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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-266-267【薬理、薬剤/実務】論点:ファムシクロビル / ペンシクロビル / 用法・用量 / 血清クレアチニン / クレアチニンクリアランス / 薬物動態 / 排泄 / 尿細管分泌

第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問266-267

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-266-267

Q. 70歳男性。体重50kg。皮膚科を受診して帯状疱疹の診断を受け、処方1の記載された処方箋を薬局に持参してきた。お薬手帳の内容を確認すると、以下の薬剤を継続的に服用しており、血清クレアチニン値 6.0mg/dLと記載されていた。また、血液透析は実施していないことを確認した。
(処方1)
ファムシクロビル錠|250mg|1回2錠(1日6錠)|
1日3回 朝昼夕食後 7日分|
(お薬手帳の記載薬剤)
テルミサルタン錠|40mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回 朝食後
セベラマー塩酸塩|250mg|1回4錠(1日12錠)|
1日3回 朝昼夕食直前
薬剤師はファムシクロビル錠の添付文書等から薬物動態及び用法・用量に関する以下の情報を得た。
【健康成人における薬物動態】
ファムシクロビルは経口投与後、速やかに代謝され、血漿中には活性代謝物であるペンシクロビルのみが検出される。
ペンシクロビルの尿中排泄率(推定値):75%
ペンシクロビルの腎クリアランス:530mL/min
【用法・用量の目安】
クレアチニンクリアランス(mL/min)|帯状疱疹の治療|
≧ 60|1回 500mgを1日3回|
40 - 59|1回 500mgを1日2回|
20 - 39|1回 500mgを1日1回|
< 20|1回 250mgを1日1回|


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問266-267

薬剤

問 106-266|薬剤
Q. 健康成人におけるペンシクロビルの主な消失経路と考えられるのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 小腸上皮細胞内での代謝
2. 肝代謝
3. 糸球体ろ過
4. 尿細管分泌
5. 胆汁排泄


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実務

問 106-267|実務
Q. 薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 処方内容に問題がないと考え、そのまま調剤した。
2. ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日2回の投与とするよう、処方医に提案した。
3. ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。
4. ファムシクロビル錠250mgを1回1錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。
5. ファムシクロビル錠の投与は避けるよう、処方医に提案した。


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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【薬理、薬剤/実務】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問266-267、論点:ファムシクロビル / ペンシクロビル / 用法・用量 / 血清クレアチニン / クレアチニンクリアランス / 薬物動態 / 排泄 / 尿細管分泌を徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n5265074b9ae5

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このコンテンツの制作者|

滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第106回薬剤師国家試験 問266-267(問106-266-267)では、抗ヘルペスウイルス剤 ファムシクロビルに関する知識を薬剤および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問106-266-267を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問106-266-267 論点解説|matsunoya_note

問106-266および問106-267は、抗ヘルペスウイルス剤 ファムシクロビルに関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の理解が必要です。
また、問106-267は、クレアチニンクリアランスの計算問題です。
クレアチニンクリアランス(Ccr)は、Cockcroft-Gault式を用いて計算します。以下の式を覚えている必要があります。
なお、患者は、患者の年齢(70歳)、体重(50kg)、血清クレアチニン値 6.0mg/dLです。

Ccr = (140 − 年齢) × 体重 / (72 × Scr)

Ccr = (140 − 70) × 50 / (72 × 6.0)
Ccr = 70 × 50 / 432 ≈ 8.1mL/min

計算問題は、実際に手を動かして2~3回、解いてみると時間内に解けるようになります。

出典: PMDA 医療用医薬品添付文書等 ファムシクロビル製造販売/旭化成ファーマ株式会社 販売/マルホ株式会社提携/ノバルティス ファーマAGNOVARTIS ファムビル錠250mg
出典: PMDA 医療用医薬品添付文書等 ファムシクロビル製造販売/旭化成ファーマ株式会社 販売/マルホ株式会社提携/ノバルティス ファーマAGNOVARTIS ファムビル錠250mg

冒頭文で必要な情報は、
患者の年齢(70歳)、体重(50kg)、血清クレアチニン値 6.0mg/dL
診断(帯状疱疹)
処方(ファムシクロビル)
薬物動態:
活性代謝物であるペンシクロビルのみが検出される。
ペンシクロビルの尿中排泄率(推定値):75%
ペンシクロビルの腎クリアランス:530mL/min
です。


Cockcroft-Gault式 を覚えていることが、薬剤師国家試験の出題基準に合致しているかどうかは、審議の必要があると思います。
でも、この機会に覚えておくと、便利かもしれないですね。


望ましい修正としては、Cockcroft-Gault式は問題文中に挿入するべきです。

また、お薬手帳の記載薬剤は、問題を解くうえで必要がない「水増し」です。論点に対する検出力を限りなく低くすることを意図した目くらましのような悪質なひっかけになっているので、削除すべき部分です。


こうした問題の場合、草案の時点で、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示を出すプロセスが必要です。

利益相反関係から、ゼロ点合格のベクトルを持たせる意図👽があって薬剤師国家試験の問題にこうした正解にたどり着けない問題を挿入することは、厳にコントロールする必要があります。

薬剤師という国家資格の意味をなくし、最終的に、国家の保健衛生を崩壊させてゆく恐れがあるからです。


覚えておくべきステム

医薬品の薬理作用機序を、医薬品名から特定する際に、場合によってはおすすめな方法にステムで識別する方法があります。
今回出題された医薬品のステムに関しては、基本的にインタビューフォームの名称に関する項目の記載から引用したので信頼しうる情報です。
※ 医薬品名のリンクは、それぞれの医薬品のPMDA 医療用医薬品添付文書等のURL です。


ファムシクロビル(Famciclovir)
Antiviral agents, nucleoside analogs(抗ウイルス薬・ヌクレオシドアナログ)
bicyclic heterocycle compounds(抗ウイルス剤、複素二環化合物):-ciclovir

例:ファムシクロビル、アシクロビル、バラシクロビル、ペンシクロビル
※ ヌクレオシドアナログの抗ウイルス薬であり、ウイルスのチミジンキナーゼによってリン酸化され、ウイルスDNAポリメラーゼを阻害することで、ヘルペスウイルスのDNA複製を抑制する。帯状疱疹や単純疱疹に適応。
類薬:アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、イドクスウリジン、ビダラビン


テルミサルタン(Telmisartan)
Angiotensin II receptor blockers (ARBs)(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬):-sartan

例:テルミサルタン、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン
※ アンジオテンシンⅡ受容体(AT1受容体)に選択的に拮抗することで、血管収縮およびアルドステロン分泌を抑制し、降圧作用を発揮する。高血圧症や心不全に使用される。


セベラマー塩酸塩(Sevelamer)
Phosphate binders(リン吸着薬)
polymers:-mer

※ 腸管内でリン酸と結合し、不溶性の複合体を形成することでリンの吸収を抑制する。慢性腎不全患者における高リン血症の治療に使用される。
類薬:日局沈降炭酸カルシウム


参考文献

Use of stems in the selection of International Nonproprietary Names (INN) for pharmaceutical substances, 2024
https://www.who.int/publications/i/item/9789240099388


時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。


🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等

医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。


PMDA 医療用医薬品添付文書等 ファムシクロビル
製造販売/旭化成ファーマ株式会社 販売/マルホ株式会社
提携/ノバルティス ファーマAGNOVARTIS ファムビル錠250mg
インタビューフォーム F1_ファムビル錠250mg
患者向医薬品ガイド G_ファムビル錠250mg


薬効分類名

抗ヘルペスウイルス剤

4. 効能・効果

単純疱疹、帯状疱疹

6. 用法・用量

〈単純疱疹〉
通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。
〈帯状疱疹〉
通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。

7. 用法・用量に関連する注意

〈効能共通〉
7.1 腎機能障害患者では投与間隔をあけて減量することが望ましい。腎機能に応じた本剤の投与量及び投与間隔の目安は下表のとおりである。[7.2 参照],[9.2 参照],[9.8 参照],[16.6.1 参照]
腎機能に応じた本剤の減量の目安 注)
注)外国人における成績1),2),3)をもとに設定した。
7.2 血液透析患者には本剤250mgを透析直後に投与する。なお、次回透析前に追加投与は行わない。[7.1 参照],[9.2 参照],[9.8 参照],[16.6.1 参照]
〈単純疱疹に対して1回250mgを1日3回投与する場合〉
7.3 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。
7.4 本剤は、原則として、5日間使用すること。改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること。


以下、インタビューフォームから一部抜粋します。

<解説> 〈効能共通〉
7.1腎機能障害患者

本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎機能障害のある患者では本剤の排泄が遅 延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。外国において、腎機能低下の程度に応 じ適切な減量を行わなかった腎機能障害患者で急性腎障害が報告されていることか ら、腎機能障害のある患者では投与間隔をあけて減量するなど、注意を設定した。 また、外国において、クレアチニンクリアランス(CLcr)値の異なる腎機能障害者 18例及び健常成人9例にファムシクロビル500 mgを単回経口投与したところ、活性代謝物であるペンシクロビルのCmax及びAUC0-∞ は腎機能の低下の程度に伴い増加 し、t1/2 の延長及び尿中排泄率の減少がみられ、腎クリアランスは、CLcrの低下に伴 い直線的に低下し、ペンシクロビルの消失は腎機能低下の程度により影響を受けるこ とが確認された6)。
以上のことから、腎機能障害患者では、本剤の用法・用量を調整する必要があることから、本邦と用法・用量が同一である米国における投与間隔の目安をもとに、本邦に おける腎機能に応じた本剤の投与量及び投与間隔の目安を記載したので、これを参考に、用法・用量を調整すること。


8. 重要な基本的注意

〈効能共通〉
8.1 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.2 急性腎障害があらわれることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.3 参照]
〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉
8.3 初回の服用は初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)出現後6時間以内に服用すること、2回目は、初回服用後12時間後(許容範囲として6~18時間後)に服用すること、妊娠又は妊娠している可能性がある場合には、服用しないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認したうえで処方すること。[7.6 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 免疫機能の低下(造血幹細胞移植、臓器移植、HIV感染による)を伴う患者
有効性及び安全性は確立していない。

9.2 腎機能障害患者

投与間隔をあけて減量するなど注意すること。腎クリアランスの低下に伴い、高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.1 参照],[7.2 参照],[9.8 参照],[16.6.1 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[16.3.4 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている。[16.3.4 参照]

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.1 参照],[7.2 参照],[9.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照],[16.6.3 参照]

10. 相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子

プロベネシド
本剤の活性代謝物であるペンシクロビルはプロベネシドと併用した場合、排泄が抑制され、ペンシクロビルの血漿中濃度半減期の延長及び血漿中濃度曲線下面積が増加するおそれがある。
本剤の活性代謝物であるペンシクロビルは主として腎臓の尿細管分泌により排泄されることから、プロベネシドによりペンシクロビルの排泄が抑制される可能性がある。


インタビューフォームから一部抜粋します。

<解説>

本剤の活性代謝物であるペンシクロビルは主として腎臓の尿細管分泌により排泄される と考えられている。
一方、プロベネシドは腎尿細管での薬剤の能動分泌輸送を阻害することが知られていることから、プロベネシドによりペンシクロビルの排泄が抑制される可能性がある。
なお、本剤の類薬であるアシクロビルにおいて、外国における試験で、アシクロビル単独群とアシクロビルにプロベネシドを併用した群とを比較検討したところ、プロベネシド併用群において、アシクロビルの排泄が抑制され平均血漿中半減期が18%延長し、 平均血漿中濃度曲線下面積の40%増加が認められた。
これらの作用は、腎臓における プロベネシドの尿細管分泌阻害作用によると報告されている50)。
以上の結果より、アシクロビルと類似の構造を有する本剤でも、プロベネシドとの併用投与により排泄が抑制されるおそれがあるので注意を設定した。


16.2 吸収

16.2.1 生物学的利用率
健康成人にファムシクロビル500mgを経口投与及びペンシクロビル400mgを静脈内投与して算出した絶対的生物学的利用率は77±8%であった15)(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
食事により血漿中ペンシクロビルのTmaxは僅かに遅延し、Cmax及びAUCは僅かに減少したが、臨床上特に問題となる変化ではなかった16)
16.2.3 吸収部位
ラットに14C標識ファムシクロビルを投与した検討より、ファムシクロビルの吸収部位は小腸上部であり、胃からの吸収は少ないことが示唆されている17)

16.3 分布

16.3.1 分布容積
健康成人にペンシクロビル400mgを1時間静脈内投与したときの分布容積は、85.3±13.7Lであった15)(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
ペンシクロビル:6.4~16.0%18)(in vitro)
16.3.3 血球移行性(血液/血漿比)
ペンシクロビル:1.07~1.1719)(in vitro)
16.3.4 乳汁及び胎児移行
授乳中ラットに14C標識ファムシクロビル40mg/kgを経口投与したとき、Tmax(投与後0.5時間)の乳汁中に、血漿中の約8倍の放射能濃度が認められたが、投与後24時間にはほとんど消失した。また、同用量を妊娠ラットに経口投与したとき、母獣の血漿中放射能濃度より低濃度であるが胎児への移行が認められた17)[9.5 参照],[9.6 参照]

16.4 代謝

ファムシクロビルは、経口投与後、脱アセチル化により6-デオキシペンシクロビルを経て、ペンシクロビルに酸化される。
ヒト肝を用いた検討において、6-デオキシペンシクロビルからペンシクロビルへの酸化的代謝活性は、ミクロゾームにはほとんど認められず、サイトゾールで高い活性を示した。またその反応にはアルデヒドオキシダーゼの関与が示唆された20),21)

16.5 排泄

健康成人にファムシクロビル250~1000mgを単回経口投与したとき、ペンシクロビルの主な排泄経路は尿中であり、24時間以内の尿中にペンシクロビル及び6-デオキシペンシクロビルがそれぞれ投与量の53.35~60.92%及び5.06~6.40%排泄され、ファムシクロビルは検出されなかった14)

16.6 特定の背景を有する患者

16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、ペンシクロビルのCmax及びAUCの増加、t1/2の延長及び尿中排泄率の減少が観察された(表参照)。クレアチニンクリアランス値の低下に従いペンシクロビルの腎クリアランスは直線的な低下を示し、ペンシクロビルの消失は腎機能低下の程度により影響を受けることが確認された1)(外国人データ)。[7.1 参照],[7.2 参照],[9.2 参照],[9.8 参照]
16.6.2 肝機能障害者
代償性の慢性肝疾患患者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したとき、健康成人に比べて、ペンシクロビルのCmaxの低下、Tmaxの延長がみられたものの、t1/2及びAUCには差を認めなかった22)。この結果から、肝障害のある患者における用量調節は必要ないと考えられた(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
高齢者(65~73歳、クレアチニンクリアランス値平均85mL/min)にファムシクロビル250mgを単回経口投与したとき、ペンシクロビルのCmax及びAUCは健康成人(20~27歳、クレアチニンクリアランス値平均89mL/min)に比べて高かったものの、その変化の程度は小さかった23)ことから年齢のみの理由によってファムシクロビルの用法・用量を調節する必要はないと考えられた。[9.8 参照]

16.7 薬物相互作用

ファムシクロビルと、アロプリノール、テオフィリン又はジゴキシンとの併用投与により、ファムシクロビル及びこれら併用薬剤の薬物動態に臨床的に有意な変化は認められなかった。また、ファムシクロビルとシメチジン、プロメタジンとの併用投与により、ファムシクロビルの薬物動態に臨床的に有意な変化は認められなかった24),25),26),27),28),29)(外国人データ)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ファムシクロビルは服用後速やかに代謝を受け活性代謝物ペンシクロビルに変換される。
ペンシクロビルはヘルペス群ウイルス感染細胞内において、ウイルス由来のチミジンキナーゼにより一リン酸化され、更に宿主細胞由来キナーゼにより三リン酸化体(PCV-TP)となる33),34)。感染細胞内において、PCV-TPはウイルスDNAポリメラーゼの基質の1つであるデオキシグアノシン三リン酸化体(dGTP)と競合的に拮抗することにより、ウイルスDNAポリメラーゼ阻害作用を示す34),35)。また、ウイルスDNAポリメラーゼの基質としてウイルスDNAに取り込まれることにより、ウイルスDNA鎖伸長阻害作用を示す34)。以上の作用によりウイルスの増殖を抑制すると考えられる。ペンシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス由来チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する影響は少ないものと考えられる。
また、単純ヘルペスウイルス1型及び2型感染細胞内におけるPCV-TPの半減期はそれぞれ10時間及び20時間33),34)、水痘・帯状疱疹ウイルス感染細胞内におけるPCV-TPの半減期は9.1時間35)であった。

18.2 抗ウイルス作用

活性代謝物ペンシクロビルは単純ヘルペスウイルス1型及び2型、水痘・帯状疱疹ウイルスに対して抗ウイルス作用(培養細胞におけるウイルス増殖抑制作用)を示し、そのIC50値は単純ヘルペスウイルス1型及び2型に対してはそれぞれ0.4~0.6μg/mL及び1.1~2.4μg/mL、水痘・帯状疱疹ウイルスに対しては1.9~5.1μg/mLであった36),37),38),39),40),41)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ファムシクロビル(Famciclovir)(JAN)

化学名

[2-(acetyloxymethyl)-4-(2-aminopurine-9-yl)- butyl]acetate

化学構造式:

出典:医療用医薬品添付文書 製造販売/旭化成ファーマ株式会社 販売/マルホ株式会社提携/ノバルティス ファーマAGNOVARTIS ファムビル錠250mg

出典:

医療用医薬品添付文書
製造販売/旭化成ファーマ株式会社 販売/マルホ株式会社
提携/ノバルティス ファーマAGNOVARTIS ファムビル錠250mg


まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o


血清クレアチニン(Scr)の正常範囲と考察

1. 血清クレアチニン(Scr)の正常範囲

一般的な成人男性の血清クレアチニン(Scr)の基準値は約0.6~1.2 mg/dLとされる。
(※基準値は施設や測定法により異なるが、大まかな目安としてこの範囲に収まることが多い。)

2. 患者のScr(6.0 mg/dL)の考察

  • 6.0 mg/dL正常範囲を大幅に超えており、重度の腎機能低下が示唆される

  • 通常、血清クレアチニンは腎臓から排泄されるため、腎機能が低下すると蓄積し、血中濃度が上昇する

  • 本患者は血液透析を受けていないため、腎機能低下によるクレアチニンの排泄低下が直接反映されていると考えられる。


Scr 6.0 mg/dLとクレアチニンクリアランス(Ccr)の関係

1. クレアチニンクリアランス(Ccr)の計算

クレアチニンクリアランス(Ccr)は、Cockcroft-Gault式を用いて推算できる:

Ccr = (140 − 年齢) × 体重 / (72 × Scr)
Ccr = (140 − 70) × 50 / (72 × 6.0)
Ccr = 70 × 50 / 432 ≈ 8.1mL/min

$${Ccr = \frac{(140 - 年齢) × 体重}{72 × Scr}}$$

$${Ccr = \frac{(140 - 70) × 50}{72 × 6.0}}$$

$${Ccr = \frac{70 × 50}{432} ≈ 8.1 mL/min}$$

本患者の推算Ccrは約16.2 mL/minと求められる。


2. Ccr 8.1 mL/minの臨床的意義

  • 一般的なCcrの正常範囲は約90~120 mL/min(若年成人)。

  • Ccr < 30 mL/min : 高度な腎機能低下(腎不全ステージ4~5相当)

  • Ccr < 20 mL/min : 薬剤の投与設計で注意が必要なレベル

  • 本患者のCcr 8.1 mL/minは20 mL/min未満であり、添付文書に基づくファムシクロビルの用法・用量を調整する必要がある。

    • 推奨用量:250mgを1日1回
      (現在の処方は過量投与であり、修正が必要)


まとめ

  • 患者のScr(6.0 mg/dL)は正常値(0.6~1.2 mg/dL)を大幅に超え、腎機能低下が強く示唆される。

  • 推算Ccrは8.1 mL/minであり、添付文書の基準(Ccr < 20 mL/min)に従い、ファムシクロビルは250mg 1日1回に減量が必要。

  • このまま処方通り投与すると、過量投与による蓄積・副作用リスク(神経毒性・痙攣など)が高まるため、適切な投与設計が求められる。


患者の所見と検査値

  • 年齢:70歳

  • 性別:男性

  • 体重:50 kg

  • 診断:帯状疱疹

  • 血清クレアチニン(Scr):6.0 mg/dL

  • 腎機能評価:血液透析未実施

処方内容

処方1(新規処方)

ファムシクロビル錠 250mg × 2錠(1回500mg) 1日3回(計1日1500mg)

継続処方(お薬手帳記載)

テルミサルタン錠 40mg 1日1回 朝食後
セベラマー塩酸塩 250mg × 4錠(1回1000mg) 1日3回 食直前

考察

腎機能の評価

  • Ccr 8.1 mL/minは20 mL/min未満の範囲に該当し、添付文書の推奨用量は250mgを1日1回。

  • 現在の処方は過量投与にあたり、副作用リスクが高まる。

ファムシクロビルの薬物動態と腎排泄

  • ファムシクロビルは経口投与後、活性代謝物ペンシクロビルに変換される。

  • ペンシクロビルの腎クリアランス:530 mL/min(健常者)

  • 尿中排泄率:75%

  • 主な排泄経路:尿細管分泌(選択肢4が正解)

現在の処方の問題点

  • 腎機能低下により排泄が遅延し、血中濃度上昇 → 神経毒性リスク増加(せん妄、痙攣など)

  • 添付文書の推奨量を大幅に超えており、安全性に問題がある

薬剤師の対応として最も適切な選択肢

  • 選択肢4:250mgを1日1回への減量提案が適切


引用文献

  1. 日本腎臓学会 編 『CKD診療ガイドライン 2018』 東京医学社, 2018年

  2. 日本化学療法学会・日本感染症学会 編 『抗菌薬TDMガイドライン』 じほう, 2016年

  3. ファムシクロビル錠 添付文書 (最新改訂版)

  4. 薬剤師のための腎機能別薬剤投与量ポケットブック じほう, 2020年

  5. Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 13th Edition


論点およびポイント

■■GPT4o


問 106-266|薬剤
論点| ペンシクロビル / 尿細管分泌 / 腎排泄 / クリアランス
ポイント|

  • ファムシクロビルは経口投与後、活性代謝物ペンシクロビルに変換される。

  • ペンシクロビルは主に腎排泄される(尿中排泄率75%)。

  • ペンシクロビルの腎クリアランスは530mL/minであり、糸球体ろ過(通常125mL/min)を大幅に上回る。

  • クリアランスの高さから、尿細管分泌が主な消失経路と考えられる。

  • 他の選択肢について:

    • 小腸上皮細胞での代謝(選択肢1)は示唆されていない。

    • 肝代謝(選択肢2)は経口投与後速やかに代謝されるが、主経路ではない。

    • 糸球体ろ過(選択肢3)は一部寄与するが、主経路ではない。

    • 胆汁排泄(選択肢5)は排泄率75%のデータから主経路ではないと判断できる。


問 106-267|実務
論点| 腎機能低下 / クレアチニンクリアランス / 用量調整 / ファムシクロビル
ポイント|

  • 患者は高齢(70歳)、腎機能低下(血清Cr 6.0mg/dL)であり、血液透析は未実施。

  • クレアチニンクリアランス(Ccr)推定値は 20mL/min未満。

  • ファムシクロビルの添付文書によると、Ccr < 20mL/min の場合の推奨投与量は 250mg 1日1回。

  • もとの処方(250mg 1回2錠 1日3回)は 過剰投与 となるため、処方提案が必要。

  • 適切な対応は選択肢4(250mg 1回1錠 1日1回)への変更提案。

  • 他の選択肢について:

    • 選択肢1(そのまま調剤)は過剰投与のため不適切。

    • 選択肢2(250mg 1回2錠 1日2回)は用量過剰。

    • 選択肢3(250mg 1回2錠 1日1回)も用量過剰。

    • 選択肢5(投与回避)は必須ではなく、適切な用量調整が可能。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


問 106-266(薬剤)

1. 総合的な論点

この問題では、ペンシクロビル(ファムシクロビルの活性代謝物)の主要な消失経路を特定することが求められている。
薬物の消失経路には、腎排泄(糸球体ろ過、尿細管分泌)、肝代謝、胆汁排泄、小腸代謝 などがあるが、ペンシクロビルの腎クリアランスが 530 mL/min であり、これは糸球体ろ過(通常 120 mL/min 前後)を大きく超えるため、主に尿細管分泌による排泄が示唆される。

2. 科学的根拠

  • 腎クリアランスの指標

    • 腎クリアランス(Clr_r)は、糸球体ろ過(GFR)、尿細管再吸収(Reabsorption, R)、尿細管分泌(Secretion, S)の3つの要因の合計として表される。

    • Clr_r = GFR + S - R

    • GFRの最大値は一般的に 120 mL/min 程度であり、ペンシクロビルの腎クリアランス 530 mL/min はこれを大きく超えている。

    • これは糸球体ろ過だけでなく、尿細管分泌が大きく関与していることを示している。

  • ペンシクロビルの尿中排泄率

    • 提示されたデータによれば、ペンシクロビルの尿中排泄率は 75% であり、腎排泄が主経路であることを示している。

  • 腎排泄経路の識別

    • 糸球体ろ過(選択肢3) だけでは説明できないほどの腎クリアランスを示すため、尿細管分泌(選択肢4)が主要経路と考えられる。

    • 肝代謝(選択肢2) や 胆汁排泄(選択肢5) は、消失経路として重要ではない。

    • 小腸上皮細胞での代謝(選択肢1) は、ペンシクロビルのデータとは合致しない。

3. まとめ

ペンシクロビルの腎クリアランス 530 mL/min と尿中排泄率 75% を考慮すると、主要な消失経路は尿細管分泌であると結論づけられる。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問 106-266(薬剤)

選択肢1:小腸上皮細胞内での代謝

  • 論点

    • 一部の薬物は小腸粘膜で代謝を受けるが、ペンシクロビルの主な代謝経路は小腸ではない。

    • ファムシクロビルは経口投与後、腸管および肝臓で迅速に代謝されてペンシクロビルとなるが、小腸での代謝が主要な消失経路ではない。

  • アプローチ方法

    • 本問題では、ペンシクロビルの消失経路を問われているため、ファムシクロビルの代謝部位(小腸上皮細胞など)ではなく、活性代謝物(ペンシクロビル)の排泄経路に着目すべき。

    • したがって、この選択肢は誤り。

選択肢2:肝代謝

  • 論点

    • 薬物は肝代謝を受けることが多いが、ペンシクロビルの肝代謝率は低い。

    • 提示されたデータからも、ペンシクロビルの代謝による消失ではなく腎排泄が主経路であることが示されている。

  • アプローチ方法

    • 肝代謝される薬物では、代謝酵素(主にCYP系)が関与することが多い。

    • しかし、ペンシクロビルの消失経路は腎排泄が主体であるため、肝代謝が主要経路ではないと判断できる。

    • よって、この選択肢は誤り。

選択肢3:糸球体ろ過

  • 論点

    • 糸球体ろ過は腎排泄の重要な経路だが、ペンシクロビルの腎クリアランス(530 mL/min)はGFR(120 mL/min)を大きく超えているため、糸球体ろ過だけでは説明がつかない。

    • つまり、尿細管分泌が関与していることが示唆される。

  • アプローチ方法

    • 糸球体ろ過単独 であれば、腎クリアランスは最大でも120 mL/min程度にとどまる。

    • しかし、ペンシクロビルの腎クリアランスは 530 mL/min であり、糸球体ろ過に加えて尿細管分泌が関与していると考えるのが妥当。

    • よって、この選択肢は誤り。

選択肢4:尿細管分泌

  • 論点

    • ペンシクロビルの腎クリアランスは 530 mL/min と高いため、糸球体ろ過だけでなく尿細管分泌が関与していると考えられる。

    • さらに、ペンシクロビルの尿中排泄率は 75% と高く、腎排泄が主な消失経路であることが示唆される。

  • アプローチ方法

    • 腎排泄される薬物のクリアランスがGFRを大きく超える場合、尿細管分泌が関与していると判断するのが一般的。

    • したがって、この選択肢が正答となる。

選択肢5:胆汁排泄

  • 論点

    • 胆汁排泄される薬物は分子量が大きいものが多いが、ペンシクロビルは比較的低分子量であるため胆汁排泄の主要経路とはなりにくい。

    • また、問題文の情報では胆汁排泄に関する記載がなく、腎排泄(尿細管分泌)が主経路であることが示されている。

  • アプローチ方法

    • 胆汁排泄される薬物には、分子量が500以上のものが多い(例:ロバスタチン、エゼチミブ)。

    • ペンシクロビルはこの条件を満たさず、腎排泄が主体であることから、この選択肢は誤り。


結論

正答は 「4. 尿細管分泌」 である。


引用文献

  1. Brunton LL, Hilal-Dandan R, Knollmann BC. Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics. 13th ed. McGraw-Hill; 2018.

    • 糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収の基本的な薬物動態概念についての詳細な解説を提供。

  2. Katzung BG, Vanderah TW. Basic and Clinical Pharmacology. 15th ed. McGraw-Hill; 2021.

    • 腎排泄型薬物の動態および腎クリアランスの評価方法についての説明を収録。

  3. 日本化学療法学会編. 抗菌薬TDM実践ガイド. ライフサイエンス出版; 2017.

    • ペンシクロビルの薬物動態、腎排泄特性に関する情報を提供。

  4. ファムシクロビル(Famciclovir)添付文書.

    • ペンシクロビルの薬物動態データ(腎クリアランス、尿中排泄率)に関する直接的な情報を提供。


問 106-267(実務)

1. 総合的な論点

この問題では、腎機能が低下している患者に対するファムシクロビルの適切な用量調整 が論点となる。
本症例の患者は 70歳男性、血清クレアチニン値6.0 mg/dL、血液透析は未実施 であり、腎機能が著しく低下していることが示唆される。

腎機能評価のためのクレアチニンクリアランス(Ccr)推定

  • Cockcroft-Gault式を用いると、患者のCcrは10 mL/min未満 となる可能性が高い。

  • これにより、ファムシクロビルの添付文書に記載された腎機能低下時の用量調整指針(Ccr < 20 mL/min: 250 mg 1日1回) に従う必要がある。

  • しかし、処方1では 250 mg 1回2錠(500 mg)を1日3回 となっており、明らかに過量投与である。

2. 科学的根拠

  • ファムシクロビルは経口投与後、速やかにペンシクロビルに代謝される。

  • ペンシクロビルの 腎クリアランスは 530 mL/min であり、大部分が腎排泄されるため、腎機能が低下すると 血中濃度が大幅に上昇 するリスクがある。

  • 過量投与による副作用

    • ペンシクロビルの高濃度蓄積により、中枢神経系の副作用(錯乱、めまい、幻覚など) のリスクが増加する可能性がある。

    • したがって、適切な用量調整が必須となる。

3. まとめ

  • 本症例の患者では、腎機能低下により 添付文書の推奨量(250 mg 1日1回)を大幅に超える処方 になっており、修正が必要。

  • 最も適切な対応は 「250 mg 1日1回への減量提案」 となる。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問 106-267(実務)

選択肢1:処方内容に問題がないと考え、そのまま調剤した。

  • 論点

    • ファムシクロビルは腎排泄型薬物であり、腎機能低下時には 適切な用量調整が必要 である。

    • 本症例の患者は Ccrが10 mL/min未満 と推定されるため、処方通りに調剤すると 過量投与のリスク が高い。

  • アプローチ方法

    • 添付文書の用量調整基準(Ccr < 20 mL/min の場合 250 mg 1日1回)を参照し、現行処方(250 mg 1回2錠を1日3回)が 推奨量の6倍 であることを確認する。

    • 重大な副作用のリスクがあるため、処方医に疑義照会を行うべきであり、この選択肢は誤り。


選択肢2:ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日2回の投与とするよう、処方医に提案した。

  • 論点

    • 1回500 mg(250 mg 2錠)を1日2回とする用量は Ccr 40-59 mL/min の患者向けの推奨量であり、本症例の患者には過量となる。

    • 腎機能が Ccr < 20 mL/min の場合、ペンシクロビルの蓄積が問題となるため さらなる減量が必要 である。

  • アプローチ方法

    • 提示された用量調整基準を再確認し、 適切な用量(250 mg 1日1回)との乖離 をチェックする。

    • 本症例に適した減量がなされていないため、この選択肢は誤り。


選択肢3:ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。

  • 論点

    • 1回500 mg(250 mg 2錠)を1日1回とする用量は、Ccr 20-39 mL/min の患者に推奨されるが、本症例の患者は Ccr < 20 mL/min であるため、さらに減量すべきである。

    • したがって、1回250 mg 1日1回が最適である。

  • アプローチ方法

    • 添付文書の腎機能別用量設定を再確認し、 適切な用量(250 mg 1日1回)に修正する必要がある ことを明確にする。

    • まだ過量のリスクがあるため、この選択肢は誤り。


選択肢4:ファムシクロビル錠250mgを1回1錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。

  • 論点

    • Ccr < 20 mL/min の場合、添付文書では 250 mg 1日1回 が推奨されている。

    • これに従えば、 ペンシクロビルの過量投与リスクを最小限に抑える ことができる。

  • アプローチ方法

    • 添付文書の推奨用量を基に、 250 mg 1日1回が最適 であることを根拠として提示する。

    • 過量投与による副作用(中枢神経障害など)のリスクを回避できるため、この選択肢が正しい。


選択肢5:ファムシクロビル錠の投与は避けるよう、処方医に提案した。

  • 論点

    • ファムシクロビルは腎機能低下患者でも 適切な用量調整を行えば安全に使用できる。

    • 透析患者であれば注意が必要だが、本症例の患者は透析を受けていないため、適切な用量調整のもとで投与可能である。

  • アプローチ方法

    • 腎機能に応じた用量調整 を優先すべきであり、完全に投与を避ける必要はない。

    • 処方の見直しを提案するのが適切であるため、この選択肢は誤り。


結論

正答は 「4. ファムシクロビル錠250mgを1回1錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。」


引用文献

  1. Brunton LL, Hilal-Dandan R, Knollmann BC. Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics. 13th ed. McGraw-Hill; 2018.

    • 腎機能低下時の薬物動態の変化、および適切な用量調整の方法について詳述。

  2. Katzung BG, Vanderah TW. Basic and Clinical Pharmacology. 15th ed. McGraw-Hill; 2021.

    • 腎排泄型薬物の用量調整に関する原則、および高齢者や腎機能低下患者における薬剤の安全な使用について解説。

  3. 日本腎臓学会. CKD診療ガイドライン 2018. 東京: 東京医学社; 2018.

    • 慢性腎臓病(CKD)患者における薬剤の用量調整について記載。

  4. ファムシクロビル(Famciclovir)添付文書.

    • 腎機能別の推奨用量が明示されており、Ccr < 20 mL/min では 250 mg 1日1回 が推奨されている。

  5. 日本化学療法学会編. 抗菌薬TDM実践ガイド. ライフサイエンス出版; 2017.

    • 抗ウイルス薬のTDM(Therapeutic Drug Monitoring)の考え方と、腎機能低下時の適切な投与設計に関する解説。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】からファムシクロビル / ペンシクロビル / 用法・用量 / 血清クレアチニン / クレアチニンクリアランス / 薬物動態 / 排泄 / 尿細管分泌を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問266-267

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-266-267

Q. 70歳男性。体重50kg。皮膚科を受診して帯状疱疹の診断を受け、処方1の記載された処方箋を薬局に持参してきた。お薬手帳の内容を確認すると、以下の薬剤を継続的に服用しており、血清クレアチニン値 6.0mg/dLと記載されていた。また、血液透析は実施していないことを確認した。
(処方1)
ファムシクロビル錠|250mg|1回2錠(1日6錠)|
1日3回 朝昼夕食後 7日分|
(お薬手帳の記載薬剤)
テルミサルタン錠|40mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回 朝食後
セベラマー塩酸塩|250mg|1回4錠(1日12錠)|
1日3回 朝昼夕食直前
薬剤師はファムシクロビル錠の添付文書等から薬物動態及び用法・用量に関する以下の情報を得た。
【健康成人における薬物動態】
ファムシクロビルは経口投与後、速やかに代謝され、血漿中には活性代謝物であるペンシクロビルのみが検出される。
ペンシクロビルの尿中排泄率(推定値):75%
ペンシクロビルの腎クリアランス:530mL/min
【用法・用量の目安】
クレアチニンクリアランス(mL/min)|帯状疱疹の治療|
≧ 60|1回 500mgを1日3回|
40 - 59|1回 500mgを1日2回|
20 - 39|1回 500mgを1日1回|
< 20|1回 250mgを1日1回|


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問266-267

薬剤

問 106-266|薬剤
Q. 健康成人におけるペンシクロビルの主な消失経路と考えられるのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 小腸上皮細胞内での代謝
2. 肝代謝
3. 糸球体ろ過
4. 尿細管分泌
5. 胆汁排泄


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-266-267【薬理、薬剤/実務】論点:ファムシクロビル / ペンシクロビル / 用法・用量 / 血清クレアチニン / クレアチニンクリアランス / 薬物動態 / 排泄 / 尿細管分泌|matsunoya


実務

問 106-267|実務
Q. 薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 処方内容に問題がないと考え、そのまま調剤した。
2. ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日2回の投与とするよう、処方医に提案した。
3. ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。
4. ファムシクロビル錠250mgを1回1錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。
5. ファムシクロビル錠の投与は避けるよう、処方医に提案した。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-266-267【薬理、薬剤/実務】論点:ファムシクロビル / ペンシクロビル / 用法・用量 / 血清クレアチニン / クレアチニンクリアランス / 薬物動態 / 排泄 / 尿細管分泌|matsunoya


■■GPT4o


■問 106-266|薬剤

■論点|

この問題の論点は、ペンシクロビルの主要な消失経路の特定 です。

■解説1|

尿細管分泌(選択肢4)[正しい]

  • 腎排泄の優位性

    • ペンシクロビルの尿中排泄率は75%と高く、主な排泄経路が腎であることが示唆される。

  • 腎クリアランスの高さ

    • ペンシクロビルの腎クリアランス(530mL/min)は、糸球体ろ過の標準値(約125mL/min)よりもはるかに高い。

    • これは単純な糸球体ろ過(選択肢3)ではなく、尿細管分泌が関与していることを示す。

  • 尿細管分泌の証拠

    • 腎排泄型薬物の中で、糸球体ろ過率を超える高いクリアランスを示すものは、通常尿細管分泌による影響を受けている。

■解説2|

  • ペンシクロビルの代謝と排泄

    • ファムシクロビルは体内で代謝され、活性代謝物であるペンシクロビルに変換される。

    • 変換されたペンシクロビルは、腎排泄が主経路であり、肝代謝はほとんど関与しない。

  • 腎排泄型薬物の分類

    • 腎クリアランスが糸球体ろ過を大幅に超える場合、多くの薬物は尿細管分泌を受けている。

    • 例えば、ペニシリン系抗菌薬やH2ブロッカー(例:シメチジン)も同様の排泄経路を持つ。

  • 臨床的意義

    • 腎機能が低下すると、尿細管分泌機能も低下し、ペンシクロビルの排泄が遅延する可能性がある。

    • 腎機能障害時には、投与量調整が必要となる(次問に関連)。

■結論|

ペンシクロビルの主な消失経路は、腎排泄(特に尿細管分泌)であるため、選択肢4が正しい。

■補足|

選択肢1:小腸上皮細胞内での代謝 [誤り]

  • ファムシクロビルは小腸で吸収されるが、消失経路は主に腎排泄であるため、小腸での代謝は主要経路ではない。

選択肢2:肝代謝 [誤り]

  • ファムシクロビルは肝代謝を受けるが、ペンシクロビル自体の代謝は限定的である。

選択肢3:糸球体ろ過 [誤り]

  • 一部寄与するが、尿細管分泌を考慮しないと腎クリアランスの高さを説明できない。

選択肢5:胆汁排泄 [誤り]

  • ペンシクロビルの尿中排泄率が75%と高いため、胆汁排泄は主経路ではない。


■問 106-267|実務

■論点|

この問題の論点は、腎機能低下患者におけるファムシクロビルの適切な用量調整 です。

■解説1|

ファムシクロビル錠250mgを1回1錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。(選択肢4)[正しい]

患者の腎機能評価

  • 血清クレアチニン値:6.0 mg/dL

  • 血液透析なし → 残存腎機能があると考えられる

  • クレアチニンクリアランス(Ccr)を推算することで、適切な投与量を決定する。

クレアチニンクリアランス(Ccr)の計算(Cockcroft-Gault式)

Ccr = (140 − 年齢) × 体重 / (72 × Scr)

$${Ccr = \frac{(140 - 年齢) × 体重}{72 × Scr}}$$

  • 70歳、体重50kg、Scr = 6.0 mg/dL

  • 男性のため、そのまま計算

  • 投与量の調整(添付文書の基準)

    • Ccr<20 mL/min → 1回250mgを1日1回 が推奨される。

  • 処方内容の問題点

    • 現行処方は 1回500mg(250mg×2)を1日3回 であり、明らかに過量投与である。

    • 腎機能低下時には、ペンシクロビルの排泄遅延により血中濃度が上昇し、副作用リスク(神経毒性など)が増加する。

■解説2|

  • 腎機能低下時の薬物投与の原則

    • 腎排泄型薬物(特に尿細管分泌に依存するもの)は、腎機能に応じた用量調整が不可欠。

    • 誤った投与量は、過量投与による蓄積 → 副作用リスクの増大(特に神経毒性) につながる。

  • ファムシクロビルの副作用リスク

    • 腎機能障害時には中枢神経系(CNS)副作用のリスクが上昇する。

    • 具体的には、めまい、せん妄、意識障害、痙攣などが報告されている。

    • これらの副作用は、腎排泄型薬物の蓄積が原因であり、適切な投与量調整で予防可能。

  • 適切な対応

    • 処方医に確認し、1回250mgを1日1回投与に変更することが適切である。

■結論|

患者のクレアチニンクリアランスは 20 mL/min未満 であり、適切な投与量は250mgを1日1回 である。
したがって、選択肢4の対応が最も適切である。

■補足|

選択肢1:処方内容に問題がないと考え、そのまま調剤した。[誤り]

腎機能低下患者に対して添付文書の推奨量を大幅に超えており、安全性の観点から誤り。

選択肢2:1回2錠(500mg)で1日2回とするよう提案した。[誤り]

Ccr 20–39 mL/minの患者向けであり、本症例では過量投与となる。

選択肢3:1回2錠(500mg)で1日1回とするよう提案した。[誤り]

Ccr 20–39 mL/minの患者に適用されるが、本症例はさらに低いため、過量投与となる。

選択肢5:ファムシクロビルの投与を避けるよう提案した。[誤り]

適切な用量調整をすれば安全に投与可能であり、完全に投与を避ける必要はない。


必須問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)


薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, GPT4o, Copilot, and Grok 2|matsunoya


お疲れ様でした。
🍰☕🍊


では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問266-267

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-266-267

Q. 70歳男性。体重50kg。皮膚科を受診して帯状疱疹の診断を受け、処方1の記載された処方箋を薬局に持参してきた。お薬手帳の内容を確認すると、以下の薬剤を継続的に服用しており、血清クレアチニン値 6.0mg/dLと記載されていた。また、血液透析は実施していないことを確認した。
(処方1)
ファムシクロビル錠|250mg|1回2錠(1日6錠)|
1日3回 朝昼夕食後 7日分|
(お薬手帳の記載薬剤)
テルミサルタン錠|40mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回 朝食後
セベラマー塩酸塩|250mg|1回4錠(1日12錠)|
1日3回 朝昼夕食直前
薬剤師はファムシクロビル錠の添付文書等から薬物動態及び用法・用量に関する以下の情報を得た。
【健康成人における薬物動態】
ファムシクロビルは経口投与後、速やかに代謝され、血漿中には活性代謝物であるペンシクロビルのみが検出される。
ペンシクロビルの尿中排泄率(推定値):75%
ペンシクロビルの腎クリアランス:530mL/min
【用法・用量の目安】
クレアチニンクリアランス(mL/min)|帯状疱疹の治療|
≧ 60|1回 500mgを1日3回|
40 - 59|1回 500mgを1日2回|
20 - 39|1回 500mgを1日1回|
< 20|1回 250mgを1日1回|


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問266-267

薬剤

問 106-266|薬剤
Q. 健康成人におけるペンシクロビルの主な消失経路と考えられるのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 小腸上皮細胞内での代謝
2. 肝代謝
3. 糸球体ろ過
4. 尿細管分泌
5. 胆汁排泄


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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-266-267【薬理、薬剤/実務】論点:ファムシクロビル / ペンシクロビル / 用法・用量 / 血清クレアチニン / クレアチニンクリアランス / 薬物動態 / 排泄 / 尿細管分泌|matsunoya


実務

問 106-267|実務
Q. 薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 処方内容に問題がないと考え、そのまま調剤した。
2. ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日2回の投与とするよう、処方医に提案した。
3. ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。
4. ファムシクロビル錠250mgを1回1錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。
5. ファムシクロビル錠の投与は避けるよう、処方医に提案した。


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