麹の甘み、そして乳酸醗酵由来の酸味が加わり、独特の旨味を生み出すのだとか。こりゃあ、いっぺん作ってみなきゃあイケませんね。
コレがオモシロいのは、醗酵学的な見地から言うと納豆菌と麹菌と言うのは相性が悪いとされていて、コレを一緒に混ぜてしまうと言うのは、中々にコペルニクス的な発想なのだそうです。
納豆菌は繁殖力が非常に強い一方、麹菌ってのは比較的繊細で温度や湿度、衛生環境に非常に敏感な菌なのだそうで、納豆菌は麹菌の働きを阻害するホドなのだそう。
それが証拠に、麹菌や酵母が非常に繊細なバランスを保ちつつ醗酵を進める味噌蔵や酒蔵では、納豆菌が混入してしまうと「すべり麹」や「粘り麹」と呼ばれる異常醗酵が起こり、製品を台無しにしてしまうコトがあるのだそうです。
その為酒蔵や麹室では納豆の持ち込みや摂取が厳禁とされるコトが多く、蔵人達は仕込期間中には納豆断ちをする位なのですから。要は酒造りをダメにしてしまう大敵なワケです。
とは言え、一般家庭に於いてはそんな繊細な醗酵を行うワケでも無い為、納豆に麹を混ぜるコト自体に何の問題も無い、と言うコトになります。
そんな相性の悪い納豆菌と麹菌を意図的に掛け合わせたコトから、ごどは「禁断の醗酵食品」であるとされたり、醗酵食品ファンの間からは「ハードコア納豆」等と呼ばれたりして、昨今は中々に持て囃されたりしているようです。
コレ、一度自分でも作ってみます。醗酵食プレートの常連客にしたいモノです。
また、山形の酒田には「塩納豆」と言う、コレまた納豆×麹で作られる類似商品(?)もあるのですが、コレについてはまた別途(笑)。
明日は「内臓料理(魚)・アイゴのゼンマイ煮」について書いて行きたいと思います。
