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【美術展2025#64】被爆80年企画展 ヒロシマ1945@東京都写真美術館

会期:2025年5月31日(土)〜8月17日(日)

第2次世界大戦末期の1945年8月6日午前8時15分、米軍がB29爆撃機「エノラ・ゲイ」から人類史上初めて、都市の上空に原子爆弾を投下しました。あの日広島が、3日後に長崎がただ一発の爆弾によって焦土と化しました。その頃、自ら被爆しながら、あるいは放射線被曝の急性障害に苦しむ人間の姿に衝撃を受けながら、カメラを手に原子野を歩いた者たちがいました。

広島では年末までに推計で14万人が犠牲になったとされます。あれから80年となる2025年現在、世界は9カ国が保有する1万2千発もの核兵器に脅かされ続けています。世界各地で戦火が絶えない今こそ、被爆者の「決して繰り返させてはならない」という訴えとともに、原爆写真と映像を広く共有しなければなりません。

このたび、広島市民、報道機関のカメラマンや写真家の手による広島原爆写真約160点と映像2点を公開します。資料の所蔵や保存・活用に携わってきた報道機関が連携し、原爆写真と映像の展覧会を主催するのは初の試みです。

なお、本展覧会は、2023年に報道機関と広島市が共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」に国際登録を申請した「広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像」(写真1532点、映像2点)を基に構成しています。それらは、敗戦直後の混乱や占領期の報道統制に撮影者があらがい、自ら守り抜いた資料でもあります。

東京都写真美術館


1985年

戦後40年の年、私は小学3年生だった。
その頃、夏休みになると地域の神社の境内では町内会による朝のラジオ体操が行われていた。
地域の子供達は参加スタンプを押してもらうために、まだ眠い目を擦りながら毎朝その集まりに参加していた。
神社の広い敷地内は公園のような広場になっていて、そこは地域住民の交流や憩いの場でもあった。

その神社の境内の一角には大きな石碑が建っていた。
地域出身の方々の名が連なる中には友人の祖父の名が刻まれていたりして、物心着く頃にはそれが「大東亜戦争」における地域の戦没者のための慰霊碑なのだということは理解していた。
その慰霊碑は私にとって、戦争というものが自分の人生の始まる前の時代に確かに存在していたという証のひとつだった。
1980年代当時はその他にもまだ身の回りに戦争を感じさせる遺物や遺構が多く残っていたように思う。
そもそも私の父は戦中生まれだし、周りの老人たちは皆戦争を経験した人たちだった。
40年という時間は小学校3年生の私にとっては遠い過去ではあったが、戦争自体は私の中で今の自分に続く連続した歴史の中での確かな出来事として存在していた。

ちょうどその頃、リアルタイムで意識した戦争はイラン・イラク戦争だろうか。
だがそれはテレビのモニター越しに見るどこか遠い海の向こうでの話であって私にとってリアリティは無く、やはりあの神社の慰霊碑が私にとっての戦争のリアルだった。

今ほど酷暑ではなかった1980年代の夏。
神社の境内でのラジオ体操の掛け声。
朝から響いていたセミの鳴き声。
家の古い扇風機の首振り音。
窓際に吊られた風鈴の音色。
そして原爆投下日や終戦の日に流れた黙祷のサイレン。
それらの音は今でも記憶の片隅にあり、夏が来るたびにふと思い出す。

1989年に昭和が終わり、その年私は小学生から中学生になった。
小学生の頃には毎日のように遊び場になっていた神社の広場だったが、中学生になる頃にはそこで遊ぶことはもうほとんどなくなり次第に足は遠のいていった。

現在、私は全く別の場所で暮らしており、実家もとうの昔に別の場所に移ってしまっているのであの神社には小学生時代以来訪れていないが、いつか近くまで行くことがあれば少し足を伸ばしてでも訪れてみようと思った。


2025年

戦後80年。
1985年の戦後40年から倍の時間が経った。
小学生だったあの頃の私にとっての40年前は自分の生まれる前の遠い過去であったが、今の私にとっての40年前は確かに存在していた現実だ。
40年前の戦争を知っていた1985年の大人たちはどのような気持ちで40年目の夏を迎えていたのだろう。


戦後80年の今年の夏。
東京都写真美術館の展示を見て、40年前の夏の記憶をふと思い出し、80年前の終戦の夏を思った。



会場の最後にあった言葉が印象的だった。

ロバート・キャパも同じようなことを言っていた。
「私の夢は永遠の失業である」



今回の展覧会の写真は全てウェブで公開されている
ぜひ全ての日本人、そして世界中の全ての人々に見てもらいたい。


全ての原爆犠牲者、戦没者の方々に深い哀悼の意を表します。



【美術館の名作椅子】↓


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