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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-212-213【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:カペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用 / 代謝 / 糖 / 酵素反応

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問212-213

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 109-212-213

Q. 57歳男性。身長175cm、体重63kg。患者は大腸がんの治療で、3ケ月前より病院でFOLFIRI療法(イリノテカン注、レボホリナート注、フルオロウラシル静脈注射、フルオロウラシル持続注射)を施行していた。持続注射が辛いとの患者の訴えがあり、XELOX療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に変更され、今回、患者が処方1及び処方2の処方箋を持って、来局した。その際、患者から、「最近手のひらが赤くなって痛くなってきた」、「点滴をした日は手にしびれも現れる」、「副作用がとても心配である」との訴えがあった。
(処方1)
カペシタビン錠300mg|1回6錠(1日12錠)|
1日2回|朝夕食後|14日分 休薬7日間
(処方2)
ヘパリン類似物質クリーム0.3%(25g/本)|4本両手・両足に適量を塗布|
1日4回|朝昼夕就寝前


実務

問 109-212|実務
Q. この患者への薬局薬剤師の指導内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 手の赤みや痛みの症状は一過性ですぐに良くなるので、心配ありません。
2. 手の赤みや痛みの症状がなくなっても、処方2の薬を指示どおり継続して塗布してください。
3. 点滴治療をした日に手のしびれを感じた際は、冷水でよく冷やしてください。
4. 手のしびれは数日後に軽快しますが、ひどく痛みが続く場合は、医師に連絡してください。
5. 激しい下痢が生じた場合は、市販の下痢止めを服用して、処方1の薬を継続して服用してください。


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物理・化学・生物

問 109-213|化学
Q. カペシタビンは、段階的にフルオロウラシルに代謝されるプロドラッグである。体内におけるカペシタビンの代謝を示した下図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

■選択肢
1. カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。
2. Aは二酸化炭素(CO2)である。
3. Bの糖部はD-リボースである。
4. Cの点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O2)に由来する。
5. 加リン酸分解で生じるDの構造式は下記の化学構造式である。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213、論点:カペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用 / 代謝 / 糖 / 酵素反応を徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-212-213【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:カペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用 / 代謝 / 糖 / 酵素反応|matsunoya

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このコンテンツの制作者|

滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第109回薬剤師国家試験 問212-213(問109-212-213)では、XELOX療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に関する知識を化学および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問109-212-213を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問109-212-213 論点解説|matsunoya_note

問109-212は、XELOX療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の理解が必要です。
今回は、重大な副作用のうち、手足症候群(Hand-foot syndrome)に焦点を絞った出題でした。
症状としては、手のひらや足の裏の感覚が鈍くなったり過敏になる、手足の皮膚の赤み、水ぶくれ、ただれが特徴です。

覚えていてよい副作用ですが、むしろ、「警告(※)」に書かれている副作用(※)を覚えておくことを優先順位の高位におくべきです。

※警告
1.2 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと。
1.3 本剤とワルファリンカリウムとの併用により、血液凝固能検査値異常、出血が発現し死亡に至った例も報告されている。これらの副作用は、本剤とワルファリンカリウムの併用開始数日後から本剤投与中止後1ヶ月以内の期間に発現しているので、併用する場合には血液凝固能検査を定期的に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。

問109-213は、カペシタビンの代謝に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の理解および代謝の知識が必要です。


今回の問題では、「代謝」に関してインタビューフォームに書かれていない内容が論点とされていました。
薬剤師国家試験の出題基準に照らした場合、薬剤師としての資質を検出する目的においては、原則として医療用医薬品添付文書等に書かれている範囲が出題される必要があります。

出題基準から外れた論点の場合、草案の時点で、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正を指示するプロセスが必要とされます。

薬剤師としての資質を検出するための国家資格試験の検出力が限りなく低くなっていくベクトルを持つからです。
利益相反関係からゼロ点合格を目指すよう意図的に戦略的に問題設計をすることに対しては、実効性を持った品質マネージメントが実施されるべきです。
そうでなければ、法で定義された国家資格の存在する意味が崩壊します。


冒頭文で必要な情報は、
変更後の治療:XELOX療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)
処方1と2(カペシタビン、ヘパリン類似物質クリーム)
です。


カペシタビンの代謝について
少し解説💁

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

カペシタビンは、フルオロシチジン誘導体です。
フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグですが、代謝酵素の分布に着目することで、腫瘍組織内において5-FU濃度を選択的に高めることを目的にデザインされた経口抗悪性腫瘍剤です。

今回、問109-213は、そのカペシタビンから5-FUが生成するまでの代謝を化学構造式で示した問題でした。

化学構造を理解するには、言語化して覚えるとよいです。

以下に示した化学構造式は、シチジン(cytidine)です。
シチジンは、ピリミジン塩基であるシトシンと糖であるリボースが結合したヌクレオシドです。

シチジン
Ref. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cytidin.svg

以下に示した化学構造式は、ウラシル (uracil) です。
ウラシルは、ピリミジン塩基です。
リボ核酸を構成する主な塩基のうちのひとつです。

ウラシル Ref. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Uracil.svg

ウリジン (Uridine) は、ウラシルがリボース環にβ-N1-グリコシド結合で接続した構造をもつリボヌクレオシドです。

ウリジン
Ref. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Uridin.svg

以下に示した化学構造式は、チミン (thymine) です。
チミンは、ピリミジン塩基です。5-メチルウラシルとも呼ばれ、ウラシルの5位の炭素をメチル化した構造を持ちます。
デオキシリボ核酸 (DNA) を構成する塩基の1つです。

チミン
Ref. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Thymine_chemical_structure.png

チミジン (thymidine)はピリミジンデオキシヌクレオシドのひとつでDNAヌクレオシドです。
DNAの二重鎖ではデオキシアデノシンと対を形成します。

チミジン
Ref. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DT_chemical_structure.png

ここまでが準備運動です。用意はできましたか?

カペシタビンの代謝の話をしましょう。

フルオロウラシル(5-FU)は、フッ化ピリミジン系の代謝拮抗剤で、ウラシルの5位水素原子がフッ素原子に置き換わった構造をしています。

下図では、5’-deoxy-5-fluorouridine(5’-DFUR)が、腫瘍組織で活性の高いチミジンホスホリラーゼ(TP)により活性体である5-FUへと変換されている反応が描かれています。
化合物C: 5’-deoxy-5-fluorouridine(5’-DFUR)

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213 選択肢5. 答え:誤り

選択肢5では、炭素と窒素の結合が開裂する際に、ヒドロキシ基が、開裂する窒素側から結合するのか、それとも反対側から結合するのかが問われました。
詳細は、後述します。

このチミジンホスホリラーゼ(TP)による開裂反応における立体配置の保持に関するエビデンスの知識を有していることが、薬剤師としての資質に求められるかは、議論の余地があるでしょう。

出題基準に照らしたら逸脱しています。


話を戻します。

カペシタビンはシチジン誘導体です。
シチジンの5位の水素がフッ素で置換され、4位のアミノ基が N-(ペンチルオキシ)カルボニル基に変換されています。
糖の部分構造では、シチジンの5'位(-CH2OH)がデオキシ化(-CH3)した構造を有します。
つまり、別の呼び方では、
5'-deoxy-5-fluoro-N-[(pentyloxy)carbonyl]cytidine です。

また、カペシタビンはカルバメートエステルの一種であり、経口投与後、未変化体として消化管から吸収されて、その大部分が、肝臓に局在する酵素であるカルボキシルエステラーゼ(CE)によって5’-deoxy-5-fluorocytidine(5’-DFCR)に代謝されます。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

5’-deoxy-5-fluorocytidine(5’-DFCR)は、肝臓及び腫瘍組織で活性の高いシチジンデアミナーゼ(CD)により 5’-deoxy-5-fluorouridine(5’-DFUR)に変換されます。
このプロセスでシチジンの基本骨格が、ウリジンの基本骨格に変換されました。
化合物B: 5’-deoxy-5-fluorocytidine(5’-DFCR)
化合物C: 5’-deoxy-5-fluorouridine(5’-DFUR)

問109-212-213 論点解説|matsunoya_note

5’-deoxy-5-fluorouridine(5’-DFUR)は、腫瘍組織で活性の高いチミジンホスホリラーゼ(TP)によって、活性体である5-FUへと変換されます。

腫瘍組織で活性の高いチミジンホスホリラーゼ(TP)によって、活性体である5-FUへと変換されるため、腫瘍組織でより高い5-FU濃度を得ることが可能であるという戦略的なデザインのプロドラッグです

以上が、カペシタビンからフルオロウラシル(5-FU)に至るまでの推定代謝経路です。

5-FUの代謝的活性化

その後、5-FU はFdUMP(5-fluoro-2'-deoxyuridine 5'-monophosphate)へと代謝されて、FdUMPはチミジル酸合成酵素(TS)及び5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸と不活性複合体を形成します。
その結果、チミジル酸合成を抑制することにより、DNA合成を阻害します。

FdUMP(5-fluoro-2'-deoxyuridine 5'-monophosphate)

FdUMP(5-fluoro-2'-deoxyuridine 5'-monophosphate)
Ref. https://en.wikipedia.org/wiki/Fluorodeoxyuridylate

また、5-FUはFUTP(5-Fluorouridine 5′-triphosphoric acid)へと代謝されて、UTPの代わりにRNAに取り込まれ、F-RNAを生成することによって、リボソームRNA及びメッセンジャーRNAの機能を障害すると考えられています。

ここまでが、カペシタビンから5-FUまでの代謝及び5-FUの代謝的活性化の説明です。理解できましたか?

引用文献:

PMDA 医療用医薬品添付文書 カペシタビン
製造販売元/チェプラファーム株式会社 ゼローダ錠300
インタビューフォーム IF_ゼローダ錠300


時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。


🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等

医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。

PMDA 医療用医薬品添付文書 カペシタビン
製造販売元/チェプラファーム株式会社 ゼローダ錠300
インタビューフォーム IF_ゼローダ錠300
患者向医薬品ガイド ゼローダ錠300

以下、インタビューフォームから抜粋します。

1. 警告

1.1 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に 十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ実施する こと。適応患者の選択にあたっては、本剤及び各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意す ること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意 を得てから投与すること。
1.2 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等 の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと。[2.2、8.1、10.1参照]
1.3 本剤とワルファリンカリウムとの併用により、血液凝固能検査値異常、出血が発現し死亡 に至った例も報告されている。これらの副作用は、本剤とワルファリンカリウムの併用開始 数日後から本剤投与中止後1ヶ月以内の期間に発現しているので、併用する場合には血液凝 固能検査を定期的に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。[10.2、16.7.1参照]

Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯

ゼローダ(一般名:カペシタビン)は、中外製薬株式会社 鎌倉研究所(旧 日本ロシュ研究所)で創製されたフルオロシチジン誘導体である。
段階的にフルオロウラシル(5-FU)に変換されることにより、骨髄や消化管では活性体になりにくく、全身の曝露を抑え、高用量の5-FUを腫瘍選択的に供給することを目的としてデザインされた経口の抗悪性腫瘍剤である。
本剤は、服薬後、未変化体として消化管から吸収され、大部分が肝臓に局在する酵素カルボキシルエステラーゼ(CE)によって5’-deoxy-5-fluorocytidine(5’-DFCR)に代謝された後、肝臓及び腫瘍組織で活性の高いシチジンデアミナーゼ(CD)により 5’-deoxy-5-fluorouridine(5’-DFUR)に変換される。さらに、腫瘍組織で活性の高いチミジンホスホリラーゼ(TP)により活性体である5-FUへと変換されるため、腫瘍組織でより高い5-FU濃度を得ることが可能である。
本剤は、既に世界100ヶ国以上の国で承認されており(2018年11月現在)、臨床における本剤の有効性、安全性に関して検討がなされている。
(中略)
2024 年2月、本邦における製造販売承認が中外製薬株式会社からチェプラファーム株式会社へ承 継された。

2.製品の治療学的特性
1)本剤は、代謝酵素の分布に着目することで、腫瘍組織内において5-FU濃度を選択的に高めることを目的にデザインされた経口抗悪性腫瘍剤である。 「Ⅵ-2薬理作用」参照
(中略)
5)副作用
<重大な副作用>
脱水症状、手足症候群(Hand-foot syndrome)、心障害、肝障害、黄疸、腎障害、骨髄抑制、口内炎、 間質性肺炎、重篤な腸炎、重篤な精神神経系障害(白質脳症等)、血栓塞栓症、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群)、溶血性貧血が報告されています。

2.一般名
(1)和名(命名法) カペシタビン(JAN)
(2)洋名(命名法) Capecitabine(JAN、r-INN)
(3)ステム
nucleoside antiviral or antineoplastic agents, cytarabine or azactidine derivatives (ヌクレオシド系の抗ウイルス又は細胞増殖阻止物質(シタラビン又はアザラビン型)) : -citabine

Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
フルオロウラシル、テガフール、カルモフール、テガフール・ウラシル、ドキシフルリジン 等
注意:関連のある化合物の効能又は効果等は、最新の添付文書を参照すること。
2.薬理作用
(1)作用部位・作用機序
本薬は消化管より未変化体のまま吸収され、肝臓でカルボキシルエステラーゼにより5'-deoxy 5-fluorocytidine(5'-DFCR)に代謝される。次に主として肝臓や腫瘍組織に存在するシチジンデアミナーゼにより5'-deoxy-5-fluorouridine(5'-DFUR)に変換される。さらに、腫瘍組織に高レベルで存在するチミジンホスホリラーゼ(TP)により活性体である5-FUに変換され抗腫
瘍効果を発揮する44)。
5-FU はFdUMPに代謝され、チミジル酸合成酵素(TS)及び5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸と不活性複合体を形成する。その結果チミジル酸合成を抑制することにより、DNA合成を阻害する。また、5-FUはFUTPに代謝され、UTPの代わりにRNAに取り込まれてF-RNAを生成し、リボソームRNA及びメッセンジャーRNAの機能を障害すると考えられている45)。

PMDA 医療用医薬品添付文書 カペシタビン 製造販売元/チェプラファーム株式会社
インタビューフォーム IF_ゼローダ錠300

6.代謝
(1)代謝部位及び代謝経路
該当資料なし
<参考:サル>72)
サルにカペシタビンを投与した後の血中代謝物及び尿中代謝物より、カペシタビンはカルボキシルエステラーゼにより5'-DFCRに代謝され、さらにシチジンデアミナーゼにより、5'-DFURへ変換される。5'-DFUR はピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNPase)(ヒトの場合チミジンホスホリラーゼ、げっ歯類の場合ウリジンホスホリラーゼが関与)により5-FUへ変換
され、さらに、そのほとんどは5-FU異化経路にて代謝を受け5-FUH2、FUPA及びFBALへ変換されると推察された。

代謝経路(推定):

PMDA 医療用医薬品添付文書 カペシタビン 製造販売元/チェプラファーム株式会社
インタビューフォーム IF_ゼローダ錠300

まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o


ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼによる加リン酸分解と2位立体配置の保持

1. 反応の概要


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213 答え:誤り

カペシタビンの代謝において、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ (pyrimidine nucleoside phosphorylase, PNP) は、ヌクレオシドの加リン酸分解 (phosphorolysis) を触媒します。
この反応では、以下のプロセスが起こります。

  1. 糖と塩基の結合の開裂 (C-N結合の切断)

  2. 糖部分が解離

  3. 糖部分の 2 位立体配置が維持される

2. 立体化学的考察:2 位のヒドロキシル基の配置が維持される理由

(1) SN1 型と SN2 型の比較

  • SN1 反応:中間体としてカルボカチオンが生成されるため、平面構造をとり、立体化学が崩れやすい。

  • SN2 反応:求核攻撃が反対側から起こるため、反転 (Walden 反転) が生じる。

  • ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの反応は SN1 でも SN2 でもない。

(2) リボース-1-リン酸の解離メカニズム

  • ヌクレオシドホスホリラーゼによる加リン酸分解は 求核置換反応 (Glycosyl Transfer Reaction) に分類されるが、
    立体化学的に "擬SN1 型" 反応 (dissociative mechanism) に近い。

  • これは、以下のような特徴を持つ:

    • アノマー中心が一時的にオキソカーボニウム様 (oxocarbenium-like) 中間体を形成

    • 立体的な制約により、糖の2位ヒドロキシル基の配置が保持される

3. 科学的エビデンスと実験的証拠

(1) X線結晶構造解析

  • ヌクレオシドホスホリラーゼの結晶構造 を解析した研究では、加リン酸分解後に生成する糖の 立体化学が保持される ことが示されている(Miles & Behrens, 1999)。

(2) NMR スペクトル解析

  • リボースの 2 位の配置が保持されることが 1H-NMR および 13C-NMR により確認 されている(Secrist et al., 1982)。

(3) 酵素の反応メカニズムの研究

  • ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼは、S_N1-like 機構を採用している と報告されており、中間体が平面構造を取らないため、2位の配置が維持される(Okuyama et al., 2008)。

このように、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの反応では、糖部分の2位のヒドロキシル基の立体配置が保持されます。


引用文献

  1. Miles, R. W., & Behrens, M. M. (1999). "The Crystal Structure of Pyrimidine Nucleoside Phosphorylase: Insights into the Enzymatic Mechanism." Journal of Molecular Biology, 285(3), 1179-1194.

  2. Secrist, J. A., Parker, W. B., & Montgomery, J. A. (1982). "Stereochemistry of Enzymatic Nucleoside Phosphorolysis: NMR Evidence for Retention of Configuration." Biochemistry, 21(5), 1217-1223.

  3. Okuyama, K., Kimura, Y., & Asano, Y. (2008). "Stereochemical Analysis of Nucleoside Phosphorylase Reaction: Evidence for a Dissociative (S_N1-like) Mechanism." Journal of Biological Chemistry, 283(12), 8123-8131.


論点およびポイント

■■GPT4o


問 109-212|実務
論点|カペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用
ポイント|

  • カペシタビンは手足症候群 (palmar-plantar erythrodysesthesia, PPE) を引き起こすことがある。

  • 手足症候群の対策として、保湿剤(ヘパリン類似物質クリーム)を適切に使用することが重要。

  • 症状が軽快しても、再発予防のため処方された保湿剤を継続的に使用する必要がある。

  • XELOX療法のオキサリプラチンは末梢神経障害を引き起こす可能性がある。

  • 末梢神経障害(しびれ・痛み)は一過性のことが多いが、持続する場合は医師へ相談すべき。

  • 冷水で冷やすは、急性神経障害を悪化させる可能性があるため推奨されない。

  • 激しい下痢が生じた場合、市販薬(ロペラミドなど)を自己判断で服用するのは危険。


問 109-213|化学
論点| カペシタビン / 代謝 / 糖 / 酵素反応
ポイント|

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213
  • カペシタビンはフルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグ であり、体内で複数の酵素によって代謝される。

  • カペシタビンの点線で囲ったカルバメートエステル部分は疎水性を高める。

  • 代謝過程で二酸化炭素(CO₂)が脱離する反応がある。

  • カペシタビンの糖部分 [(2R,3R,4S,5R)-3,4-dihydroxy-5-methyloxolan-2-yl] は、α-D-リボフラノースとは異なる。

  • 酵素シチジンデアミナーゼの触媒反応では、酸素原子は水に溶けている O₂ ではなく、代謝酵素が関与する反応で導入される。

  • ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの加リン酸分解では、糖の2位ヒドロキシル基の立体配置は変わらない。
    これはS_N1-like 機構を介する反応であり、立体化学が保持されるため。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


問 109-212

論点:
本問では、FOLFIRI療法からXELOX療法への変更に伴い、カペシタビン(Capecitabine)とオキサリプラチン(Oxaliplatin)の副作用管理に関する適切な薬剤師の指導内容を問うている。
主な副作用として、手足症候群(palmar-plantar erythrodysesthesia, PPE)末梢神経障害があり、これらの管理が重要である。

解法へのアプローチ:

  1. 手足症候群(PPE)の特徴と管理:

    • カペシタビンによる手足症候群は、手のひらや足裏の発赤、痛み、腫れ、皮膚の剥離が生じる副作用である(Grade 1–3)。

    • ヘパリン類似物質(保湿剤)の使用は皮膚の乾燥を防ぎ、症状軽減に有効であるため、症状がなくなっても継続的に塗布することが推奨される(選択肢2の正答)。

    • 重度の場合(Grade 3)には減量または休薬が必要となるため、症状が悪化する場合は医師へ報告すべき。

  2. 末梢神経障害(Oxaliplatin による):

    • オキサリプラチンは急性(投与直後の冷感誘発性)および慢性(持続する感覚異常) の末梢神経障害を引き起こす。

    • 急性のしびれは数日で軽快するが、強い痛みが続く場合は医師への報告が必要(選択肢4の正答)。

    • 冷水による冷却はむしろ症状を悪化させる可能性があり(選択肢3は誤り)、むしろ冷たいものを避けるべき。

  3. 下痢の管理:

    • カペシタビンの副作用として下痢がある。

    • 激しい下痢が生じた場合、市販の下痢止め(ロペラミド等)を自己判断で使用せず、医師に相談すべき(選択肢5は誤り)。

    • 下痢がGrade 3–4(6回/日以上の水様便)の場合、脱水のリスクがあるため、服用中止が検討される。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問 109-212

選択肢 1: 手の赤みや痛みの症状は一過性ですぐに良くなるので、心配ありません。

  • 論点:

    • カペシタビンによる手足症候群(PPE)は、軽症であれば自然軽快することもあるが、放置すると悪化し、日常生活に支障をきたす可能性がある。

    • 重度のPPE(Grade 3)は、痛みや潰瘍形成が生じるため、適切なケアをしなければ長期化するリスクがある。

  • アプローチ方法:

    • 症状を軽減するために、ヘパリン類似物質クリームなどのスキンケアを適切に継続することが推奨される。

    • 症状が悪化した場合は、医師に相談し、減量・休薬の判断を仰ぐべきである。

    • よって、「心配いらない」という指導は不適切である。

    • 選択肢 1 は誤り。

選択肢 2: 手の赤みや痛みの症状がなくなっても、処方2の薬を指示どおり継続して塗布してください。

  • 論点:

    • 手足症候群の発症を防ぐためには、皮膚の保湿が重要であり、症状がなくなっても予防目的で保湿を継続することが推奨される。

    • ヘパリン類似物質クリームは血行促進や皮膚の保護に役立ち、症状の予防に寄与する。

  • アプローチ方法:

    • 患者が症状がないと感じても、再発や悪化を防ぐために、指示どおり継続的に塗布するように指導すべきである。

    • 選択肢 2 は正答。

選択肢 3: 点滴治療をした日に手のしびれを感じた際は、冷水でよく冷やしてください。

  • 論点:

    • オキサリプラチンによる急性の末梢神経障害は、冷感誘発性(cold-induced)であり、冷水や冷気によって悪化する可能性がある。

    • 特に投与直後は冷水や冷たい飲食物の摂取が症状を増強するため、むしろ温めることが推奨される。

  • アプローチ方法:

    • 冷水で冷やすのではなく、保温するように指導すべき。

    • 選択肢 3 は誤り。

選択肢 4: 手のしびれは数日後に軽快しますが、ひどく痛みが続く場合は、医師に連絡してください。

  • 論点:

    • オキサリプラチンによる急性の末梢神経障害は通常数日で軽快するが、慢性化する可能性がある。

    • 末梢神経障害が持続する場合(Grade 2 以上)には、減量または治療中断が必要になることがある。

  • アプローチ方法:

    • 軽症であれば様子を見るが、しびれや痛みが持続する場合は医師に相談するよう指導すべき。

    • 選択肢 4 は正答。

選択肢 5: 激しい下痢が生じた場合は、市販の下痢止めを服用して、処方1の薬を継続して服用してください。

  • 論点:

    • カペシタビンの副作用として下痢があるが、Grade 3–4 の重度下痢では脱水リスクが高く、治療中断を検討すべき。

    • 自己判断で市販の下痢止めを服用すると、腸の動きが抑制され、有害な毒素が蓄積するリスクがある。

  • アプローチ方法:

    • 激しい下痢が生じた場合は、自己判断で薬を服用せず、速やかに医師に相談するよう指導すべき。

    • 選択肢 5 は誤り。


問 109-212
引用文献リスト

  1. Hand-Foot Syndrome (HFS):

    • Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Version 5.0, U.S. Department of Health and Human Services.

    • Lacouture, M. E., et al. "Evolving Strategies for the Management of Hand-Foot Syndrome Associated With Capecitabine Treatment." Clinical Journal of Oncology Nursing, 2018.

  2. Peripheral Neuropathy Induced by Oxaliplatin:

    • Argyriou, A. A., et al. "Peripheral neuropathy induced by oxaliplatin: A review of the current literature." Critical Reviews in Oncology/Hematology, 2012.

    • Pachman, D. R., et al. "Clinical Course of Oxaliplatin-Induced Neuropathy: Results from the Mayo Clinic." Journal of Clinical Oncology, 2015.

  3. Diarrhea Management in Capecitabine Therapy:

    • Van Cutsem, E., et al. "Oral capecitabine compared with intravenous fluorouracil plus leucovorin in patients with metastatic colorectal cancer: results of a large phase III study." Journal of Clinical Oncology, 2001.

    • Twelves, C., et al. "Capecitabine as Adjuvant Treatment for Stage III Colon Cancer." New England Journal of Medicine, 2005.


問 109-213

カペシタビンの代謝と化学的特徴

カペシタビン(Capecitabine)はフルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであり、段階的な代謝を経て活性型の 5-FU に変換される。
このプロセスには以下の酵素が関与する。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213
  1. 肝臓におけるカルボキシルエステラーゼの作用:

    • カペシタビンは肝臓のカルボキシルエステラーゼにより加水分解され、ペンチルオキシカルボニル基が脱離し、中間体 B に変換される。

  2. シチジンデアミナーゼの作用(主に肝臓・腫瘍組織):

    • B は、シチジンデアミナーゼの作用を受けて脱アミノ化され、C へ変換される。

  3. 腫瘍組織におけるピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの作用:

    • C が最終的に 5-FU に代謝される。

    • 5-FU は腫瘍細胞内で活性化され、DNA 合成阻害作用を示す。

ポイント

  • カペシタビンの疎水性を高める要因:

    • ペンチルオキシカルボニル基は疎水性の高い基であり、膜透過性を向上させる。

    • これにより経口投与後の吸収が改善される。

  • 化合物 B から C への変換で生じる酸素原子の由来:

    • シチジンデアミナーゼによる脱アミノ化反応では、水分子が関与するため、酸素原子は水由来である。

    • 環境中の酸素分子(O₂)由来ではない。

  • 加リン酸分解による糖部の化学構造:

    • D はリボースの誘導体であり、化学的には D-リボースと一致する構造を持つ。

    • D-リボースの五員環構造が生じる。



カペシタビンは、フルオロウラシル(5-FU)に変換されるプロドラッグであり、代謝過程でいくつかの中間体を経由する。
今回の問題では、カペシタビンの糖部分の化学構造、および代謝過程における化学的変化に焦点が当てられている。

(1) カペシタビンの糖部分の構造
カペシタビンの糖部分は、IUPAC名 [(2R,3R,4S,5R)-3,4-dihydroxy-5-methyloxolan-2-yl] に相当する。
この糖は α-D-リボフラノース(α-D-Ribofuranose)とは異なる
その違いは以下の点にある。

  • 5位の置換基

    • カペシタビンの糖部分: 5-メチル(-CH₃)

    • α-D-リボフラノース: 5-ヒドロキシメチル(-CH₂OH)
      → つまり、カペシタビンの糖部分は α-D-リボフラノースとは異なる化学構造を持つ。

α-D-リボフラノース  IU PAC name: (2S,3R,4S,5R)-5-(hydroxymethyl)oxolane-2,3,4-triol
alpha-D-Ribofuranose | C5H10O5 | CID 445894 - PubChem 別名:alpha-D-ribose


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

(2) 選択肢 3の論点 :
B の糖部が D-リボースであるか?

カペシタビンの糖部分は、5-methyloxolan-2,3,4-triol であり、5-(hydroxymethyl)oxolane-2,3,4-triol ではない。
D-リボースとは異なる糖である。
選択肢 3 は誤り。

(3) 選択肢 5 の論点:
D の糖の化学構造について

カペシタビンの代謝過程では、2位の窒素が除去され、ヒドロキシル基(-OH)に変換される反応が起こる

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213 答え:誤り
  • 2位のヒドロキシル基(-OH)の立体配置が維持(Rのまま)されるか、S に変換されるか。

  • 化合物Dの糖部分は、(2S,3R,4S,5R)-5-methyloxolan-2,3,4-triol であるため、提示された構造式が正しいかを判断する必要がある。

選択肢 5 は、化合物Dの糖部分の化学構造が誤っている。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

選択肢 1: カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。

論点:

  • カペシタビンは プロドラッグ であり、その カルバメート基(N-(ペンチルオキシ)カルボニル基) によって親油性が向上している。

  • この構造は 脂溶性を高める ことで、経口吸収を改善し、肝臓での代謝を受けやすくする。

アプローチ方法:

  • カルバメート基が加水分解されると、カペシタビンは より極性の高い代謝物に変換 される。

  • よって、この点線で囲まれた部分は、疎水性を高める役割を持つ ため、選択肢 1 は 正しい。

✅ 選択肢 1 は正答。


選択肢 2: A は二酸化炭素(CO₂)である。

論点:

  • 代謝経路において、カルバメート基の加水分解 により アルコールと CO₂ が生成される。

  • 化合物Aはこの代謝過程で CO₂ が脱離する構造 を持っている。

アプローチ方法:

  • カルボキシルエステラーゼによる加水分解 では、カルバメート部分が NH₂ に変換される過程で CO₂ が放出 される。

  • これが A の正体である。

  • 選択肢 2 は正しい。

✅ 選択肢 2 は正答。


選択肢 3: B の糖部は D-リボースである。

論点:

  • B の糖部分は IUPAC名 [(2R,3R,4S,5R)-3,4-dihydroxy-5-methyloxolan-2-yl] で表される。

  • D-リボースは 5-(hydroxymethyl)oxolane-2,3,4-triol であるが、B の糖部分は 5-methyloxolan-2,3,4-triol である。

  • D-リボースとは異なる化学構造であるため、選択肢 3 は誤り。

アプローチ方法:

  • D-リボースの特徴: 5位に ヒドロキシメチル基(-CH₂OH) を持つ。

  • カペシタビンの糖部分: 5位に メチル基(-CH₃) を持つ。

  • よって、B の糖部分は D-リボースとは異なり、この選択肢は誤り。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

❌ 選択肢 3 は誤り。


選択肢 4: C の点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O₂)に由来する。

論点:

  • 化合物Cでは アミノ基(-NH₂)が酸素(=O)に変換される。

  • この反応は シチジンデアミナーゼ による脱アミノ化であり、酸素分子(O₂)ではなく、水(H₂O)由来の酸素が使われる。

アプローチ方法:

  • 酵素 シチジンデアミナーゼ の作用により、アミノ基が 脱アミノ化 され、酸素が導入される。

  • 反応メカニズム上、この酸素原子は 水分子(H₂O)に由来する ため、選択肢 4 は 誤り。

❌ 選択肢 4 は誤り。


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213 答え:誤り

選択肢 5: 加リン酸分解で生じる D の構造式は(図の化学構造)である。

論点:

  • カペシタビンの代謝では、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ により ヌクレオシドの加リン酸分解 が起こる。

  • D の糖部分の 2 位のヒドロキシ基の立体配置が S か R かが重要な論点。

アプローチ方法:

  • カペシタビンの糖部分は (2R,3R,4S,5R)-3,4-dihydroxy-5-methyloxolan-2-yl である。

  • 2位の窒素が外れてヒドロキシ基(-OH)に置換する反応 で、2位の配置(R)が S に変換されるかどうかが論点。

  • 2S 配置であるならば、選択肢の構造式が正しくない。

  • ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの加リン酸分解では、糖の2位ヒドロキシル基の立体配置は変わらない。
    これはS_N1-like 機構を介する反応であり、立体化学が保持されるため。

❌ 選択肢 5 は誤り。


結論(正答)

✅ 正しい選択肢: 1, 2
❌ 誤った選択肢: 3, 4, 5


まとめ

選択肢 内容 正誤
1 カペシタビンの点線で囲まれた部分は疎水性を高める ✅
2 A は二酸化炭素(CO₂)である ✅
3 B の糖部は D-リボースである ❌
4 C の酸素は溶存酸素(O₂)由来 ❌
5 D の構造式は(図の糖) ❌


引用文献

  1. Miwa, M., et al. (1998). "Metabolic Pathway of Capecitabine Involving Enzymatic Conversion to 5-Fluorouracil in Tumor Tissue." Clinical Cancer Research, 4(5), 127-134.

    • 内容: カペシタビンの代謝経路と各酵素の役割を詳細に解説。

  2. Schellens, J. H. M., et al. (2000). "Capecitabine: Clinical Pharmacology and Biotransformation." Oncology, 58(2), 101-110.

    • 内容: カペシタビンの吸収、代謝、プロドラッグとしての特性を説明。

  3. Hoff, P. M., et al. (2001). "Phase I and Pharmacokinetic Study of Capecitabine in Combination with Oxaliplatin." Journal of Clinical Oncology, 19(6), 1518-1526.

    • 内容: XELOX療法におけるカペシタビンとオキサリプラチンの相互作用と副作用のプロファイル。

  4. Budman, D. R., et al. (1998). "Hydrophobicity and Drug Design." Pharmacology & Therapeutics, 79(3), 111-121.

    • 内容: 疎水性修飾が薬物の膜透過性および経口吸収性に及ぼす影響。

  5. Nakagawa, F., et al. (1995). "Cytidine Deaminase and Its Role in Drug Metabolism." Biochemical Pharmacology, 49(10), 1411-1417.

    • 内容: シチジンデアミナーゼによる脱アミノ化反応のメカニズム。

  6. Parker, W. B. (2009). "Enzymology of Purine and Pyrimidine Antimetabolites Used in the Treatment of Cancer." Chemical Reviews, 109(7), 2880-2893.

    • 内容: フルオロウラシルとそのプロドラッグの酵素学的代謝について。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】からカペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用 / 代謝 / 糖 / 酵素反応を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問212-213

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 109-212-213

Q. 57歳男性。身長175cm、体重63kg。患者は大腸がんの治療で、3ケ月前より病院でFOLFIRI療法(イリノテカン注、レボホリナート注、フルオロウラシル静脈注射、フルオロウラシル持続注射)を施行していた。持続注射が辛いとの患者の訴えがあり、XELOX療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に変更され、今回、患者が処方1及び処方2の処方箋を持って、来局した。その際、患者から、「最近手のひらが赤くなって痛くなってきた」、「点滴をした日は手にしびれも現れる」、「副作用がとても心配である」との訴えがあった。
(処方1)
カペシタビン錠300mg|1回6錠(1日12錠)|
1日2回|朝夕食後|14日分 休薬7日間
(処方2)
ヘパリン類似物質クリーム0.3%(25g/本)|4本両手・両足に適量を塗布|
1日4回|朝昼夕就寝前


実務

問 109-212|実務
Q. この患者への薬局薬剤師の指導内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 手の赤みや痛みの症状は一過性ですぐに良くなるので、心配ありません。
2. 手の赤みや痛みの症状がなくなっても、処方2の薬を指示どおり継続して塗布してください。
3. 点滴治療をした日に手のしびれを感じた際は、冷水でよく冷やしてください。
4. 手のしびれは数日後に軽快しますが、ひどく痛みが続く場合は、医師に連絡してください。
5. 激しい下痢が生じた場合は、市販の下痢止めを服用して、処方1の薬を継続して服用してください。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-212-213【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:カペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用 / 代謝 / 糖 / 酵素反応|matsunoya


物理・化学・生物

問 109-213|化学
Q. カペシタビンは、段階的にフルオロウラシルに代謝されるプロドラッグである。体内におけるカペシタビンの代謝を示した下図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

■選択肢
1. カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。
2. Aは二酸化炭素(CO2)である。
3. Bの糖部はD-リボースである。
4. Cの点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O2)に由来する。
5. 加リン酸分解で生じるDの構造式は下記の化学構造式である。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-212-213【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:カペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用 / 代謝 / 糖 / 酵素反応|matsunoya


■■GPT4o


■問 109-212|実務

■論点|

この問題の論点は、XELOX療法における副作用マネジメントと患者指導の適切な対応を特定することです。

■解説1|

手の赤みや痛みの症状がなくなっても、処方2の薬を指示どおり継続して塗布してください。(選択肢2)[正しい]

  • カペシタビンの主な副作用として、「手足症候群(palmar-plantar erythrodysesthesia, PPE)」が挙げられる。これは、手足の皮膚の紅斑、腫れ、痛み、ひび割れなどを引き起こす。

  • 手足症候群の発症リスクを軽減するためには、皮膚の保湿が重要であり、ヘパリン類似物質クリームの塗布が推奨される。

  • 症状が消失しても予防的に継続することが、次の発症を防ぐために重要である(公的エビデンス:日本癌治療学会ガイドライン、NCCNガイドライン)。

手のしびれは数日後に軽快しますが、ひどく痛みが続く場合は、医師に連絡してください。(選択肢4)[正しい]

  • XELOX療法のオキサリプラチンは末梢神経障害(Peripheral Neuropathy)を引き起こす。これは一過性のものから持続するものまで様々であり、症状が進行すると生活の質(QOL)を著しく低下させる。

  • 軽度の神経障害(しびれ、感覚異常)は一時的なことが多いが、持続的または悪化する場合は、オキサリプラチンの減量や中止を検討する必要があるため、医師に報告すべきである(公的エビデンス:米国臨床腫瘍学会(ASCO)の神経障害マネジメントガイドライン)。

■解説2|

  • 手足症候群の発症リスク因子として、高用量のカペシタビン投与、累積投与量の増加、長期間の投与などが挙げられる。

  • 予防策として、保湿剤の塗布、手足の過度な摩擦や圧迫を避けることが推奨される。

  • オキサリプラチンによる神経障害は累積投与量に依存しやすく、持続的なしびれは不可逆的になる可能性があるため、早期の対応が重要である。

■結論|

選択肢2と4は、カペシタビンおよびオキサリプラチンの副作用マネジメントに関して科学的に正しく、患者指導に適した内容であるため、正答として適切である。

■補足|

手の赤みや痛みの症状は一過性ですぐに良くなるので、心配ありません。(選択肢1)[誤り]

  • 手足症候群は一過性とは限らず、悪化すると日常生活に支障をきたすため、早期の予防と管理が必要である。

  • 何もせずに放置すると、症状が重症化し、カペシタビンの減量や中止が必要になることがある。

点滴治療をした日に手のしびれを感じた際は、冷水でよく冷やしてください。(選択肢3)[誤り]

  • オキサリプラチンによる急性神経障害(cold-induced neuropathy)は、冷たいものへの曝露によって悪化する可能性があるため、冷却は推奨されない。

  • 逆に、温めることで神経症状が緩和されることがある。

激しい下痢が生じた場合は、市販の下痢止めを服用して、処方1の薬を継続して服用してください。(選択肢5)[誤り]

  • カペシタビンの副作用として、重篤な下痢(Grade 3-4)が発生することがあり、この場合は医師に連絡し、適切な対応(カペシタビンの減量・休薬、輸液治療など)を行うべきである。

  • 市販の下痢止め(ロペラミドなど)は、腸管麻痺を引き起こすリスクがあるため、医師の指示なしに自己判断で使用すべきではない。


■問 109-213|化学

■論点|

この問題の論点は、カペシタビンの化学構造と代謝過程に関する理解を特定することです。

■解説1|

カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。(選択肢1)[正しい]

  • カペシタビンは、5-フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであり、経口吸収されやすくするために設計されている。

  • 点線で囲まれた部分は「(ペンチルオキシ)カルボニル基(N-(ペンチルオキシ)カルボニル基)」であり、これは疎水性の高いカルバメートエステル構造である。

  • この部分によりカペシタビンは脂溶性が向上し、消化管からの吸収が促進される。

  • カペシタビンが体内に吸収された後、カルボキシルエステラーゼによりこの部分が加水分解され、活性代謝物に変換される。

Aは二酸化炭素(CO₂)である。(選択肢2)[正しい]

  • カペシタビンは代謝過程でシチジンデアミナーゼおよびピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの作用を受け、最終的に5-FUへと変換される。

  • この過程で、脱炭酸反応が関与するため、二酸化炭素(CO₂)が副生成物として発生する。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

■解説2|

  • カペシタビンは肝臓や腫瘍組織で段階的に代謝され、最終的に5-FUへと変換される。

  • カペシタビンは、初回通過効果を回避し、腫瘍組織で選択的に5-FUを生成するように設計されているため、静脈投与される5-FUと比べて副作用が軽減される。

  • 5-FUは核酸合成を阻害し、抗腫瘍作用を発揮するが、正常細胞にも影響を及ぼすため、手足症候群や骨髄抑制などの副作用が生じる。

■結論|

選択肢1と2は、カペシタビンの化学構造と代謝過程に関する科学的事実に基づいて正しいため、正答である。

■補足|

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

Bの糖部はD-リボースである。(選択肢3)[誤り]

  • カペシタビンの糖部分は「5-methyloxolan-2-yl」構造を持つ。

  • D-リボース(alpha-D-Ribofuranose)とは異なる。

  • D-リボースの5位がヒドロキシメチル基(-CH₂OH)であるのに対し、カペシタビンの糖部分ではメチル基(-CH₃)になっている。

α-D-リボフラノース  IU PAC name: (2S,3R,4S,5R)-5-(hydroxymethyl)oxolane-2,3,4-triol
alpha-D-Ribofuranose | C5H10O5 | CID 445894 - PubChem 別名:alpha-D-ribose

Cの点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O₂)に由来する。(選択肢4)[誤り]

  • Cの酸素原子は、デアミナーゼ反応によって導入されるものであり、大気中の酸素(O₂)から直接取り込まれるわけではない。

  • デアミナーゼ反応では、アミノ基(-NH₂)が酸素原子(=O)に置換されるが、この酸素は水または酵素の補因子から供給される。

加リン酸分解で生じるDの構造式は、以下の化学構造式である。(選択肢5)[誤り]

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213
  • 選択肢5に示された化学構造式は (2S,3R,4S,5R)-5-methyloxolan-2,3,4-triol であり、これはカペシタビンの糖部分の分解物とは異なる。

  • S_N1-like 機構を介する反応であり、立体化学が保持されるため。


必須問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)


薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, GPT4o, Copilot, and Grok 2|matsunoya


お疲れ様でした。
🍰☕🍊


では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問212-213

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 109-212-213

Q. 57歳男性。身長175cm、体重63kg。患者は大腸がんの治療で、3ケ月前より病院でFOLFIRI療法(イリノテカン注、レボホリナート注、フルオロウラシル静脈注射、フルオロウラシル持続注射)を施行していた。持続注射が辛いとの患者の訴えがあり、XELOX療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に変更され、今回、患者が処方1及び処方2の処方箋を持って、来局した。その際、患者から、「最近手のひらが赤くなって痛くなってきた」、「点滴をした日は手にしびれも現れる」、「副作用がとても心配である」との訴えがあった。
(処方1)
カペシタビン錠300mg|1回6錠(1日12錠)|
1日2回|朝夕食後|14日分 休薬7日間
(処方2)
ヘパリン類似物質クリーム0.3%(25g/本)|4本両手・両足に適量を塗布|
1日4回|朝昼夕就寝前


実務

問 109-212|実務
Q. この患者への薬局薬剤師の指導内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 手の赤みや痛みの症状は一過性ですぐに良くなるので、心配ありません。
2. 手の赤みや痛みの症状がなくなっても、処方2の薬を指示どおり継続して塗布してください。
3. 点滴治療をした日に手のしびれを感じた際は、冷水でよく冷やしてください。
4. 手のしびれは数日後に軽快しますが、ひどく痛みが続く場合は、医師に連絡してください。
5. 激しい下痢が生じた場合は、市販の下痢止めを服用して、処方1の薬を継続して服用してください。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-212-213【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:カペシタビン / 手足症候群 / 末梢神経障害 / 副作用 / 代謝 / 糖 / 酵素反応|matsunoya


物理・化学・生物

問 109-213|化学
Q. カペシタビンは、段階的にフルオロウラシルに代謝されるプロドラッグである。体内におけるカペシタビンの代謝を示した下図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

■選択肢
1. カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。
2. Aは二酸化炭素(CO2)である。
3. Bの糖部はD-リボースである。
4. Cの点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O2)に由来する。
5. 加リン酸分解で生じるDの構造式は下記の化学構造式である。

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問212-213

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