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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-258-259【薬理、薬剤/実務】論点:慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 作用機序 / アンブロキソール / ツロブテロール / アテノロール / ロキソプロフェンナトリウム / ウメクリジニウム / インダカテロール / 硝酸イソソルビド

第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問258-259

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-258-259

Q. 85歳男性、独居。慢性閉塞性肺疾患(COPD)のため処方1による治療を受けていた。また、処方1のアドヒアランスは維持されていた。しかし、最近、他職種の報告や薬剤師自身の訪問時の確認から、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)が90%を下回る機会が増え、湿性咳嗽などの症状が悪化していた。
(処方1)
アンブロキソール塩酸塩徐放錠|45mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回 朝食後 14日分|
ツロブテロールテープ|2mg|1回1枚|
1日1回 1枚貼付 7日分(全7枚)
患者は、サポートがあれば吸入剤の使用が可能である。また、貼付剤の長期使用によると思われるかぶれが目立つ。


実務

問 106-258|実務
Q. この患者の処方変更を医師に提案するにあたり、適切な薬物はどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. アテノロール
2. ロキソプロフェンナトリウム
3. ウメクリジニウム臭化物
4. インダカテロールマレイン酸塩
5. 硝酸イソソルビド


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薬理

問 106-259|薬理
Q. 処方1及び前問で提案された薬物のいずれかの作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. シクロオキシゲナーゼを阻害することでトロンボキサンA2の生合成を低下させ、気管支平滑筋を弛緩させる。
2. グアニル酸シクラーゼを活性化させることでサイクリックGMP(cGMP)を増大させ、気管支平滑筋を弛緩させる。
3. アセチルコリンM3受容体を遮断することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。
4. アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。
5. 炎症性サイトカイン産生の抑制や抗炎症性タンパク質の誘導により、気道の炎症を抑制する。


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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【薬理、薬剤/実務】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問258-259、論点:慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 作用機序 / アンブロキソール / ツロブテロール / アテノロール / ロキソプロフェンナトリウム / ウメクリジニウム / インダカテロール / 硝酸イソソルビドを徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-258-259【薬理、薬剤/実務】論点:慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 作用機序 / アンブロキソール / ツロブテロール / アテノロール / ロキソプロフェンナトリウム / ウメクリジニウム / インダカテロール / 硝酸イソソルビド|matsunoya

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このコンテンツの制作者|

滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第106回薬剤師国家試験 問258-259(問106-258-259)では、COPDの薬物治療に関する知識を薬理および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問106-258-259を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問106-246-247 論点解説|matsunoya_note

問106-258および問106-259は、COPDの薬物治療に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書と予防接種法の理解が必要です。

冒頭文で必要な情報は、
診断(慢性閉塞性肺疾患(COPD))
処方(アンブロキソール、ツロブテロール)
所見(SpO2<90%、湿性咳嗽、かぶれ)
です。


覚えておくべきステム

医薬品の薬理作用機序を、医薬品名から特定する際に、場合によってはおすすめな方法にステムで識別する方法があります。
今回出題された医薬品のステムに関しては、基本的にインタビューフォームの名称に関する項目の記載から引用したので信頼しうる情報です。
※ 医薬品名のリンクは、それぞれの医薬品のPMDA 医療用医薬品添付文書等のURL です。


アンブロキソール塩酸塩(Ambroxol hydrochloride)
Mucolytics(去痰薬):不明

類薬:アンブロキソール、ブロムヘキシン
※ 気道粘液の分泌を促進し、痰の粘性を低下させることで排出を容易にする。また、サーファクタント(肺表面活性物質)の作用による線毛運動の促進効果も有する。
1)サーファクタント(肺表面活性物質)分泌促進作用
2)気道液の分泌促進作用
3)線毛運動亢進作用

ツロブテロール(Tulobuterol)
Beta-2 adrenergic agonists(β₂刺激薬):-terol

例:気管支拡張薬、フェネチルアミン系誘導体、ツロブテロール、クレンブテロール塩酸塩、プロカテロール塩酸塩、フェノテロール臭化水素酸塩
※ β₂アドレナリン受容体を刺激し、気管支平滑筋を弛緩させることで気道を拡張する。主に喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用される。
類薬:トリメトキノール塩酸塩、サルブタモール硫酸塩、テルブタリン硫酸塩

アテノロール(Atenolol)
Beta blockers(β遮断薬):-olol

例:propranolol系のβ-遮断剤(不整脈用剤)、アテノロール、メトプロロール酒石酸塩、ビソプロロールフマル酸塩、ベタキソロール塩酸塩等
※ β₁アドレナリン受容体を選択的に遮断し、心拍数を低下させることで血圧を下げる。高血圧、不整脈、狭心症の治療に用いられる。
1) β1遮断作用
シナプス後β1受容体遮断により、心拍数、心拍出量を減少させ、心仕事量を低下させて心 筋酸素消費抑制、血圧降下をもたらす。
2) β1選択性
主として心臓のβ1受容体に選択的に作用して遮断効果を示す。
3) 抗不整脈作用
β1受容体遮断により房室伝導を抑制し、心室自動能を低下させ、期外収縮を抑制する。
4) 内因性交感神経刺激作用(ISA)及び膜安定化作用(MSA)を有さない。
5) 抗レニン作用
腎からのレニン分泌を抑制する。
心臓選択性(β1選択性):アテノロールのβ1遮断作用はプロプラノロールよりやや弱く、気管及び末梢血管のβ2受容体に対する作用は極めて弱い。

ロキソプロフェンナトリウム水和物(Loxoprofen sodium)
Nonsteroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs, 非ステロイド性抗炎症薬):-profen

例:抗炎症薬(イブプロフェン誘導体)、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン
※ シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの生成を抑制することで、抗炎症、鎮痛、解熱作用を発揮する。

ウメクリジニウム臭化物(Umeclidinium bromide)
Muscarinic antagonists(ムスカリン受容体拮抗薬):
-clidinium

例:ウメクリジニウム、アクリジニウム
※ ムスカリンM₃受容体を遮断し、気道平滑筋の収縮を抑えることで気管支拡張作用を示す。主にCOPD治療に使用される。
類薬:
グリコピロニウム臭化物
第4級アンモニウム化合物、抗コリン薬:‐ium
※ 長時間作用性の抗コリン薬(ムスカリン受容体拮抗薬)
  気管支平滑筋の M3 受容体に結合し、副交感神経節後線維末端から放出
  されるアセチルコリンの作用を阻害、気管支収縮抑制。
チオトロピウム臭化物水和物
第4級アンモニウム化合物、抗コリン薬:-ium
アトロピン誘導体,第四級アンモニウム化合物:-trop-
※ 長時間持続型の選択的ムスカリン受容体拮抗薬
  ヒト気道に存在するムスカリン受容体のサブタイプであるM1~M5受容体
  にほぼ同程度の親和性を示す。
  気管支収縮に主に関与するといわれるM1~M3受容体のうち,特にM3受
  容体からのチオトロピウムの解離速度は非常に遅い。気道において,気道
  平滑筋のM3受容体に対するアセチルコリンの結合を阻害して気管支収縮
  抑制作用を発現する。

インダカテロールマレイン酸塩(Indacaterol maleate)
Beta-2 adrenergic agonists(β₂刺激薬):-terol

例:気管支拡張剤、フェネチルアミン誘導体、インダカテロールマレイン酸塩サルメテロールキシナホ酸塩ホルモテロールフマル酸塩水和物
※ β₂アドレナリン受容体を刺激し、長時間にわたり気道平滑筋を弛緩させることで気管支を拡張する。主にCOPD治療に用いられる。

硝酸イソソルビド(Isosorbide dinitrate)

Nitrates(硝酸薬)-nitrate
類薬:硝酸イソソルビド、ニトログリセリン、硝酸モノソルビド
※ 一酸化窒素(NO)を放出し、NOがグアニル酸シクラーゼ(GC)を刺激することにより、サイクリックGMP(cGMP) の上昇を介し、血管平滑筋を弛緩させ、心臓の負荷を軽減する。狭心症および心不全の治療に使用される。


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🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等

医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。

PMDA 医療用医薬品添付文書等


アンブロキソール塩酸塩 薬効分類名:徐放性気道潤滑去痰剤

効能又は効果:下記疾患の去痰
急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難
作用機序:
<気管・気管支領域>
作用部位:気道・気管支粘膜細胞、肺胞Ⅱ型細胞
作用機序:
1)サーファクタント(肺表面活性物質)分泌促進作用
2)気道液の分泌促進作用
3)線毛運動亢進作用
これらが総合的に作用して喀痰喀出効果を示すものと考えられる。この際、表面活性 物質の役割としては線毛の存在しない肺胞や呼吸細気管支を含め気道中の粘性物 質を排出しやすくするものと考えられている。

製造販売元/帝人ファーマ株式会社 提携/sanofi ムコソルバンL錠45mg
インタビューフォーム ムコソルバン インタビューフォーム

ツロブテロール 薬効分類名:経皮吸収型・気管支拡張剤

効能又は効果:下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解 気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫
作用機序:気管支平滑筋のβ2受容体に作用し、β2受容体と密接に関係のある酵素adenyl cyclaseを賦活化する。それにより細胞内のATPがcyclic AMPに変化し、気管支拡張作用を示す。

製造販売元/ヴィアトリス製薬合同会社 ホクナリンテープ0.5mg/ホクナリンテープ1mg/ホクナリンテープ2mg
インタビューフォーム F1_ホクナリンテープ0.5mg/ホクナリンテープ1mg/ホクナリンテープ2mg


アテノロール 薬効分類名:心臓選択性β遮断剤

効能又は効果:本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈(洞性頻脈、期外収縮)
作用機序:交感神経β受容体においてカテコールアミンと競合的に拮抗し、β受容体遮断作用を示すことによって抗狭心症作用、抗不整脈作用を発揮するものと考えられる。降圧作用の機序については十分には解明されていないが、心拍出量の減少7)、末梢血管抵抗減少作用8),9)、レニン分泌抑制作用9),10)等が考えられる。
心臓選択性(β1選択性):アテノロールのβ1遮断作用はプロプラノロールよりやや弱く、気管及び末梢血管のβ2受容体に対する作用は極めて弱い。
ヒトの心房及び気管支の筋肉標本を用いたin vitro実験で、アテノロールのβ1選択性はプロプラノロール、ピンドロール、メトプロロールより高く、アセブトロールとほぼ同等であった13)
臨床的にも、アテノロールは可逆性の閉塞性気道疾患を有する患者の呼吸機能に及ぼす影響は少なかった14)

製造販売元/沢井製薬株式会社 アテノロール錠25mg「サワイ」/アテノロール錠50mg「サワイ」
インタビューフォーム F1_アテノロール錠25mg「サワイ」/アテノロール錠50mg「サワイ」


ロキソプロフェンナトリウム水和物 薬効分類名:鎮痛・抗炎症・解熱剤

効能又は効果:下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎、下記疾患の解熱・鎮痛、急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
作用機序:ロキソプロフェンナトリウム水和物は経口投与されたとき、胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管より吸収され、その後速やかにプロスタグランジン生合成抑制作用の強い活性代謝物trans-OH体(SRS配位)に変換されて作用する。シクロオキシゲナーゼを作用点としたプロスタグランジン生合成抑制作用により、すぐれた鎮痛・抗炎症・解熱作用を有し、特に鎮痛作用が強力である22),23)

製造販売元/第一三共株式会社 ロキソニン錠60mg/ロキソニン細粒10%


ウメクリジニウム臭化物 薬効分類名:長時間作用性吸入気管支拡張剤

効能又は効果:慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
薬理作用 
作用部位・作用機序
作用部位:肺・気道局所
作用機序:肺の副交感神経系から遊離したアセチルコリンは、ムスカリン受容体への結合を介して気管支平滑筋を収縮させる。
ウメクリジニウム臭化物は長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬であり、気管支平滑筋のムスカリン受容体に結合してアセチルコリン作用を阻害することにより、気管支平滑筋収縮を抑制する。

製造販売元/グラクソ・スミスクライン株式会社 エンクラッセ62.5μgエリプタ7吸入用/エンクラッセ62.5μgエリプタ30吸入用
インタビューフォーム F1_エンクラッセ62.5μgエリプタ7吸入用/エンクラッセ62.5μgエリプタ30吸入用
患者向医薬品ガイド G_エンクラッセ62.5μgエリプタ7吸入用/エンクラッセ62.5μgエリプタ30吸入用


インダカテロールマレイン酸塩 薬効分類名:長時間作用性吸入気管支拡張剤

効能又は効果:慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
作用機序:インダカテロールは、長時間作用性のβ受容体刺激薬であり、β1及びβ3受容体と比較してβ2受容体に対して高い親和性を示す18)

製造販売(輸入)/ノバルティスファーマ株式会社 オンブレス吸入用カプセル150μg
インタビューフォーム F1_オンブレス吸入用カプセル150μg
患者向医薬品ガイド G_オンブレス吸入用カプセル150μg


硝酸イソソルビド 薬効分類名:虚血性心疾患治療剤

効能又は効果:狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患
作用機序:硝酸・亜硝酸エステル系薬剤は、生成したNOがグアニル酸シクラーゼ(GC)を刺激することにより、cGMPの上昇を介し、血管平滑筋を弛緩させると考えられる5),6)

製造販売元/エーザイ株式会社 ニトロール錠5mg
インタビューフォーム ニトロール錠5mg


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まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o


COPDの病態と薬物治療 概説

1. COPDの病態

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease, COPD)は、主に喫煙や大気汚染などの有害物質の長期曝露によって発症する進行性の呼吸器疾患である。
主な病態は、気道閉塞、肺胞の破壊(気腫)、および慢性気道炎症であり、これらが複合的に関与している。

COPDの特徴的な病態生理には以下が含まれる。

  • 慢性炎症
    気道や肺実質における好中球、マクロファージ、T細胞の関与による持続的な炎症

  • 酸化ストレスの増加
    喫煙などの要因により活性酸素種(ROS)が増加し、肺組織の損傷を促進

  • プロテアーゼ・アンチプロテアーゼバランスの破綻
    エラスターゼなどの酵素が過剰に働き、肺の破壊を引き起こす

2. COPDの薬物治療

COPDの治療は、症状の軽減、増悪の予防、生活の質の向上を目的として行われる。薬物治療の中心は、気管支拡張薬と抗炎症薬である。

(1) 気管支拡張薬

気管支拡張薬は気道閉塞を改善し、呼吸機能を向上させる。

  • 長時間作用性抗コリン薬(LAMA)
    チオトロピウム、ウメクリジニウムなど

  • 長時間作用性β2刺激薬(LABA)
    インダカテロール、サルメテロールなど

  • 短時間作用性気管支拡張薬(SABA, SAMA)
    救急時の頓用として使用

(2) 吸入ステロイド(ICS)

  • 主に重症例や増悪リスクが高い場合に、LABAやLAMAとの併用で使用

  • 例:ブデソニド、フルチカゾン

(3) ホスホジエステラーゼ-4(PDE-4)阻害薬

  • 炎症を抑制し、増悪を予防する

  • 例:ロフルミラスト

(4) マクロライド系抗菌薬

  • 長期低用量投与により抗炎症作用を発揮し、増悪を抑制

(5) 粘液調整薬

  • 粘液の排出を助ける

  • 例:カルボシステイン

3. COPDの治療戦略

  • 軽症(GOLD 1-2):主にLAMAまたはLABA単独

  • 中等症~重症(GOLD 3-4):LAMA+LABA併用、増悪リスクに応じてICS追加

  • 増悪リスクが高い場合:PDE-4阻害薬やマクロライドを追加

参考文献

  1. Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2023 Report

  2. 日本呼吸器学会 COPD診療ガイドライン 2022

  3. Rabe KF, et al. "Global Strategy for the Diagnosis, Management, and Prevention of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: GOLD Executive Summary." Am J Respir Crit Care Med. 2017.

  4. Wedzicha JA, et al. "The prevention of COPD exacerbations." N Engl J Med. 2013.


論点およびポイント

■■GPT4o


問 106-258|実務
論点| COPD治療 / LAMA / ウメクリジニウム / LABA / インダカテロール / 貼付剤 / 吸入薬
ポイント|

  • COPDの治療には長時間作用性抗コリン薬(LAMA)や長時間作用性β2刺激薬(LABA)が推奨される(GOLDガイドライン)。

  • 既存の治療(アンブロキソール・ツロブテロール)では症状の進行を十分に抑えられていないため、新たな薬剤の追加が必要。

  • 貼付剤(ツロブテロール)による皮膚のかぶれが目立つため、吸入薬への変更が適切。

  • 患者はサポートがあれば吸入薬の使用が可能であり、吸入薬の導入が現実的。

  • LAMA(ウメクリジニウム)は気管支収縮を抑制し、LABA(インダカテロール)は気管支弛緩を促進するため、COPD治療に適している。

  • β遮断薬(アテノロール)やNSAIDs(ロキソプロフェン)はCOPD治療には不適切。

  • 硝酸薬(硝酸イソソルビド)は気管支拡張作用を持たないため不適切。


問 106-259|薬理
論点| M3受容体遮断 / β2受容体刺激 / 気管支拡張 / COPD治療
ポイント|

  • LAMA(ウメクリジニウム):
    アセチルコリンM3受容体を遮断し、気管支平滑筋の収縮を抑制する(抗コリン作用)。

  • LABA(インダカテロール):
    アドレナリンβ2受容体を刺激し、cAMP増加を介して気管支平滑筋を弛緩させる。

  • COX阻害(ロキソプロフェン):
    プロスタグランジン合成抑制により炎症を抑制する。
    気管支弛緩作用はない。

  • 硝酸薬(硝酸イソソルビド):
    グアニル酸シクラーゼを活性化し、血管平滑筋を弛緩させる。
    気管支弛緩作用はない。

  • 吸入ステロイド(ICS):
    炎症性サイトカイン産生を抑制する。
    本問の医薬品は含まれない。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


問 106-258|実務

1. 背景と患者の病態

この問題では、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を持つ85歳男性の処方変更を検討する必要がある。
患者は現在アンブロキソール塩酸塩(去痰薬)とツロブテロールテープ(β2刺激薬)を使用しているが、SpO2の低下や湿性咳嗽の悪化がみられる。
また、貼付剤による皮膚トラブルも報告されており、治療の最適化が求められる。

COPDは慢性的な気流制限を特徴とし、気道の炎症、粘液分泌増加、肺胞破壊が進行する疾患である。
重症度が進行すると低酸素血症(SpO2 < 90%)を伴い、呼吸困難や感染リスクの増大につながる。
このような患者において、長時間作用型抗コリン薬(LAMA)や長時間作用型β2刺激薬(LABA)を追加することは、気管支拡張作用を強化し、呼吸状態を改善する有効な戦略となる。

2. 治療の方向性

  • 既存の治療(アンブロキソールとツロブテロール)は、気道クリアランスを改善し、気管支拡張効果を狙っているが、現状では十分な効果が得られていない。

  • ツロブテロール(短時間作用型β2刺激薬:SABA)は長期管理には不向きであり、LABA(例:インダカテロール)およびLAMA(例:ウメクリジニウム)への切り替えが合理的である。

  • 皮膚トラブルが生じているため、貼付剤の代替手段として吸入薬を考慮する。

3. 具体的な薬剤選択の理由

  • LAMA(ウメクリジニウム臭化物):
    アセチルコリンM3受容体を遮断し、気管支平滑筋の収縮を抑えることで長時間の気管支拡張をもたらす。

  • LABA(インダカテロールマレイン酸塩):
    β2受容体を刺激し、気管支拡張を長時間持続させる。

LAMAとLABAの併用はCOPDの治療ガイドラインでも推奨されており、長期管理に適している(GOLDガイドライン)。

4. 不適切な薬剤の排除

  • アテノロール(β1遮断薬):
    気管支収縮を誘発する可能性があるため不適。

  • ロキソプロフェン(NSAIDs):
    NSAIDsはCOX阻害を介して喘息・COPDの増悪リスクを高める可能性があり、適応外。

  • 硝酸イソソルビド:
    冠攣縮性狭心症には有効だが、COPDの治療薬としては適さない。

結論

  • 患者の病態(低酸素血症、気道閉塞の進行)を考慮すると、長時間作用型の気管支拡張薬(LAMA+LABA)が適切な選択である。

  • 皮膚トラブルの問題から貼付剤を避け、吸入薬へ移行することが望ましい。

  • 以上の理由により、ウメクリジニウム(LAMA)とインダカテロール(LABA)の追加が推奨される。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢 1: アテノロール

  • 論点:
    アテノロールはβ1選択的遮断薬であり、主に高血圧や狭心症に使用される。しかし、一部の患者ではβ2受容体にも影響を及ぼし、気管支収縮を引き起こす可能性がある。
    COPD患者においては、β遮断薬は慎重に使用すべきである。

  • アプローチ方法:
    気管支収縮作用のリスクがあるため、COPD患者には適さない。
    特に既存のβ2刺激薬治療と競合する可能性があるため、本症例では選択すべきではない。

選択肢 2: ロキソプロフェンナトリウム

  • 論点:
    NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することでプロスタグランジンの合成を抑制し、炎症や痛みを軽減する。
    しかし、NSAIDsは気道過敏性を増加させることがあり、喘息・COPD患者では注意が必要である。

  • アプローチ方法:
    気道炎症の悪化や気管支収縮の誘発リスクを考慮すると、COPD治療の第一選択とはならないため、選択すべきではない。

選択肢 3: ウメクリジニウム臭化物

  • 論点:
    ウメクリジニウムは長時間作用型抗コリン薬(LAMA)であり、アセチルコリンM3受容体を遮断することで気管支平滑筋の収縮を抑制し、長時間の気管支拡張をもたらす。
    GOLDガイドラインでもCOPD治療の第一選択として推奨されている。

  • アプローチ方法:
    気道の閉塞を改善し、症状の緩和を図るため、本症例に適した選択肢である。

選択肢 4: インダカテロールマレイン酸塩

  • 論点:
    インダカテロールは長時間作用型β2刺激薬(LABA)であり、β2受容体を刺激することで気管支平滑筋を弛緩させ、気管支拡張を持続させる。LABAはCOPD治療の基本薬の一つであり、特にLAMAと併用することで相乗的な効果を発揮する。

  • アプローチ方法:
    既存のツロブテロール(短時間作用型β2刺激薬)では効果が不十分であるため、長時間作用型のインダカテロールへ切り替えるのが適切である。

選択肢 5: 硝酸イソソルビド

  • 論点:
    硝酸イソソルビドは硝酸薬であり、冠動脈拡張作用を持つ。
    冠攣縮性狭心症の治療に有用である。
    気管支拡張作用は期待できない。COPD治療に直接的な効果はない。

  • アプローチ方法:
    COPDの病態とは無関係であるため、選択すべきではない。

結論

適切な薬剤は、ウメクリジニウム(LAMA)とインダカテロール(LABA)であり、長時間作用型の気管支拡張を目的として使用するのが適切である。


引用文献

  1. Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2023 Report

    • GOLDガイドラインでは、LAMAやLABAをCOPDの主要な治療選択肢として推奨しており、症状が進行した場合にはLAMA+LABAの併用が推奨される。

  2. 日本呼吸器学会 COPD 診療ガイドライン 2022

    • 長時間作用型気管支拡張薬(LAMAまたはLABA)の単剤治療が推奨され、より重症な症例ではLAMA+LABAの併用が有効と記載。

  3. Cazzola M, et al. “The functional role of β-adrenoceptor agonists in respiratory disease.” Eur J Pharmacol. 2017; 810: 128-136.

    • β2受容体作動薬は、気管支拡張作用を持ち、COPDの症状改善に有効であると述べられている。

  4. Keating GM. “Aclidinium bromide: A review of its use in patients with chronic obstructive pulmonary disease.” Drugs. 2012; 72(11): 1591-1610.

    • LAMA(抗コリン薬)が気管支拡張作用を持ち、COPD患者の呼吸機能改善に寄与することが示されている。

  5. O'Donnell DE, et al. “Effects of salmeterol on the ventilatory and mechanical response to exercise in chronic obstructive pulmonary disease.” Eur Respir J. 2004; 24(1): 86-94.

    • LABA(長時間作用型β2刺激薬)が、COPD患者の運動耐容能や呼吸機能を改善することが報告されている。


問 106-259|薬理

1. 背景と薬理学的な考察

本問題では、COPD治療に関連する薬剤の作用機序について問われている。COPDの治療に用いられる薬剤は、主に気管支拡張作用、抗炎症作用、粘液分泌調整のいずれかのメカニズムを持つ。

処方1および提案された薬剤(ウメクリジニウム、インダカテロール)に関する薬理学的特性:

  • アンブロキソール:
    粘液分泌を調整し、線毛運動を促進することで去痰作用を示す。

  • ツロブテロール:
    短時間作用型β2刺激薬(SABA)で、気管支平滑筋を弛緩させる。

  • ウメクリジニウム:
    長時間作用型抗コリン薬(LAMA)で、ムスカリンM3受容体を遮断し、気管支収縮を抑制する。

  • インダカテロール:
    長時間作用型β2刺激薬(LABA)で、β2受容体を刺激し、気管支拡張を持続させる。


2. COPDにおける作用機序の分類

COPD治療薬の作用機序は、大きく以下の3つに分類される:

  1. 気管支平滑筋の弛緩作用

    • β2受容体刺激(LABA, SABA):
      アドレナリンβ2受容体を活性化し、cAMPを増加させて気管支拡張を促す。
      例: インダカテロール, ツロブテロール

    • ムスカリン受容体遮断(LAMA):
      M3受容体遮断により、アセチルコリンによる気管支収縮を抑制する。
      例: ウメクリジニウム

  2. 抗炎症作用

    • 抗炎症薬(ステロイドなど):
      炎症性サイトカインの産生を抑制し、慢性炎症を軽減する。
      (例: 吸入ステロイド)

    • 去痰薬(アンブロキソール):
      粘液分泌を調節し、気道のクリアランスを改善する。

  3. その他の作用

    • グアニル酸シクラーゼ活性化(cGMP経路):
      硝酸薬による平滑筋弛緩。
      (例: 硝酸イソソルビド、COPD治療には適さない)

    • COX阻害による影響:
      NSAIDsがプロスタグランジン合成を阻害し、喘息・COPDの悪化リスクを持つことがある。
      (例: ロキソプロフェン)


3. 具体的な作用機序の正答選択の考え方

正答として選ばれるべき作用機序は、提案された薬剤(ウメクリジニウム・インダカテロール)と一致するものである。

  • ウメクリジニウム
    M3受容体遮断(選択肢3)

  • インダカテロール
    β2受容体刺激(選択肢4)

結論

本問の正答:
3. アセチルコリンM3受容体を遮断することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する
4. アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢 1:
シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるトロンボキサンA2の生合成低下 → 気管支弛緩

  • 論点:

    • シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジンおよびトロンボキサンA2の合成抑制は、主にNSAIDsの作用機序である。

    • しかし、COX阻害はむしろ気道過敏性を増加させ、喘息やCOPDの悪化を招くことがある(NSAIDs誘発喘息)。

  • アプローチ方法:

    • COPD治療において、NSAIDsのCOX阻害作用は気管支拡張とは無関係である。

    • COPDに悪影響を及ぼす可能性があるため、誤り


選択肢 2:
グアニル酸シクラーゼ活性化によるcGMP増大
→ 気管支弛緩

  • 論点:

    • 硝酸薬(例: 硝酸イソソルビド)はグアニル酸シクラーゼを活性化し、cGMPの増加を介して血管平滑筋を弛緩させる。

    • この作用は主に血管拡張による狭心症治療が目的である。

    • 気管支平滑筋の弛緩作用は期待できない。

  • アプローチ方法:

    • COPDの治療において硝酸薬は用いられないため、誤り


選択肢 3:
アセチルコリンM3受容体遮断 → 気管支平滑筋の収縮抑制

  • 論点:

    • LAMA(ウメクリジニウムなど)はムスカリンM3受容体を遮断し、アセチルコリンによる気管支収縮を防ぐ。

    • COPD治療では、LAMAが第一選択薬の一つとして推奨されている(GOLDガイドライン)。

  • アプローチ方法:

    • COPD患者における主要な治療ターゲットである。

    • 正しい作用機序。


選択肢 4:
アドレナリンβ2受容体刺激 → 気管支弛緩

  • 論点:

    • LABA(インダカテロールなど)はβ2受容体を刺激し、cAMPを増加させることで気管支平滑筋を弛緩させる。

    • COPD治療では、LAMAとLABAの併用が有効であり、特に症状が進行した患者にはLABAの導入が推奨される。

  • アプローチ方法:

    • β2受容体刺激薬はCOPDの第一選択の治療薬の一つである。

    • 正しい作用機序。


選択肢 5:
炎症性サイトカイン産生の抑制や抗炎症性タンパク質の誘導
→ 気道の炎症抑制

  • 論点:

    • この作用機序は主に**吸入ステロイド(ICS)**によるもの。

    • COPDの主要な治療戦略は気管支拡張薬(LAMA, LABA)であり、ステロイドは重症例や増悪の多い患者に限られる。

  • アプローチ方法:

    • COPD治療の第一選択として適切ではなく、本問の対象薬剤とも一致しないため、誤り


結論

正しい作用機序は、
✅ 選択肢 3(M3受容体遮断による気管支収縮抑制)
✅ 選択肢 4(β2受容体刺激による気管支弛緩)


引用文献

  1. Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2023 Report

    • COPD治療の標準ガイドライン。

    • LAMA(ウメクリジニウム)やLABA(インダカテロール)が主要な治療選択肢として推奨されている。

  2. 日本呼吸器学会 COPD 診療ガイドライン 2022

    • COPD治療では、第一選択としてLAMAやLABAが推奨され、症状進行時にはLAMA+LABAの併用が有効とされる。

  3. Barnes PJ. “The role of anticholinergics in chronic obstructive pulmonary disease.” Am J Med. 2004; 117(12): 24S-32S.

    • 抗コリン薬(LAMA)がM3受容体を遮断し、COPD患者の気管支拡張に有効であることを示す研究。

  4. Cazzola M, et al. “β2-Adrenoceptor agonists: current and future direction.” Br J Pharmacol. 2012; 166(2): 538-553.

    • LABAがβ2受容体を刺激し、気管支拡張を促すメカニズムを解説。

  5. Matera MG, et al. “Pharmacological therapy of chronic obstructive pulmonary disease.” J Thorac Dis. 2020; 12(7): 3820-3835.

    • COPD治療薬の作用機序を包括的に解説。
      特にLABAとLAMAの併用による相乗効果について記載。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 作用機序 / アンブロキソール / ツロブテロール / アテノロール / ロキソプロフェンナトリウム / ウメクリジニウム / インダカテロール / 硝酸イソソルビドを論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問258-259

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-258-259

Q. 85歳男性、独居。慢性閉塞性肺疾患(COPD)のため処方1による治療を受けていた。また、処方1のアドヒアランスは維持されていた。しかし、最近、他職種の報告や薬剤師自身の訪問時の確認から、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)が90%を下回る機会が増え、湿性咳嗽などの症状が悪化していた。
(処方1)
アンブロキソール塩酸塩徐放錠|45mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回 朝食後 14日分|
ツロブテロールテープ|2mg|1回1枚|
1日1回 1枚貼付 7日分(全7枚)
患者は、サポートがあれば吸入剤の使用が可能である。また、貼付剤の長期使用によると思われるかぶれが目立つ。


実務

問 106-258|実務
Q. この患者の処方変更を医師に提案するにあたり、適切な薬物はどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. アテノロール
2. ロキソプロフェンナトリウム
3. ウメクリジニウム臭化物
4. インダカテロールマレイン酸塩
5. 硝酸イソソルビド


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-258-259【薬理、薬剤/実務】論点:慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 作用機序 / アンブロキソール / ツロブテロール / アテノロール / ロキソプロフェンナトリウム / ウメクリジニウム / インダカテロール / 硝酸イソソルビド|matsunoya


薬理

問 106-259|薬理
Q. 処方1及び前問で提案された薬物のいずれかの作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. シクロオキシゲナーゼを阻害することでトロンボキサンA2の生合成を低下させ、気管支平滑筋を弛緩させる。
2. グアニル酸シクラーゼを活性化させることでサイクリックGMP(cGMP)を増大させ、気管支平滑筋を弛緩させる。
3. アセチルコリンM3受容体を遮断することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。
4. アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。
5. 炎症性サイトカイン産生の抑制や抗炎症性タンパク質の誘導により、気道の炎症を抑制する。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-258-259【薬理、薬剤/実務】論点:慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 作用機序 / アンブロキソール / ツロブテロール / アテノロール / ロキソプロフェンナトリウム / ウメクリジニウム / インダカテロール / 硝酸イソソルビド|matsunoya


■■GPT4o


■問 106-258|実務

■論点|

この問題の論点は、COPD治療における適切な薬剤の選択を特定することです。


■解説1|

ウメクリジニウム臭化物(選択肢3)[正しい]

  • ウメクリジニウムは長時間作用性抗コリン薬(LAMA)に分類される。

  • COPD治療のガイドライン(GOLD)では、中等度以上の症状に対してLAMAの使用が推奨されている。

  • 作用機序:
    アセチルコリンM3受容体を遮断し、気管支平滑筋の収縮を抑制することで気管支を拡張させる。

  • 適応:
    COPDの維持療法に用いられる。

インダカテロールマレイン酸塩(選択肢4)[正しい]

  • インダカテロールは長時間作用性β2刺激薬(LABA)に分類される。

  • COPD患者の長期管理においてLABAは重要な選択肢である。
    LAMAと併用することでさらなる気管支拡張効果が得られる。

  • 作用機序:
    β2受容体を刺激し、気管支平滑筋の弛緩を促進する。

  • 適応:
    COPDにおける維持療法。


■解説2|

  • 本症例では、経皮β2刺激薬(ツロブテロールテープ)の長期使用による皮膚障害(かぶれ)が問題となっている。

  • 吸入薬への変更が可能であるため、経口や貼付剤よりも局所作用のある吸入薬(LAMAやLABA)を選択するのが適切。

  • GOLDガイドラインでは、症状が悪化した場合、LAMAまたはLABAを優先的に選択し、症状に応じて併用を検討することが推奨されている。

  • LAMAとLABAの併用により、単剤使用よりも気管支拡張効果が増強されることが示されている。


■結論|

  • COPDの治療薬として、LAMA(ウメクリジニウム)とLABA(インダカテロール)が適切であるため、選択肢3と4が正解。

  • 既存治療のツロブテロールテープは皮膚副作用が問題であり、吸入薬へ変更することで症状改善が期待できる。


■補足|

アテノロール(選択肢1)[誤り]

  • アテノロールはβ1遮断薬であり、COPD治療には適さない。

  • β遮断薬は気管支収縮を引き起こす可能性があり、特に非選択的β遮断薬はCOPD患者に禁忌。

ロキソプロフェンナトリウム(選択肢2)[誤り]

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)はCOPDの標準治療に含まれない。

  • 気道炎症に対する効果は限定的であり、COPD治療には使用されない。

硝酸イソソルビド(選択肢5)[誤り]

  • 硝酸イソソルビドは冠動脈拡張薬であり、COPDの治療には適さない。

  • 硝酸薬は主に狭心症や心不全の治療に用いられる

  • 気管支拡張作用は持たない。


■問 106-259|薬理

■論点|

この問題の論点は、COPD治療薬の作用機序を特定することです。


■解説1|

アセチルコリンM3受容体を遮断することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。(選択肢3)[正しい]

  • ウメクリジニウム(LAMA)は抗コリン薬であり、アセチルコリンM3受容体を遮断することで気管支平滑筋の収縮を抑制し、気管支を拡張させる。

  • COPD患者では副交感神経優位の状態が気道狭窄を引き起こすため、抗コリン薬によるM3受容体遮断が有効。

  • LAMAはCOPD治療の第一選択薬の1つとされている。

アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢4)[正しい]

  • インダカテロール(LABA)はアドレナリンβ2受容体作動薬であり、β2受容体を刺激することで気管支平滑筋の弛緩を促進し、気管支を拡張させる。

  • LABAは長時間作用型のため、COPDの維持療法として有効。

  • β2受容体刺激によりcAMPが増加し、プロテインキナーゼA(PKA)が活性化されることで平滑筋弛緩が引き起こされる。


■解説2|

  • LAMA(抗コリン薬)とLABA(β2刺激薬)は、それぞれ異なる作用機序で気管支拡張をもたらすため、併用による相乗効果が期待できる。

  • LAMAは副交感神経を抑制することで、LABAは交感神経刺激を増強することで気管支を拡張するため、互いの作用が補完的に働く。

  • COPDの治療では、単剤療法で効果が不十分な場合、LAMA+LABAの併用療法が推奨される。


■結論|

  • COPD治療薬として正しい作用機序:
    M3受容体遮断(LAMA)
    β2受容体刺激(LABA)

  • 選択肢3と4が正解。

  • COPDの病態に対して、これらの薬剤がどのように作用するのかを理解することが重要。


■補足|

シクロオキシゲナーゼを阻害することでトロンボキサンA2の生合成を低下させ、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢1)[誤り]

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)はCOX阻害によりトロンボキサンA2の合成を抑制するが、COPD治療薬ではない。

  • NSAIDsは喘息患者ではアスピリン喘息を引き起こす可能性があり、慎重投与が必要。

グアニル酸シクラーゼを活性化させることでサイクリックGMP(cGMP)を増大させ、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢2)[誤り]

  • cGMPの増加による気管支拡張作用を示す薬剤は一般的なCOPD治療薬ではない。

  • cGMPを増加させる薬剤としては、硝酸薬やホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬があるが、COPDの第一選択薬ではない。

炎症性サイトカイン産生の抑制や抗炎症性タンパク質の誘導により、気道の炎症を抑制する。(選択肢5)[誤り]

  • この作用は主に吸入ステロイド薬(ICS)に該当する。

  • ICSは気道炎症の抑制には有効だが、COPD治療の第一選択ではなく、増悪リスクが高い場合に併用が考慮される。

  • 本問の適切な選択肢であるLAMAやLABAとは作用機序が異なる。


必須問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)


薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。

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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問258-259

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-258-259

Q. 85歳男性、独居。慢性閉塞性肺疾患(COPD)のため処方1による治療を受けていた。また、処方1のアドヒアランスは維持されていた。しかし、最近、他職種の報告や薬剤師自身の訪問時の確認から、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)が90%を下回る機会が増え、湿性咳嗽などの症状が悪化していた。
(処方1)
アンブロキソール塩酸塩徐放錠|45mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回 朝食後 14日分|
ツロブテロールテープ|2mg|1回1枚|
1日1回 1枚貼付 7日分(全7枚)
患者は、サポートがあれば吸入剤の使用が可能である。また、貼付剤の長期使用によると思われるかぶれが目立つ。


実務

問 106-258|実務
Q. この患者の処方変更を医師に提案するにあたり、適切な薬物はどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. アテノロール
2. ロキソプロフェンナトリウム
3. ウメクリジニウム臭化物
4. インダカテロールマレイン酸塩
5. 硝酸イソソルビド


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薬理

問 106-259|薬理
Q. 処方1及び前問で提案された薬物のいずれかの作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. シクロオキシゲナーゼを阻害することでトロンボキサンA2の生合成を低下させ、気管支平滑筋を弛緩させる。
2. グアニル酸シクラーゼを活性化させることでサイクリックGMP(cGMP)を増大させ、気管支平滑筋を弛緩させる。
3. アセチルコリンM3受容体を遮断することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。
4. アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。
5. 炎症性サイトカイン産生の抑制や抗炎症性タンパク質の誘導により、気道の炎症を抑制する。


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