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奈々の学園事件簿#10 赤と黒の枚数(解答編)

「それ、必ず同じになるよ。」

奈々と理美が、同時に永野を見る。

「……え?」

「占い、じゃないの?」

理美は一瞬だけ口を尖らせた。

「あーあ、もうちょっと引っ張りたかったんだけど。」

永野は気にせず、机の上のトランプに視線を落とす。

52枚を26枚ずつに分けてるでしょ。」

カードを指で軽く示しながら、淡々と続ける。

「例えばさ。片方に黒が1枚しかなかったら、もう片方は?」

「25枚、そんなの?え?」

「そんなのあたりまえ」と言いかけた奈々は、はっと息をのんだ。

「つまり、こっちの山の赤の枚数は黒が1枚だから……26-1で25って……理美ぃ!これ、どうやってもなるじゃない!」

奈々は手をぐるぐる振り回しながら、理美を問い詰める。

「なーんだ。あっさりね。」

奈々をあっさりと受け流すと理美は肩をすくめた。

「分かってたけどさ。奈々が信じる顔、ちょっと見たかったんだよね。」

「ちょ、理美!」

奈々は抗議しかけて、言葉を止めた。
理屈は分かった。
占いは、ただの仕掛け。

それなのに。

頬の熱は、まだ引いていなかった。

永野は、奈々の顔を一瞬だけ見て、視線を外す。

「……まあ。仕組みは、そういうこと。」

そう言って、鞄を肩にかける。

放課後の教室に残ったのは、
種明かしの終わったトランプと、
答えの出ない気持ちだけだった。

(おわり)

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一条 詩紋 いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。 物語があなたの癒しになれば幸いです。 チップはご無用です。一緒にドキドキしてくれた思いを伝えてくだされば・・・。それがうれしいです。