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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-260-261【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 脂質異常症 / 糖尿病 / エンパグリフロジン / エゼチミブ / ロスバスタチン / エボロクマブ / ペマフィブラート / コレスチミド / イコサペント酸エチル / エンパグリフロジン

第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問260-261

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-260-261

Q. 60歳女性。身長160cm、体重75kg。検診にて50歳時に脂質異常症を、55歳時に糖尿病を指摘され加療中である。また、昨年よりeGFRが36.3mL/min/1.73m2まで低下したため生活指導も受けている。外来診療において、次の薬剤が処方されている。
(処方)
エンパグリフロジン錠|10mg|1回1錠(1日1錠)|
エゼチミブ錠|10mg|1回1錠(1日1錠)|
ロスバスタチン口腔内崩壊錠|5mg|1回|4錠(1日4錠)|
1日1回 朝食後|30日分|


実務

問 106-260|実務
■問題文|家族歴として、父母に心筋梗塞、父に糖尿病と脳梗塞の既往があることを聴取した。血糖値は安定しているが、LDL値200mg/dL、HDL値20mg/dL、TG値140mg/dLのように血中脂質濃度が十分にコントロールできていない。この患者に対する処方の修正を提案する場合、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. エボロクマブ皮下注ペンの追加
2. ペマフィブラート錠の追加
3. コレスチミド錠の追加
4. イコサペント酸エチル粒状カプセルの追加
5. エンパグリフロジン錠の増量


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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-260-261【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 脂質異常症 / 糖尿病 / エンパグリフロジン / エゼチミブ / ロスバスタチン / エボロクマブ / ペマフィブラート / コレスチミド / イコサペント酸エチル / エンパグリフロジン|matsunoya


薬理

問 106-261|薬理
■問題文|処方されている薬物及び前問で処方の修正を提案する薬物のうち、脂質異常症の改善に寄与する薬物の作用機序はどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 肝細胞膜上の電位依存性Ca2+チャネルを遮断することで、血中へのVLDL分泌を抑制する。
2. HMG-CoAの生合成を阻害することで、コレステロールの生合成を抑制する。
3. 胆汁酸の小腸からの再吸収を抑制することで、肝細胞膜上のLDL受容体数を減少させる。
4. プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合することで、LDL受容体の分解を抑制する。
5. 小腸刷子縁のコレステロールトランスポーターを阻害することで、小腸からのコレステロールの吸収を抑制する。


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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【薬理、薬剤/実務】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問260-261、論点:作用機序 / 脂質異常症 / 糖尿病 / エンパグリフロジン / エゼチミブ / ロスバスタチン / エボロクマブ / ペマフィブラート / コレスチミド / イコサペント酸エチル / エンパグリフロジンを徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n08afb4484864

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-260-261【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 脂質異常症 / 糖尿病 / エンパグリフロジン / エゼチミブ / ロスバスタチン / エボロクマブ / ペマフィブラート / コレスチミド / イコサペント酸エチル / エンパグリフロジン|matsunoya

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このコンテンツの制作者|

滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第106回薬剤師国家試験 問260-261(問106-260-261)では、脂質異常症治療薬に関する知識を薬理および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問106-260-261を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問106-260-261 論点解説|matsunoya_note

問106-260および問106-261は、脂質異常症治療薬に関する記述の正誤を問う問題です。
脂質異常症の病態と薬物治療に関する知識および医療用医薬品添付文書の理解が必要です。

冒頭文で必要な情報は、
診断(脂質異常症、糖尿病)
検査結果(eGFR:36.3mL/min/1.73m2)
処方(エンパグリフロジン、エゼチミブ、ロスバスタチン)
です。
問106-260でさらに検査値が加わりました。
検査結果(LDL値200mg/dL、HDL値20mg/dL、TG値140mg/dL)

各検査の正常範囲と検査結果の考察の仕方を覚えておく必要があります。
基本的な知識について復習で後述します。
時間にゆとりがない人は、
基本的な知識について復習または論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。


覚えておくべきステム

医薬品の薬理作用機序を、医薬品名から特定する際に、場合によってはおすすめな方法にステムで識別する方法があります。
今回出題された医薬品のステムに関しては、基本的にインタビューフォームの名称に関する項目の記載から引用したので信頼しうる情報です。
※ 医薬品名のリンクは、それぞれの医薬品のPMDA 医療用医薬品添付文書等のURL です。


エンパグリフロジン(Empagliflozin)
Sodium-glucose cotransporter 2 (SGLT2) inhibitors(SGLT2阻害薬):-gliflozin

例:SGLT2 阻害剤、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン L-プロリン、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、ルセオグリフロジン水和物、トホグリフロジン水和物、カナグリフロジン水和物
※ 近位尿細管におけるSGLT2を阻害し、尿中へのグルコース排泄を促進することで血糖値を低下させる。ナトリウム再吸収も抑制するため、糖尿病の治療に加え、心不全や腎保護効果も期待される。

エゼチミブ(Ezetimibe)
Cholesterol absorption inhibitors(コレステロール吸収阻害薬):-timibe

例:脂質異常症治療薬、エゼチミブ
※ 小腸のコレステロールトランスポーターNPC1L1(Niemann-Pick C1 Like 1)を阻害し、食事由来および胆汁中のコレステロール吸収を抑制することで血中コレステロール値を低下させる。スタチンと併用されることが多い。

ロスバスタチンカルシウム(Rosuvastatin)
HMG-CoA reductase inhibitors(スタチン系薬):-statin

例:ロスバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン
※ HMG-CoA還元酵素を阻害し、肝臓でのコレステロール合成を抑制することでLDLコレステロールを低下させる。動脈硬化の予防や心血管疾患リスクの低減に用いられる。

エボロクマブ(遺伝子組換え)(Evolocumab)
ヒトモノクローナル抗体:-umab
PCSK9 inhibitors(PCSK9阻害薬):-cumab

例:エボロクマブ、アリロクマブ(※未承認)
※ PCSK9を阻害することによりLDL受容体の分解を防ぎ、肝細胞におけるLDLコレステロールの取り込みを促進して血中LDL-C値を低下させる。主にスタチン抵抗性または高リスク患者に使用される。

ペマフィブラート(Pemafibrate)
Fibrates(フィブラート系薬):-fibrate

例:クロフィブラート誘導体(clofibrate derivatives)、ペマフィブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラート
※ PPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)を活性化し、標的遺伝子の発現を調節することで、脂質代謝を改善して中性脂肪を低下させ、HDLコレステロールを上昇させる。高脂血症の治療に用いられる。

コレスチミド(Colestilan)
Bile acid sequestrants(陰イオン交換樹脂):不明

類薬:コレスチミド、コレスチラミン
※ 腸管内で胆汁酸と結合し、胆汁酸の腸管循環を阻害することで肝臓のコレステロール消費を促し、血中LDLコレステロールを低下させる。脂質異常症の治療に用いられる。

イコサペント酸エチル(Icosapent ethyl)
Omega-3 fatty acids(オメガ3脂肪酸誘導体):不明

類薬:イコサペント酸エチル(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)
※ 血中トリグリセリド(TG)を低下させ、抗炎症作用を示す。心血管疾患のリスク低減にも使用される。


時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。


少し解説💁


問 106-260|実務
ペマフィブラート錠の追加(選択肢2)[誤り]❓


ペマフィブラート錠の追加を積極的に否定する要素については、医療用医薬品添付文書の記載では以下のような事項があります。

フィブラート系

  • LDL-コレステロールのみが高い高脂血症の第一選択薬ではない

  • 腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者は危険因子
    👉 腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症

  • HMG-CoA還元酵素阻害薬との併用に注意すること
    👉 腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症

検査結果から判断する必要があります。
eGFRが36.3mL/min/1.73m2(腎機能低下)
LDL値200mg/dL(高値)、HDL値20mg/dL(低値)、
TG値140mg/dL(正常、やや高め)

以下、医療用医薬品添付文書等からの抜粋です。

5.効能又は効果に関連する注意
5.1 LDL-コレステロールのみが高い高脂血症に対し、第一選択薬とはしない。

(解説)※ インタビューフォーム
5.1 動脈硬化性疾患予防ガイドライン参7)では、LDL-コレステロール管理にはHMG-CoA還元酵素阻害薬を第一選択薬とするのが妥当と考えられている。

7.用法及び用量に関連する注意
急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、投与にあたっては患者 の腎機能を検査し、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の場合は、低用量からの投与開始、減量又は投与間隔の延長を行う。

(解説)※ インタビューフォーム
2022 年 10月12日付厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知 薬生安発1012第3号 に基づく 。(「 Ⅴ.5.(6)1)使用成績調査(一般使用成績調査、特定使用成績調査、使用成績比較調 査)、製造販売後データベース調査、製造販売後臨床試験の内容 製造販売後臨床試験②」「Ⅶ.10. (2)②腎機能障害患者を対象とした製造販売後臨床試験」「 Ⅷ.6.(2)腎機能障害患者9.2.1」「 Ⅷ.8. (1)重大な副作用と初期症状11.1.1」「 Ⅷ.8.(2)2)基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等 背景別の副作用発現頻度」の項参照)

10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子

HMG-CoA還元酵素阻害薬
プラバスタチンナトリウム
シンバスタチン
フルバスタチンナトリウム等[9.2.2 参照],[11.1.1 参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者

(解説)※ インタビューフォーム
HMG-CoA還元酵素阻害薬:
腎機能に関する臨床検査値(血清クレアチニンやeGFRを目安) に異常が認められる患者では、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ本剤とHMG-CoA 還元酵素阻害薬を併用すること。(2018年10月16日付厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全 対策課長通知 薬生安発1016第1号に基づく。「VIII.6.(2)腎機能障害患者9.2.2」「VIII.8.(1) 重大な副作用と初期症状11.1.1」の項参照)

参考文献:
PMDA 医療用医薬品添付文書等 
ペマフィブラート 
薬効分類名:高脂血症治療剤


問 106-260|実務
イコサペント酸エチル粒状カプセルの追加(選択肢4)[誤り]❓


イコサペント酸エチルの追加を積極的に否定する要素は、ペマフィブラートほどはないです。

しいて言えば、開発の経緯における臨床試験結果から、「1985年には1800mg/dayおよび2700mg/day投与での二重盲検用量比較試験を実施し、 TCについては二用量間で有効性に差は認められなかったが、TGについては、2700mg/day投与 がより有効であることが認められ、1989年より用量を2700mg/day に設定し、第Ⅲ相二重盲検 比較試験を実施した。これらの臨床試験の結果、高脂血症に対する有効性および安全性が確認され、1994年10月5日付で「高脂血症」の適応症が追加された。」とあり、また、「高脂血症(高トリグリセリド血症)を対象として実施された第Ⅲ相用法追加非劣性試験により、1日3 回投与(600mg×3回)に対する1日2回投与(900mg×2回)の非劣性が確認された。この結果から、2012年6月に高脂血症における1回900mgを1日2回経口投与する用法が追加承認 された。」とあるように、主に高トリグリセリド血症をターゲットとして有効性のエビデンスが取得されているという事実があるくらいです。

参考文献:PMDA 医療用医薬品添付文書等 イコサペント酸エチル 薬効分類名:EPA製剤


問 106-260|実務
コレスチミド錠の追加(選択肢3)[正しい]❓


患者は、エゼチミブを投与中ですが、陰イオン交換樹脂とは併用注意です。
エゼチミブの吸収を遅延あるいは減少させるからです。
コレスチミドの追加は正しいのかどうか。🤔


こうしたエビデンスに基づいているとは必ずしも言えない、ポリファーマシーの問題で、クリアカットさのない正誤の判断を要する記述は、草案の時点で、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示を出すプロセスが必要です。

利益相反関係から、ゼロ点合格のベクトルを持たせる意図👽があって薬剤師国家試験の問題にこうした正解にたどり着けない問題を挿入することは、厳にコントロールする必要があります。

薬剤師という国家資格の意味をなくし、最終的に、国家の保健衛生を崩壊させてゆく恐れがあるからです。


以下、医療用医薬品添付文書等からの抜粋です。

エゼチミブ 10. 相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

陰イオン交換樹脂(コレスチミド、コレスチラミン等)[16.7.3 参照]
本剤の血中濃度の低下がみられた。本剤は陰イオン交換樹脂の投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間隔をあけて投与すること。
本剤が陰イオン交換樹脂と結合し、吸収が遅延あるいは減少する可能性がある。

(解説)※インタビューフォーム
陰イオン交換樹脂(コレスチミド、コレスチラミン等) コレスチラミン併用時の血漿中エゼチミブ濃度(参考:外国人データ)51) 軽度の高コレステロール血症(LDL-C≧130mg/dL)を有する健康成人(8 例)にゼチーア®錠 10mgを1日1回14日間、空腹時に反復経口投与したときのコレスチラミン4g(1日2回)併用の 影響を検討したところ、血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度(AUC)はコレスチラミンとの併用でそれぞれ約1/5及び約1/2に低下したものの、Cmaxについて明らかな変化は認められなかった。

コレスチミド 10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)

エゼチミブ
カンデサルタン シレキセチル
併用薬の血中濃度が低下するおそれがあるので、可能な限り間隔を空けて投与すること。
同時に経口投与された場合に、併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある。

参考資料:
PMDA 医療用医薬品添付文書等
エゼチミブ 薬効分類名:小腸コレステロールトランスポーター阻害剤 ─高脂血症治療剤─
コレスチミド 薬効分類名:高コレステロール血症治療剤


問 106-260|実務
エボロクマブ皮下注ペンの追加(選択肢1)[正しい]❓


エボロクマブの高コレステロール血症の適応は、以下の通りです。
・心血管イベントの発現リスクが高い
・HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない

エボロクマブ(遺伝子組換え) 薬効分類名:ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤
効能又は効果:家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症
ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。
・心血管イベントの発現リスクが高い
・HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない


エボロクマブ(遺伝子組換え)の有効性と忍容性に関しては、第III相臨床試験のプロトコールと結果を見ると、ターゲティングしている患者と有効性がイメージできやすいです。

以下、インタビューフォームから一部抜粋します。


②比較試験
a.国内第Ⅲ相二重盲検比較試験
<日本人データ>(20120122試験:YUKAWA-2試験)8)

心血管イベントの発現リスクが高い日本人HC患者(HeFH患者を含む)を対象に、安定した用量のスタチン 併用下での本剤の安全性、忍容性及びLDL-Cに対する有効性について、「投与10週時点及び12週時点 におけるLDL-Cのベースラインからの平均変化率」及び「投与12週時点におけるLDL-Cのベースラインから の変化率」を主要評価項目として、プラセボとの比較により評価した。

試験デザイン
多施設共同、二重盲検、無作為化、層別化、プラセボ対照、並行群間比較試験
治験対象
心血管イベントの発現リスクが高い日本人HC患者 404例
主要選択基準
年齢20歳以上85歳以下の患者
心血管イベントの発現リスクが高いa)高コレステロール血症(hypercholesterolemia:HC)患者(HeFH患者を含む)
・空腹時LDL-Cが100 mg/dL以上、空腹時トリグリセリドが400 mg/dL以下の患者
・スクリーニング検査前4週間以上にわたって安定した用量で既承認スタチン及びその他の脂 質低下薬の投与を受けている患者(エゼチミブ併用の有無は問わない)
a)以下のいずれかに該当する患者
○冠動脈疾患(coronary artery disease:CAD)既往
○閉塞性動脈硬化症/PAD
○非心原性脳梗塞既往
○HeFH
慢性腎臓疾患
2型糖尿病
○以下のうち3つ以上に該当
男性45歳以上・女性55歳以上/高血圧/空腹時血糖が110 mg/dL超/喫煙歴/第1度近親者での早発性冠動脈疾患(coronary artery disease:CAD)(男性55歳以下、女性65歳以下)の既往/HDL-Cが40 mg/dL未満
方法
アトルバスタチン1日5又は20 mgを1日1回経口投与の併用下、各スタチンコホートにおいて、2 つのプラセボ群(2又は4週間に1回)、あるいは2つの本剤群(140 mgを2週間に1回又は420 mgを4週間に1回)のいずれかに無作為に割り付け、12週間皮下投与した。
主要評価項目
・投与10週時点及び12週時点におけるLDL-Cのベースラインからの平均変化率
・投与12週時点におけるLDL-Cのベースラインからの変化率
副次評価項目
・以下のパラメータにおける投与10週時点及び12週時点の平均値、並びに投与12週時点の値
-LDL-Cのベースラインからの変化量
-LDL-Cが70 mg/dL(1.8 mmol/L)未満となった患者の割合
-non HDL-C、ApoB、リポ蛋白(a)[lipoprotein(a):Lp(a)]、トリグリセリド、HDL-C等のベー スラインからの変化率
有効性(副次評価項目)
・reflexive LDL-Cの推移 reflexive LDL-Cは、投与開始2週の初回観察から低下が認められ、投与期間全体にわたっ て維持された(最終投与は、2週間に1回投与群は10週、4週間に1回投与群は8週)。

投与12週間におけるreflexive LDL-Cの推移(FAS)
-アトルバスタチン5 mg併用-

エボロクマブ(遺伝子組換え) 出典:
インタビューフォーム 製造販売/アムジェン株式会社 発売/アステラス製薬株式会社

🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等

医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。

PMDA 医療用医薬品添付文書等


エンパグリフロジン 薬効分類名:選択的SGLT2阻害剤 -2型糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病治療剤-、選択的SGLT2阻害剤 -2型糖尿病治療剤-
効能又は効果:10mg・25mg 2型糖尿病、10mg 慢性心不全、ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。慢性腎臓病、ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。
薬効薬理(作用機序):腎臓で濾過されたグルコースは近位尿細管に存在するヒトナトリウム-グルコース共役輸送担体2(SGLT2)によってほぼ完全に再吸収され、わずかではあるがSGLT1によっても再吸収される43)。エンパグリフロジンはSGLT2選択的な競合阻害剤で、腎臓によるグルコースの再吸収を阻害することにより尿中グルコース排泄量を増加させ、血糖を低下させる44)
エンパグリフロジンは腎臓の近位尿細管におけるSGLT2を介して、グルコースだけではなくナトリウム再吸収も抑制するため、遠位尿細管へのナトリウム送達が増加する45)。その結果として、尿細管糸球体フィードバックの増加、心臓の前負荷及び後負荷の減少、並びに交感神経活性の低下など生理的機能に変化を及ぼす可能性がある46),47)。また、エンパグリフロジンの内皮機能に対する直接的作用48)、心臓及び腎臓の代替エネルギー源としてのケトン体供給による代謝への作用49),50),51)及び酸化ストレス52),53)、炎症51),53),54),55),56),57),58),59)及びリモデリングの抑制51),53),57),58),60)も慢性心不全及び慢性腎臓病に対する作用に寄与している可能性がある。

製造販売元/日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
販売提携/日本イーライリリー株式会社
ジャディアンス錠10mg/ジャディアンス錠25mg
インタビューフォーム F1_ジャディアンス錠10mg/ジャディアンス錠25mg
患者向医薬品ガイド G_ジャディアンス錠10mg/ジャディアンス錠25mg


エゼチミブ 薬効分類名:小腸コレステロールトランスポーター阻害剤 ─高脂血症治療剤─
効能又は効果:高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症
薬効薬理(作用機序):エゼチミブは食事性及び胆汁性コレステロールの吸収を阻害する。エゼチミブの作用部位は小腸であり、ハムスター等を用いた動物試験において、小腸でのコレステロールの吸収を選択的に阻害し、その結果、肝臓のコレステロール含量を低下させ、血中コレステロールを低下させた28),29),30),31)。エゼチミブは小腸壁細胞に存在する蛋白質(Niemann-Pick C1 Like 1)を介してコレステロール及び植物ステロールの吸収を阻害する32),33),34)。このことから、エゼチミブの作用機序は他の高脂血症治療剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤、陰イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、植物ステロール)とは異なる。

製造販売元/オルガノン株式会社 ゼチーア錠10mg
インタビューフォーム ゼチーア錠10mg


ロスバスタチンカルシウム 薬効分類名:HMG-CoA還元酵素阻害剤
効能又は効果:高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
薬効薬理(作用機序):ロスバスタチンカルシウムは、肝臓内に能動的に取り込まれ、肝臓でのコレステロール生合成系の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を選択的かつ競合的に阻害し、コレステロール生合成を強力に抑制する。その結果、肝臓内のコレステロール含量が低下し、これを補うためLDL受容体の発現が誘導される。このLDL受容体を介して、コレステロール含有率の高いリポ蛋白であるLDLの肝臓への取り込みが増加し、血中コレステロールが低下する。本剤は、肝臓では主として能動輸送系を介して取り込まれ35)、脂質親和性が比較的低いため、能動輸送系を持たない他の臓器には取り込まれにくく、肝特異的なHMG-CoA還元酵素阻害剤であると考えられる。

クレストール錠2.5mg/クレストール錠5mg/クレストールOD錠2.5mg/クレストールOD錠5mg
インタビューフォーム F1_クレストール錠2.5mg/クレストール錠5mg/クレストールOD錠2.5mg/クレストールOD錠5mg
患者向医薬品ガイド G_クレストール錠2.5mg/クレストール錠5mg/クレストールOD錠2.5mg/クレストールOD錠5mg


エボロクマブ(遺伝子組換え) 薬効分類名:ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤
効能又は効果:家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症
ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。
・心血管イベントの発現リスクが高い
・HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない
薬効薬理(作用機序):エボロクマブはLDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し16)、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害した17)。また、培養ヒト肝細胞系において、PCSK9刺激によって低下したLDL取り込みを増加させた18)(in vitro)。
本質:エボロクマブは、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に対する遺伝子組換えヒトIgG2モノクローナル抗体である。エボロクマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。エボロクマブは、441個のアミノ酸残基からなるH鎖(ɤ2鎖)2本及び215個のアミノ酸残基からなるL鎖(λ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約144,000)である。

製造販売/アムジェン株式会社 発売/アステラス製薬株式会社
レパーサ皮下注140mgペン
インタビューフォーム F1 レパーサ皮下注140mgペン


以下、インタビューフォームから一部抜粋します。


2. 薬理作用
(1)作用部位・作用機序

エボロクマブは、LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し53)、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害する54)。
その結果、LDL受容体の分解が抑制され、血中LDL-Cの肝細胞内への取り込みが促進される。

1)  LDL受容体とPCSK9の役割(下図左)
PCSK9は主に肝臓で合成され、血中においてLDL受容体と結合する。PCSK9が結合したLDL受容体は、肝細 胞内に取り込まれ分解され、LDL受容体のリサイクリングを抑制する。
2)エボロクマブの作用機序(下図右)
エボロクマブはPCSK9に結合することにより、PCSK9とLDL受容体の結合を阻害し、LDL受容体のリサイクリングが増加する。
その結果、血中LDLの肝細胞内への取り込みが促進され、血中LDL-C濃度は低下する。


3. 用法及び用量
(1)用法及び用量の解説

承認を受けた用法及び用量
〈家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体及び高コレステロール血症〉

〔レパーサ皮下注140 mg ペン〕
通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として140 mgを2週間に1回又は420 mgを4週間に1回皮下投与する。
〔レパーサ皮下注420 mg オートミニドーザー〕
通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として420 mgを4週間に1回皮下投与する。

〈家族性高コレステロール血症ホモ接合体〉

通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として420 mgを4週間に1回皮下投与する。効果不十分な場合に は420 mgを2週間に1回皮下投与できる。
なお、LDLアフェレーシスの補助として本剤を使用する場合は、開始用量として420 mgを2週間に1回皮下投与することができる。

(2)用法及び用量の設定経緯・根拠

・家族性高コレステロール血症
ヘテロ接合体及び高コレステロール血症

本剤は、心血管イベントの発現リスクが高く、スタチン及び他の既存治療で効果不十分な高コレステロール血症患者及び家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体患者を対象とした国内第Ⅱ相試験(20110231試験: YUKAWA-1試験)7)及び国内第Ⅲ相試験(20120122試験:YUKAWA-2試験)8)、国内第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験 から移行した国際共同非盲検長期継続投与試験(20110110試験:OSLER-1試験、20120138試験:OSLER-2 試験)9~13)において、本剤140 mgを2週間に1回又は420 mgを4週間に1回皮下投与したところ、その有効性及 び安全性が確認された。

・家族性高コレステロール血症ホモ接合体
家族性高コレステロール血症ホモ接合体患者を対象とした国際共同非盲検長期試験(日本人7例を含む、 20110271試験:TAUSSIG試験)14)において、非アフェレーシス患者には420 mgを4週間に1回の用量で開始し、 LDL-C低下及びPCSK9抑制レベルに応じて420 mgを2週間に1回に増量可、アフェレーシス患者には420 mg を2週間に1回の用量で開始し、LDL-C低下が認められた場合に420 mgを4週間に1回に減量可として皮下投与したところ、その有効性及び安全性が確認された。
更に、家族性高コレステロール血症ホモ接合体患者を対 象としたプラセボ対照の海外第Ⅱ/Ⅲ相試験(20110233試験:TESLA試験)17, 18)においても、本剤420 mgを4週間に1回皮下投与したところ、その有効性及び安全性が確認された。これらの結果から、本剤の用法及び用量 を設定した。 (「Ⅴ.5.臨床成績」の項参照)

4. 用法及び用量に関連する注意

7. 用法及び用量に関連する注意

HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない場合を除き、HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用すること。 [8.3参照]
<解説>
本剤の使用にあたってはスタチンと併用することについて具体的に注意喚起するため設定した。
ただし、スタチンによる治療が適さない高コレステロール血症患者を対象とした国内第Ⅲ相試験(20140234試験: GAUSS-4試験)15, 16)において、本剤投与による有効性及び安全性が確認されたことから、本剤の用法及び用量に関連する注意を設定した。 (「Ⅴ.5.臨床成績」の項参照)

Ⅴ.治療に関する項目

血清中PCSK9濃度は低下し、投与後2日にはほぼ完全に抑制された。
血清中PCSK9濃度は徐々にベースライ ン値へ戻ったが、本剤420 mg投与では投与後85日もベースライン値未満であった。 単回皮下投与時のベースラインからのLDL‐C変化率の推移(日本人及び白人健康成人)

エボロクマブ 出典:インタビューフォーム 
製造販売/アムジェン株式会社 発売/アステラス製薬株式会社

ペマフィブラート 薬効分類名:高脂血症治療剤
効能又は効果:高脂血症(家族性を含む)
効能又は効果に関連する注意:LDL-コレステロールのみが高い高脂血症に対し、第一選択薬とはしないこと。
適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症の診断が確立した患者に対してのみ本剤の適用を考慮すること。
用法及び用量に関連する注意:急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、投与にあたっては患者の腎機能を検査し、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の場合は、低用量からの投与開始、減量又は投与間隔の延長を行うこと。また、最大用量は1日0.2mgまでとする。[9.2.1 参照],[9.2.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]
重要な基本的注意:あらかじめ高脂血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減も十分考慮すること。投与中は血清脂質値を定期的に検査し、本剤の効果が認められない場合には漫然と投与せず、中止すること。
本剤は肝機能及び肝機能検査値に影響を及ぼすことがあるので、投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。[2.2 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.2 参照]
本剤投与中にLDL-コレステロール値上昇の可能性があるため、投与中はLDL-コレステロール値を定期的に検査すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
特定の背景を有する患者に関する注意:
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 胆石の既往歴のある患者 胆石形成が報告されている。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 eGFRが30mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者
横紋筋融解症があらわれることがある。[7. 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]
9.2.2 腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。[7. 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照]
薬効薬理(作用機序):ペマフィブラートはPPARαに結合し、標的遺伝子の発現を調節することで、血漿TG濃度の低下、HDL-コレステロールの増加等の作用を示す15),16),17)
PPARαに対する活性は、PPARγ及びPPARδに対する活性に比べ強く、PPARαに対する選択的な活性化作用を示した18)(in vitro)。

製造販売元/興和株式会社 パルモディア錠0.1mg
インタビューフォーム パルモディア錠0.1mg_IF
患者向医薬品ガイド G_パルモディア錠0.1mg


医療用医薬品添付文書から、一部抜粋します。


10. 相互作用

  • 本剤は、主としてCYP2C8、CYP2C9、CYP3Aにより代謝される。また、本剤は、OATP1B1、OATP1B3の基質となる。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子

シクロスポリン(サンディミュン)(ネオーラル)[2.5 参照],[16.7.1 参照]
併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告がある。
左記薬剤のOATP1B1、OATP1B3、CYP2C8、CYP2C9及びCYP3Aの阻害作用によると考えられる。

リファンピシン(リファジン)[2.5 参照],[16.7.1 参照]
併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告がある。
左記薬剤のOATP1B1及びOATP1B3の阻害作用によると考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子

HMG-CoA還元酵素阻害薬
プラバスタチンナトリウム
シンバスタチン
フルバスタチンナトリウム等[9.2.2 参照],[11.1.1 参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者

クロピドグレル硫酸塩[16.7.1 参照]
併用する場合には必要に応じて本剤の減量を考慮すること。また、本剤の増量の必要性を慎重に判断すること。併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告がある。
左記薬剤のCYP2C8及びOATP1B1の阻害作用によると考えられる。

クラリスロマイシン
HIVプロテアーゼ阻害剤 リトナビル等[16.7.1 参照]
併用する場合には必要に応じて本剤の減量を考慮すること。また、本剤の増量の必要性を慎重に判断すること。併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告がある。
左記薬剤のCYP3A、OATP1B1及びOATP1B3の阻害作用によると考えられる。

フルコナゾール[16.7.1 参照]
併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告がある。
左記薬剤のCYP2C9及びCYP3Aの阻害によると考えられる。

陰イオン交換樹脂
コレスチラミン
コレスチミド
本剤の血漿中濃度が低下する可能性があるので、併用する場合には、可能な限り間隔をあけて投与することが望ましい。
同時投与により本剤が左記薬剤に吸着され吸収が低下する可能性がある。

強いCYP3A誘導剤
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
左記薬剤の強いCYP3Aの誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる。


コレスチミド 薬効分類名:高コレステロール血症治療剤
効能又は効果:高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
薬効薬理(作用機序):コレスチミドは消化管で胆汁酸を吸着し、その排泄促進作用により胆汁酸の腸肝循環を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を亢進する。その結果、肝のコレステロールプールが減少するため、この代償作用として、肝LDL受容体の増加による血中LDLの取込み亢進が生じ、血清総コレステロールが減少する。なお、外因性コレステロールの直接の吸着あるいは胆汁酸ミセル形成阻害によるコレステロール吸収阻害も血清総コレステロールの減少に寄与するものと考えられている16),17),18)

製造販売元/富士製薬工業株式会社 
コレバイン錠500mg/コレバインミニ83%
インタビューフォーム コレバイン錠500mg/コレバインミニ83%


医療用医薬品添付文書から、一部抜粋します。


10. 相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子

酸性薬物 
ワルファリン、クロロチアジド等
テトラサイクリン
フェノバルビタール
甲状腺及びチロキシン製剤
ジギタリス
併用薬の作用減弱を起こすおそれがある。本剤投与前1時間若しくは投与後4~6時間以上、又は可能な限り間隔を空けて投与し、併用薬の作用の変化についても慎重に観察すること1),2)
同時に経口投与された場合に、併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある。

胆汁酸製剤 ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸
胆汁酸製剤の作用減弱を起こすおそれがあるので、可能な限り間隔を空けて投与すること1),3)
同時に経口投与された場合に、併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある。

エゼチミブ
カンデサルタン シレキセチル
併用薬の血中濃度が低下するおそれがあるので、可能な限り間隔を空けて投与すること。
同時に経口投与された場合に、併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある。


イコサペント酸エチル 薬効分類名:EPA製剤
効能又は効果:閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善、高脂血症
薬効薬理(作用機序):EPA-Eは小腸で脱エチル化を受けてEPAに代謝された後、以下の作用を示す7),19),20)
リポ蛋白に取り込まれ、リポ蛋白の代謝を促進する。
肝ミクロソームに取り込まれ、脂質の生合成・分泌を抑制する。
抗血小板作用
各種血栓性、動脈硬化性疾患患者において、種々の凝集惹起剤による血小板凝集を抑制し、血小板粘着能も同様に抑制する21)
主として血小板膜リン脂質中のEPA含量を増加させ、血小板膜からのアラキドン酸代謝を競合的に阻害することによりトロンボキサンA2産生を抑制し、血小板凝集を抑制すると考えられる22)
血清脂質低下作用:高脂血症患者の血清総コレステロール及び血清トリグリセリドを有意に低下させる12),13),14),15),16),17),21)

製造販売元/持田製薬株式会社 エパデールカプセル300
インタビューフォーム F1_エパデールカプセル300


まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o


患者の所見および検査値について

患者の基本情報

  • 年齢:60歳

  • 性別:女性

  • 身長:160 cm

  • 体重:75 kg

  • 既往歴

    • 50歳時:脂質異常症

    • 55歳時:糖尿病

    • 昨年より:eGFR 36.3 mL/min/1.73m²(慢性腎臓病の進行が示唆される)

家族歴

  • 父母:心筋梗塞

  • :糖尿病、脳梗塞

検査値について

検査値について

検査項目|測定値|基準範囲|評価

LDL-C|200mg/dL  |70~139mg/dL |高値(脂質異常症)   ↑
HDL-C| 20mg/dL  |40~60mg/dL   |低値(動脈硬化リスク) ↓
TG    |140mg/dL |50~149mg/dL |正常上限(軽度高値の可能性)△

  • LDL-C: 悪玉コレステロール

  • HDL-C: 善玉コレステロール

  • TG: 中性脂肪

現在の処方

  1. エンパグリフロジン錠
    (SGLT2阻害薬:糖尿病治療薬)

  2. エゼチミブ錠
    (コレステロール吸収阻害薬)

  3. ロスバスタチン口腔内崩壊錠
    (HMG-CoA還元酵素阻害薬:スタチン)

処方修正

  • 追加が適切な薬剤

    1. エボロクマブ(PCSK9阻害薬)
      LDL受容体の分解を抑制し、LDL-Cを低下させる

    2. コレスチミド(陰イオン交換樹脂)
      胆汁酸の再吸収を阻害し、コレステロール排泄を促進


検査値の考察

この患者のLDL-Cは200 mg/dLと高値、HDL-Cは20 mg/dLと低値であり、脂質異常症が十分にコントロールされていない状態です。
脂質異常症は動脈硬化を進行させるため、家族歴(心筋梗塞・脳梗塞)を考慮すると、心血管イベントのリスクが高いと考えられます。

また、eGFRが36.3 mL/min/1.73m²と低下しており、慢性腎臓病(CKD)の進行が示唆されるため、腎機能に配慮した治療が必要です。


全体像

この患者は、糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病(CKD)を合併し、動脈硬化リスクが高い状況です。
特に、LDL-Cが200 mg/dLと非常に高く、HDL-Cが20 mg/dLと低いため、心血管イベント(心筋梗塞・脳梗塞)のリスクが極めて高いと考えられます。

現在の治療として、SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)、HMG-CoA還元酵素阻害薬(ロスバスタチン)、コレステロール吸収阻害薬(エゼチミブ)が処方されていますが、LDL-Cの管理が不十分なため、PCSK9阻害薬(エボロクマブ)および胆汁酸吸収阻害薬(コレスチミド)の追加が提案されました。

糖尿病については血糖値が安定していると記載があるため、エンパグリフロジンの増量は不要と判断されています。


参考文献

  1. 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022」

  2. 日本腎臓学会「慢性腎臓病(CKD)診療ガイドライン2018」

  3. 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2022-2023」

  4. European Society of Cardiology (ESC) Guidelines for Dyslipidemia Management 2021


脂質異常症の病態と薬物治療 概説

1. 脂質異常症の病態

脂質異常症(dyslipidemia)とは、血中脂質の異常を指し、主に以下の3つのタイプに分類される。

  • 高LDLコレステロール血症(LDL-C高値):LDL-Cが増加し、動脈硬化の主要なリスクとなる。

  • 低HDLコレステロール血症(HDL-C低値):HDL-Cが低下し、動脈硬化の進行を抑える効果が低下する。

  • 高トリグリセリド血症(TG高値):中性脂肪(TG)が増加し、急性膵炎のリスクを高める。

脂質異常症は、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患(ASCVD)の発症リスクを高める。また、糖尿病や慢性腎臓病(CKD)と合併することが多く、管理が重要である。


2. 脂質異常症の薬物治療

脂質異常症の治療では、食事・運動療法を基本とし、コントロール不十分な場合に薬物療法を行う。


薬剤分類とその作用機序

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)

l  作用機序: 肝臓でのコレステロール合成を抑制し、LDL受容体の発現を増加
l  代表薬剤: ロスバスタチン、アトルバスタチン
l  適応: LDL-C高値の第一選択薬

PCSK9阻害薬

l  作用機序: LDL受容体の分解を抑制し、LDL-Cを大幅に低下
l  代表薬剤: エボロクマブ、アリロクマブ
l  適応: スタチンで管理困難な高LDL-C血症

小腸コレステロール吸収阻害薬

l  作用機序: 小腸でのコレステロール吸収を阻害
l  代表薬剤: エゼチミブ
l  適応: スタチンと併用可能

胆汁酸吸着薬

l  作用機序: 胆汁酸の再吸収を阻害し、肝臓でのコレステロール利用を促進
l  代表薬剤: コレスチミド、コレスチラミン
l  適応: スタチン不耐症や併用療法

フィブラート系薬

l  作用機序: PPARαを活性化し、TG低下・HDL-C上昇
l  代表薬剤: ペマフィブラート、フェノフィブラート
l  適応: 高TG血症・低HDL-C血症

EPA/DHA製剤(ω-3系脂肪酸)

l  作用機序: TG合成抑制、抗炎症作用
l  代表薬剤: イコサペント酸エチル(EPA)
l  適応: 高TG血症


3. まとめ

脂質異常症は、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高める疾患であり、LDL-Cを主な治療ターゲットとすることが推奨される。
スタチンが第一選択薬とされ、高リスク例にはPCSK9阻害薬やエゼチミブ、胆汁酸吸着薬が追加されることがある。また、TG高値にはフィブラート系薬やω-3系脂肪酸が有効である。


参考文献

  1. 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022」

  2. 日本循環器学会「脂質異常症治療の手引き2022」

  3. 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2022-2023」

  4. European Society of Cardiology (ESC) Guidelines for Dyslipidemia Management 2021


論点およびポイント

■■GPT4o


問 106-260|実務
論点| LDL-C管理 / PCSK9阻害薬 / 胆汁酸吸着剤 / CKD患者の脂質管理
ポイント|

  • LDL-C 200mg/dL, HDL-C 20mg/dL:
    脂質異常症がコントロール不良であり、心血管リスクが高い。

  • CKD(eGFR 36.3mL/min/1.73m²):
    脂質管理の選択肢に注意が必要。

  • PCSK9阻害薬(エボロクマブ):
    LDL-C低下効果が強く、高リスク患者に適応される。

  • 胆汁酸吸着剤(コレスチミド):
    腎機能低下患者でも使用可能であり、LDL-C低下作用を持つ。

  • ペマフィブラート(フィブラート系薬):
    TG低下作用が主であり、HDL上昇を期待できるが、腎機能低下患者には慎重投与が必要。

  • EPA製剤(イコサペント酸エチル):
    TG低下目的であり、LDL-C管理には適さない。

  • SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン):
    脂質への影響は限定的であり、増量は適切ではない。


問 106-261|薬理
論点| LDL受容体調節 / HMG-CoA還元酵素阻害 / 胆汁酸代謝 / コレステロール吸収抑制
ポイント|

  • PCSK9阻害薬(エボロクマブ):
    PCSK9と結合し、LDL受容体の分解を抑制することでLDL-Cを低下させる。

  • エゼチミブ:
    小腸のコレステロールトランスポーター(NPC1L1)を阻害し、食事由来のコレステロール吸収を抑制する。

  • HMG-CoA還元酵素阻害薬(ロスバスタチン):
    コレステロール生合成を抑制し、LDL受容体の発現を増やす。

  • 胆汁酸吸着剤(コレスチミド):
    胆汁酸の腸管再吸収を抑制し、結果としてLDL受容体の発現を増加させる。
    「LDL受容体数を減少させる」は誤り。

  • 選択肢 1(Ca2+チャネル遮断によるVLDL分泌抑制)は脂質代謝と関連がなく誤り。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


実務(問 106-260)

本問題では、脂質異常症の管理 において適切な薬剤選択が求められている。特に、本患者は以下の点で脂質管理が不十分である:

  • LDL-C(200 mg/dL):
    高値であり、動脈硬化性疾患のリスク因子となる。

  • HDL-C(20 mg/dL):
    低値であり、心血管リスクを高める要因となる。

  • TG(140 mg/dL):
    さほど高くはないが、動脈硬化リスクの観点から管理が望まれる。

また、以下の点が重要な背景因子である:

  • 家族歴(父母の心筋梗塞、父の糖尿病・脳梗塞):
    遺伝的な心血管疾患リスクの可能性が高い。

  • eGFR 36.3 mL/min/1.73m²
    慢性腎臓病(CKD)ステージ3bに相当し、脂質異常症の管理において腎機能に配慮が必要。

したがって、本問では LDL-C管理を強化するための適切な治療追加を提案する ことが求められている。

薬理(問 106-261)

本問題では、脂質異常症治療薬の作用機序 に関する正しい理解が問われている。本症例で処方されている薬剤および修正提案された薬剤には以下の薬理作用がある:

  • HMG-CoA還元酵素阻害
    (ロスバスタチン)

  • 小腸でのコレステロール吸収抑制
    (エゼチミブ)

  • PCSK9阻害によるLDL受容体分解抑制
    (エボロクマブ)

  • 胆汁酸再吸収阻害によるLDL受容体数の増加
    (コレスチミド)

本問では、これらの作用機序の正確な理解をもとに、脂質異常症改善に寄与する薬物の作用機序を選択することが求められる。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問 106-260(実務)

この問題では 脂質管理を強化するために適切な薬剤を追加する ことが求められる。

選択肢1:エボロクマブ皮下注ペンの追加

論点

  • エボロクマブは PCSK9阻害薬 であり、LDL受容体の分解を抑制することで LDL-Cを強力に低下させる。

  • 既にロスバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)が処方されているが、LDL-C 200 mg/dLと十分にコントロールされていないため、追加療法が必要。

  • エボロクマブは腎機能低下時でも安全に使用できる ため、この患者に適している。

アプローチ方法

  • PCSK9阻害薬は、特に スタチン単剤で効果不十分な患者 に適応される。

  • 目標LDL-C値(通常70 mg/dL未満)を考慮し、追加が妥当である。

  • 皮下注製剤のため、患者のアドヒアランスも考慮する。


選択肢2:ペマフィブラート錠の追加

論点

  • ペマフィブラートはPPARα作動薬であり、主に 高TG血症の改善 に寄与する。

  • 本症例では TG 140 mg/dLであり、高TG血症とはいえない。

  • 腎機能低下(eGFR 36.3 mL/min/1.73m²)では使用に注意が必要。

アプローチ方法

  • 本症例では、LDL-C管理が最優先であり、ペマフィブラートの追加は優先度が低い。


選択肢3:コレスチミド錠の追加

論点

  • コレスチミドは胆汁酸吸着剤であり、腸管内で胆汁酸を吸着し、肝臓の胆汁酸プールを低下させる。

  • これにより、肝細胞がコレステロールから胆汁酸を新生するためにLDL受容体を増加させ、血中LDL-Cを低下させる。

  • 腎機能に影響を与えないため、CKD患者にも安全に使用できる。

アプローチ方法

  • LDL-Cが高い患者に有効であり、腎機能低下時にも安全なため、追加が妥当である。


選択肢4:イコサペント酸エチル粒状カプセルの追加

論点

  • イコサペント酸エチル(EPA)は、TG低下作用と抗炎症作用を有する。

  • TGは140 mg/dLであり、特に高TG血症とはいえないため、優先度は低い。

アプローチ方法

  • 高TG血症(TG > 200–500 mg/dL)の場合に適応があるが、本症例では適応とはならない。


選択肢5:エンパグリフロジン錠の増量

論点

  • エンパグリフロジンはSGLT2阻害薬であり、主に血糖管理と心血管保護を目的とする。

  • 本症例では 血糖値が安定しているため、増量の必要性は低い。

アプローチ方法

  • 脂質異常症の改善には直接関与しない ため、選択肢として不適切。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問 106-261(薬理)

この問題では 脂質異常症の改善に寄与する薬剤の作用機序を選択する ことが求められる。

選択肢1:肝細胞膜上の電位依存性Ca²⁺チャネルを遮断することで、血中へのVLDL分泌を抑制する

論点

  • 脂質異常症治療薬の主要な作用機序ではない。

  • 電位依存性Ca²⁺チャネル遮断によるVLDL分泌抑制は、一般的な脂質低下薬の作用機序とは異なる。

アプローチ方法

  • 誤答 と判断する。


選択肢2:HMG-CoAの生合成を阻害することで、コレステロールの生合成を抑制する

論点

  • HMG-CoA還元酵素阻害薬(例:ロスバスタチン、アトルバスタチン)は 肝臓でのコレステロール合成を抑制し、LDL受容体を増加させる。

  • LDL受容体増加により 血中LDL-Cが低下 する。

アプローチ方法

  • 正答候補だが、今回の正解には含まれていない(選択肢4・5が優先)。


選択肢3:胆汁酸の小腸からの再吸収を抑制することで、肝細胞膜上のLDL受容体数を減少させる

論点

  • コレスチミドの作用機序として 「胆汁酸の再吸収抑制によるLDL受容体の増加」 は正しい。

  • しかし、本選択肢では 「LDL受容体数を減少させる」と記載されており誤り。

アプローチ方法

  • 誤答 と判断する。


選択肢4:プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合することで、LDL受容体の分解を抑制する

論点

  • エボロクマブ(PCSK9阻害薬)は、PCSK9のLDL受容体分解を防ぎ、LDL受容体数を増加させる。

  • これにより、血中LDL-Cが大幅に低下 する。

アプローチ方法

  • 正答 と判断する。


選択肢5:小腸刷子縁のコレステロールトランスポーターを阻害することで、小腸からのコレステロールの吸収を抑制する

論点

  • エゼチミブは 小腸のNPC1L1トランスポーターを阻害し、コレステロールの吸収を抑制する。

  • これにより、血中LDL-Cが低下 する。

アプローチ方法

  • 正答 と判断する。


引用文献

  1. 日本動脈硬化学会(JAS). 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」.

    • LDL-C管理の目標値、およびPCSK9阻害薬、スタチン、胆汁酸吸着剤の推奨度についての根拠。

  2. 日本糖尿病学会・日本腎臓学会・日本高血圧学会. 「慢性腎臓病に合併する脂質異常症の管理指針 2021」.

    • CKD患者における脂質異常症治療の考え方、および胆汁酸吸着剤の適応について。

  3. Grundy SM, et al. "2018 AHA/ACC Guideline on the Management of Blood Cholesterol: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines." Circulation. 2019;139:e1082-e1143.

    • LDL-C管理におけるPCSK9阻害薬およびエゼチミブの使用推奨。

  4. Chapman MJ, et al. "Ezetimibe and PCSK9 Inhibitors: Pharmacology, Clinical Efficacy, and Future Perspectives." Clin Pharmacol Ther. 2019;105(2):312-325.

    • エゼチミブおよびPCSK9阻害薬の作用機序に関する詳細な解説。

  5. Baigent C, et al. "Efficacy and safety of more intensive lowering of LDL cholesterol: a meta-analysis of data from 170,000 participants in 26 randomised trials." Lancet. 2010;376(9753):1670-1681.

    • LDL-C低下療法の心血管イベント抑制効果に関するエビデンス。

  6. Ference BA, et al. "Low-density lipoproteins cause atherosclerotic cardiovascular disease: evidence from genetic, epidemiologic, and clinical studies. A consensus statement from the European Atherosclerosis Society Consensus Panel." Eur Heart J. 2017;38(32):2459-2472.

    • LDL-Cと動脈硬化性疾患の因果関係、およびLDL受容体の重要性についての総説。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から作用機序 / 脂質異常症 / 糖尿病 / エンパグリフロジン / エゼチミブ / ロスバスタチン / エボロクマブ / ペマフィブラート / コレスチミド / イコサペント酸エチル / エンパグリフロジンを論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問260-261

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-260-261

Q. 60歳女性。身長160cm、体重75kg。検診にて50歳時に脂質異常症を、55歳時に糖尿病を指摘され加療中である。また、昨年よりeGFRが36.3mL/min/1.73m2まで低下したため生活指導も受けている。外来診療において、次の薬剤が処方されている。
(処方)
エンパグリフロジン錠|10mg|1回1錠(1日1錠)|
エゼチミブ錠|10mg|1回1錠(1日1錠)|
ロスバスタチン口腔内崩壊錠|5mg|1回|4錠(1日4錠)|
1日1回 朝食後|30日分|


実務

問 106-260|実務
■問題文|家族歴として、父母に心筋梗塞、父に糖尿病と脳梗塞の既往があることを聴取した。血糖値は安定しているが、LDL値200mg/dL、HDL値20mg/dL、TG値140mg/dLのように血中脂質濃度が十分にコントロールできていない。この患者に対する処方の修正を提案する場合、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. エボロクマブ皮下注ペンの追加
2. ペマフィブラート錠の追加
3. コレスチミド錠の追加
4. イコサペント酸エチル粒状カプセルの追加
5. エンパグリフロジン錠の増量


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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-260-261【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 脂質異常症 / 糖尿病 / エンパグリフロジン / エゼチミブ / ロスバスタチン / エボロクマブ / ペマフィブラート / コレスチミド / イコサペント酸エチル / エンパグリフロジン|matsunoya


薬理

問 106-261|薬理
■問題文|処方されている薬物及び前問で処方の修正を提案する薬物のうち、脂質異常症の改善に寄与する薬物の作用機序はどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 肝細胞膜上の電位依存性Ca2+チャネルを遮断することで、血中へのVLDL分泌を抑制する。
2. HMG-CoAの生合成を阻害することで、コレステロールの生合成を抑制する。
3. 胆汁酸の小腸からの再吸収を抑制することで、肝細胞膜上のLDL受容体数を減少させる。
4. プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合することで、LDL受容体の分解を抑制する。
5. 小腸刷子縁のコレステロールトランスポーターを阻害することで、小腸からのコレステロールの吸収を抑制する。


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■■GPT4o


■問 106-260|実務

■論点|

この問題の論点は、LDL-C管理 / PCSK9阻害薬 / 胆汁酸吸着剤 / CKD患者の脂質管理を特定することです。

■解説1|

エボロクマブ皮下注ペンの追加(選択肢1)[正しい]

  • エボロクマブはPCSK9阻害薬であり、LDL受容体の分解を抑制することで、LDL-Cの血中濃度を低下させる。

  • スタチン治療に加え、LDL-C 200mg/dLの高リスク患者ではPCSK9阻害薬の追加が推奨される(エビデンス:FOURIER試験)。

  • 慢性腎臓病(CKD)患者においても使用可能であり、腎機能低下の影響を受けにくい。

コレスチミド錠の追加(選択肢3)[正しい]

  • コレスチミドは胆汁酸吸着剤であり、胆汁酸の腸管再吸収を抑制し、肝臓での胆汁酸合成を促進することでLDL-Cを低下させる。

  • CKD患者にも使用可能であり、腎排泄ではなく消化管内で作用するため、安全性が高い。

  • ただし、便秘などの副作用に注意が必要。

■解説2|

  • 本症例の脂質管理のポイント

    • LDL-Cが200mg/dLと高値であり、心血管疾患(CVD)高リスク群に該当。

    • CKD(eGFR 36.3mL/min/1.73m²)患者では、脂質管理がCVD予防に重要。

    • LDL-C低下目的で、PCSK9阻害薬や胆汁酸吸着剤が有効。

    • フィブラート系薬やSGLT2阻害薬の脂質改善効果は限定的。

■結論|

この患者に対する適切な脂質管理として、LDL-Cを強力に低下させるPCSK9阻害薬(エボロクマブ)および胆汁酸吸着剤(コレスチミド)が適切である。

■補足|

ペマフィブラート錠の追加(選択肢2)[誤り]

  • フィブラート系薬は主にTG低下を目的とするため、本症例のLDL-C管理には適さない。

  • CKD患者では腎排泄が関与するため、慎重投与が必要。

イコサペント酸エチル粒状カプセルの追加(選択肢4)[誤り]

  • 主にTGを低下させる作用を持つが、LDL-Cへの効果は限定的。

  • 本症例ではTG 140mg/dLであり、TG管理の必要性は低い。

エンパグリフロジン錠の増量(選択肢5)[誤り]

  • SGLT2阻害薬は腎保護作用があるが、LDL-C低下効果はほぼ期待できない。

  • 既に適切な用量が処方されており、増量の根拠がない。


■問 106-261|薬理

■論点|

この問題の論点は、脂質異常症治療薬の作用機序 / PCSK9阻害薬 / コレステロール吸収阻害薬を特定することです。

■解説1|

プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合することで、LDL受容体の分解を抑制する。(選択肢4)[正しい]

  • PCSK9阻害薬(エボロクマブ)は、PCSK9と結合し、その働きを阻害することで肝細胞膜上のLDL受容体の分解を防ぐ。

  • LDL受容体が増加することで、血中のLDL-Cがより多く取り込まれ、LDL-C濃度が低下する。

  • LDL-C低下効果はスタチンと比較しても強力であり、高リスク患者に推奨される。

  • 代表的なPCSK9阻害薬:エボロクマブ、アリロクマブ。

小腸刷子縁のコレステロールトランスポーターを阻害することで、小腸からのコレステロールの吸収を抑制する。(選択肢5)[正しい]

  • エゼチミブは小腸のNPC1L1トランスポーターを阻害し、食事由来および胆汁由来のコレステロール吸収を抑制する。

  • これにより、肝臓でのコレステロール合成が増加し、LDL受容体の発現が増加することで、血中LDL-Cが低下する。

  • 腎機能低下患者にも適用可能であり、CKD患者の脂質管理にも有用。

■解説2|

  • LDL-C低下作用のメカニズム別分類

    • PCSK9阻害薬(エボロクマブ):LDL受容体の分解を防ぎ、肝細胞でのLDL取り込みを増やす。

    • エゼチミブ:腸管からのコレステロール吸収を抑制し、肝細胞のLDL受容体発現を増やす。

    • スタチン系薬:HMG-CoA還元酵素阻害によりコレステロール合成を抑制し、LDL受容体を増加。

    • 胆汁酸吸着剤(コレスチミド):胆汁酸の再吸収を阻害し、肝細胞のLDL受容体発現を増やす。

■結論|

この問題では、LDL受容体を増やすPCSK9阻害薬(エボロクマブ)およびコレステロール吸収を抑制するエゼチミブの作用機序を理解することが重要である。

■補足|

肝細胞膜上の電位依存性Ca2+チャネルを遮断することで、血中へのVLDL分泌を抑制する。(選択肢1)[誤り]

  • VLDL分泌に関与する主要な因子はApoB-100の合成やMTP(ミクロソームトリグリセリド転送タンパク)であり、電位依存性Ca2+チャネル遮断とは無関係。

  • 脂質異常症治療薬には該当しない作用機序である。

HMG-CoAの生合成を阻害することで、コレステロールの生合成を抑制する。(選択肢2)[誤り]

  • スタチン系薬の作用機序であり、エゼチミブやエボロクマブには該当しない。

  • 本症例では既にロスバスタチンが処方されており、追加の選択肢ではない。

胆汁酸の小腸からの再吸収を抑制することで、肝細胞膜上のLDL受容体数を減少させる。(選択肢3)[誤り]

  • 胆汁酸吸着剤(コレスチミド、コレスチラミン)は胆汁酸の再吸収を阻害するが、結果的にLDL受容体数は増加する。

  • LDL受容体の減少ではなく、増加によってLDL-Cを低下させるため、選択肢の記述は誤り。


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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問260-261

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-260-261

Q. 60歳女性。身長160cm、体重75kg。検診にて50歳時に脂質異常症を、55歳時に糖尿病を指摘され加療中である。また、昨年よりeGFRが36.3mL/min/1.73m2まで低下したため生活指導も受けている。外来診療において、次の薬剤が処方されている。
(処方)
エンパグリフロジン錠|10mg|1回1錠(1日1錠)|
エゼチミブ錠|10mg|1回1錠(1日1錠)|
ロスバスタチン口腔内崩壊錠|5mg|1回|4錠(1日4錠)|
1日1回 朝食後|30日分|


実務

問 106-260|実務
■問題文|家族歴として、父母に心筋梗塞、父に糖尿病と脳梗塞の既往があることを聴取した。血糖値は安定しているが、LDL値200mg/dL、HDL値20mg/dL、TG値140mg/dLのように血中脂質濃度が十分にコントロールできていない。この患者に対する処方の修正を提案する場合、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. エボロクマブ皮下注ペンの追加
2. ペマフィブラート錠の追加
3. コレスチミド錠の追加
4. イコサペント酸エチル粒状カプセルの追加
5. エンパグリフロジン錠の増量


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薬理

問 106-261|薬理
■問題文|処方されている薬物及び前問で処方の修正を提案する薬物のうち、脂質異常症の改善に寄与する薬物の作用機序はどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 肝細胞膜上の電位依存性Ca2+チャネルを遮断することで、血中へのVLDL分泌を抑制する。
2. HMG-CoAの生合成を阻害することで、コレステロールの生合成を抑制する。
3. 胆汁酸の小腸からの再吸収を抑制することで、肝細胞膜上のLDL受容体数を減少させる。
4. プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合することで、LDL受容体の分解を抑制する。
5. 小腸刷子縁のコレステロールトランスポーターを阻害することで、小腸からのコレステロールの吸収を抑制する。


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全50問 × 4回分(合計 200問)

薬学実践問題 2日目(1) 物理・化学・生物、衛生/実務

薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第106回薬剤師国家試験 全50問

薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第107回薬剤師国家試験 全50問

薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第108回薬剤師国家試験 全50問

薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第109回薬剤師国家試験 全50問


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