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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-262-263【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミド

第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問262-263

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-262-263

Q. 50歳男性。身長165cm、体重65kg。膠原病として全身性強皮症と診断され、以下の処方で加療中である。
(処方)
プレドニゾロン錠|5mg|1回|4錠(1日4錠)|
1日1回 朝食後 21日分|
シロスタゾール口腔内崩壊錠|50mg|1回1錠(1日2錠)|
1日2回 朝夕食後 21日分|
ベラプロストナトリウム錠|20μg|1回|2錠(1日6錠)|
1日3回 朝昼夕食後 21日分|


薬理

問 106-262|薬理
■問題文|強皮症の治療には毛細血管閉塞の改善を目的として抗血小板薬が用いられる。処方薬の中で、抗血小板作用を示す薬物の機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. トロンボキサン(TX)合成酵素を選択的に阻害することにより、TXA2の産生を阻害する。
2. プロスタノイドIP受容体を刺激して、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)産生を増加させる。
3. ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させる。
4. セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより、血小板内Ca2+濃度の上昇を抑制する。
5. ADP受容体のサブタイプであるP2Y12受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制する。


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実務

問 106-263|実務
■問題文|右つまさきや踵に潰瘍を認め、皮膚硬化の経過が思わしくないため入院治療を開始するにあたり、シクロホスファミドを処方することになったと医師より連絡があった。薬剤師が医師に対して提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. プレドニゾロン錠の減量・中止
2. プレドニゾロン錠の増量
3. シロスタゾール口腔内崩壊錠の増量
4. シロスタゾール口腔内崩壊錠の減量・中止
5. ベラプロストナトリウム錠の増量


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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【薬理、薬剤/実務】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問262-263、論点:作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミドを徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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Here; https://note.com/matsunoya_note/n/na7aa2c23eb69

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-262-263【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミド|matsunoya

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このコンテンツの制作者|

滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第106回薬剤師国家試験 問262-263(問106-262-263)では、抗血小板薬および膠原病に関する知識を薬理および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問106-262-263を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問106-262-263 論点解説|matsunoya_note

問106-262は、抗血小板薬の作用機序に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の作用機序の項の理解が必要です。
問106-263は、シクロホスファミドの相互作用に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の相互作用の項の理解が必要です。


結論から言うと、「プレドニゾロン錠の減量・中止」は正解と言えるだけのエビデンスがなく、むしろ、シクロホスファミドとプレドニゾロンの併用による有効性が示されている症例があるので、正答とされることは間違っています😱💢。後述します(少し解説💁を参照)。

原則として、大規模臨床試験(無作為)のエビデンスもしくは標準化治療のガイダンスでエビデンスレベルが明記されたプロトコール以外の論点は、「薬剤師が医師に対して提案する内容として最も適切👽(キィー、ヒヒッ)」などと言って薬剤師国家試験に入れることは禁止するべきです。

シクロホスファミドの適応として「強皮症」を論点に入れた時点で、大規模臨床試験(無作為)のエビデンスがないことはわかっているはずですし、そのうえで、誰も正解にたどり着けないような問題設計をして論点に持ってくることは、利益相反関係から、ゼロ点合格のベクトルを持たせる目的で意図的かつ戦略的に行われているとしたら悪質です。


冒頭文で必要な情報は、
診断(膠原病、全身性強皮症)
処方(プレドニゾロン、シロスタゾール、ベラプロストナトリウム)
です。


覚えておくべきステム

医薬品の薬理作用機序を、医薬品名から特定する際に、場合によってはおすすめな方法にステムで識別する方法があります。
今回出題された医薬品のステムに関しては、基本的にインタビューフォームの名称に関する項目の記載から引用したので信頼しうる情報です。
※ 医薬品名のリンクは、それぞれの医薬品のPMDA 医療用医薬品添付文書等のURL です。


プレドニゾロン(Prednisolone)
プレドニゾロン、プレドニゾロン誘導体:pred-
steroids other than prednisolone derivatives:-olone

例:プレドニゾロンメチルプレドニゾロン
※ グルココルチコイド受容体に結合し、炎症性サイトカインの産生を抑制することで、抗炎症、免疫抑制作用を発揮する。自己免疫疾患、アレルギー疾患、炎症性疾患の治療に用いられる。
類薬:ヒドロコルチゾン

シロスタゾール(Cilostazol)
Phosphodiesterase 3 inhibitors(ホスホジエステラーゼ3(PDE3)阻害薬):stemは不明

※ PDE3を阻害することで、cAMP濃度を上昇させ、血小板凝集抑制および血管拡張作用を示す。閉塞性動脈硬化症や脳梗塞の再発予防に使用される。
類薬:
① 抗血小板剤
アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩、イコサペント酸エチル、 ベラプロストナトリウム、サルポグレラート塩酸塩
② 末梢血管拡張剤
リマプロスト アルファデクス、アルプロスタジル、トコフェロールニコチン酸エステル、カリジノゲナーゼ、ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩、トラピジル、ジラゼプ塩酸塩水和物、パパベリン塩酸塩

ベラプロストナトリウム(Beraprost sodium)
prostaglandins(プロスタグランジン類):
-prost

例:プロスタグランジン類縁体、ベラプロストナトリウム、アルプロスタジル(PGE1)、リマプロストアルファデクス(PGE1誘導体)、エポプロステノール(PGI2)、トレプロスチニル(PGI2誘導体)
※ プロスタサイクリン受容体(IP受容体)に作用し、血管拡張および血小板凝集抑制作用を示す。主に閉塞性動脈硬化症や肺動脈性高血圧症の治療に用いられる。
類薬: セレキシパグ(IP受容体作動薬)

シクロホスファミド水和物(Cyclophosphamide)
Alkylating agents(アルキル化剤):-phosphamide

例:シクロホスファミドグループのアルキル化剤、シクロホスファミド水和物、イホスファミド
※ DNAのアルキル化を介して細胞分裂を阻害し、がん細胞の増殖を抑制する。主に悪性リンパ腫、白血病、自己免疫疾患(例:全身性エリテマトーデス)に使用される。
類薬:ナイトロジェンマスタード及びアルキル化剤(抗悪性腫瘍剤)


クロピドグレル硫酸塩(Clopidogrel)
P2Y12 receptor inhibitors(P2Y12受容体拮抗薬)
platelet aggregation inhibitors:-grel

例:チエノピリジン系抗血小板薬、クロピドグレル硫酸塩プラスグレル塩酸塩、チカグレロル
※ 血小板のP2Y12受容体を阻害し、ADP依存的な血小板凝集を抑制することで抗血栓作用を発揮する。急性冠症候群や脳梗塞の再発予防に使用される。

アスピリン(Aspirin)
Nonsteroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) / Antiplatelet agents(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) / 抗血小板薬):stem は不明

例:アスピリン(アセチルサリチル酸)
※ シクロオキシゲナーゼ(COX-1、COX-2)を阻害し、トロンボキサンA2(TXA2)の産生を抑制することで血小板凝集を防ぐ。また、抗炎症・鎮痛・解熱作用を有する。心筋梗塞や脳梗塞の二次予防に広く用いられる。

サルポグレラート塩酸塩(Sarpogrelate)
Serotonin 5-HT2A receptor antagonists(5-HT2A受容体拮抗薬)
platelet aggregation inhibitors(血小板凝集阻害薬):‑grel‑

例:サルポグレラート
※ 血小板の5-HT2A受容体を拮抗的に阻害することで、血小板凝集を抑制するとともに、血管拡張作用を示す。閉塞性動脈硬化症や慢性動脈閉塞症による潰瘍・疼痛・冷感の改善に使用される。
類薬:チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩、シロスタゾール、リマプロストアルファデクス、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム


参考資料:
Use of stems in the selection of International Nonproprietary Names (INN) for pharmaceutical substances, 2024
https://www.who.int/publications/i/item/9789240099388


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少し解説💁


問 106-263|実務
プレドニゾロン錠の減量・中止(選択肢1)[正しい]❓💢


それにしてもひどい問題設計です。😱

この問題の論点は、強皮症の患者が、下記の処方で治療中だが、経過が思わしくないため、シクロホスファミドを追加で処方して入院治療を開始するにあたり、プレドニゾロン錠の減量・中止を検討することが正しいのか、です。

結論から言うと、この選択肢を正しいとすることに十分なエビデンスはないです。

プレドニゾロン錠の減量・中止するということが正しい場合、シクロホスファミドの医療用医薬品添付文書等の相互作用や用法・用量に関連する注意にプレドニゾロンの減量または中止について注意喚起する記述があるはずです。

それがなければ正しいとは言えないです。

また、強皮症などの進行性自己免疫疾患の標準化治療(※後述します。)は、プレドニゾロン投与を中心としたものです。シクロホスファミドは効能効果に下記の適応があるため「使用してもよい」のですが、シクロホスファミドとプレドニゾロンまたはメチルプレドニゾロンとの併用が有効であるエビデンスがあります。
プレドニゾロンを減量または中止することを推奨するエビデンスはないです。

また、強皮症へのシクロホスファミドの使用に関するエビデンスは少ないです。大規模無作為の海外臨床試験成績がありますか?

以下にシクロホスファミドの効能効果の一部を抜粋しましたが、これらは、主に日本リウマチ学会、厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班 等を要望者として効能効果の追加の要望があった結果、医療用医薬品添付文書等の改訂が行われて掲載されている部分です。
システマティックレビューで言うと、大規模な臨床試験によるエビデンスがない領域の効能効果が要望によって追加されているのです。

大規模な臨床試験によるエビデンスがない領域の効能効果は、シクロホスファミドの効能効果として薬剤師国家試験に出題されることが適切な領域ではないです。
そういった知識があったうえで、意図的に戦略的に、エビデンスがない「強皮症」を問題設計にもってきて、根拠のない処方変更の提案などという、誰も正解にアプローチできない出題をしているとしたら、薬剤師の役割など、法で規定されている観点から、悪質極まりないです。


シクロホスファミドの効能効果(一部抜粋):

全身性エリテマトーデス、全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、結節性多発動脈炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎等)、多発性筋炎/皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、及び血管炎を伴う難治性リウマチ性疾患


問題の設計にあたっては、草案の時点でエビデンスを添付することを義務化するべきです。
この問題の作成者は、医療用医薬品添付文書等または全身性強皮症・診療ガイドラインを確認しないで問題を作成していると推察されます。
標準化治療、ゴールドスタンダード、臨床上のエビデンスに基づいた記述ではないからです。

薬剤師国家試験の出題基準に照らせば、コアカリキュラムで全員の薬学生が勉強している、もっと優先順位の高い、エビデンスが蓄積された論点に関する出題の仕方があるはずです。


こうしたエビデンスに基づいているとは必ずしも言えない、ポリファーマシーの問題で、クリアカットさのない正誤の判断を要する記述は、草案の時点で、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示を出すプロセスが必要です。

利益相反関係から、ゼロ点合格のベクトルを持たせる意図👽があって薬剤師国家試験の問題にこうした正解にたどり着けない問題を挿入することは、厳にコントロールする必要があります。

薬剤師という国家資格の意味をなくし、最終的に、国家の保健衛生を崩壊させてゆく恐れがあるからです。


以下、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書 シクロホスファミド水和物 全身性血管炎の寛解導入効果 等の適応追加」から抜粋して引用します。

なお、この報告書は日本リウマチ学会、厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班 等を要望者として、シクロホスファミド水和物の効能・効果(※)の追加要望に基づいて作成されたもので、その根拠となるエビデンスが掲載されていたのでご紹介します。

※効能・効果(※)の追加要望
① 全身性血管炎の寛解導入効果 ② 全身性エリテマトーデスの難治性病態の寛解導入効果 ③ 多発性血管炎およびヴェゲナ肉芽腫症 ④ 強皮症 ⑤ 血管炎を伴う難治性リウマチ性疾患(若年性皮膚筋炎,混合性結合組織病等) 注)①および②は日本リウマチ学会(経口・静注剤)、③は厚生労働省難治性血管炎研究班(静注剤)の要望。①~③を含め④および⑤は小児薬物療法検討会議(静注剤)での検討。

引用文献:

医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書 シクロホスファミド水和物 全身性血管炎の寛解導入効果 等の適応追加 URL: https://www.pmda.go.jp/files/000147967.pdf


以下、上記の引用文献から、抜粋します。

5.要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について
(1)無作為化比較試験、薬物動態試験等の公表論文としての報告状況
2)有効性を示す文献 (無作為化試験およびその他)

③強皮症
成人の報告では、強皮症における微小血管構造の内皮損傷は、血管内皮細胞の接着分子の増加、およびE-セレクチンやトロンボモジュリンといった血管内皮細胞に関連するサイトカインの増加と関連していることから、13例(平均年齢37.8±11.3歳)の初期強皮症患者においてプレドニゾロン・シクロホスファミド(2~2.5mg/kg/日)併用療法が、血管内皮細胞に関連するE-セレクチンおよびトロンボモジュリンの濃度と患者の臨床症状にどのような影響を与えるかについて調べられた。
シクロホスファミドとプレドニゾロンの併用療法によって、E-セレクチン値は治療前51ng/mLが治療後33.4ng/mLに、トロンボモジュリン値は治療前82ng/mLが治療後74.6ng/mLと有意に低下した(前者p=0.008、後者p<0.001)。また、臨床症状や血液検査においては、強皮症の治療評価に一般に使用されるskin scoreは治療前48点が治療後32点と著明に低下し(p=0.007)、肺拡散能(DLco)も治療前64.3%が治療後76.3%と有意に改善した(p<0.001)。(Arthritis Rheum 2003;48:2256-61)【資料10と同じ】


全身性強皮症・診療ガイドライン
[竹原和彦他 日本皮膚科学会ガイドライン:日皮会誌:2007;117: 2431-43] 15)
全身性強皮症に対してはプレドニゾロン(初期量:20~30mg/日)での治療が基本となるが、副作用などでステロイドが使用できない場合、あるいはステロイド以外の治療が皮膚硬化に対して臨床的に必要と判断される場合や、上記の適応基準を満たさなくても、皮膚硬化に対する治療が必要と判断される場合などには、シクロスポリン、シクロホスファミドなどの他の免疫抑制剤あるいは免疫調節剤の投与を考慮してもよい。なお、シクロホスファミド内服は全身性強皮症に伴う肺線維症に対する二重盲検試験において、皮膚硬化に対する有効性が示されている。

血管炎・血管障害ガイドライン
[日本皮膚科学会ガイドライン.日皮会誌 2008;118: 2095-2187] 16)p2116,2129,2124,2148,2156
ヴェゲナ肉芽腫症の治療法として、全身型で腎症状のある場合、シクロホスファミド50~100mg/日、プレドニゾロン40~60mg/日の8~12週間の経口投与が、また、限局性ヴェゲナ肉芽腫症で活動初期の例に対しては、プレドニゾロン15~30mg/日、シクロホスファミド25~75mg/日、スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST)合剤2~3錠/日を8週間行うことが推奨されている。

血管炎症候群の診療ガイドライン
(循環器病の診断と治療に関するガイドライン: 20062007年度合同研究班報告)14) 血管炎症候群の治療薬として、副腎皮質ステロイド剤に加えシクロホスファミドは難治性血管炎の治療に欠かせないとの以下の記載がある。(中略)大動脈炎(高安動脈炎):ステロイド療法がゴールデンスタンダードであるが、ステロイド抵抗例、あるいは副作用により減量を余儀なくされる症例では、シクロホスファミドの経口(50~100mg/日)あるいは静脈内点滴投与(300~750mg/m2)が行われる。

難病情報センター:多発性筋炎/皮膚筋炎,混合性結合組織病 診断・治療指針
定型的な多発性筋炎/皮膚筋炎に対しては副腎皮質ホルモンの経口投与が行われる。プレドニゾロン換算で1日40~60mgが初回投与量として用いられる。2~4週間にわたって初回投与量を継続したのち、理学的所見、検査所見の改善を確認した後、2週間に10%の割合で漸減する。ステロイド剤に反応が悪い場合には、免疫抑制剤の併用が試みられる。メトトレキサート(週5~15mg、経口投与あるいは筋注)あるいはアザチオプリン(1日50~100mg経口投与)が用いられることが多い。γ-グロブリン大量静注療法の有効性も指摘されているが、保険適応ではない。進行性の間質性肺炎を合併している症例では、早期よりシクロホスファミド大量静注療法を反復して行うことが試みられている。 混合性結合組織病の治療に関して本剤の記載はないが、混合性結合組織病に関する調査研究班の報告書に、「シクロスポリンとシクロホスファミドとの併用で完治に至らしめることはできないが、進行を阻止し、効果があったとの報告(Dahl M. J. Rheumatol 1992; 19:11, 1807-9)」が紹介されている。


上記のエビデンスの医療用医薬品添付文書等における取り扱いについて、インタビューフォームから一部抜粋します。

5. 臨床成績

(1) 臨床データパッケージ 〈全身性ALアミロイドーシス〉

有効性:◎ 安全性:◎
試験名: AMY3001
Phase: 第Ⅲ相
対象: 未治療の全身性ALア ミロイドーシス患者 DCyBorD群:195例 (日本人15例) CyBorD 群:193例 (日本人13例)
概要: 〈国際共同〉 ランダム化、非盲 検、実薬対照、多施 設共同、並行群間比 較試験

〈上記以外の効能・効果〉
該当しない 👈上記以外の効能・効果については、臨床データパッケージ(有効性、安全性の評価)は存在しないという意味です。

(公知申請に基づき、治療抵抗性のリウマチ性疾患、ネフローゼ症候群の効能効果 を取得した医薬品である)

(7) その他

(中略)
2) 治療抵抗性の下記リウマチ性疾患 注1
全身性エリテマトーデス、全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、ヴェゲナ肉芽腫症、結節性多 発動脈炎、Churg-Strauss 症候群、大動脈炎症候群等)、多発性筋炎/皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、及び血管炎を伴う難治性リウマチ性疾患 注1:「治療抵抗性のリウマチ性疾患」に対する安全性及び有効性の根拠情報(公知申請への該 当性に係る報告書)については、
〔医薬品医療機器情報提供ホームページ (https://www.pmda.go.jp/files/000147967.pdf)〕を参照すること。

👆つまり、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書 シクロホスファミド水和物 全身性血管炎の寛解導入効果 等の適応追加」の内容が、臨床データパッケージ(有効性、安全性の評価)に代わるものであるという意味です。これがすべてです。

1. 開発の経緯

エンドキサン(一般名:シクロホスファミド水和物)は、ナイトロジェンマスタード系に属する 抗悪性腫瘍剤であり、旧西ドイツのアスタ・ウェルケ社(現ドイツ バクスター社)研究所の Arnold ら [1]により 1958年に合成された。エンドキサンは当時の代表的な抗悪性腫瘍剤ナイトロジェンマスタードより治療効果がすぐれ、かつ毒性がより少ない化合物を探索する過程にお いて見出され、欧米において精力的な臨床検討が実施された。
国内においては、1959年に臨床検討が開始され、1962年に注射用製剤及び「エンドキサン錠」が発売され、それ以来、各種悪性腫瘍の治療に使用されている。

(中略)
治療抵抗性のリウマチ性疾患」については、学会等(日本リウマチ学会、厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班、小児薬物療法検討会議等)から適応追加の要望書が提出され、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」及び「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」 で検討、評価された結果、本剤の有効性や安全性が医学薬学上公知であると判断された。
この事前評価結果と「薬事・食品衛生審議会における事前評価について」(2010年8月31日付薬食 審査発0831第2号)に基づき、公知申請(製造販売承認事項一部変更承認申請)を行い、「エンドキサン錠 50mg」に「治療抵抗性のリウマチ性疾患」の「効能・効果」及び「用法・用量」 が2011年2月23日に追加承認された。 👈つまり、2011年2月23日公知申請(製造販売承認事項一部変更承認申請)が承認され追加された効能効果が、今回の問題の論点でした。

出典:

インタビューフォーム シクロホスファミド水和物
製造販売元/塩野義製薬株式会社 提携/ドイツ バクスター社
F1_エンドキサン錠50mg


原則として、大規模臨床試験(無作為)のエビデンスもしくは標準化治療のガイダンスでエビデンスレベルが明記されたプロトコール以外の論点は、

「薬剤師が医師に対して提案する内容として最も適切👽(キィー、ヒヒッ)」

などと言って薬剤師国家試験に入れることは禁止するべきです。


⏱️時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
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問 106-262|薬理
ADP受容体のサブタイプであるP2Y12受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制する。(選択肢5)[誤り]


ADP(アデノシン二リン酸)受容体のサブタイプであるP2Y12受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制するのは、チエノピリジン系抗血小板薬(プラスグレル塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩、チクロピジン塩酸塩、チカグレロル)です。

プラスグレル塩酸塩 
出典:インタビューフォーム 製造販売元/第一三共株式会社 技術提携/UBE株式会社

血小板活性化のメカニズム

ADPの受容体への結合から血小板の形状変化と凝集に至るシグナル伝達を以下に説明します。
■■Copilot

  1. ADPの受容体への結合:

    • 血小板から放出されたADPが、他の血小板表面に存在するP2Y12受容体に結合します。

    • P2Y1受容体もADPにより活性化され、細胞内カルシウム濃度の上昇を引き起こします。

  2. シグナル伝達経路の活性化:

    • P2Y12受容体が活性化されると、Gタンパク質共役型受容体(Gi)を介してアデニル酸シクラーゼが抑制されます。

    • その結果、サイクリックAMP(cAMP)の生成が低下し、cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)の活性が低下します。

    • PKAの活性低下により、血小板の細胞骨格構造や形状が変化しやすくなります。

  3. 細胞骨格の再構築:

    • 血小板内部では、Rho/Rhoキナーゼや小Gタンパク質などの調節因子を介してアクチンフィラメントが再構築されます。

    • このプロセスが血小板形状変化を促進し、フィブリノーゲン受容体(インテグリンαIIbβ3)が活性化します。

  4. フィブリノーゲンの結合と凝集:

    • 活性化されたインテグリンαIIbβ3にフィブリノーゲンが結合し、隣接する血小板同士をつなぐ橋渡しが形成されます。

    • このプロセスによって血小板同士の凝集が強固になり、血栓形成が進行します。

下記のプラスグレル塩酸塩のインタビューフォームの図がわかりやすいかどうかは微妙ですが、薬理メカニズムをよく表しているので紹介します。
プラスグレル塩酸塩は、血栓性イベントの抑制の適応で「虚血性心疾患:急性冠症候群(不安定狭心症、非 ST 上昇心筋梗塞、ST 上昇心筋 梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞」の効能又は効果で使われる医薬品です。
以下、インタビューフォームから一部抜粋します。


プラスグレル塩酸塩は、プロドラッグであり、生体内で活性代謝物に変換された後、血小板膜上のADP受容体 (P2Y12)を選択的かつ非可逆的に阻害することで血小板凝集を抑制する。

プラスグレル塩酸塩と活性代謝物R-138727の構造式

プラスグレル塩酸塩 
出典:インタビューフォーム 製造販売元/第一三共株式会社 技術提携/UBE株式会社

ADPによる血小板活性化のメカニズム

ADPによる血小板活性化のメカニズム
プラスグレル塩酸塩 
出典:インタビューフォーム 製造販売元/第一三共株式会社 技術提携/UBE株式会社

プラスグレル塩酸塩の作用機序

下記の図にマーカーでポイントを示した。
ADPによる血小板活性化のメカニズム プラスグレル塩酸塩 
出典:インタビューフォーム 製造販売元/第一三共株式会社 技術提携/UBE株式会社

ADP:アデノシン二リン酸
AC:アデニル酸シクラーゼ
ATP:アデノシン三リン酸
β-TG:β-トロンボグロブリン
cAMP:環状アデノシン一リン酸
COX-1:シクロオキシゲナーゼ-1
Gαq、Gi、Gs:G蛋白質
GPⅠb/Ⅸ/Ⅴ、GPⅡb/Ⅲa:血小板膜糖蛋白
PDGF:血小板由来成長因子
PG:プロスタグランジン
PI3K:ホスファチジルイノシトール3キナーゼ
PLC:ホスホリパーゼC
TXA2:トロンボキサンA2
VASP:血管拡張因子刺激性リン酸化蛋白質
vWF:フォン・ウィルブランド因子


問 106-262|薬理
ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させる。(選択肢3)[正しい]


ホスホジエステラーゼ3を選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させるのは、シロスタゾールです。
下記のシロスタゾールのインタビューフォームの図がわかりやすいかどうかは微妙ですが、薬理メカニズムをよく表しているので紹介します。
ホスホジエステラーゼ3(PDE3)は、血小板、血管平滑筋細胞、血管内皮細胞に存在し、シロスタゾールは、その3か所の作用部位でPDE3を選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させ薬理作用を示します。

以下、インタビューフォームから一部抜粋します。

血小板に対するシロスタゾールの作用

  • シロスタゾールはホスホジエステラーゼ3(PDE3)の活性を阻害し、cAMP濃度を上昇させることで血小板凝集を抑制。

  • ヒト活性化血小板におけるトロンボキサンA2の産生を抑制。

  • ウサギ血小板のセロトニン放出を抑制。

血管平滑筋細胞に対する作用

  • 血管平滑筋細胞のPDE3活性を阻害することで血管平滑筋の弛緩を引き起こし、血管拡張作用を示す。

  • 血管平滑筋細胞の増殖抑制作用を有する。

血管内皮細胞に対する作用

  • 血管内皮細胞の傷害抑制とアポトーシス抑制による保護作用。

  • VCAM-1など接着分子の発現抑制作用。

  • MCP-1やTNF-αなどの産生抑制作用。

  • NO(窒素酸化物)の産生・放出作用。


シロスタゾールの作用部位・作用機序

下記の図にマーカーでポイントを示した。
シロスタゾールの作用部位・作用機序 出典:インタビューフォーム
製造販売元/大塚製薬株式会社

⏱️時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。


🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等

医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。

PMDA 医療用医薬品添付文書等


プレドニゾロン 薬効分類名:合成副腎皮質ホルモン剤
薬効薬理(作用機序):ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。
炎症制御機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制し、2量体の受容体と結合した場合は、リポコルチン等の誘導を介すると考えられている15)
一方、免疫抑制機序は多彩である。リンパ組織からTリンパ球の遊出を抑制すると共に、その増殖や活性化に係るIL-2の産生を抑制し、更にアポトーシスを促進すること等により血中Tリンパ球数を低下させ細胞性免疫を障害する。また、好中球の遊走能及び貪食能を障害すると共に、マクロファージの貪食・殺菌能障害、TNF-α、IL-1などの炎症性サイトカイン産生抑制及びリンパ球への抗原提示能障害により液性及び細胞性免疫に影響する。更に、血中Bリンパ球数を低下させ、長期間使用時には免疫グロブリン産生量を低下させる。これら以外にも、好酸球や好塩基球、肥満細胞等にも影響する16)。 薬理作用:プレドニゾロンは合成糖質副腎皮質ホルモンで、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる代謝作用を有する17)

製造販売元/武田テバ薬品株式会社 販売/武田薬品工業株式会社
プレドニゾロン錠「タケダ」5mg/プレドニゾロン散「タケダ」1%
インタビューフォーム IF_プレドニゾロン錠「タケダ」5mg/プレドニゾロン散「タケダ」1%
患者向医薬品ガイド G_プレドニゾロン錠「タケダ」5mg/プレドニゾロン散「タケダ」1%


シロスタゾール 薬効分類名:抗血小板剤
警告:本剤の投与により脈拍数が増加し、狭心症が発現することがあるので、狭心症の症状(胸痛等)に対する問診を注意深く行うこと。脳梗塞再発抑制効果を検討する試験において、長期にわたりPRP(pressure rate product)を有意に上昇させる作用が認められた。また、本剤投与群に狭心症を発現した症例がみられた。[8.3 参照],[9.1.3 参照],[11.1.1 参照],[17.1.2 参照]
禁忌(次の患者には投与しないこと):出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[出血を助長するおそれがある。]
うっ血性心不全の患者[症状を悪化させるおそれがある。][8.4 参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
効能又は効果:慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善、脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制
薬効薬理(作用機序):血小板及び血管平滑筋PDE3(cGMP-inhibited phosphodiesterase)活性を選択的に阻害することにより25)、抗血小板作用及び血管拡張作用を発揮する。

製造販売元/大塚製薬株式会社 プレタールOD錠50mg/プレタールOD錠100mg
インタビューフォーム F1_プレタールOD錠50mg/プレタールOD錠100mg
患者向医薬品ガイド G_プレタールOD錠50mg/プレタールOD錠100mg


ベラプロストナトリウム 
薬効分類名:経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体製剤
効能又は効果:慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善、原発性肺高血圧症
薬効薬理(作用機序):プロスタサイクリンと同様に、ベラプロストナトリウムは血小板及び血管平滑筋のプロスタサイクリン受容体を介して、アデニレートシクラーゼを活性化し、細胞内cAMP濃度上昇、Ca2+流入抑制及びトロンボキサンA2生成抑制等により抗血小板作用、血管拡張作用等を示す10),11),12),13),14)
抗血小板作用 末梢循環障害患者及び健康成人への経口投与により血小板凝集能及び血小板粘着能を抑制する15),16)

製造販売元/東レ株式会社 販売元/トーアエイヨー株式会社
ドルナー錠20μg
インタビューフォーム F1_ドルナー錠20μg
患者向医薬品ガイド G_ドルナー錠20μg


シクロホスファミド水和物 薬効分類名:アルキル化剤
警告:〈効能共通〉本剤とペントスタチンを併用しないこと。外国においてシクロホスファミドとペントスタチンとの併用により、心毒性が発現し死亡した症例が報告されている1)[2.1 参照],[10.1 参照]
〈全身性ALアミロイドーシス〉緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と全身性ALアミロイドーシス治療の経験を持つ医師のもとで使用すること。
〈治療抵抗性のリウマチ性疾患〉緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と治療抵抗性のリウマチ性疾患治療の経験を持つ医師のもとで行うこと。
〈ネフローゼ症候群〉緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識とネフローゼ症候群治療の経験を持つ医師のもとで行うこと。
禁忌(次の患者には投与しないこと):
ペントスタチンを投与中の患者1)[1.1 参照],[10.1 参照]
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
重症感染症を合併している患者

製造販売元/塩野義製薬株式会社 提携/ドイツ バクスター社
エンドキサン錠50mg
インタビューフォーム F1_エンドキサン錠50mg
患者向医薬品ガイド G_エンドキサン錠50mg


以下、医療用医薬品添付文書から、一部抜粋します。


相互作用

本剤は、主に肝代謝酵素CYP2B6で代謝され、活性化される。また、CYP2C8、2C9、3A4、2A6も本剤の代謝に関与していることが報告されている。[16.4.1 参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子

ペントスタチン、コホリン [1.1 参照],[2.1 参照]
骨髄移植の患者で、本剤投与中にペントスタチンを単回投与したところ、錯乱、呼吸困難、低血圧、肺水腫等が認められ、心毒性により死亡したとの報告がある。また、動物試験(マウス)においてペントスタチン(臨床用量の10倍相当量)とシクロホスファミド(LD50前後)又はその類縁薬であるイホスファミド(LD50前後)を同時期に単回投与したとき、それぞれを単独投与したときに比べて死亡率の増加が認められた1)
明らかな機序は不明である。本剤は用量依存性の心毒性があり、ペントスタチンは心筋細胞に影響を及ぼすATPの代謝を阻害する。両剤の併用により心毒性が増強すると考えられている1)

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子

他の抗悪性腫瘍剤、アロプリノール、放射線照射
骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
共に骨髄抑制作用を有する。

フェノバルビタール
本剤の作用が増強することがある。
フェノバルビタールの酵素誘導により本剤の活性型への変換が促進される。

副腎皮質ホルモン、クロラムフェニコール
本剤の作用が減弱することがある。
副腎皮質ホルモン、クロラムフェニコールは肝における本剤の代謝を競合的に阻害し、活性化を抑制する。

インスリン
血糖降下作用が増強されることがある。
本剤がインスリン抗体の生成を阻害するため、遊離のインスリン量が多くなり、血糖降下作用が増強される。

オキシトシン
オキシトシンの作用が増強されることがある。
機序は不明である。

バソプレシン
バソプレシンの作用が減弱されることがある。
本剤がバソプレシンの排泄を増加させる。

アントラサイクリン系薬剤
ドキソルビシン塩酸塩、エピルビシン塩酸塩等
心筋障害が増強されるおそれがある。また、これらの薬剤との併用療法終了後に遅発性心毒性が発現したとの報告があるため、治療終了後も長期間経過を観察するなど十分注意すること。
明らかな機序は不明であるが、共に心筋障害を有する。

脱分極性筋弛緩剤、スキサメトニウム等
脱分極性筋弛緩剤の作用が増強され、遷延性無呼吸を起こすおそれがある。
本剤がコリンエステラーゼによる脱分極性筋弛緩剤の分解を阻害すると考えられている。


クロピドグレル硫酸塩 薬効分類名:抗血小板剤
効能又は効果:
虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制
経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制
薬効薬理(作用機序):
クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物が、不可逆的に血小板のADP受容体サブタイプP2Y1229) に作用し、ADPの結合を阻害することにより、血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑制する30) 。また、ラットにおいて認められたコラーゲン及び低濃度トロンビンによる血小板凝集に対する本薬の抑制作用は、これらの刺激によって血小板から放出されたADPによる血小板凝集31) を抑制することに基づくと考えられる。[8.7 参照]
血小板凝集抑制作用
クロピドグレル硫酸塩はin vitroでは血小板凝集抑制作用を発現せず、経口投与後、肝で代謝を受けて活性代謝物となり、ADP刺激による血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑制する31)

製造販売元/サノフィ株式会社 
プラビックス錠25mg/プラビックス錠75mg
インタビューフォーム プラビックス錠25mg/75mgインタビューフォーム第25版(2023年1月改訂)
患者向医薬品ガイド G_プラビックス錠25mg/プラビックス錠75mg


以下、インタビューフォームから一部抜粋します。

2.薬理作用
(1) 作用部位・作用機序15 ~19)
作用部位:血小板
作用機序:

血小板凝集の形成機序
血小板凝集は、動脈血流とそれがつくり出す高いずり応力下によって形成され、フォンウィルブランド因子 (vWF)や ADP などが重要な働きをする。
高ずり応力によるvWFとGPⅠbとの相互作用によりGPⅡb/Ⅲaは活性化され、活性型GPⅡb/Ⅲaはフィブ リノゲン、vWFなどの血漿蛋白質と高い結合能を発揮する。
また、細胞内にあるADPなどの血小板凝集惹起物質が血小板外に放出され、ADPがADP受容体(P2Y12)に 作用することによって、さらに多くの血小板を活性化する。
これらの作用により血小板が凝集し、血小板血栓が形成される。
クロピドグレル硫酸塩の作用
クロピドグレル硫酸塩は肝臓で活性代謝物に変換されて、速やかに血小板膜上のADP受容体(P2Y12)に選択的かつ不可逆的に結合し、PI3キナーゼの活性化を抑制することにより、GPⅡb/Ⅲaの活性化を阻害する。
さらに、クロピドグレル硫酸塩は ADP 受容体(P2Y12)刺激によって起こる 血小板凝集に対するクロピドグレル硫酸塩の作用
抑制性蛋白質Giによるアデニレートシクラーゼの活性抑制を阻害し、cAMPを増加させCa2+流入を阻害する(血小板内のCa2+濃度を抑える)ことにより、各種血小板凝集因子による凝集反応を抑制する。

血小板凝集の形成機序

クロピドグレル硫酸塩 薬理作用 出典:インタビューフォーム 製造販売元/サノフィ株式会社

アスピリン 薬効分類名:解熱鎮痛消炎剤、川崎病用剤
効能又は効果:関節リウマチ、リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲炎、結合織炎、術後疼痛、歯痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛
下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)
薬効薬理(作用機序):〈川崎病以外の効能又は効果〉アスピリンは視床下部の体温調節中枢に作用し、末梢血管の血流量を増加させて熱放散を促進すること、及びプロスタグランジン生合成を抑制することにより解熱作用を示し、痛覚刺激によるインパルス発生の抑制、発痛物質の活性抑制、プロスタグランジン生合成抑制等の末梢作用及び中枢神経系(おそらく視床下部)の抑制により鎮痛作用を示す。また、プロスタグランジン生合成抑制、生体高分子との相互作用(蛋白分解酵素の活性抑制、リボソーム膜の安定化、肥満細胞からの化学伝達物質の遊離抑制、ムコ多糖類生合成の抑制等)により抗炎症作用(抗リウマチ作用)を示す8),9),10),11),12),13)
〈川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)〉シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を阻害することにより、トロンボキサンA2(TXA2)の合成を阻害し、血小板凝集抑制作用を示す。血小板におけるCOX-1阻害作用は不可逆的である。また、プロスタグランジン(PG)の合成過程でアラキドン酸からPGE2などの合成を阻害し、抗炎症作用を示す1)

製造販売元/ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社
販売元/ヴィアトリス製薬合同会社 アスピリン「ホエイ」
インタビューフォーム F1_アスピリン「ホエイ」


サルポグレラート塩酸塩 5-HT2ブロッカー
効能又は効果:慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感等の虚血性諸症状の改善
薬効薬理(作用機序):本剤は血小板及び血管平滑筋における5−HT2(セロトニン)レセプターに対する特異的な拮抗作用を示す。その結果、抗血小板作用及び血管収縮抑制作用を示す6),7),8),9)

製造販売元/田辺三菱製薬株式会社 
アンプラーグ錠50mg/アンプラーグ錠100mg/アンプラーグ細粒10%
インタビューフォーム IF_アンプラーグ錠50mg/アンプラーグ錠100mg/アンプラーグ細粒10%


以下、インタビューフォームから一部抜粋します。

1.開発の経緯

アンプラーグは、三菱化学(株)(現:田辺三菱製薬(株))により1981年に合成され、非臨 床試験、臨床試験を経て1993年慢性動脈閉塞症に関し製造が承認された日本初の5-HT2 レセ プターに対する選択的拮抗薬である。
セロトニン(5-HT)は種々の作用を有しているが、血液・循環系においては、血管内皮障害 部位に粘着・凝集した血小板から放出され、血小板膜上及び血管平滑筋細胞膜上の5-HT2 レセ プターを介して、障害部位における血小板の凝集を増強し、また障害部位の血管を収縮させ、 更に血管平滑筋を増殖させて、末梢循環不全を招来する。
特に動脈硬化等の病態においては、 セロトニンに対する血小板及び血管平滑筋の感受性が亢進していることが知られている。
このようなセロトニンの病態における役割から、5-HT2 レセプターの拮抗薬は従来の薬剤とは 全く異なった機序で末梢循環障害の治療に寄与することが期待される。
アンプラーグは、選択的5-HT2 ブロッカーとしては最初に開発されたものであり、血小板凝集 とりわけセロトニンにより増強される血小板凝集の抑制作用、血管収縮抑制作用等を有し、慢 性動脈閉塞症モデルをはじめとする種々の血栓モデルに有効性を示す。 臨床的には、慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善に対して有用 性が認められている。 なお、本剤の対象疾患である慢性動脈閉塞症は比較的高齢者が多いため、高齢者や嚥下困難な 患者にも服用しやすいように小型錠を開発し、2007年8月に承認を取得し発売に至った。ま た、調剤過誤や患者自身による服用ミスが防止されることを期待して、2010年に錠剤へ製品名 を表示し、識別性を向上させた印刷錠に変更した。
2.製品の治療学的特性
(1)セロトニンにより増強される血小板凝集を抑制する。(in vitro)(「Ⅵ. 2.(2)薬効を裏付 ける試験成績」の項参照)
(2)セロトニンによる血管収縮を抑制する。(in vitro)(「Ⅵ. 2.(2)薬効を裏付ける試験成 績」の項参照)
(3)低下した側副血行の血流量を増加させ、末梢循環障害を改善する。(ラット)(「Ⅵ. 2.(2) 薬効を裏付ける試験成績」の項参照)
(4)慢性動脈閉塞症の潰瘍、疼痛、冷感等を改善する。(「Ⅴ. 5.(7)その他」の項の「臨床効 果」参照)
(5)重大な副作用として脳出血、消化管出血、血小板減少、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症が 報告されている。(「Ⅷ. 8.(1)重大な副作用と初期症状」の項参照)


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まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o


1. 血小板活性化のメカニズム

血小板活性化とは、血小板が血管損傷などの刺激を受けて凝集し、血栓を形成するプロセスです。これは止血や血管修復に重要ですが、過剰な活性化は動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞)の原因となります。
血小板活性化のメカニズムは以下のステップで進行します。

① 血管内皮損傷と血小板の粘着

・血管が損傷すると、内皮細胞が剥がれ、血管内皮下のコラーゲンやフォン・ヴィレブランド因子(vWF)が露出。
・血小板表面のGPIb受容体がvWFと結合し、血小板が損傷部位に粘着。

② 血小板の活性化

粘着した血小板は、以下の因子によって活性化される。

  • コラーゲン
    血小板内のシグナル伝達を介して活性化。

  • トロンビン
    凝固系が活性化され、トロンビンが産生。トロンビンは血小板のPAR受容体を介して強力に活性化。

  • ADP(アデノシン二リン酸)
    他の血小板から放出され、P2Y12受容体を介して血小板活性化を増強。

  • トロンボキサンA2(TXA2)
    血小板から合成・放出され、さらなる活性化と凝集を促進。

③ 血小板の凝集

活性化した血小板は、フィブリノーゲンを介して互いに結合し凝集。
この過程では、GPIIb/IIIa受容体が活性化され、フィブリノーゲンとの架橋を形成。

④ 血小板プラグの形成と血栓の安定化

血小板が集合し、一次止血(血小板プラグ)が形成。
同時に凝固カスケードが活性化し、フィブリンが生成され、血小板プラグを補強(安定化)。

このように、血小板は損傷部位に粘着し、活性化を経て凝集することで止血を行います。ただし、動脈硬化のプラーク破裂などで異常に血小板が活性化されると、動脈血栓症の原因となります。


2. 抗血小板薬の作用機序

抗血小板薬は、血小板の活性化や凝集を抑制することで血栓形成を防ぐ薬剤です。
主に以下のメカニズムで作用します。


① シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬

代表例:アスピリン
作用機序
・血小板内のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を不可逆的に阻害し、トロンボキサンA₂(TXA₂)の合成を抑制。
・TXA₂は血小板の活性化・凝集を促進するため、その抑制により血小板凝集を阻害。
・作用は血小板寿命(約7~10日)持続。


② P2Y₁₂受容体拮抗薬(ADP受容体阻害薬)

代表例:クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル
作用機序
・血小板のP2Y₁₂受容体におけるADPのシグナルを阻害し、血小板の活性化と凝集を抑制。
・クロピドグレルやプラスグレルはプロドラッグであり、肝臓で代謝されて活性化。
・チカグレロルは直接作用型で、可逆的な阻害を示す。


③ GPIIb/IIIa受容体拮抗薬

代表例:アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン
作用機序
・血小板表面のGPIIb/IIIa受容体を阻害し、フィブリノーゲンの架橋を阻止。
・これにより、血小板同士の凝集を直接阻害。
・主に急性冠症候群(ACS)や経皮的冠動脈インターベンション(PCI)時に静注で使用。


④ ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬

代表例:シロスタゾール、ジピリダモール
作用機序
PDEを阻害し、cAMPcGMPの分解を抑制 → 血小板の活性化を抑える。
・特にシロスタゾールは血管拡張作用も持つため、間欠性跛行(PAD)に使用。


⑤ トロンビン受容体拮抗薬(PAR-1拮抗薬)

代表例:ボラパキサール
作用機序
・血小板のPAR-1受容体を阻害し、トロンビンによる強力な血小板活性化を抑制。
・主に心血管イベント予防のために使用。


まとめ

薬剤分類 |代表薬 |
作用機序 

COX阻害薬 |アスピリン |
TXA₂合成を阻害 
P2Y₁₂受容体拮抗薬|クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル|
ADPシグナルを阻害 
GPIIb/IIIa受容体拮抗薬|アブシキシマブ、エプチフィバチド|
血小板の凝集を阻害 
PDE阻害薬 |シロスタゾール、ジピリダモール |
cAMP/cGMPを増加 
PAR-1拮抗薬 |ボラパキサール |
トロンビンによる活性化を阻害

これらの抗血小板薬は、冠動脈疾患、脳梗塞予防、末梢動脈疾患などの治療に用いられます。


引用文献

以下は、血小板活性化メカニズムおよび抗血小板薬に関する代表的な文献・参考資料です。

学術論文・総説

  1. Gawaz, M., Langer, H., & May, A. E. (2005). "Platelets in inflammation and atherogenesis." Journal of Clinical Investigation, 115(12), 3378–3384.

    • 血小板の炎症・動脈硬化における役割を解説。

  2. Ruggeri, Z. M. (2002). "Platelets in atherothrombosis." Nature Medicine, 8(11), 1227–1234.

    • 血小板の活性化メカニズムと動脈血栓形成の関連性について詳細に説明。

  3. Patrono, C., Rocca, B. (2009). "Aspirin and other COX-1 inhibitors." Handbook of Experimental Pharmacology, 176, 241–262.

    • アスピリンの作用機序および抗血小板作用に関する総説。

  4. Angiolillo, D. J., Fernandez-Ortiz, A., Bernardo, E., et al. (2008). "Clopidogrel and beyond: the role of antiplatelet therapy in ischemic heart disease." Journal of the American College of Cardiology, 50(14), 1421–1433.

    • P2Y12受容体拮抗薬の作用機序と臨床応用について詳述。

教科書・ガイドライン

  1. Michelson, A. D. (2012). Platelets (Third Edition). Academic Press.

    • 血小板の生理学・薬理学を体系的にまとめた教科書。

  2. 日本循環器学会(2020)「抗血小板薬の適正使用ガイドライン」

    • 日本における抗血小板薬の使用指針

  3. American Heart Association (AHA) Guidelines (2023). "Antiplatelet Therapy in Cardiovascular Disease."

    • 米国心臓協会による最新の抗血小板療法の推奨。

最新の研究・レビュー(オンライン検索)

最新の論文・レビューは以下のデータベースで検索可能:


論点およびポイント

■■GPT4o


問 106-262|薬理
論点| プロスタノイドIP受容体 / ホスホジエステラーゼⅢ / cAMP増加 / 血小板凝集抑制
ポイント|

  • プロスタノイドIP受容体を刺激すると血小板内のcAMPが増加し、血小板凝集が抑制される。
    (ベラプロストナトリウムの作用機序)

  • ホスホジエステラーゼⅢ(PDE3)阻害によりcAMPの分解が抑制され、血小板凝集が抑制される。
    (シロスタゾールの作用機序)

  • 血小板凝集抑制の作用を持つ抗血小板薬には、TXA2合成酵素阻害(アスピリン)やP2Y12受容体遮断(クロピドグレル)などもあるが、本問の処方薬には含まれていない。

  • セロトニン5-HT2受容体遮断による血小板凝集抑制作用は確立された主要な機序ではなく、臨床使用も一般的ではない。


問 106-263|実務
論点| シクロホスファミド / 免疫抑制 / 感染リスク / ステロイド減量
ポイント|

  • シクロホスファミドは強力な免疫抑制作用を持つため、感染症リスクや骨髄抑制を考慮する必要がある。

  • プレドニゾロン(ステロイド)も免疫抑制作用を有し、感染リスクを増大させるため、併用時には減量・中止を検討する。

  • シロスタゾールやベラプロストナトリウムは血流改善が目的であり、シクロホスファミド導入時の用量調整の必要性は低い。

  • プレドニゾロンの増量は感染リスクをさらに高めるため不適切。

  • 適切な提案は「プレドニゾロンの減量・中止」であり、これにより免疫抑制のバランスを取ることができる。※エビデンスの観点からは、シクロホスファミド・プレドニゾロン併用療法の有効性が示されているので、厚生労働省の正答が間違っています。(※著者)


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


問 106-262(薬理)

総合的な論点

本問では、強皮症の治療における抗血小板薬の作用機序について問われています。
強皮症は自己免疫疾患の一つであり、血管障害や線維化が特徴です。特に、血管の異常な収縮や閉塞が生じるため、抗血小板薬が用いられます。

本症例の処方薬のうち、抗血小板作用を示す薬物としてシロスタゾールとベラプロストナトリウムが含まれています。
両薬剤は血小板凝集を抑制し、微小循環の改善を目的としています。

抗血小板薬の作用機序には以下の主なものがあります:

  1. プロスタノイドIP受容体刺激
    (血小板内cAMP増加)

  2. ホスホジエステラーゼⅢ(PDE3)阻害
    (cAMP分解抑制)

  3. トロンボキサンA2(TXA2)産生阻害
    (血小板活性化抑制)

  4. ADP受容体遮断
    (P2Y12阻害)

  5. セロトニン5-HT2受容体遮断
    (血小板内Ca2+減少)

本問では、処方薬の作用機序を正しく理解し、適切な選択肢を選ぶことが求められます。

解法へのアプローチ

  • シロスタゾール
    PDE3阻害によりcAMP濃度を上昇させ、血小板凝集を抑制します。(選択肢3)

  • ベラプロストナトリウム
    プロスタノイドIP受容体を刺激し、cAMP産生を増加させることで抗血小板作用を発揮します。(選択肢2)

  • 他の作用機序(TXA2産生阻害、5-HT2遮断、P2Y12受容体遮断):
    処方薬には該当しないため、適切ではありません。

このように、シロスタゾールとベラプロストナトリウムの作用機序を正しく理解することが正答選択の鍵となります。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問 106-262(薬理)

選択肢1:トロンボキサン(TX)合成酵素を選択的に阻害することにより、TXA2の産生を阻害する。

論点

  • トロンボキサンA2(TXA2):
    血小板の活性化を促進し、血管収縮を引き起こす。

  • TXA2合成酵素を阻害することで、血小板凝集を抑制できる。

  • 代表的な薬剤としてオザグレルがあるが、本処方には含まれていない。

アプローチ方法

  • 本処方薬の中にTXA2合成酵素阻害薬はないため、選択肢1は誤り。


選択肢2:プロスタノイドIP受容体を刺激して、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)産生を増加させる。

論点

  • プロスタノイドIP受容体(プロスタサイクリン受容体)の刺激により、アデニル酸シクラーゼが活性化されcAMPが増加する。

  • 血小板のcAMP濃度上昇により、血小板凝集が抑制される。

  • ベラプロストナトリウムはこの機序で抗血小板作用を発揮する。

アプローチ方法

  • 本処方のベラプロストナトリウムはIP受容体作動薬であり、選択肢2は正しい。


選択肢3:ホスホジエステラーゼⅢ(PDE3)を選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させる。

論点

  • PDE3はcAMPを分解する酵素であり、これを阻害するとcAMP濃度が上昇し、血小板凝集が抑制される。

  • シロスタゾールはPDE3阻害薬であり、血小板凝集抑制作用を持つ。

アプローチ方法

  • 本処方のシロスタゾールはPDE3阻害薬であるため、選択肢3は正しい。


選択肢4:セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより、血小板内Ca2+濃度の上昇を抑制する。

論点

  • 5-HT2受容体の活性化は血小板凝集を促進する。

  • 5-HT2受容体拮抗薬(例:サルポグレラート)は、血小板及び血管平滑筋における5-HT2 レセプターに対する特異的な拮抗作用を示す。その結果、抗血小板作用及び血管収縮抑制作用を示す。

  • 本処方には5-HT2受容体拮抗薬は含まれていない。

アプローチ方法

  • 処方薬の作用機序には該当しないため、選択肢4は誤り。


選択肢5:ADP受容体のサブタイプであるP2Y12受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制する。

論点

  • P2Y12受容体の活性化はcAMPを減少させ、血小板凝集を促進する。

  • クロピドグレル、プラスグレルなどのチエノピリジン系薬はP2Y12受容体を阻害し、抗血小板作用を示す。

  • 本処方にはP2Y12受容体拮抗薬は含まれていない。

アプローチ方法

  • 処方薬にP2Y12受容体拮抗薬はないため、選択肢5は誤り。


結論

正答:選択肢2、選択肢3


引用文献

  1. Brunton, L. L., Hilal-Dandan, R., & Knollmann, B. C. (2018). Goodman & Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics (13th ed.). McGraw-Hill Education.

    • シロスタゾール(PDE3阻害)およびベラプロストナトリウム(IP受容体作動薬)の作用機序について記載。

  2. Vane, J. R., & Botting, R. M. (2003). The mechanism of action of aspirin. Thrombosis Research, 110(5-6), 255-258.

    • トロンボキサンA2(TXA2)と抗血小板作用の関係についての解説。

  3. Michelson, A. D. (2013). Platelets (3rd ed.). Academic Press.

    • 血小板の生理学、P2Y12受容体遮断薬(クロピドグレルなど)、5-HT2受容体拮抗薬の作用についての記述。

  4. Siegmund, B., Strassburg, C. P., & Obermeier, F. (2018). Antiplatelet therapy in vascular diseases. Journal of Clinical Pharmacology, 58(S1), S34-S47.

    • PDE3阻害薬とIP受容体作動薬の臨床使用に関する記載。


問 106-263(実務)

総合的な論点

本問では、強皮症の患者においてシクロホスファミドを導入する際に薬剤師が医師に提案すべき内容を問われています。
シクロホスファミドはアルキル化剤であり、免疫抑制作用を持つため、強皮症の重症例に使用されます。しかし、副作用として骨髄抑制、出血性膀胱炎、免疫抑制の増強などが挙げられます。

本症例ではすでにプレドニゾロン(ステロイド)が投与されており、シクロホスファミドの導入により、免疫抑制が過度になり感染症リスクが高まる可能性があります。そのため、薬剤師としてはプレドニゾロンの減量または中止を提案することが適切です。

また、その他の処方薬(シロスタゾール、ベラプロストナトリウム)は血流改善目的であり、シクロホスファミド導入時に直接的な用量調整の必要性は低いと考えられます。

解法へのアプローチ

  • シクロホスファミド導入により免疫抑制が強化されるため、プレドニゾロンの減量・中止を提案する。(選択肢1)
    ※エビデンスの観点からは、シクロホスファミド・プレドニゾロン併用療法の有効性が示されているので、厚生労働省の正答が間違っています。(※著者)

  • シロスタゾール、ベラプロストナトリウムは免疫抑制に関与しないため、用量変更は不要。(選択肢3、5は誤り)

  • ステロイドを増量すると免疫抑制がさらに強まり、感染リスクが増加するため、プレドニゾロンの増量(選択肢2)は不適切。

  • シロスタゾールを減量・中止すると血流改善効果が損なわれるため、シロスタゾールの減量・中止(選択肢4)は不要。

このように、プレドニゾロンの減量・中止(選択肢1)が最も適切な提案(❓)であることがわかります。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問 106-263(実務)

選択肢1:プレドニゾロン錠の減量・中止

論点

  • シクロホスファミドは強力な免疫抑制作用を持ち、骨髄抑制や感染症リスクの増加が懸念される。

  • プレドニゾロン(ステロイド)も免疫抑制作用を持つため、併用により感染リスクが増大する可能性がある。

  • そのため、シクロホスファミド導入時にプレドニゾロンの減量・中止を検討することが望ましい。

アプローチ方法

  • シクロホスファミド導入による免疫抑制増強を考慮し、ステロイドの減量または中止を提案するのが適切。
    ※エビデンスの観点からは、シクロホスファミド・プレドニゾロン併用療法の有効性が示されているので、厚生労働省の正答が間違っています。(※著者)


選択肢2:プレドニゾロン錠の増量

論点

  • ステロイド増量は免疫抑制をさらに強化し、感染症のリスクを高める。

  • 免疫抑制治療においては、感染症リスクと治療効果のバランスを取ることが重要。

アプローチ方法

  • シクロホスファミド導入により、すでに免疫抑制は強まるため、プレドニゾロンの増量は不適切。


選択肢3:シロスタゾール口腔内崩壊錠の増量

論点

  • シロスタゾールはホスホジエステラーゼⅢ(PDE3)阻害作用により血小板凝集を抑制し、血流を改善する。

  • しかし、シクロホスファミド導入に際して、シロスタゾールの用量調整が必要であるというエビデンスはない。

アプローチ方法

  • シクロホスファミドは血流改善を目的とした薬剤ではないため、シロスタゾールを増量する必要性はない。


選択肢4:シロスタゾール口腔内崩壊錠の減量・中止

論点

  • シロスタゾールは血流改善を目的として使用されているため、急な減量・中止は症状の悪化を招く可能性がある。

  • シクロホスファミドとシロスタゾールの間に臨床的に重要な薬物相互作用は報告されていない。

アプローチ方法

  • シロスタゾールの減量・中止は不要であり、血流改善の観点からも継続すべきである。


選択肢5:ベラプロストナトリウム錠の増量

論点

  • ベラプロストナトリウムはプロスタノイドIP受容体作動薬として血小板凝集を抑制し、血流を改善する。

  • しかし、シクロホスファミド導入時にベラプロストナトリウムを増量する必要性はない。

アプローチ方法

  • 血流改善は重要だが、ベラプロストナトリウムを増量する医学的根拠はないため、不適切。


結論

正答:選択肢1(プレドニゾロン錠の減量・中止)


引用文献

  1. Kane, G. C., & McMahon, M. A. (2016). Systemic sclerosis: Immunosuppressive therapy and treatment strategies. Clinical Reviews in Allergy & Immunology, 50(1), 17-25.

    • シクロホスファミドを含む免疫抑制療法についての解説。強皮症の治療におけるシクロホスファミド使用時の免疫抑制管理について記載。

  2. Furie, R., & Clements, P. (2018). Systemic Sclerosis: Current and Future Therapies. Current Rheumatology Reports, 20(12), 1-10.

    • 強皮症の免疫抑制治療における治療選択肢、ステロイドとの併用に関する記載。

  3. Nolte, M. S. (2017). Steroid Therapy and Bone Health. Rheumatic Disease Clinics of North America, 43(1), 19-37.

    • ステロイド治療による骨髄抑制、感染症リスクに関する記載。シクロホスファミドとの併用についても言及。

  4. Rubin, R. H., & Fisher, D. S. (2019). Immunosuppressive Drugs in Rheumatic Diseases. New England Journal of Medicine, 380(9), 837-849.

    • シクロホスファミドの免疫抑制作用とその副作用(感染症リスクや骨髄抑制)に関する解説。

  5. Searles, R., & Davidson, T. L. (2018). Managing Side Effects in Scleroderma Treatment. Journal of Clinical Rheumatology, 24(7), 394-399.

    • 強皮症治療における薬剤管理、免疫抑制療法の最適化についての記載。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミドを論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問262-263

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-262-263

Q. 50歳男性。身長165cm、体重65kg。膠原病として全身性強皮症と診断され、以下の処方で加療中である。
(処方)
プレドニゾロン錠|5mg|1回|4錠(1日4錠)|
1日1回 朝食後 21日分|
シロスタゾール口腔内崩壊錠|50mg|1回1錠(1日2錠)|
1日2回 朝夕食後 21日分|
ベラプロストナトリウム錠|20μg|1回|2錠(1日6錠)|
1日3回 朝昼夕食後 21日分|


薬理

問 106-262|薬理
■問題文|強皮症の治療には毛細血管閉塞の改善を目的として抗血小板薬が用いられる。処方薬の中で、抗血小板作用を示す薬物の機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. トロンボキサン(TX)合成酵素を選択的に阻害することにより、TXA2の産生を阻害する。
2. プロスタノイドIP受容体を刺激して、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)産生を増加させる。
3. ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させる。
4. セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより、血小板内Ca2+濃度の上昇を抑制する。
5. ADP受容体のサブタイプであるP2Y12受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制する。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-262-263【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミド|matsunoya


実務

問 106-263|実務
■問題文|右つまさきや踵に潰瘍を認め、皮膚硬化の経過が思わしくないため入院治療を開始するにあたり、シクロホスファミドを処方することになったと医師より連絡があった。薬剤師が医師に対して提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. プレドニゾロン錠の減量・中止
2. プレドニゾロン錠の増量
3. シロスタゾール口腔内崩壊錠の増量
4. シロスタゾール口腔内崩壊錠の減量・中止
5. ベラプロストナトリウム錠の増量


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-262-263【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミド|matsunoya


■■GPT4o


■問 106-262|薬理

■論点|

この問題の論点は、抗血小板作用を示す薬物の作用機序を特定することです。


■解説1|

プロスタノイドIP受容体を刺激して、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)産生を増加させる。(選択肢2)[正しい]

  • ベラプロストナトリウムは、プロスタノイドIP受容体作動薬であり、血小板内のcAMPを増加させることで血小板凝集を抑制する。

  • cAMPの増加はプロテインキナーゼA(PKA)を活性化し、最終的に血小板の活性化を抑える作用を示す。

  • ベラプロストナトリウムは、強皮症における血流改善を目的として使用される。

ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させる。(選択肢3)[正しい]

  • シロスタゾールはホスホジエステラーゼⅢ(PDE3)を選択的に阻害し、血小板内のcAMP分解を抑制することでcAMPを増加させる。

  • これにより、血小板の活性化を抑制し、抗血小板作用を示す。

  • さらに、シロスタゾールは血管拡張作用も有するため、末梢血流を改善する目的で使用される。


■解説2|

  • プロスタノイドIP受容体作動薬(選択肢2)とホスホジエステラーゼⅢ阻害薬(選択肢3)は、いずれもcAMP経路を介して血小板凝集を抑制するという共通点を持つ。

  • cAMPは血小板の主要な抑制因子の1つであり、cAMPの増加によってPKAが活性化され、最終的に血小板の形態変化や凝集を抑える作用が発現する。

  • 強皮症の治療では、血流改善のために抗血小板薬が重要であり、本問の処方にはベラプロストナトリウム(選択肢2)とシロスタゾール(選択肢3)が含まれている。


■結論|

本問で問われている「処方薬の中で、抗血小板作用を示す薬物の機序として正しいもの」は、
✅ 選択肢2(プロスタノイドIP受容体作動)
✅ 選択肢3(ホスホジエステラーゼⅢ阻害)
の2つが正解である。


■補足|

トロンボキサン(TX)合成酵素を選択的に阻害することにより、TXA2の産生を阻害する。(選択肢1)[誤り]

  • TXA2は血小板凝集を促進する因子であり、これを阻害することで抗血小板作用を発揮する。

  • しかし、TXA2合成酵素を直接阻害する薬物は臨床的には一般的でなく、この作用機序を持つ薬は処方薬に含まれていない。

  • アスピリンはCOX阻害を介して間接的にTXA2産生を抑制するが、選択肢の記述とは異なる。

セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより、血小板内Ca2+濃度の上昇を抑制する。(選択肢4)[誤り]

  • 血小板のセロトニン5-HT2受容体は、血小板の活性化に関与するが、主要な抗血小板作用の標的とはならない。

  • 現在の臨床現場では、この作用機序を利用した抗血小板薬は広く使用されていない。

ADP受容体のサブタイプであるP2Y12受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制する。(選択肢5)[誤り]

  • P2Y12受容体遮断薬(例:クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル)は、ADPシグナルを阻害することで血小板の活性化を抑制する。

  • しかし、本問の処方にはP2Y12受容体遮断薬が含まれていないため、不適切である。


■問 106-263|実務

■論点|

この問題の論点は、シクロホスファミド導入時における副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)の適切な管理を特定することです。


■解説1|

プレドニゾロン錠の減量・中止(選択肢1)[正しい]

  • シクロホスファミドは免疫抑制作用を持つアルキル化剤であり、膠原病(全身性強皮症など)の治療に用いられる。

  • 既にプレドニゾロン(副腎皮質ステロイド)が投与されているが、シクロホスファミドの導入により免疫抑制作用が重複する可能性がある。

  • 免疫抑制の過剰は感染症のリスクを増大させるため、ステロイドの減量や中止が検討される。

  • ステロイドの急な中止は副腎不全(ステロイド離脱症候群)のリスクがあるため、慎重に減量する必要がある。


■解説2|

  • 全身性強皮症の治療では、免疫抑制剤(シクロホスファミドなど)と副腎皮質ステロイドが併用されることがあるが、感染リスク管理が重要。

  • シクロホスファミドは、DNAを架橋して細胞増殖を阻害するため、リンパ球の増殖を抑えることで免疫抑制作用を示す。

  • 副腎皮質ステロイドもリンパ球の機能を抑制し、抗炎症作用を示すが、長期使用により骨粗鬆症・糖尿病・感染症のリスクが上昇する。

  • シクロホスファミドの導入により、ステロイドの必要性が低下する可能性があるため、適宜減量が推奨される。
    ※エビデンスの観点からは、シクロホスファミド・プレドニゾロン併用療法の有効性が示されているので、厚生労働省の正答が間違っています。(※著者)


■結論|

選択肢1(プレドニゾロン錠の減量・中止)が最も適切な提案である。

  • シクロホスファミドの免疫抑制作用と重複を避けるため、ステロイドの減量が妥当。

  • 急激な中止は副腎不全のリスクがあるため、医師と相談しながら段階的に減量すべき。
    ※エビデンスの観点からは、シクロホスファミド・プレドニゾロン併用療法の有効性が示されているので、厚生労働省の正答が間違っています。(※著者)


■補足|

プレドニゾロン錠の増量(選択肢2)[誤り]

  • シクロホスファミドと併用する場合、免疫抑制作用の過剰による感染症リスクがあるため、ステロイドの増量は適切でない。

  • ステロイド増量は急性増悪時に考慮されるが、本症例では適応外。

シロスタゾール口腔内崩壊錠の増量(選択肢3)[誤り]

  • シロスタゾールは血小板凝集抑制作用と血管拡張作用を持つが、シクロホスファミド導入の影響を受ける薬剤ではない。

  • 潰瘍が悪化した際に血流改善のために増量を考慮することはあるが、本問の状況では優先されない。

シロスタゾール口腔内崩壊錠の減量・中止(選択肢4)[誤り]

  • シロスタゾールは強皮症に伴う血管閉塞の治療のために処方されており、減量・中止の必要性はない。

  • むしろ、血流改善のため継続が推奨される。

ベラプロストナトリウム錠の増量(選択肢5)[誤り]

  • ベラプロストナトリウムも血管拡張作用を持つが、シクロホスファミド導入と直接的な関連はない。

  • 増量の適応には末梢循環障害のさらなる悪化が確認される必要がある。


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薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, GPT4o, Copilot, and Grok 2|matsunoya


お疲れ様でした。
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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問262-263

一般問題(薬学実践問題)


【薬理、薬剤/実務】

■複合問題|問 106-262-263

Q. 50歳男性。身長165cm、体重65kg。膠原病として全身性強皮症と診断され、以下の処方で加療中である。
(処方)
プレドニゾロン錠|5mg|1回|4錠(1日4錠)|
1日1回 朝食後 21日分|
シロスタゾール口腔内崩壊錠|50mg|1回1錠(1日2錠)|
1日2回 朝夕食後 21日分|
ベラプロストナトリウム錠|20μg|1回|2錠(1日6錠)|
1日3回 朝昼夕食後 21日分|


薬理

問 106-262|薬理
■問題文|強皮症の治療には毛細血管閉塞の改善を目的として抗血小板薬が用いられる。処方薬の中で、抗血小板作用を示す薬物の機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. トロンボキサン(TX)合成酵素を選択的に阻害することにより、TXA2の産生を阻害する。
2. プロスタノイドIP受容体を刺激して、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)産生を増加させる。
3. ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させる。
4. セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより、血小板内Ca2+濃度の上昇を抑制する。
5. ADP受容体のサブタイプであるP2Y12受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制する。


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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-262-263【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミド|matsunoya


実務

問 106-263|実務
■問題文|右つまさきや踵に潰瘍を認め、皮膚硬化の経過が思わしくないため入院治療を開始するにあたり、シクロホスファミドを処方することになったと医師より連絡があった。薬剤師が医師に対して提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. プレドニゾロン錠の減量・中止
2. プレドニゾロン錠の増量
3. シロスタゾール口腔内崩壊錠の増量
4. シロスタゾール口腔内崩壊錠の減量・中止
5. ベラプロストナトリウム錠の増量


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薬学実践問題の論点解説一覧(第106回、第107回、第108回、第109回)です。
全50問 × 4回分(合計 200問)

薬学実践問題 2日目(1) 物理・化学・生物、衛生/実務

薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第106回薬剤師国家試験 全50問

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薬学実践問題 第107回薬剤師国家試験 全50問

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薬学実践問題 第108回薬剤師国家試験 全50問

薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第109回薬剤師国家試験 全50問


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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-262-263【薬理、薬剤/実務】論点:作用機序 / 相互作用 / 抗血小板薬 / シロスタゾール / ベラプロスト / 強皮症 / プレドニゾロン / シクロホスファミド|matsunoya

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