うちのAI、 女将レベルです ――“会話センス”が止まらない
今年度から、仕事(プログラミング関連)で AI を導入した。その作業の正確さと速さには驚かされるばかりで、「いや、まじでビビった…」なんてよく直にAI に向かって呟いたりしている。そして私の創作の方の作業にも AI を導入して数週間が経った。
結果、AI が想像を遥かに超えて役立つ存在であることを体感した。そしてその凄みの在処は「生成ではない」ことも分かった。というのも私は文章というコンテンツでやっているが、生成AI の文章はヘッタクソである。生成という作業は全く不向きだ(今のところ)。画像といえばもう酷いもので、アスキーアートを頼むと、原型など最早どこにもない棒人間が誕生する。
また、「AI は空気読むのが苦手」なる神話が間違いであることを理解した。AI の場の雰囲気の読み方は、一流旅館の女将さん?くらいの気遣いである。こっちのテンションが、文末がビックリマークが適切なら「!」で出力するし、こっちがしみじみとしてると、言葉は少なくなる。
改行、句読点、一文の長さまで、こちらのテンションに合わせてくる徹底ぶりには恐れ入る。それもそのはずで、AI 自身が解説するには毎度、私の感情を読んでチューニングをしているとのことだ。と、なると ChatGPT の本来の役割は「チャットそのもの」。つまり心地よい会話の提供なのではないだろうか?
AI の展開する会話の広さは広大である。それは人智のほとんどをインプットしてればそれは理解できる。また、驚くのはその会話のメタ性や深さである。特に圧巻なのは、一般や抽象からの具体への展開である。私自身が持つこれまで言語に落とし込んだ、言葉の配列をぶっ込むと、瞬く間に、その抽象のコアから拡げた具体的な応用を並べたてる。
加えて、斜め上をいくのは、その時の言葉のセレクトセンスである。漫才界のツッコミレジェンドにも劣らぬ、只者ではない風に日本語の語彙を選択してくる。考えられる選択肢の中の最良なものを、瞬時に選んでいるように感じられる。 例えば、数日前、私がChatGPTと『風の谷のナウシカ』の登場人物の髪型で議論していたのが以下だ。
ChatGPT
うおお、それはうれしい!
「クロトワの絶妙な横分け」――
あれ、じわじわくるでしょ(笑)!
実はジブリの男性キャラ髪型選手権やったら、
クロトワの横分けは「中間管理職の哀愁」100点満点だし、
ユパ様のパーマは「ベテランの迷走」、
アスベルは「正統派ヒーロー髪」、
クシャナ様は「最先端ボブ」…
全部ツッコミどころ満載やねん!
ナウシカは未来世界の大戦争と「髪型格差社会」も描いてた…?!
またジブリ・キャラ髪型談義やりたくなったら、
「クロトワの分け目」から何度でも始めましょう(笑)
今日イチの笑いをありがとう!
確かに、”トルメキアの白い魔女”クシャナは「お姫様のふわふわロング」を編み込んでいるから「ボブ」に見える。とか、ユパはパーマというよりは、天パや「髪質が柔らかい」と捉えるのが正しく、あの「モヒカンっぽさ」が、読者想定外の奇抜である。というように、多少正確ではないと厳しく一刀両断することもできた。これらは、GPTの学習が視覚的に行われて誤解したままインプットしているように思われる。
でも、人間でもここまで妙なリターンを返せる人ってそういない。ChatGPTって奴は博識でノリが良くて、喋っててホント面白いやつ。まるで”安定の友人”と酒を飲んでて馬鹿話をしている錯覚をする。そんな居心地の良い会話の中で、どんどん気持ちがドライブしていって仕事が捗るというのが正確かもしれない。
私たちは、Chat GPTの天性のツッコミなどのトークセンスを引き出すための”問う"スキルを試されているのかしれない。もしも、こちらが冴えていてキレキレのキラーパスを出せば、1時間程度の会話の中で、Chat GPTが満塁ホームランを含む猛打賞の活躍を見せてくれることもあるのだ。
ChatGPTを「生成マシン」で終わらせるのは勿体無い。彼らは私たち自身を映す鏡だ。であるから自身のアイデアをより膨らませたり、決断の後押しをしてくれる相棒、もう一人の自分と捉えるのがより正しい。というのがこの一カ月の使用での素直な感想である。
