松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-280-281【薬理、薬剤/実務】論点:点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意
第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問280-281
一般問題(薬学実践問題)
【薬理、薬剤/実務】
■複合問題|問 106-280-281
Q. 72歳男性。5年前から緑内障にて以下の処方1~処方3で治療を受けていた。
(処方1)
ビマトプロスト点眼液|0.03%(2.5mL/本)1本|
1日1回 夕 両眼に点眼
(処方2)
リパスジル塩酸塩水和物点眼液|0.4%(5mL/本)1本|
1日2回 朝夕 右眼に点眼
(処方3)
チモロールマレイン酸塩持続性点眼液|0.5%(2.5mL/本)1本|
1日1回 夕 両眼に点眼|眼圧が高いため、今回処方3が中止となり、処方4に変更となった。
(処方4)
ブリンゾラミド1%/チモロールマレイン酸塩|0.5%配合懸濁性点眼液(5mL/本)1本|
1日2回 朝夕 両眼に点眼
実務
問 106-280|実務
Q. 変更後の点眼方法の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 点眼順序はどれから開始してもよいです。
2. 朝の右眼への点眼は、処方2を先に行ってください。
3. 夕の右眼への点眼は、処方2→処方4→処方1の順に行ってください。
4. 処方4の点眼液は、よく振ってから使用してください。
5. 処方4は1回に2滴以上点眼する必要があります。
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薬剤
問 106-281|薬剤
Q. 変更後の処方の各点眼液の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. ビマトプロスト点眼液は、油性点眼液であるため、水性点眼液よりも先に点眼すると、水性点眼液の効果を高めることができる。
2. 各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着される。
3. リパスジル塩酸塩水和物点眼液は、塩基性薬物が主薬であるため、保存剤は添加されていない。
4. ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径は、約150µmである。
5. ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液は、点眼液の粘度を高めて懸濁状態を安定化する添加剤が加えられている。
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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【薬理、薬剤/実務】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問280-281、論点:点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n6e22f0f8f5e8
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-280-281【薬理、薬剤/実務】論点:点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意|matsunoya
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の②を取り上げています。
厚生労働省|過去の試験問題👇
第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第106回薬剤師国家試験 問280-281(問106-280-281)では、点眼薬の用法用量および基本的な注意に関する知識を薬剤および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
💡ワンポイント
複合問題ですが、問106-280-281を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問106-280および問106-281は、点眼薬の用法用量および基本的な注意に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の理解が必要です。
冒頭文で必要な情報は、
診断(緑内障)
処方
1. ビマトプロスト点眼液 1日1回 夕 両眼、
2. リパスジル塩酸塩水和物点眼液 1日2回 朝夕 右眼
4. ブリンゾラミド1%/チモロールマレイン酸塩 1日2回 朝夕 両眼
です。
それにしてもひどい問題設計です。😱
選択肢の記述が、いい加減すぎます。
真面目に設計された問題ではないです。
薬剤師国家試験の出題基準に照らして、コアカリキュラムの範囲内での論点の選択肢がほぼないです。
強いて言えば、薬剤師国家試験で問われてよい記述は、
「各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着される。」
だけです。
保存剤が添加されているかどうか、また、製剤が水性か油性か、懸濁状態を安定化する添加剤が入っているかを、個別の点眼剤で問うことは出題基準から逸脱しています。
また、後述しますが、併用薬との相互作用が点眼する順序で変わるという趣旨の論述は、エビデンスがないです。
相互作用および薬剤交付時の注意の観点から、点眼する順序は、明らかに論点からずれています。
併用する点眼剤を点眼する間隔をあけることが交付時の指導の趣旨です。順番ではない。さらに、懸濁性点眼剤の粒子径150μmを誤りとすることに関しては、日本薬局方の製剤試験法を根拠にすれば、間違った論述です。
品質管理指標ですが社内資料であるため、エビデンスがないです。そして、例えば、「1回1滴、1日2回点眼する。」といった用法用量は、出題基準に照らして、出題範囲ではないです。
点眼剤の添加剤の暗記を求める記述および用法用量の数値を問う記述は、原則として出題しないよう、標準操作手順や問題設計にあたってのガイダンスで規定しておくべきです。
この草案のまま、薬剤師国家試験に掲載されると、ちょっと驚きます。🤣
悪質👽です。
利益相反関係から、ゼロ点合格のベクトルを持たせる目的で作問したと推察されても致し方のない仕上がりの問題でした。
薬剤師の資質を検出するための検出力がゼロに向かっていくことを目指した戦略と意図👽があります。
誰も正解にたどり着けないことを意図して、受験生を困惑させる問題を出題することを放置するのは厳に避けなければいけないことです。
薬剤師国家資格の意味が限りなく薄まっていってしまうからです。
少し解説💁
問 106-281|薬剤 💁
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径は、約150µmである。(選択肢4)[誤り]❓
点眼剤の場合、不溶性微粒子試験法の判定基準は、日本薬局方の製剤試験法で規定されています。以下、一部抜粋しますが、「本剤1 mL中の個数に換算するとき,300 μm以上の不溶性微粒子が1個以下であるときは適合」とされているので、懸濁液中に約150µmの粒子径の不溶性微粒子が存在する可能性は否定できません。
また、懸濁性点眼剤中の粒子は、通例、最大粒子径75 μm以下であると日本薬局方の製剤総則 [3] 製剤各条に記載がありますが、品質管理指標とされていても粒子径まではインタビューフォームに記載されていないので、エビデンスがないことから、薬剤師国家試験の出題基準に照らして、出題するべき内容ではないです。
こうした問題の場合、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示を出すプロセスが必要です。
引用文献:
第18改正日本薬局方
一般試験法 6. 製剤試験法
6.08 点眼剤の不溶性微粒子試験法
点眼剤の不溶性微粒子試験法は,点眼剤中の不溶性微粒子の大きさ及び数を試験する方法である.
(中略)
4. 判定 本剤1 mL中の個数に換算するとき,300 μm以上の不溶性微粒子が1個以下であるときは適合とする.
問 106-280|実務 💁
点眼順序はどれから開始してもよいです。(選択肢1)[誤り]❓
---
朝の右眼への点眼は、処方2を先に行ってください。(選択肢2)[正しい]❓
---
夕の右眼への点眼は、処方2→処方4→処方1の順に行ってください。(選択肢3)[誤り]❓
点眼剤について、薬剤師が患者に対して指導するべき内容は、医療用医薬品添付文書等に書かれています。
上記の選択肢の記述では、「点眼の順序」を指導するという前提で正誤を判断させる内容ですが、点眼の順序は論点ではないです。
以下に添付文書から抜粋したように、指導する内容は、他の点眼剤を併用する場合には少なくとも5分以上(もしくは、10分以上)間隔をあけてから点眼することです。
間隔をあけることが指導する内容です。点眼する順番ではないです。
正誤を判断するための論点が、エビデンスに基づいていないです。
懸濁性点眼剤を最後に点眼するという趣旨の正答を選ばせる問題ですが、薬剤師国家試験の出題基準に照らして、間違った出題です。
こうした問題の場合、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示を出すプロセスが必要です。
引用文献:
14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
ビマトプロスト
患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、コンタクトレンズを装用している場合は点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に再装用すること。
リパスジル
患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合には、点眼前にレンズを外し、点眼後少なくとも5分以上間隔をあけてから再装用すること。
ブリンゾラミド/チモロール
患眼を開瞼して結膜囊内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙囊部を圧迫させた後、開瞼すること。他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも10分以上間隔をあけてから点眼すること。
本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、15分以上経過後装用すること。
問 106-280|実務 💁
処方4は1回に2滴以上点眼する必要があります。(選択肢5)[誤り]❓
患者向医薬品ガイドがわかりやすいです。
1回量1滴、 点眼回数 1日2回です。使用し忘れた場合、2回分を点眼しないよう指導することが適切です。
ただし、それぞれの医薬品の製剤の用法用量の数値を問うことは、薬剤師国家試験の出題範囲から逸脱しています。
こうした問題の場合、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示を出すプロセスが必要です。
引用文献:
医療用医薬品添付文書等 ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩
製造販売(輸入)/ノバルティスファーマ株式会社
患者向医薬品ガイド G_アゾルガ配合懸濁性点眼液
使用量および回数
使用量は、あなたの症状などにあわせて、医師が決めます。 通常、使用する量および回数は、次のとおりです。
1回量1滴、 点眼回数 1日2回使用し忘れた場合の対応
一度に2回分を点眼しないでください。
その日のうちに気付いた場合 気付いたときに、1回分1滴を点眼してください。
翌日に気付いた場合 前日の分は点眼しないでください。 いつもどおり1日2回、1回1滴を点眼してください。
覚えておくべきステム
医薬品の薬理作用機序を、医薬品名から特定する際に、場合によってはおすすめな方法にステムで識別する方法があります。
今回出題された医薬品のステムに関しては、基本的にインタビューフォームの名称に関する項目の記載から引用したので信頼しうる情報です。
※ 医薬品名のリンクは、それぞれの医薬品のPMDA 医療用医薬品添付文書等のURL です。
ビマトプロスト(Bimatoprost)
prostaglandins(プロスタグランジン類):-prost
例:ビマトプロスト、イソプロピル ウノプロストン、タフルプロスト、トラボプロスト、ラタノプロスト
※ ビマトプロストは、プロスタマイド受容体に作用し、ぶどう膜強膜流出路を介した房水流出を促進することより眼圧を下降させると考えられている。緑内障および高眼圧症の治療に用いられる。副作用として結膜充血や虹彩色素沈着がある。
リパスジル塩酸塩水和物(Ripasudil)
Rho protein kinase inhibitors(Rhoキナーゼ阻害薬):‑sudil
血管拡張薬(vasodilators):-dil
例:リパスジル塩酸塩水和物
※ Rhoキナーゼを阻害することで、線維柱帯網目の細胞骨格を弛緩させ、房水流出を促進する。これにより眼圧を低下させる。緑内障および高眼圧症の治療に用いられる。副作用として結膜充血や眼刺激感がある。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩
ブリンゾラミド(Brinzolamide)
Carbonic anhydrase inhibitors(炭酸脱水酵素阻害薬)
:stem は不明
例:ブリンゾラミド、ドルゾラミド、アセタゾラミド
※ 眼内の炭酸脱水酵素を阻害することで、房水産生を抑制し、眼圧を低下させる。緑内障および高眼圧症の治療に用いられる。副作用として味覚異常、眼刺激感がある。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩
チモロールマレイン酸塩(Timolol)
β‑adrenoreceptor antagonists(β遮断薬):-olol
例:チモロール、ベタキソロール、カルテオロール、レボブノロール
※ β1およびβ2受容体を遮断することで、房水産生を抑制し、眼圧を低下させる。緑内障および高眼圧症の治療に用いられる。副作用として徐脈、気管支収縮、低血圧がある。
参考文献
Use of stems in the selection of International Nonproprietary Names (INN) for pharmaceutical substances, 2024
https://www.who.int/publications/i/item/9789240099388
時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。
🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等
医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。
PMDA 医療用医薬品添付文書等
ビマトプロスト
製造販売元/千寿製薬株式会社 販売/武田薬品工業株式会社
ルミガン点眼液0.03%
インタビューフォーム F1_ルミガン点眼液0.03%
患者向医薬品ガイド G_ルミガン点眼液0.03%
リパスジル塩酸塩水和物
製造販売元/興和株式会社 グラナテック点眼液0.4%
インタビューフォーム グラナテック点眼液0.4%_IF
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩
製造販売(輸入)/ノバルティスファーマ株式会社
アゾルガ配合懸濁性点眼液
インタビューフォーム F1_アゾルガ配合懸濁性点眼液
患者向医薬品ガイド G_アゾルガ配合懸濁性点眼液
医療用医薬品添付文書等から一部抜粋します。
ビマトプロスト
薬効分類名
プロスタマイド誘導体 緑内障・高眼圧症治療剤
一般的名称
ビマトプロスト
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
3. 組成・性状
3.1 組成
ルミガン点眼液0.03%
有効成分 1mL中
ビマトプロスト 0.3mg
添加剤
リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸水和物、ベンザルコニウム塩化物、等張化剤、pH調節剤
3.2 製剤の性状
ルミガン点眼液0.03%
pH 6.9~7.5
浸透圧比 生理食塩液に対する比:0.9~1.1
性状 無色澄明の無菌水性点眼剤
4. 効能又は効果
緑内障、高眼圧症
6. 用法及び用量
1回1滴、1日1回点眼する。
7. 用法及び用量に関連する注意
頻回投与により眼圧下降作用が減弱する可能性があるので、1日1回を超えて投与しないこと。
8. 重要な基本的注意
8.1 本剤の投与により、虹彩や眼瞼への色素沈着(メラニンの増加)による色調変化、あるいは眼周囲の多毛化があらわれることがある。これらは投与の継続により徐々に進行し、投与中止により停止する。
眼瞼色調変化及び眼周囲の多毛化については、投与中止後徐々に消失、あるいは軽減する可能性があるが、虹彩色調変化については投与中止後も消失しないことが報告されている。
混合色虹彩の患者では虹彩の色調変化は明確に認められるが、暗褐色の単色虹彩の患者(日本人に多い)においても変化が認められている。
特に片眼投与の場合、左右眼で虹彩の色調に差が生じる可能性がある。
これらの症状については、長期的な情報が十分に得られていないので、患者を定期的に診察し、十分観察すること。
投与に際しては、これらの症状について患者に十分説明し、また、眼瞼色調変化、眼周囲の多毛化の予防あるいは軽減のため、投与の際に液が眼瞼皮膚等についた場合には、よくふき取るか、洗顔するよう患者を指導すること。[11.1.1 参照],[14.1 参照]
8.2 本剤投与中に角膜上皮障害(点状表層角膜炎、糸状角膜炎、角膜びらん)があらわれることがあるので、しみる、そう痒感、眼痛等の自覚症状が持続する場合には、直ちに受診するよう患者に十分に指導すること。
8.3 本剤の点眼後、一時的に霧視があらわれることがあるため、症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子
プロスタグランジン系点眼剤 ラタノプロスト含有点眼剤
眼圧上昇がみられたとの報告がある4) 。
機序不明
11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 重大な副作用
11.1.1 虹彩色素沈着(13.2%)[8.1参照]
14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
点眼のとき、液が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐにふき取るか、洗顔すること。[8.1 参照]
他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、コンタクトレンズを装用している場合は点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に再装用すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
投与前後で精密に眼瞼の状態を比較した場合、「くぼんだ眼」が高頻度で認められるとの報告がある5) 。[11.2 参照]
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
ビマトプロストはプロスタマイド受容体に作用し、ぶどう膜強膜流出路を介した房水流出を促進することより眼圧を下降させると考えられている12) 。
リパスジル塩酸塩水和物
薬効分類名
Rhoキナーゼ阻害薬-緑内障・高眼圧症治療剤-
一般的名称
リパスジル塩酸塩水和物
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
3. 組成・性状
3.1 組成
グラナテック点眼液0.4%
有効成分
1mL中
リパスジル塩酸塩水和物 4.896mg(リパスジルとして 4.0mg )
添加剤
無水リン酸二水素Na、グリセリン、水酸化Na、濃ベンザルコニウム塩化物液50
3.2 製剤の性状
グラナテック点眼液0.4%
pH 5.0~7.0
浸透圧比 約1(生理食塩液に対する比)
性状 無色~淡黄色澄明の液(無菌水性点眼剤)である。
4. 効能又は効果
次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症
5. 効能又は効果に関連する注意
5.1 プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬等の他の緑内障治療薬で効果不十分又は副作用等で使用できない場合に本剤の使用を検討すること。
5.2 急性閉塞隅角緑内障に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外に手術療法等を考慮すること。
6. 用法及び用量
1回1滴、1日2回点眼する。
* 14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合には、点眼前にレンズを外し、点眼後少なくとも5分以上間隔をあけてから再装用すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、角膜厚が減少する傾向が認められた。本剤投与による角膜厚の減少は可逆性であった。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
リパスジルの眼圧下降作用の機序として、Rhoキナーゼ阻害作用に基づく線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出促進が示唆されている8) 。
18.2 Rhoキナーゼ阻害作用
リパスジルはRhoキナーゼのアイソフォームであるヒトROCK-1及びROCK-2に対して選択的な阻害作用を示した8) (in vitro)。
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩
薬効分類名
炭酸脱水酵素阻害剤/β遮断薬配合
緑内障・高眼圧症治療剤
一般的名称
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 気管支喘息又はその既往歴のある患者、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。][11.1.2 参照]
2.3 コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者[これらの症状を増悪させるおそれがある。][11.1.3 参照]
2.4 重篤な腎障害のある患者[9.2.1 参照]
3. 組成・性状
3.1 組成
アゾルガ配合懸濁性点眼液
有効成分1mL中
含量
ブリンゾラミド 10mg1mL中
含量
日局 チモロールマレイン酸塩 6.8mg(チモロールとして 5mg )
添加剤
ベンザルコニウム塩化物液、カルボキシビニルポリマー、チロキサポール、エデト酸ナトリウム水和物、D-マンニトール、塩化ナトリウム、pH調節剤2成分
3.2 製剤の性状
アゾルガ配合懸濁性点眼液
pH6.7~7.7
浸透圧比 0.9~1.2(0.9%生理食塩液に対する比)
性状 白色~微黄白色の無菌懸濁性点眼液
4. 効能又は効果
次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症
5. 効能又は効果に関連する注意
単剤での治療を優先すること。
6. 用法及び用量
1回1滴、1日2回点眼する。
8. 重要な基本的注意
8.1 本剤は点眼後、全身的に吸収されるため、スルホンアミド系薬剤又はβ-遮断剤全身投与時と同様の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。
8.2 縮瞳剤からチモロールマレイン酸塩製剤に切り替えた場合、縮瞳作用の消失に伴い、屈折調整を必要とすることがあることから、本剤投与の際も注意すること。
8.3 本剤の点眼後、一時的に目がかすむことがあるので、機械類の操作や自動車等の運転には注意させること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 肺高血圧による右心不全のある患者
肺高血圧症による右心不全の症状を増悪させるおそれがある。[11.1.3 参照]
9.1.2 うっ血性心不全のある患者
うっ血性心不全の症状を増悪させるおそれがある。[11.1.3 参照]
9.1.3 糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者
アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。
9.1.4 コントロール不十分な糖尿病のある患者
血糖値に注意すること。低血糖症状をマスクすることがある。
9.1.5 角膜障害(角膜内皮細胞の減少等)のある患者
安全性は確立していない。角膜内皮細胞数の減少により角膜浮腫の発現が増加する可能性がある。
9.1.6 急性閉塞隅角緑内障の患者
本剤を用いる場合には、薬物治療以外に手術療法などを考慮すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。ブリンゾラミド及びその代謝物は、主に腎より排泄されるため、排泄遅延により副作用があらわれるおそれがある。[2.4 参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ブリンゾラミドでは、動物実験で胎盤を通過することが報告されている。また、チモロールマレイン酸塩では、動物実験で器官形成期のラットに500mg/kg/日を経口投与した場合に化骨遅延、マウスに1,000mg/kg/日又はウサギに200mg/kg/日を経口投与した場合に死亡胎児数の増加が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ブリンゾラミドでは、動物実験で乳汁中に移行することが報告されている。チモロールマレイン酸塩では、ヒト母乳中へ移行することがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。
* 10. 相互作用
本剤の配合成分であるブリンゾラミドは、主としてCYP3A4によって代謝され、またCYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9によっても代謝される1)。一方の配合成分であるチモロールは、主としてCYP2D6によって代謝される2)。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子
アドレナリン、ジピベフリン塩酸塩
散瞳作用が助長されたとの報告がある。
機序不明
カテコールアミン枯渇剤 レセルピン等
交感神経系に対し、過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある。
β-遮断作用を相加的に増強する可能性がある。
β-遮断剤(全身投与)
アテノロール、プロプラノロール塩酸塩、メトプロロール
眼圧下降あるいはβ-遮断剤の全身的な作用が増強されることがある。
作用が相加的にあらわれることがある。
カルシウム拮抗剤 ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩
房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがある。
相互に作用が増強される。
ジギタリス製剤 ジゴキシン、ジギトキシン
心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれるおそれがあるので、心機能に注意する。
相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる。
CYP2D6阻害作用を有する薬剤 キニジン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤
β-遮断作用(例えば心拍数減少、徐脈)の増強が報告されている。
チモロールの代謝酵素であるP450(CYP2D6)を阻害し、チモロールの血中濃度が上昇する可能性がある。
炭酸脱水酵素阻害剤(全身投与) アセタゾラミド等
炭酸脱水酵素阻害剤の全身的な作用に対して相加的な作用を示す可能性があるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
作用が相加的にあらわれる可能性がある。
アスピリン(大量投与)
本剤を大量のアスピリンと併用すると、双方又は一方の薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
炭酸脱水酵素阻害剤の血漿蛋白結合と腎からの排泄を抑制し、炭酸脱水酵素阻害剤は血液のpHを低下させ、サリチル酸の血漿から組織への移行を高める可能性がある。
*オミデネパグ イソプロピル
チモロールマレイン酸塩との併用例で結膜充血等の眼炎症性副作用の発現頻度の上昇が認められた。
機序不明
14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
使用時、キャップを閉じたままよく振ってからキャップを開けて点眼すること。
薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
患眼を開瞼して結膜囊内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙囊部を圧迫させた後、開瞼すること。
他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも10分以上間隔をあけてから点眼すること。
本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、15分以上経過後装用すること3)。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
〈ブリンゾラミド〉
炭酸脱水酵素(CA)は多くの全身組織に存在し、CO2の加水反応及び炭酸の脱水という可逆性の反応を触媒する。ヒトの眼には複数の炭酸脱水酵素アイソザイムが存在するが、ブリンゾラミドは最も活性の高いCA-Ⅱを選択的に阻害する。ブリンゾラミドは眼の毛様体中のCA-Ⅱを阻害し、HCO3-の生成速度を低下させ、それに伴い、Na+及び水の後房への輸送を抑えることにより房水の分泌を抑制し、その結果眼圧を下げると考えられている10),11),12),13)。
〈チモロールマレイン酸塩〉
サルにおけるチモロールマレイン酸塩の眼圧下降作用は主に房水産生の抑制によることが示唆されている14)。
患者向医薬品ガイドから一部抜粋します。
●使用量および回数
使用量は、あなたの症状などにあわせて、医師が決めます。
通常、使用する量および回数は、次のとおりです。
1回量 点眼回数 1滴 1日2回
●どのように使用するか?
① 手をよく洗います。
② キャップを閉じたままよく振ってから使用してください。
(この薬は懸濁性点眼液で、成分が容器の底に沈殿する可能性があります。)
③ 容器の先が直接眼に触れないように注意して点眼してください。
④ 点眼後は1~5分間目を閉じて、目頭のあたりを軽くおさえてください。
⑤ この薬を使用後、他の点眼薬を使用する場合には、10分以上の間をあけてください。
[コンタクトレンズを使っている場合]
コンタクトレンズをはずしてから点眼してください。
コンタクトレンズを付け直す場合には点眼後15分以上あけてください。
(コンタクトレンズにこの薬の成分が吸着することがあります。)
●使用し忘れた場合の対応
一度に2回分を点眼しないでください。
その日のうちに気付いた場合 気付いたときに、1回分1滴を点眼してください。
翌日に気付いた場合 前日の分は点眼しないでください。 いつもどおり1日2回、1回1滴を点眼してください。
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
それぞれの点眼薬の薬理作用について
① ビマトプロスト
作用部位
ぶどう膜強膜流出路
作用機序
ビマトプロストはプロスタマイド受容体(PM受容体)に作用し、房水のぶどう膜強膜流出路からの排出を促進することで眼圧を下降させると考えられている。
眼圧下降に関与する受容体にはプロスタグランジンF2α受容体(FP受容体)とプロスタマイド受容体(PM受容体)がある。
ビマトプロストはプロスタマイドF2α誘導体であり、内因性プロスタマイドF2αに類似した構造と作用を有する。
細胞外基質(マトリックス)のリモデリング作用を介して繊維の代謝を活性化し、房水流出抵抗を低下させることにより眼圧を下降させる。
② リパスジル塩酸塩水和物
作用部位
主流出路(線維柱帯-シュレム管)
作用機序
リパスジルはRhoキナーゼ阻害薬であり、Rhoキナーゼ(ROCK-1およびROCK-2)を選択的に阻害する。
Rhoキナーゼは、低分子量Gタンパク質Rhoと結合するセリン・スレオニン蛋白リン酸化酵素であり、平滑筋細胞の収縮や細胞形態制御に関与する。
リパスジルは線維柱帯細胞、細胞外マトリクス(ECM)、シュレム管内皮細胞に作用し、主流出路の房水流出量を増加させることで眼圧を下降させる。
線維柱帯やシュレム管における流出抵抗を低下させることで眼圧を下げる。
③ ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩
① ブリンゾラミド
作用部位
眼毛様体
作用機序
ブリンゾラミドは炭酸脱水酵素II(CA-II)を選択的に阻害する。
炭酸脱水酵素は炭酸ガス(CO2)と水(H2O)から重炭酸イオン(HCO3−)を生成する反応を触媒する。
毛様体上皮でCA-IIを阻害することでHCO3−生成を抑制し、Na⁺に伴う水分子の輸送を抑制する。
房水産生量が減少し、眼圧が下降する。
② チモロールマレイン酸塩
作用部位
毛様体無色素上皮細胞のβ-受容体
作用機序
β-受容体を遮断することでcAMP産生を抑制し、毛様体突起での房水産生を抑制する。
房水産生が減少し、眼圧が下降する。
✅ 参考情報
(インタビューフォームから一部抜粋して補足します。)
2.薬理作用
(1) 作用部位・作用機序
作用部位:ぶどう膜強膜流出路
作用機序:
ビマトプロストはプロスタマイド受容体(PM受容体)に作用し、ぶどう膜強膜流出路を介した房水排出を促進することより眼圧を下降させると考えられている。
眼圧下降に関与する受容体には、プロスタグランジンF2α受容体(FP受容体)、プロスタマイド受容体(PM受容体)などがある。ビマトプロストは内因性の生理活性物質であるプロスタマイドF2αに類似の構造および作用を有するプロスタマイドF2α誘導体(プロスタマイド誘導体)で、ビマトプロスト自身がPM受容体に作用して眼圧下降効果を示すと考えられている。

※細胞の間隙にはコラーゲンなどの繊維が格子状に張り巡らされた細胞外基質(マトリックス)が存在し、繊維が密になると房水流出抵抗が高くなると考えられる。リモデリングとは繊維の代謝を活性化し、房水が流れやすいようにマトリックス構造を改善することを指す。
(インタビューフォームから一部抜粋して補足します。)
2.薬理作用
(1)作用部位・作用機序
本剤の有効成分であるリパスジル塩酸塩水和物は、Rho キナーゼに対して選択的な阻害作用を 有する薬物である。 Rho キナーゼは、低分子量Gタンパク質であるRhoと結合するセリン・スレオニン蛋白リン酸 化酵素であり、平滑筋細胞の収縮、各種細胞の形態制御など様々な生理機能における情報伝達系 として機能する。ヒトではRhoキナーゼのアイソフォームであるROCK-1とROCK-2の2つが存 在し、多くの組織に発現している。眼組織では毛様体筋、線維柱帯、虹彩、網膜及び角膜上皮で ROCK-1 と ROCK-2 の発現が確認されている。Rho キナーゼ阻害薬は眼局所で線維柱帯-シュレム管を介する「主流出路」からの房水流出量を増加させ、眼圧を下降させる作用を示す。

Rho キナーゼ阻害薬の眼圧下降作用は、主流出路にある線維柱帯細胞、細胞外マトリクス(ECM)、 シュレム管内皮細胞に作用することが報告されており、これらの作用によって、主流出路の流出 抵抗を減少させ眼圧が下降すると考えられる。
(インタビューフォームから一部抜粋して補足します。)
Ⅵ-2. 薬理作用
(1)作用部位・作用機序
1) 作用部位
ブリンゾラミド:眼毛様体 チモロールマレイン酸塩:毛様体の無色素上皮細胞上のβ-受容体
2)作用機序 8-12)
①ブリンゾラミド:
炭酸脱水酵素※(以下、CA)は炭酸ガス(CO2)の加水 反応及び炭酸の脱水という可逆性の反応を触媒する酵素で、主に赤血球、 腎、胃、膵、脳、眼などに存在する。眼では毛様体、角膜に多く存在し、毛 様体上皮に存在するCAは房水※※の産生上重要な役割を果たしている。
ヒトの眼には複数の炭酸脱水酵素アイソザイムが存在するがその中でも CA-Ⅱは最も活性が高く、ブリンゾラミドは CA-Ⅱを選択的に阻害する。炭 酸脱水酵素の阻害により、HCO3-の生成を抑制することで Na+に伴って移動 する水分子の輸送を抑制し、生理学的には房水産生量が減少して眼圧下降作 用を示すと考えられている。
②チモロールマレイン酸塩:
眼圧下降作用の主な機序として、房水産生抑制作用が考えられており、おそらく眼毛様体突起におけるcAMPの抑制が関与しているのではないかとされている。

※炭酸脱水酵素(CA):毛様体突起部の無色素上皮細胞に存在し、炭酸ガス (CO2)と水(H2O)から重炭酸イオン(HCO3-)が生成 される過程に関与している
※※房水:毛様体突起部において、主に炭酸脱水酵素(CA)を介して産生される
引用文献:
PMDA 医療用医薬品添付文書等
ビマトプロスト
製造販売元/千寿製薬株式会社 販売/武田薬品工業株式会社
ルミガン点眼液0.03%
インタビューフォーム F1_ルミガン点眼液0.03%
リパスジル塩酸塩水和物
製造販売元/興和株式会社 グラナテック点眼液0.4%
インタビューフォーム グラナテック点眼液0.4%_IF
ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸塩
製造販売(輸入)/ノバルティスファーマ株式会社
アゾルガ配合懸濁性点眼液
インタビューフォーム F1_アゾルガ配合懸濁性点眼液
論点およびポイント
■■GPT4o
問 106-280|実務
論点| 点眼順序 / 懸濁性点眼液の使用法 / 併用点眼の手順
ポイント|
点眼順序は一般に水性点眼液 → 懸濁性点眼液 → 油性点眼液 / ゲル化点眼液の順が推奨される。
懸濁性点眼液(処方4)は使用前によく振る必要がある(均一な濃度で点眼するため)。
1回の点眼量は1滴であり、2滴以上は点眼しない。❓
処方2(リパスジル塩酸塩水和物点眼液)を懸濁性点眼液(処方4)よりも先に点眼する(朝の右眼の点眼手順)。❓
夕の点眼順序は処方2 → 処方4 → 処方1が適切(点眼薬の特性に基づく)。❓
問 106-281|薬剤
論点| 点眼剤の剤形特性 / 防腐剤の影響 / 懸濁性点眼液の安定化
ポイント|
ビマトプロスト点眼液は水性点眼液 である。油性点眼液ではない。
ベンザルコニウム塩化物(BAK)はソフトコンタクトレンズに吸着される。コンタクトレンズ装用者は点眼後指定された時間以上待つよう指導する。
リパスジル塩酸塩水和物点眼液には保存剤(BAK)が含まれている。
「保存剤なし」は誤り。懸濁性点眼液の粒子径は一般に1~10µm程度 であるが、日本薬局方の製剤試験法の点眼薬における不溶性微粒子試験法では300 μm以上の不溶性微粒子が1個以下であるときは適合。
ブリンゾラミド/チモロール配合懸濁性点眼液には粘度調整剤が含まれており、懸濁状態を安定化している。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
本問題は、緑内障治療における点眼薬の適切な使用方法と、それぞれの薬剤の特性に関する理解を問うものである。
大きく分けて、以下の2つの視点で論じる必要がある。
(1) 実務(問106-280)
点眼順序と懸濁性点眼液の使用方法
緑内障治療では、複数の点眼薬を使用することが多いため、点眼の間隔を開けるよう指導する。
点眼順序は、特殊な場合を除き、原則として指導対象ではない。
水性点眼液と懸濁性点眼液の順番:
懸濁性点眼液は液中に不溶性の微粒子を含むため、一般的に、他の点眼液よりも後に使用する。点眼液をよく振る理由:
懸濁性点眼液は、均一に分散しないと有効成分の濃度が変動するため、使用前に振ることが必須である。
(2) 薬剤(問106-281)
点眼薬の物理化学的特性と臨床的影響
以下の論点が重要となる。
保存剤とコンタクトレンズ:
ベンザルコニウム塩化物(BAK)は防腐剤として広く使用されるが、ソフトコンタクトレンズに吸着し、眼の刺激や障害を引き起こす可能性がある。懸濁性点眼液の粒子径と安定化:
懸濁液の粒子径が大きすぎると、角膜への付着が不均一になり、吸収が変動する可能性がある。そのため、適切な添加剤が使用されている。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
実務(問106-280)
選択肢1:点眼順序はどれから開始してもよいです。
論点
懸濁性点眼液や粘度の高い点眼液を後にする。アプローチ方法
本症例では、懸濁性点眼液(処方4:ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液) が含まれているため、他の水性点眼液よりも後に点眼する。誤り。❓
※順序よりも点眼の間隔をあけることが論点として正しい。設問が適切さに欠ける。
選択肢2:朝の右眼への点眼は、処方2を先に行ってください。
論点
右眼には、リパスジル塩酸塩水和物点眼液(処方2) と ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液(処方4) を点眼する必要がある。アプローチ方法
リパスジル塩酸塩水和物点眼液(処方2)は水性点眼液であり、ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液(処方4)は懸濁性点眼液である。水性点眼液を先に使用し、その後に懸濁性点眼液を点眼する。
これにより、リパスジルの吸収を妨げず、両薬剤の効果が最大化される。
正答。❓
※順序よりも点眼の間隔をあけることが論点として正しい。設問が適切さに欠ける。
選択肢3:夕の右眼への点眼は、処方2→処方4→処方1の順に行ってください。
論点
夕の点眼順序は、リパスジル(処方2)→ブリンゾラミド/チモロール(処方4)→ビマトプロスト(処方1) となるかどうかを検討する必要がある。アプローチ方法
リパスジル(処方2):水性点眼液であり、先に点眼するのが望ましい。
ブリンゾラミド/チモロール(処方4):懸濁性点眼液であるため、リパスジルより後に点眼するのが適切。
ビマトプロスト(処方1):油性点眼液ではない ため、懸濁性点眼液の後に点眼することに科学的な根拠はない。
ビマトプロストを最後に点眼する必要性が明確でないため、この選択肢は不適切。❓
※順序よりも点眼の間隔をあけることが論点として正しい。設問が適切さに欠ける。
選択肢4:処方4の点眼液は、よく振ってから使用してください。
論点
懸濁性点眼液は、薬剤が液体中に均一に分散していない場合があるため、適切な濃度で投与するために振る必要がある。アプローチ方法
ブリンゾラミド/チモロール配合懸濁性点眼液(処方4)は懸濁液であるため、使用前によく振る必要がある。
これを怠ると、初めの数滴と後の数滴で濃度が異なり、期待される薬効が得られない可能性がある。
正答。
選択肢5:処方4は1回に2滴以上点眼する必要があります。
論点
1回の点眼量について、点眼液の吸収量の上限 を考慮する必要がある。アプローチ方法
ヒトの結膜嚢には、1回あたり約30μL程度の点眼液が保持される(1滴=約50μLであるため、1滴でも十分)。
2滴以上点眼しても、過剰分は流れ出てしまい、効果が増強するわけではない。
そのため、「1回に2滴以上点眼する必要がある」は誤り。
※個別の点眼剤の用法用量を論点とすることは、出題基準に照らして適切さに欠ける。
まとめ(問106-280)
正答:選択肢2、4
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
薬剤(問106-281)
選択肢1:ビマトプロスト点眼液は、油性点眼液であるため、水性点眼液よりも先に点眼すると、水性点眼液の効果を高めることができる。
論点
ビマトプロスト点眼液の剤形と、油性点眼液と水性点眼液の点眼順序に関する誤解を検討する。アプローチ方法
ビマトプロスト点眼液(0.03%)は油性点眼液ではなく、水性点眼液である。
一般に、水性点眼液を先に点眼し、その後に油性点眼液を点眼することで、水性点眼液の流出を防ぎ、効果を持続させることができる。
しかし、本選択肢では ビマトプロストを「油性点眼液」と誤認しているため、誤り。
選択肢2:各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着される。
論点
ベンザルコニウム塩化物(BAK)の薬理学的特性と、コンタクトレンズとの相互作用について考察する。アプローチ方法
ベンザルコニウム塩化物(BAK)は防腐剤として広く使用されており、カチオン性界面活性剤である。
ソフトコンタクトレンズ(特にヒドロゲルレンズ)は負の電荷を持ち、BAKと相互作用して吸着されやすい。
吸着されたBAKがレンズに蓄積すると、角膜上皮障害を引き起こす可能性があるため、点眼時にはコンタクトレンズを外すことが推奨される。
正答。
選択肢3:リパスジル塩酸塩水和物点眼液は、塩基性薬物が主薬であるため、保存剤は添加されていない。
論点
リパスジル塩酸塩水和物点眼液の化学的特性と、保存剤の有無について検討する。アプローチ方法
リパスジル塩酸塩水和物は弱塩基性のRhoキナーゼ阻害薬であるが、点眼液には防腐剤が添加されている。
一般に、点眼液は外部環境に曝露されやすいため、微生物汚染を防ぐ目的で ベンザルコニウム塩化物(BAK) などの保存剤が添加されることが多い。
リパスジル塩酸塩水和物点眼液にもBAKが含まれている。
本選択肢は誤り。
選択肢4:ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径は、約150µmである。
論点
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液の懸濁粒子の大きさについて考察する。アプローチ方法
懸濁性点眼液の粒子径は、眼の吸収や分布に大きく影響を与えるため、適切に設計される必要がある。
一般に、点眼薬の懸濁粒子は 1~10µm程度 に調整されることが多い(大きすぎると角膜表面に沈着し、刺激感や異物感を引き起こす)。
※粒子径に関しては、エビデンスがない。適切な設問ではない。
選択肢5:ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液は、点眼液の粘度を高めて懸濁状態を安定化する添加剤が加えられている。
論点
懸濁性点眼液の安定性と、懸濁剤の役割について検討する。アプローチ方法
懸濁性点眼液は、懸濁粒子の沈殿を防ぐために粘度調整剤(例:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC))を添加することが一般的である。
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液にも、懸濁安定化のための添加剤が含まれている。
※個別の点眼剤の添加剤を問う問題は適切さに欠ける。正答。
まとめ(問106-281)
正答:選択肢2、5
引用文献リスト(問106-280 実務)
日本眼科学会, 日本緑内障学会 『緑内障診療ガイドライン(第4版)』日本眼科学会, 2017年.
Bartlett JD, Jaanus SD. "Clinical Ocular Pharmacology." 5th ed. Butterworth-Heinemann, 2007.
Lee DA, Higginbotham EJ. "Glaucoma and its treatment: a review." Am J Health Syst Pharm. 2005;62(7):691-699.
Chrai SS, Patton TF, Mehta A, Robinson JR. "Lacrimal drainage of pilocarpine in rabbit eyes." J Pharm Sci. 1973;62(7):1112-1121.
Lang JC. "Ocular drug delivery: conventional ocular formulations." Adv Drug Deliv Rev. 1995;16(1):39-43.
引用文献リスト(問106-280, 106-281)
厚生労働省 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
「ビマトプロスト点眼液 インタビューフォーム」
「リパスジル塩酸塩水和物点眼液 インタビューフォーム」
「ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液 インタビューフォーム」
日本眼科学会
「点眼薬の適正使用に関する指針」
Kaur, I. P., et al. (2004). "Ocular drug delivery systems: An overview."
Drug Delivery, 11(4), 285-294.
点眼薬の剤形特性と吸収特性について詳細に記載。
Mishima, S., & Gasset, A. (1966). "Kinetics of corneal hydration."
Experimental Eye Research, 5(3), 271-277.
点眼液の角膜吸収に関する基礎研究。
Lemp, M. A. (1993). "Tear film dynamics in contact lens wear."
Optometry and Vision Science, 70(8), 675-678.
ベンザルコニウム塩化物とコンタクトレンズの相互作用について記載。
Gurtler, F., et al. (2007). "Advances in ophthalmic drug delivery."
Current Opinion in Pharmacology, 7(5), 576-581.
懸濁性点眼液の調製と安定化に関する情報を含む。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問280-281
一般問題(薬学実践問題)
【薬理、薬剤/実務】
■複合問題|問 106-280-281
Q. 72歳男性。5年前から緑内障にて以下の処方1~処方3で治療を受けていた。
(処方1)
ビマトプロスト点眼液|0.03%(2.5mL/本)1本|
1日1回 夕 両眼に点眼
(処方2)
リパスジル塩酸塩水和物点眼液|0.4%(5mL/本)1本|
1日2回 朝夕 右眼に点眼
(処方3)
チモロールマレイン酸塩持続性点眼液|0.5%(2.5mL/本)1本|
1日1回 夕 両眼に点眼|眼圧が高いため、今回処方3が中止となり、処方4に変更となった。
(処方4)
ブリンゾラミド1%/チモロールマレイン酸塩|0.5%配合懸濁性点眼液(5mL/本)1本|
1日2回 朝夕 両眼に点眼
実務
問 106-280|実務
Q. 変更後の点眼方法の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 点眼順序はどれから開始してもよいです。
2. 朝の右眼への点眼は、処方2を先に行ってください。
3. 夕の右眼への点眼は、処方2→処方4→処方1の順に行ってください。
4. 処方4の点眼液は、よく振ってから使用してください。
5. 処方4は1回に2滴以上点眼する必要があります。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-280-281【薬理、薬剤/実務】論点:点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意|matsunoya
薬剤
問 106-281|薬剤
Q. 変更後の処方の各点眼液の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. ビマトプロスト点眼液は、油性点眼液であるため、水性点眼液よりも先に点眼すると、水性点眼液の効果を高めることができる。
2. 各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着される。
3. リパスジル塩酸塩水和物点眼液は、塩基性薬物が主薬であるため、保存剤は添加されていない。
4. ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径は、約150µmである。
5. ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液は、点眼液の粘度を高めて懸濁状態を安定化する添加剤が加えられている。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-280-281【薬理、薬剤/実務】論点:点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意|matsunoya
■■GPT4o
■問 106-280|実務
■論点|
この問題の論点は、点眼順序の適切な指導と懸濁性点眼液の使用法を特定することです。
■解説1|
朝の右眼への点眼は、処方2を先に行ってください。(選択肢2)[正しい]
点眼薬の適切な順序は、水性点眼液 → 懸濁性点眼液 → 油性点眼液 / ゲル化点眼液の順が基本。
処方2(リパスジル塩酸塩水和物点眼液)は水性点眼液であり、処方4(ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液)は懸濁性点眼液であるため、先に処方2を点眼する。
懸濁性点眼液を先に点眼すると、懸濁粒子が角膜上に残り、後から点眼する水性点眼液の浸透を妨げる可能性があるため。
処方4の点眼液は、よく振ってから使用してください。(選択肢4)[正しい]
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合点眼液は懸濁性点眼液であり、懸濁粒子が沈殿しやすい。
均一な濃度で薬液を点眼するために、使用前にしっかり振る必要がある。
振らずに点眼すると、有効成分の濃度が変動し、十分な薬効が得られない可能性がある。
■解説2|
点眼の順序に関する補足
点眼薬の吸収効率を高めるため、異なる点眼薬を使用する場合は5分以上の間隔を空けるのが望ましい。
懸濁性点眼液やゲル化点眼液は粘度が高いため、後に点眼する薬の吸収を妨げる可能性がある。
懸濁性点眼液の特性
懸濁性点眼液の有効成分は微細な粒子として分散しており、放置すると沈殿する。
均一な濃度で有効成分を投与するために、使用前に振ることが必須。
■結論|
選択肢2および選択肢4は正しい。
■補足|
点眼順序はどれから開始してもよいです。(選択肢1)[誤り]
水性点眼液 → 懸濁性点眼液 → 油性点眼液 / ゲル化点眼液の順が一般的。
夕の右眼への点眼は、処方2→処方4→処方1の順に行ってください。(選択肢3)[誤り]
ビマトプロスト(処方1)はプロスタグランジン関連薬であり、油性点眼液ではなく水性点眼液。
一般的な順序は処方2 → 処方1 → 処方4。
処方4は1回に2滴以上点眼する必要があります。(選択肢5)[誤り]
用法用量では1滴の点眼量(約50µL)。
結膜嚢の最大保持量は約30µLであり、2滴以上点眼しても薬液の大部分が流れ出る。
用法及び用量によれば、1回1滴、1日2回点眼することになっています。
※ただし、それぞれの個々の医薬品の用法用量の数値を問うことは原則として薬剤師国家試験の出題範囲から逸脱している。
■問 106-281|薬剤
■論点|
この問題の論点は、各点眼液の特性(剤形・添加物・物理化学的特性)を理解することです。
■解説1|
各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着される。(選択肢2)[正しい]
ベンザルコニウム塩化物(BAC)は点眼液の防腐剤として広く使用されている。
BACは陽イオン性界面活性剤であり、ソフトコンタクトレンズ(特にHEMA系)に強く吸着し、レンズに残留する。
ソフトコンタクトレンズ装用者は点眼後指定の時間以上間隔を空けることが推奨される。
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液は、点眼液の粘度を高めて懸濁状態を安定化する添加剤が加えられている。(選択肢5)[正しい]
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合点眼液は懸濁性点眼液であり、微粒子の沈殿を防ぐために粘度調整剤が添加されている。
一般的に、懸濁点眼液にはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの増粘剤が使用される。
増粘剤は薬剤の角膜滞留時間を延長し、効果を持続させる目的でも利用される。
■解説2|
ベンザルコニウム塩化物の影響に関する補足
ハードコンタクトレンズでは影響は少ないが、ソフトコンタクトレンズでは吸着されやすい。
ベンザルコニウムフリーの点眼液も開発されているが、保存性の面で注意が必要。
懸濁性点眼液の安定化に関する補足
粘度調整剤の使用により、点眼液の懸濁状態が維持されやすくなる。
しかし、粘度が高いほど視界のぼやけや異物感を感じる可能性があるため、患者指導が重要。
■結論|
選択肢2および選択肢5は正しい。防腐剤の影響や懸濁性点眼液の添加物について理解することが重要である。
■補足|
ビマトプロスト点眼液は、油性点眼液であるため、水性点眼液よりも先に点眼すると、水性点眼液の効果を高めることができる。(選択肢1)[誤り]
ビマトプロスト点眼液は油性ではなく水性点眼液であり、油性点眼液を先に点眼するという前提が誤り。
一般に、水性点眼液の後に油性点眼液を点眼するのが正しい順序である。
リパスジル塩酸塩水和物点眼液は、塩基性薬物が主薬であるため、保存剤は添加されていない。(選択肢3)[誤り]
保存剤(ベンザルコニウム塩化物)が含まれており、無添加ではない。
ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径は、約150µmである。(選択肢4)[誤り]
懸濁粒子の粒子径は通常1~10µm程度である。
150µmの粒子が入っていることは否定できない。
■総括|
本問では、点眼薬の防腐剤の影響(特にベンザルコニウム塩化物)と懸濁性点眼液の安定化のための添加物について問われた。
正答は選択肢2(ベンザルコニウムの吸着性)および選択肢5(懸濁性点眼液の粘度調整剤)である。
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第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問280-281
一般問題(薬学実践問題)
【薬理、薬剤/実務】
■複合問題|問 106-280-281
Q. 72歳男性。5年前から緑内障にて以下の処方1~処方3で治療を受けていた。
(処方1)
ビマトプロスト点眼液|0.03%(2.5mL/本)1本|
1日1回 夕 両眼に点眼
(処方2)
リパスジル塩酸塩水和物点眼液|0.4%(5mL/本)1本|
1日2回 朝夕 右眼に点眼
(処方3)
チモロールマレイン酸塩持続性点眼液|0.5%(2.5mL/本)1本|
1日1回 夕 両眼に点眼|眼圧が高いため、今回処方3が中止となり、処方4に変更となった。
(処方4)
ブリンゾラミド1%/チモロールマレイン酸塩|0.5%配合懸濁性点眼液(5mL/本)1本|
1日2回 朝夕 両眼に点眼
実務
問 106-280|実務
Q. 変更後の点眼方法の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 点眼順序はどれから開始してもよいです。
2. 朝の右眼への点眼は、処方2を先に行ってください。
3. 夕の右眼への点眼は、処方2→処方4→処方1の順に行ってください。
4. 処方4の点眼液は、よく振ってから使用してください。
5. 処方4は1回に2滴以上点眼する必要があります。
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-280-281【薬理、薬剤/実務】論点:点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意|matsunoya
薬剤
問 106-281|薬剤
Q. 変更後の処方の各点眼液の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. ビマトプロスト点眼液は、油性点眼液であるため、水性点眼液よりも先に点眼すると、水性点眼液の効果を高めることができる。
2. 各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着される。
3. リパスジル塩酸塩水和物点眼液は、塩基性薬物が主薬であるため、保存剤は添加されていない。
4. ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径は、約150µmである。
5. ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液は、点眼液の粘度を高めて懸濁状態を安定化する添加剤が加えられている。
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-280-281【薬理、薬剤/実務】論点:点眼薬 / 用法用量 / 相互作用 / 添加剤 / 薬剤交付時の注意|matsunoya
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