松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-278-279【薬理、薬剤/実務】論点:注射薬 / 配合変化 / Ca²⁺とPO₄³⁻ / 分離 / 静脈投与 / 塩化カルシウム注射液
第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問278-279
一般問題(薬学実践問題)
【薬理、薬剤/実務】
■複合問題|問 106-278-279
Q. 91歳女性。骨粗しょう症の治療でアレンドロン酸ナトリウム経口ゼリー剤を服用中である。先日、薬剤師が在宅訪問した際に手足のしびれや筋肉の硬直を訴えていたため主治医に報告したところ、本日、医師の訪問診療時に低カルシウム血症であることが判明し、食事の摂取量低下の影響で低栄養状態でもあったため、塩化カルシウム注射液(1mEq/mL)20mLとビーフリード輸液※500mLを末梢血管から投与する指示が出された。翌日、訪問看護師が2剤を混合したところ、輸液が若干白濁していることに気付き、在宅訪問した薬剤師に相談があった。
※ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
(主な電解質成分として、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物を含有)
薬剤
問 106-278|薬剤
Q. この輸液の白濁の原因と考えられる電解質成分の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. Cl-とMg2+
2. Cl-とZn2+
3. PO4(3-)とCa2+
4. PO4(3-)とチアミン
5. L-Lactate-とCa2+
6. Citrate3-とK+
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実務
問 106-279|実務
Q. 薬剤師の助言の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 若干白濁した程度であれば静脈内投与しても問題ない。
2. インラインフィルターを使用する。
3. 新たに2剤を混合し8℃以下に保管する。
4. 2剤を混合せず、ビーフリード輸液を点滴し、側管から塩化カルシウム注射液を急速静注する。
5. 2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する。
Here:
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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【薬理、薬剤/実務】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問278-279、論点:注射薬 / 配合変化 / Ca²⁺とPO₄³⁻ / 分離 / 静脈投与 / 塩化カルシウム注射液を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の②を取り上げています。
厚生労働省|過去の試験問題👇
第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第106回薬剤師国家試験 問278-279(問106-278-279)では、塩化カルシウム水和物に関する知識を薬剤および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
💡ワンポイント
複合問題ですが、問106-278-279を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問106-278および問106-279は、塩化カルシウム水和物に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書と予防接種法の理解が必要です。
冒頭文で必要な情報は、
処方(塩化カルシウム注射液(1mEq/mL)、ビーフリード輸液 ※主な電解質成分)
です。
時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。
🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等
医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。
PMDA 医療用医薬品添付文書等 塩化カルシウム水和物
製造販売元/株式会社大塚製薬工場 販売提携/大塚製薬株式会社
大塚塩カル注2%
インタビューフォーム F1_大塚塩カル注2%
以下、医療用医薬品添付文書から一部抜粋します。
一般的名称
塩化カルシウム注射液
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 ジギタリス製剤(ジゴキシン等)を投与中の患者[10.1 参照]
2.2 高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化するおそれがある。][8.2 参照],[9.1.1 参照]
2.3 腎結石のある患者[結石症が悪化するおそれがある。また、腎の石灰化や尿路結石を誘発するおそれがある。]
2.4 重篤な腎障害のある患者[9.2.1 参照]
3. 組成・性状
3.1 組成
本剤は1管中に次の成分を含有する注射剤である。
大塚塩カル注2%
成分 20mL中塩化カルシウム水和物 0.53g(CaCl2として) (0.4g)
電解質濃度(mEq/20mL)Ca2+ 7.2 Cl- 7.2
3.2 製剤の性状
大塚塩カル注2%
pH4.5~7.5浸透圧比約2(生理食塩液に対する比)性状無色澄明の液
4. 効能又は効果
低カルシウム血症に起因する下記症候の改善
テタニー、テタニー関連症状
鉛中毒症
マグネシウム中毒症
下記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給
妊婦・産婦の骨軟化症
6. 用法及び用量
塩化カルシウムとして、通常成人0.4~1.0g(カルシウムとして7.2~18mEq)を2%(0.36mEq/mL)液として、1日1回静脈内に緩徐に(カルシウムとして毎分0.68~1.36mEq)注射する。
ただし、妊婦・産婦の骨軟化症に用いる場合は、経口投与不能時に限る。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
8. 重要な基本的注意
🫛静脈内注射は緩徐に(カルシウムとして毎分0.68~1.36mEq:本品20mL当たり5~10分間)行うこと。
🫛急速な静脈内注射によって動悸、徐脈、血圧変動、熱感、潮紅、発汗等があらわれる。
8.1 静脈内注射は緩徐に(カルシウムとして毎分0.68~1.36mEq:本品20mL当たり5~10分間)行うこと。急速な静脈内注射によって動悸、徐脈、血圧変動、熱感、潮紅、発汗等があらわれることがある。
8.2 長期投与により血中及び尿中カルシウムが高値になることがあるので、長期投与する場合には定期的に血中又は尿中カルシウムを検査することが望ましい。[2.2 参照],[9.1.1 参照],[10.2 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高カルシウム血症があらわれやすい病態の患者
高カルシウム血症を生じるおそれがある。
[2.2 参照],[8.2 参照],[10.2 参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。高カルシウム血症が悪化するおそれがある。[2.4 参照]
9.2.2 腎障害を有する低カルシウム血症の患者
アシドーシスを促進するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
🫛ジギタリス製剤(ジゴキシン)と併用禁忌。ジギタリス製剤の作用を増強し、心停止を引き起こす。
薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス製剤 ジゴキシン等 [2.1 参照]
心停止を引き起こすことがある1)。
ジギタリス製剤の作用を増強するおそれがある。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子
活性型ビタミンD製剤
アルファカルシドール、カルシトリオール等 [8.2 参照],[9.1.1 参照]
高カルシウム血症を生じるおそれがある。
カルシウムの吸収を促進する。
11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
頻度不明
---
長期投与|高カルシウム血症、結石症
代謝異常|アシドーシス
消化器 |食欲不振、便秘
投与部位|血管外へ漏れると組織の炎症、壊死
14. 適用上の注意
14.1 全般的な注意
使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.2 薬剤調製時の注意
🫛クエン酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩等を含む製剤と混合した場合、沈殿を生じるので混合を避ける。
🫛エタノールにより沈殿を生じるので、エタノールで消毒した注射器は用いない。
14.2.1 クエン酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩等を含む製剤と混合した場合、沈殿を生じるので混合を避けること。
14.2.2 エタノールにより沈殿を生じるので、エタノールで消毒した注射器は用いないこと。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 注射に際しては血管外に漏出しないよう注意すること。
14.3.2 残液は使用しないこと。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
カルシウムは人体内に最も大量に存在する無機質である。
カルシウムイオンは骨の形成、維持、修復などに必須の役割を果たしているほか、神経及び筋の興奮性の調節など多くの複雑な生理学的過程に関与している。
カルシウムイオンは神経や骨格筋の興奮を鎮め、低カルシウム血症によって起こるテタニー症を改善する。
鉛中毒、マグネシウム中毒の治療や妊産婦の骨軟化症に対するカルシウムの補給に用いる2)。
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
■■GPT4o
静脈内投与薬の配合変化と沈殿形成リスク
について
1. 静脈内投与薬の配合変化とは
静脈内投与(IV)において、複数の薬剤を同一ルートまたは同一輸液中に混合する場合、化学的・物理的相互作用により配合変化が生じることがある。
配合変化とは、薬剤の安定性が損なわれる現象であり、主に以下のような形で発生する。
沈殿形成
(不溶性塩の生成、pHの変化による溶解度低下)変色
(酸化還元反応、pH変化)ガス発生
(炭酸塩の分解、揮発性成分の蒸散)ゲル化・粘度上昇
(高分子薬剤や糖・電解質の相互作用)
このような変化が起こると、薬剤の有効性が低下するだけでなく、血管閉塞や塞栓症のリスクが生じるため、適切な配合管理が求められる。
2. 沈殿形成の主要因
(1) 不溶性塩の生成
カチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)が反応し、難溶性の塩を形成することがある。
特に、Ca²⁺(カルシウム)とPO₄³⁻(リン酸)の沈殿形成は臨床上重要な問題となる。
リン酸カルシウム(Ca₃(PO₄)₂)
Ca²⁺とPO₄³⁻が一定濃度を超えて混合されると、pHの影響を受けて沈殿が形成される。
特にアルカリ性環境(pH > 7)で沈殿しやすい。
硫酸カルシウム(CaSO₄)
Ca²⁺とSO₄²⁻が高濃度で存在すると析出することがある。
炭酸カルシウム(CaCO₃)
pH上昇により、CO₂が逃げることでCa²⁺とCO₃²⁻が結合し沈殿する。
(2) pHの変化による溶解度低下
多くの薬剤の溶解度はpHに依存する。
例えば、酸性の薬剤とアルカリ性の薬剤を混合すると、pHの変化により一方が溶解しにくくなり沈殿する可能性がある。
フェニトイン(Phenytoin)
アルカリ性溶液で安定だが、酸性環境では不溶性結晶が析出する。
0.9% NaCl(生理食塩液)では不安定であり、5%ブドウ糖液(D5W)に溶解する必要がある。
アンピシリン(Ampicillin)
酸性条件で安定だが、アルカリ環境では加水分解が起こりやすい。
(3) 配合による錯体形成
特定の金属イオンと薬剤が錯体を形成し、沈殿や効果減弱が生じることがある。
セフトリアキソン(Ceftriaxone)とカルシウム
セフトリアキソンはCa²⁺と結合し、血管内で析出する可能性があるため、カルシウムを含む輸液(例:乳酸リンゲル液)とは混合禁忌。
テトラサイクリン(Tetracycline)と二価・三価金属イオン(Mg²⁺, Ca²⁺, Fe³⁺)
キレート形成により薬効が低下するため、金属イオンを含む輸液とは併用を避ける。
3. 沈殿形成を回避するための対策
(1) 配合変化の事前確認
添付文書や医薬品相互作用データベースを参照し、配合変化のリスクを確認する。
可能であれば、異なるルート(側管や別の点滴ライン)で投与する。
(2) 適切な希釈液の選択
カルシウム製剤は生理食塩液(0.9% NaCl)で希釈することで、リン酸との沈殿リスクを低減できる。
酸性・アルカリ性が極端な薬剤は、それに適した溶媒を用いる(例:フェニトインはD5Wで溶解)。
(3) 投与順序の管理
リン酸製剤とカルシウム製剤を同じルートで投与する場合は、一定時間を空け、間に生理食塩液でフラッシュする。
特に腎機能低下患者ではCa²⁺とPO₄³⁻の排泄バランスが崩れやすいため、慎重な管理が必要。
(4) pHの調整
薬剤の溶解度がpHに依存する場合は、適切なpH範囲を維持する。
重炭酸ナトリウム(NaHCO₃)などのpH調整剤を含む輸液は、アルカリ性を呈するため、酸性薬剤と混合しない。
4. まとめ
静脈内投与における配合変化は、沈殿形成、変色、ガス発生などの形で発生する。
特にCa²⁺とPO₄³⁻の沈殿形成は頻発しやすく、投与設計の際に注意が必要。
配合変化を回避するために、適切な希釈液の選択、pHの管理、異なるルートでの投与を考慮すべきである。
臨床現場では、添付文書や医薬品情報データベースを活用し、安全な投与計画を立てることが重要である。
参考文献
日本医薬品集(JAPIC)「静脈内投与薬の配合変化情報」
Trissel LA. Handbook on Injectable Drugs. 20th ed. ASHP, 2018.
Lawrence A. Trissel, "Compatibility of Parenteral Drug Solutions and Additives", Hosp Pharm, 2017.
日本病院薬剤師会「静脈内投与における配合変化の評価指針」
日本静脈経腸栄養学会「輸液・栄養療法ハンドブック」
混合不可の医薬品(静脈注射)リストとその理由
静脈内投与において、特定の薬剤同士の混合は沈殿形成、化学的不安定化、または治療効果の減弱を引き起こす可能性がある。以下に、代表的な混合不可の医薬品のリストとその理由を示す。
1. カルシウム含有製剤(Ca²⁺)とリン酸(PO₄³⁻)含有製剤
混合不可の薬剤
主な例
混合不適の理由
カルシウム製剤
塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム
Ca²⁺とPO₄³⁻が結合し、不溶性のリン酸カルシウム(Ca₃(PO₄)₂)を形成し沈殿する。特にpHが高いと沈殿しやすい。
リン酸含有製剤
リン酸二ナトリウム、リン酸カリウム
Ca²⁺と配合すると沈殿を形成し、血管閉塞のリスクがある。
✅ 対策
カルシウムとリン酸は異なるルートで投与
Ca²⁺濃度とPO₄³⁻濃度の合計が一定値を超えないように調整(Ca-PO₄の溶解度積を考慮)
2. セフトリアキソン(Ceftriaxone)とカルシウム(Ca²⁺)
混合不可の薬剤
主な例
混合不適の理由
セフトリアキソン ロセフィン®(Ceftriaxone)
セフトリアキソンがCa²⁺と結合し、不溶性のセフトリアキソン-カルシウム沈殿を形成する。新生児では致死的な肺塞栓の報告あり。
カルシウム含有輸液
乳酸リンゲル液、生理食塩液+グルコン酸カルシウム
セフトリアキソンのカルシウム塩が血管内で析出し、塞栓リスクを増加させる。
✅ 対策
カルシウム含有製剤とセフトリアキソンは異なる時間帯に投与
新生児には特に厳重な注意が必要
3. フェニトイン(Phenytoin)とブドウ糖(Dextrose)
混合不可の薬剤
主な例
混合不適の理由
フェニトイン アレビアチン®(Phenytoin)
フェニトインはアルカリ性(pH ≈ 12)であり、酸性の溶液(5%ブドウ糖液, D5W)では析出する。
ブドウ糖液 5%
Dextrose(D5W)
pHが低いためフェニトインが溶解せず、結晶が析出する。
✅ 対策
フェニトインは生理食塩液(0.9% NaCl)で希釈して投与
投与速度を制限し、急速投与を避ける(50 mg/min以下)
4. フルオロウラシル(5-FU)と葉酸製剤(Leucovorin)
混合不可の薬剤
主な例
混合不適の理由
フルオロウラシル(5-FU)
5-FU注
葉酸製剤と混合するとpHが低下し、5-FUの化学的安定性が低下して効果が減少する。
葉酸製剤 ロイコボリン®(Leucovorin)
5-FUと直接配合すると、溶解性低下と分解が起こる。
✅ 対策
5-FUと葉酸製剤は別々に投与し、一定の時間間隔を設ける
投与順序:先にロイコボリンを投与し、その後5-FUを投与
5. メトトレキサート(Methotrexate)とプロトンポンプ阻害薬(PPI)
混合不可の薬剤
主な例
混合不適の理由
メトトレキサート(MTX) メソトレキセート®
PPI(オメプラゾール、ランソプラゾール)と併用すると、腎排泄が遅延し、MTXの毒性(骨髄抑制・腎障害)が増強する。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
オメプラゾール、ランソプラゾール 腎臓におけるMTXの排泄を阻害し、高濃度MTX血症を引き起こす。
✅ 対策
MTX治療中はPPIを避け、H2ブロッカー(ファモチジンなど)を使用
6. アンピシリン(Ampicillin)とアミノグリコシド系抗菌薬
混合不可の薬剤
主な例
混合不適の理由
アンピシリン ビクシリン®(Ampicillin)
β-ラクタム系抗菌薬はアミノグリコシド(ゲンタマイシンなど)と化学反応し、相互失活を起こす。
アミノグリコシド系抗菌薬
ゲンタマイシン、アミカシン アンピシリンと混合するとβ-ラクタム環が開裂し、抗菌活性が失われる。
✅ 対策
別々のルートで投与
投与間隔を空け、間に生理食塩液でフラッシュ
まとめ
静脈内投与時の配合変化による危険な相互作用を防ぐために、以下の対策を徹底することが重要である。
✅ 投与前に配合変化データベースや添付文書を確認
✅ 混合不可の薬剤は別ルートまたは異なる時間帯で投与
✅ pH、溶解度、キレート形成の影響を考慮
✅ 投与順序や希釈液の適切な選択を行う
参考文献
日本医薬品集(JAPIC)「静脈内投与薬の配合変化情報」
Trissel LA. Handbook on Injectable Drugs. 20th ed. ASHP, 2018.
日本病院薬剤師会「静脈内投与における配合変化の評価指針」
The United States Pharmacopeia (USP)「Parenteral Drug Information」
Micromedex® Drug Compatibility Database
論点およびポイント
■■GPT4o
問 106-278|薬剤
論点| リン酸カルシウム沈殿 / 電解質 / 配合変化 / 静脈内投与
ポイント|
カルシウム(Ca²⁺)とリン酸(PO₄³⁻)は水に難溶なリン酸カルシウムを形成し、白濁や沈殿の原因となる。
pHがアルカリ性に近づくとリン酸カルシウムの溶解度が低下し、沈殿が促進される。
ビーフリード輸液にはリン酸二カリウム(K₂HPO₄)とリン酸水素ナトリウム(Na₂HPO₄)が含まれており、Ca²⁺との相互作用が起こる可能性がある。
沈殿が生じると、静脈内投与時に血管閉塞(塞栓)のリスクがあるため、配合変化には注意が必要。
他の電解質(Mg²⁺、Zn²⁺、L-Lactate⁻、Citrate³⁻)との反応では白濁は一般的に起こらない。
選択肢のうち、Ca²⁺とPO₄³⁻の組み合わせが最も沈殿リスクが高いため、正答は「3. PO₄³⁻とCa²⁺」。
問 106-279|実務
論点| 注射薬 / 配合変化 / Ca²⁺とPO₄³⁻ / 分離 / 静脈投与
ポイント|
白濁が確認された輸液は配合変化による沈殿の可能性があり、静脈内投与すべきでない。
インラインフィルターでは微細な沈殿を完全に除去できず、塞栓のリスクがあるため適切ではない。
再度冷蔵保存すると、溶解度の低い沈殿が増加する可能性があり、根本的な解決にならない。
塩化カルシウムを側管から急速静注すると、急激な血中Ca²⁺濃度上昇により不整脈や血圧変動のリスクがある。
Ca²⁺とPO₄³⁻を含む輸液は分離投与するのが基本であり、塩化カルシウムは生理食塩液で希釈し、ビーフリード輸液とは別ルートで投与するのが適切。
正答は「5. 2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する」。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
問 106-278(薬剤)
この問題は、輸液の白濁の原因を電解質の相互作用に基づいて考察するものです。
白濁の主な原因は、難溶性塩の形成や電解質の不適合によるものです。
特に、カルシウム(Ca²⁺)とリン酸(PO₄³⁻)の相互作用が問題になるケースが多く、これはリン酸カルシウムの沈殿として現れることが知られています。
本症例では、ビーフリード輸液にリン酸二カリウム(K₂HPO₄)が含まれ、そこに塩化カルシウム(CaCl₂)注射液が添加されたため、Ca²⁺とPO₄³⁻が相互作用し、難溶性のリン酸カルシウム(Ca₃(PO₄)₂)が生成された可能性が高いです。
解法へのアプローチ
電解質の溶解性と相互作用を確認
Ca²⁺とPO₄³⁻は高濃度になると容易に沈殿を形成する。
特に、pHがアルカリ性に傾くとリン酸カルシウムの溶解度が低下するため、白濁が生じやすい。
各選択肢の電解質の組み合わせを検討
Cl⁻(塩化物イオン)は、Mg²⁺やZn²⁺と混合しても白濁の主因にはならない(選択肢1・2は誤り)。
PO₄³⁻とチアミン(選択肢4)は沈殿を形成する可能性が低い。
L-乳酸(L-Lactate⁻)とCa²⁺(選択肢5)は溶解性が比較的高いため白濁の原因になりにくい。
クエン酸(Citrate³⁻)とK⁺(選択肢6)は沈殿を作らない。
よって、PO₄³⁻とCa²⁺の相互作用による白濁が最も妥当な原因と考えられる(選択肢3が正答)。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問 106-278(薬剤)
選択肢 1:Cl⁻ と Mg²⁺
論点:
Mg²⁺(マグネシウムイオン)は Cl⁻(塩化物イオン)と相互作用することで沈殿を形成する可能性は低い。
一部の有機酸(例:シュウ酸)や炭酸イオン(CO₃²⁻)との相互作用で沈殿することはあるが、Cl⁻とは溶解性が高く白濁の原因にはならない。
アプローチ方法:
本ケースで白濁が生じた原因としては適切でないため、誤答。
選択肢 2:Cl⁻ と Zn²⁺
論点:
Zn²⁺(亜鉛イオン)は Cl⁻(塩化物イオン)とは沈殿を作らない。
しかし、高濃度では Zn²⁺ がリン酸(PO₄³⁻)と反応して Zn₃(PO₄)₂ のような沈殿を形成する可能性がある。
ただし、Cl⁻との相互作用で白濁することはない。
アプローチ方法:
Cl⁻ と Zn²⁺ の組み合わせは白濁の原因にならないため、誤答。
選択肢 3:PO₄³⁻ と Ca²⁺
論点:
Ca²⁺(カルシウムイオン)と PO₄³⁻(リン酸イオン)が反応するとリン酸カルシウム(Ca₃(PO₄)₂)が沈殿を形成する。
特に Ca²⁺ の濃度が高い状態で pH が上昇すると、リン酸カルシウムの溶解度が低下し、沈殿が生じやすくなる。
これは臨床現場でも静脈栄養(TPN)の調製時に問題となることが多い。
アプローチ方法:
ビーフリード輸液にはリン酸二カリウム(K₂HPO₄)が含まれており、ここに CaCl₂ を添加すると、リン酸カルシウムの沈殿が生じて白濁する可能性が高い。
本選択肢が正答。
選択肢 4:PO₄³⁻ と チアミン(ビタミンB1)
論点:
チアミン(ビタミンB1)はリン酸(PO₄³⁻)と化学的に反応することはあるが、沈殿を形成して白濁する可能性は低い。
一部の金属イオン(例:Fe³⁺, Ca²⁺)と結合して変化することはあるが、それによる沈殿は通常目視できるレベルではない。
アプローチ方法:
本症例の白濁の原因としては不適切なため、誤答。
選択肢 5:L-Lactate⁻ と Ca²⁺
論点:
L-Lactate⁻(L-乳酸イオン)と Ca²⁺ は可溶性のカルシウムラクト酸塩を形成するため、白濁の原因にはなりにくい。
一部の条件(例:極端な pH 変化)では Ca²⁺ の溶解性が低下する可能性があるが、輸液内の一般的な条件では溶解度は比較的高い。
アプローチ方法:
Ca²⁺ が PO₄³⁻ ではなく L-Lactate⁻ と反応して白濁を生じる可能性は低いため、誤答。
選択肢 6:Citrate³⁻ と K⁺
論点:
クエン酸(Citrate³⁻)は K⁺(カリウムイオン)と結合するが、可溶性のカリウムクエン酸塩を形成するため、白濁の原因にはならない。
一部の金属イオン(例:Ca²⁺, Mg²⁺)との相互作用では影響を与えることがあるが、K⁺ とは問題を起こさない。
アプローチ方法:
白濁の原因として適切ではないため、誤答。
結論
正答:選択肢3(PO₄³⁻ と Ca²⁺)
輸液の白濁はリン酸カルシウムの沈殿によるものと考えられる。
問 106-278(薬剤)の引用文献リスト
Trissel LA. Handbook on Injectable Drugs. 20th ed. American Society of Health-System Pharmacists; 2018.
内容: 静脈内投与薬の配合変化、沈殿形成のリスクに関する記載。Ca²⁺とPO₄³⁻の配合変化によりリン酸カルシウム沈殿が生じる可能性について詳述。
日本病院薬剤師会. 注射薬調製のガイドライン 2020. 日本病院薬剤師会; 2020.
内容: 注射薬の混合可否や配合変化に関する基準。Ca²⁺とPO₄³⁻の混合が危険であることが明記されている。
Trissel’s Stability of Compounded Formulations. 6th ed. American Pharmacists Association; 2018.
内容: 配合による化学的変化および白濁の原因分析。特にCa²⁺とPO₄³⁻の反応について詳細なデータを提供。
US Pharmacopeia (USP 43-NF 38). Injections and Infusions – Compatibility and Stability. United States Pharmacopeial Convention; 2020.
内容: 静脈内投与時の適合性試験の結果を含む。リン酸カルシウム沈殿の危険性について明確に記載。
問 106-279(実務)
本問では、輸液が白濁した際の適切な対応について考える必要があります。
白濁の原因はリン酸カルシウム(Ca₃(PO₄)₂)沈殿と推測されるため、これを患者に投与するリスクと、それを回避するための適切な対策を検討する必要があります。
白濁のある輸液をそのまま投与すると、以下のリスクが生じる可能性があります:
血管閉塞・塞栓症(不溶性のリン酸カルシウム結晶が微小血管を塞ぐ)
局所刺激・静脈炎(沈殿物が血管壁を刺激する)
急性腎障害(高カルシウム血症による腎石灰化のリスク)
このため、白濁した輸液をそのまま投与することは避けるべきであり、適切な代替方法を選択する必要があります。
解法へのアプローチ
白濁が生じた原因(リン酸カルシウム沈殿)を明確に理解する
白濁を除去するための手段(インラインフィルター・冷蔵保存)などの有効性を考慮
代替投与法(別々の経路での投与)を検討
急速静注の安全性を評価し、適切な投与方法を選択
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問 106-279(実務)
選択肢 1:若干白濁した程度であれば静脈内投与しても問題ない。
論点
誤答。白濁の原因はリン酸カルシウムの沈殿と考えられる。
沈殿物を含む輸液を静脈内投与すると、血管閉塞・塞栓症・静脈炎などのリスクがあるため、安全性に問題がある。
アプローチ方法
白濁した輸液は絶対に投与すべきでない。
仮に白濁の原因が可逆的な微細な気泡であった場合でも、安全性の確認が必要であり、そのまま投与する判断は不適切。
よって、この選択肢は不適切。
選択肢 2:インラインフィルターを使用する。
論点
不適切。インラインフィルター(一般的に 0.22 μm ~ 1.2 μmの膜)では一部の微細な沈殿は除去可能だが、リン酸カルシウムの沈殿粒子は可変性があり、完全に除去できない可能性がある。
また、Ca³(PO₄)₂ の結晶が大きくなるとフィルターを詰まらせるリスクがある。
アプローチ方法
白濁の原因が明確な場合は、フィルターで対処せず、そもそも適切な方法で投与するべき。
フィルターを通すこと自体が適切な解決策ではなく、適切な調製・投与経路の選択が重要。
よって、この選択肢は不適切。
選択肢 3:新たに2剤を混合し 8℃ 以下に保管する。
論点
誤答。低温保存によって沈殿の形成を防ぐことができる場合もあるが、Ca²⁺とPO₄³⁻の溶解度は温度に依存しないため、冷蔵保存は根本的な解決策にはならない。
逆に、冷蔵保存すると一部の成分が結晶化しやすくなり、微細な析出が増えるリスクもある。
アプローチ方法
低温保存が有効な場合は主に有機化合物(例:チアミンの安定性向上)に限られ、電解質沈殿の防止には適さない。
よって、この選択肢は不適切。
選択肢 4:2剤を混合せず、ビーフリード輸液を点滴し、側管から塩化カルシウム注射液を急速静注する。
論点
誤答。塩化カルシウムを急速静注(Rapid IV Push)すると、血管刺激や高カルシウム血症によるリスク(不整脈、血圧変動など)が高まる。
特に高齢患者(91歳)では心血管系への影響が大きく、急速投与は推奨されない。
アプローチ方法
Ca²⁺の投与は緩徐な点滴投与が推奨されるため、急速静注は避けるべき。
よって、この選択肢は不適切。
選択肢 5:2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する。
論点
正答。Ca²⁺とPO₄³⁻が直接混ざらないように、Ca²⁺を単独で投与することで沈殿形成を回避できる。
生理食塩液(0.9% NaCl)で希釈することで、Ca²⁺が適切に分配される。
Ca²⁺ をリン酸含有輸液とは別ルートで投与すれば、静脈内での沈殿形成を防げる。
アプローチ方法
CaCl₂ はビーフリード輸液とは別のルートで投与するのが最も安全。
生理食塩液で希釈し、緩徐に点滴投与することで、高カルシウム血症や心血管系リスクを抑えることができる。
最も安全かつ適切な選択肢であるため、正答。
結論
正答:
選択肢5(塩化カルシウムを生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する)Ca²⁺ と PO₄³⁻ の直接混合を回避し、Ca²⁺ を適切な投与方法で投与することが重要。
問 106-279(実務)の引用文献リスト
Trissel LA. Handbook on Injectable Drugs. 20th ed. American Society of Health-System Pharmacists; 2018.
内容: 静脈内投与薬の配合変化、沈殿形成のリスクに関する記載。Ca²⁺とPO₄³⁻の配合変化によりリン酸カルシウム沈殿が生じる可能性について詳述。
日本病院薬剤師会. 注射薬調製のガイドライン 2020. 日本病院薬剤師会; 2020.
内容: 注射薬の混合可否や配合変化に関する基準。Ca²⁺とPO₄³⁻の混合が危険であることが明記されている。
日本静脈経腸栄養学会. 静脈経腸栄養ガイドライン 2021. 日本医学出版; 2021.
内容: 電解質投与時の配合変化および安全な投与方法について記載。Ca²⁺はリン酸含有輸液とは別ルートで投与することが推奨されている。
US Pharmacopeia (USP 43-NF 38). Injections and Infusions – Compatibility and Stability. United States Pharmacopeial Convention; 2020.
内容: 静脈内投与時の適合性試験の結果を含む。リン酸カルシウム沈殿の危険性について明確に記載。
Weiss M et al. Calcium and Phosphate Compatibility: Guidelines for Parenteral Nutrition. Nutr Clin Pract. 2018;33(1): 92-98.
内容: カルシウムとリン酸の配合による沈殿形成のメカニズムと、それを回避するための輸液投与法に関する研究。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から注射薬 / 配合変化 / Ca²⁺とPO₄³⁻ / 分離 / 静脈投与 / 塩化カルシウム注射液を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問278-279
一般問題(薬学実践問題)
【薬理、薬剤/実務】
■複合問題|問 106-278-279
Q. 91歳女性。骨粗しょう症の治療でアレンドロン酸ナトリウム経口ゼリー剤を服用中である。先日、薬剤師が在宅訪問した際に手足のしびれや筋肉の硬直を訴えていたため主治医に報告したところ、本日、医師の訪問診療時に低カルシウム血症であることが判明し、食事の摂取量低下の影響で低栄養状態でもあったため、塩化カルシウム注射液(1mEq/mL)20mLとビーフリード輸液※500mLを末梢血管から投与する指示が出された。翌日、訪問看護師が2剤を混合したところ、輸液が若干白濁していることに気付き、在宅訪問した薬剤師に相談があった。
※ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
(主な電解質成分として、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物を含有)
薬剤
問 106-278|薬剤
Q. この輸液の白濁の原因と考えられる電解質成分の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. Cl-とMg2+
2. Cl-とZn2+
3. PO4(3-)とCa2+
4. PO4(3-)とチアミン
5. L-Lactate-とCa2+
6. Citrate3-とK+
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-278-279【薬理、薬剤/実務】論点:注射薬 / 配合変化 / Ca²⁺とPO₄³⁻ / 分離 / 静脈投与 / 塩化カルシウム注射液|matsunoya
実務
問 106-279|実務
Q. 薬剤師の助言の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 若干白濁した程度であれば静脈内投与しても問題ない。
2. インラインフィルターを使用する。
3. 新たに2剤を混合し8℃以下に保管する。
4. 2剤を混合せず、ビーフリード輸液を点滴し、側管から塩化カルシウム注射液を急速静注する。
5. 2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-278-279【薬理、薬剤/実務】論点:注射薬 / 配合変化 / Ca²⁺とPO₄³⁻ / 分離 / 静脈投与 / 塩化カルシウム注射液|matsunoya
■■GPT4o
■問 106-278|薬剤
■論点|
この問題の論点は、リン酸カルシウム沈殿の発生要因と静脈内投与時の配合変化の影響を特定することです。
■解説1|
PO₄³⁻とCa²⁺の組み合わせによる白濁の発生(選択肢3)[正しい]
1. カルシウム(Ca²⁺)とリン酸(PO₄³⁻)の反応性
カルシウムイオン(Ca²⁺)とリン酸イオン(PO₄³⁻)は水溶性が低く、溶解度積(Ksp)が小さいため、沈殿しやすい。
特にpHが7.4以上になるとリン酸カルシウム(Ca₃(PO₄)₂)の溶解度がさらに低下し、白濁や沈殿の原因となる。
この現象は、静脈栄養(TPN)や電解質輸液の調製時に注意が必要な代表的な配合変化の一つ。
2. 配合変化による静脈内投与のリスク
沈殿物が血管内に投与されると、血栓形成や塞栓のリスクが増加するため、混合は避けるべき。
特に末梢静脈投与では血管内刺激や炎症を引き起こす可能性があるため、細心の注意が必要。
■解説2|
リン酸カルシウム沈殿の発生条件
Ca²⁺とPO₄³⁻のモル比が高くなると沈殿しやすい。
低温保存により沈殿が促進されるため、冷蔵保存した場合でも再溶解しにくい。
他の電解質(Na⁺、K⁺、Mg²⁺)の濃度やpHの影響も受けるが、最も影響が大きいのはCa²⁺とPO₄³⁻の直接的な相互作用。
■結論|
ビーフリード輸液にはリン酸二カリウム(K₂HPO₄)とリン酸水素ナトリウム(Na₂HPO₄)が含まれており、塩化カルシウム(CaCl₂)と反応してリン酸カルシウム沈殿が発生したと考えられる。
したがって、正答は「3. PO₄³⁻とCa²⁺」である。
■補足|
Cl⁻とMg²⁺(選択肢1)[誤り]
Cl⁻(塩化物イオン)とMg²⁺(マグネシウムイオン)は水溶性が高く、沈殿を形成しにくい。
Cl⁻とZn²⁺(選択肢2)[誤り]
Zn²⁺(亜鉛イオン)はpHによっては沈殿(Zn(OH)₂など)を形成するが、Cl⁻とは反応しない。
PO₄³⁻とチアミン(選択肢4)[誤り]
チアミン(ビタミンB1)は水溶性であり、PO₄³⁻と沈殿を形成する可能性は低い。
L-Lactate⁻とCa²⁺(選択肢5)[誤り]
乳酸カルシウム(Ca(C₃H₅O₃)₂)は水に比較的溶解しやすいため、沈殿は起こりにくい。
Citrate³⁻とK⁺(選択肢6)[誤り]
クエン酸カリウム(K₃C₆H₅O₇)は水溶性が高く、沈殿の原因にはならない。
■問 106-279|実務
■論点|
この問題の論点は、リン酸カルシウム沈殿を回避する適切な投与方法の選択です。
■解説1|
2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する。(選択肢5)[正しい]
1. 配合変化を回避するための投与設計
Ca²⁺とPO₄³⁻の直接混合を避けることで、リン酸カルシウム沈殿の形成を防ぐ。
生理食塩液(0.9% NaCl)はCa²⁺の安定性が高く、沈殿しにくいため、希釈溶媒として適切。
ビーフリード輸液とは別ルートで投与することで、輸液内での化学反応を回避できる。
2. 安全な投与経路の確保
Ca²⁺は高濃度で末梢静脈に投与すると刺激が強いため、希釈が推奨される。
リン酸とカルシウムをそれぞれ別ルートで投与すれば、血管内での沈殿リスクを最小化できる。
■解説2|
リン酸とカルシウムの安全な投与方法
原則として、カルシウム製剤とリン酸製剤を同じ輸液中に混合するのは避ける。
Ca²⁺とPO₄³⁻は、それぞれ別々の輸液で投与するか、十分な時間間隔を空けて投与することが推奨される。
どうしても同じルートで投与する場合は、Ca²⁺とPO₄³⁻の濃度比を調整し、pHを適切に維持することが必要。
■結論|
最も適切な投与方法は「選択肢5」(塩化カルシウムを生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与)である。
この方法により、Ca²⁺とPO₄³⁻の混合を防ぎ、安全な静脈投与が可能となる。
■補足|
若干白濁した程度であれば静脈内投与しても問題ない。(選択肢1)[誤り]
白濁=微細な沈殿の形成を示しており、静脈内投与すると血栓や塞栓のリスクがある。
微細な沈殿でも毛細血管を閉塞する可能性があり、投与すべきでない。
インラインフィルターを使用する。(選択肢2)[誤り]
インラインフィルター(0.22μmや1.2μm)は微細な異物を除去できるが、溶解性の低い沈殿物には完全には対応できない。
Ca²⁺とPO₄³⁻の沈殿はナノレベルで生成することもあり、フィルターでは除去しきれない。
新たに2剤を混合し8℃以下に保管する。(選択肢3)[誤り]
Ca²⁺とPO₄³⁻の沈殿は低温でさらに促進されるため、冷蔵保管は逆効果。
沈殿は一度形成されると再溶解しにくく、投与の安全性が確保できない。
2剤を混合せず、ビーフリード輸液を点滴し、側管から塩化カルシウム注射液を急速静注する。(選択肢4)[誤り]
Ca²⁺を急速静注すると、高カルシウム血症を引き起こすリスクがある。
特に高齢者では心血管系に負担をかけるため、急速静注は避けるべき。
点滴速度を調整し、緩徐に投与する方が安全。
総括
輸液の白濁はリン酸カルシウムの沈殿が原因であり、適切な投与設計が求められる。
最も安全な対応は、Ca²⁺を生理食塩液で希釈し、リン酸を含む輸液とは別ルートで投与する方法である(選択肢5)。
他の選択肢は沈殿のリスクや投与時の安全性に問題があり、適切ではない。
必須問題の解説は、こちらからどうぞ。
薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)
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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, GPT4o, Copilot, and Grok 2|matsunoya
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第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問278-279
一般問題(薬学実践問題)
【薬理、薬剤/実務】
■複合問題|問 106-278-279
Q. 91歳女性。骨粗しょう症の治療でアレンドロン酸ナトリウム経口ゼリー剤を服用中である。先日、薬剤師が在宅訪問した際に手足のしびれや筋肉の硬直を訴えていたため主治医に報告したところ、本日、医師の訪問診療時に低カルシウム血症であることが判明し、食事の摂取量低下の影響で低栄養状態でもあったため、塩化カルシウム注射液(1mEq/mL)20mLとビーフリード輸液※500mLを末梢血管から投与する指示が出された。翌日、訪問看護師が2剤を混合したところ、輸液が若干白濁していることに気付き、在宅訪問した薬剤師に相談があった。
※ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
(主な電解質成分として、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物を含有)
薬剤
問 106-278|薬剤
Q. この輸液の白濁の原因と考えられる電解質成分の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. Cl-とMg2+
2. Cl-とZn2+
3. PO4(3-)とCa2+
4. PO4(3-)とチアミン
5. L-Lactate-とCa2+
6. Citrate3-とK+
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-278-279【薬理、薬剤/実務】論点:注射薬 / 配合変化 / Ca²⁺とPO₄³⁻ / 分離 / 静脈投与 / 塩化カルシウム注射液|matsunoya
実務
問 106-279|実務
Q. 薬剤師の助言の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 若干白濁した程度であれば静脈内投与しても問題ない。
2. インラインフィルターを使用する。
3. 新たに2剤を混合し8℃以下に保管する。
4. 2剤を混合せず、ビーフリード輸液を点滴し、側管から塩化カルシウム注射液を急速静注する。
5. 2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する。
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