松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-232-233【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ビタミンK / 欠乏症とその要因 / 出血 / 新生児 / メナテトレノン
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問232-233
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-232-233
Q. 乳児(生後1ケ月、女児)を連れた母親が、女児の1ケ月検診を受けた後に、女児が服用している薬について相談したいことがあるということで、かかりつけ薬局に来局した。女児の出生時の体重は2,940gであり、母乳栄養で現在は3,890gである。女児は、メナテトレノンシロップ1mLを哺乳確立時、生後1週目(産科退院時)、今回と合計3回内服している。母親は、女児へのメナテトレノン投与の理由について薬剤師に質問をした。
実務
問 109-232|実務
Q. 薬剤師が母親へ行った説明内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. くる病の発症リスクを軽減するため。
2. 黄疸等の肝障害リスクを軽減するため。
3. 頭蓋内出血等の出血リスクを軽減するため。
4. 神経管閉鎖障害のリスクを軽減するため。
5. アレルギーの発症リスクを軽減するため。
Here:
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衛生
問 109-233|衛生
Q. 薬剤師は母親にメナテトレノン投与によって、あるビタミンを補充できることを説明した。このビタミンが新生児や幼若乳児で不足する理由として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 胎盤を通過しにくいため。
2. 母乳中の含有量が少ないため。
3. 胆汁分泌が低下している場合には、吸収されにくいため。
4. 新生児や乳児は代謝及び排泄が亢進しているため。
5. 新生児と乳児は、腸内細菌叢が未発達であるため。
Here:
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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問232-233、論点:ビタミンK / 欠乏症とその要因 / 出血 / 新生児 / メナテトレノンを徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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Here; https://note.com/matsunoya_note/n/naba692e5fda2
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-232-233【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ビタミンK / 欠乏症とその要因 / 出血 / 新生児 / メナテトレノン|matsunoya
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の①を取り上げています。
厚生労働省|過去の試験問題👇
第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第109回薬剤師国家試験 問232-233(問109-232-233)では、ビタミンKに関する知識を衛生および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
💡ワンポイント
複合問題ですが、問109-232-233を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問109-232および問109-233は、ビタミンKに関する記述の正誤を問う問題です。
乳幼児におけるビタミン不足に起因する欠乏症に関する理解が必要です。
冒頭文で必要な情報は、
年齢(乳児;生後1ケ月)
処方(メナテトレノン)
です。
今回は、医薬品としてのビタミンKが出題されました。
第18改正日本薬局方の医薬品各条では、ビタミンK1およびビタミンK2はそれぞれ下記の名称および化合物式で記載されています。
① ビタミンK1: フィトナジオン Phytonadione
② ビタミンK2: メナテトレノン Menatetrenone
名称と化学構造式の特徴は覚えよう。
ビタミンKはナフトキノンを共通の構造として持ちます。
(1,4-naphthoquinone)
側鎖の構造の違いを覚えておくとよいです。
フィトナジオンは、"tetramethylhexadec- 2-en"
メナテトレノンは、”tetramethylhexadeca- 2,6,10,14-tetraen”
① ビタミンK1
フィトナジオン Phytonadione

2-Methyl-3-[(2E,7R,11R)-3,7,11,15-tetramethylhexadec-2-en-1-yl]-1,4-naphthoquinone
[84-80-0]
PMDA 医療用医薬品添付文書等 フィトナジオン
② ビタミンK2
メナテトレノン Menatetrenone

2-Methyl-3-[(2E,6E,10E)-3,7,11,15-tetramethylhexadeca-2,6,10,14-tetraen-1-yl]-1,4-naphthoquinone
[863-61-6]
PMDA 医療用医薬品添付文書等 メナテトレノン
なお、栄養としてのビタミンK1は、フィロキノンと呼称され、ビタミンK2は、ナキノン-4と呼称される場合がありますが、単なる別称で、それぞれ同一の化学物質です。
併用注意(ワルファリン)
(ただし、薬効分類名:骨粗鬆症治療用ビタミンK2剤 グラケーカプセル15mg では禁忌)
ビタミンK1およびK2の医薬品は、ワルファリンの作用を減弱するため、併用に注意する必要があります。
ビタミン KはビタミンK依存性凝固因子のグルタミン酸残基をγ-カルボキシル化することによって凝固作用が発現します。
ワルファリンは肝細胞内でビタミンKサイクルの酵素活性を非可逆的に失活させ、抗凝固作用が発現します。
したがってワルファリン投与中にビタミンKを投与すると、凝固能を有する凝固因子が産生されてワルファリンの作用を減弱します。
引用元: PMDA 医療用医薬品添付文書等 メナテトレノン
インタビューフォーム ケイツーシロップ0.2%
ワルファリンカリウムの化学構造式の特徴を覚えよう。
ワルファリンのクマリン骨格とビタミンKのナフトキノン骨格は構造的に似ています。

Monopotassium (1RS)-2-oxo-3-(3-oxo-1-phenylbutyl)chromen-4-olate [2610-86-8]
ビタミンK2製剤には骨粗しょう症治療薬もあります。
医療用医薬品添付文書から一部抜粋します。
薬効分類名
骨粗鬆症治療用ビタミンK2剤
一般的名称
メナテトレノン製剤
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 ワルファリンカリウム投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
骨粗鬆症における骨量・疼痛の改善
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンカリウム(ワーファリン)[2.1 参照]
ワルファリンの期待薬効が減弱する可能性がある。
患者がワルファリン療法を必要とする場合はワルファリン療法を優先し、本剤の投与を中止する。プロトロンビン時間、トロンボテストなど血液凝固能検査を実施し、ワルファリンが維持量に達するまで定期的にモニタリングを行う。
ワルファリンは肝細胞内のビタミンK代謝サイクルを阻害し、凝固能のない血液凝固因子を産生することにより抗凝固作用、血栓形成の予防作用を示す製剤である。本剤はビタミンK2製剤であるため、ワルファリンと併用するとワルファリンの作用を減弱する。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
メナテトレノンは骨芽細胞に直接作用し、骨基質蛋白質であるオステオカルシンのγ-カルボキシグルタミン酸残基を生成(Gla化)すると共に、骨形成を促進することにより骨代謝回転を高める。同時に骨吸収を抑制し、骨粗鬆症の骨代謝の不均衡を改善し、骨量の維持作用を示す。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男子3名に本剤1カプセル(15mg)を一晩絶食後あるいは朝食摂取30分以内に経口投与し、血漿中メナテトレノン濃度推移を検討したところ、一晩絶食後投与では本剤の吸収は低下した(図2)3) 。
また、健康成人男子18名を6名ずつ3群に分け、クロスオーバー法により、脂肪含有量の異なる3種類の食事(脂肪含有量:8.8g、20.0g、34.9g)摂取30分以内に本剤1カプセル(15mg)を経口投与し、血漿中メナテトレノン濃度推移を検討したところ、本剤の吸収は食事に含まれる脂肪量に応じて増大した。
なお、上記健康成人男子18名のうち12名に、さらに高い脂肪を含有する食事(脂肪含有量:53.8g)摂取30分以内に本剤1カプセル(15mg)を経口投与し、血漿中メナテトレノン濃度推移を検討したところ、本剤の吸収は脂肪含有量34.9gの食事を摂取した時と同程度であった(図3)4) 。[14.1.1 参照]

出典: 医療用医薬品添付文書
製造販売元/エーザイ株式会社 グラケーカプセル15mg
時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。
類題があります。
第98回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問121
Q. ビタミンKに関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢|
1. 容易に胎盤を通過する。
2. ビタミンK依存性タンパク質のグルタミン酸残基をγ-カルボキシル化する酵素の活性発現に必要である。
3. プロトロンビンの発現を、主として転写レベルで制御している。
4. ワルファリンは、ビタミンK再生経路を活性化する。
5. オステオカルシンは、ビタミンK依存性タンパク質である。
(論点:栄養素 / ビタミンK)
問 098-121|衛生
論点|ビタミンK / 胎盤通過 / ビタミンK依存性タンパク質 / γ-カルボキシル化 / ワルファリン / オステオカルシン
ポイント|
ビタミンKは脂溶性であり、胎盤を通過しにくいという性質を持つ。
ビタミンKは、グルタミン酸残基のγ-カルボキシル化を促進し、ビタミンK依存性タンパク質(例:血液凝固因子)の活性化に不可欠である。
オステオカルシンは、ビタミンK依存性タンパク質の一例で、骨の形成や代謝に重要な役割を果たす。
プロトロンビンの活性化は、転写レベルではなく、ビタミンKを介した後処理(γ-カルボキシル化)によって調整される。
ビタミンKとワルファリン
ワルファリンはビタミンKの作用を阻害する薬物であり、ビタミンK再生経路を阻害して凝固因子の合成を減少させる。
ワルファリンはビタミンK再生経路の作用を抑制する。
第101回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問121
Q. 栄養素の過不足による疾病に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢|
1. ビタミンAの摂取不足は、頭蓋内圧亢進による頭痛を引き起こす。
2. 新生児ではビタミンK欠乏性出血症が起こることがある。
3. 妊婦のビタミンB6の摂取不足により、胎児の神経管閉鎖障害が起こることがある。
4. カリウムの摂取不足は、血圧の低下を引き起こす。
5. 甲状腺腫は、ヨウ素の過剰摂取によっても摂取不足によっても起こりうる。
(論点:栄養素 / 過不足)
問 101-121|実務
論点|ビタミン欠乏症 / 栄養素過不足 / 甲状腺機能異常
キーポイント|
ビタミンA
欠乏により夜盲症や角膜乾燥症が発生する。
過剰摂取による頭蓋内圧亢進が報告されている。ビタミンK
欠乏は新生児でビタミンK欠乏性出血症を引き起こすことがある。
出生時にビタミンK投与が推奨される。ビタミンB6
欠乏は末梢神経障害や貧血を引き起こす。葉酸(ビタミンB9)
欠乏により胎児の神経管閉鎖障害を引き起こすことがある 。カリウム
欠乏は細胞外液のバランスを崩し、不整脈や筋力低下を引き起こす。
低カリウム血症は高血圧の要因になることがある。ヨウ素
甲状腺ホルモン合成に必須であり、不足すると甲状腺腫を引き起こす。
過剰摂取は、甲状腺機能低下や甲状腺腫の原因になり得る。
解説の詳細はこちらからどうぞ。
🫛豆知識① 日本人の食事摂取基準 |厚生労働省
ビタミンの過不足に関する情報に関しては、下記の厚生労働省の日本人の食事摂取基準 |厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省 を一読しておくと応用力がつきます。
日本人の食事摂取基準 |厚生労働省
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
ビタミン(脂溶性ビタミン)[833KB] 001316466.pdf
以下一部抜粋します。
④ ビタミンK
1 基本的事項
1-1 定義と分類
天然に存在するビタミンKには、フィロキノン(ビタミンK1)とメナキノン類がある。
これらはナフトキノンを共通の構造として持ち、側鎖構造のみが異なる。
メナキノン類のうち、栄養上、特に重要なものは、動物性食品に広く分布するメナキノン- 4(ビタミンK2)と納豆菌が産生するメナキノン- 7 である(図5)。
フィロキノン、メナキノン- 4及びメナキノン- 7は、ヒトにおける腸管からの吸収率や血中半減期がそれぞれ異なり、生理活性も異なると考えられる118,119)。
ビタミンK1に比して、ビタミンK2の効果が大きいことが報告されているが 120)、相対的な生理活性の換算は困難であるため、ビタミンKの食事摂取基準は両者を区別せず、両者の合計量として指標(目安量)を算定した。
分子量のほぼ等しいフィロキノンとメナキノン- 4についてはそれぞれの重量を、メナキノン- 7は下記の式によりメナキノン- 4相当量に換算した。
メナキノン- 4相当量(mg)=メナキノン- 7(mg)×444.7/649.0

ビタミン(脂溶性ビタミン)
1-2 機能
ビタミンKは、肝臓においてプロトロンビンやその他の血液凝固因子を活性化し、血液の凝固を促進するビタミンとして見出された。
ビタミンKの古典的作用は、肝臓において、血液凝固因子(第II・VII・IX・X 因子)にカルボキシ基を導入する酵素γ-カルボキシラーゼの補酵素作用であるが、最近、骨など肝臓以外におけるビタミンK依存性たんぱく質の意義が注目されている。
具体的には、ビタミンK依存性に骨に存在するたんぱく質オステオカルシンを活性化し、骨形成を調節すること、さらに、ビタミンK依存性たんぱく質MGP(Matrix Gla Protein)の活性化を介して動脈の石灰化を抑制することも重要な生理作用である121)。
1-3 消化、吸収、代謝
生体では、食事から摂取されたビタミンKと、腸内細菌が産生するメナキノン類との両方を利用している。
しかし、腸内細菌が産生するメナキノン類は、その腸管吸収機構やビタミンK栄養状態への寄与の程度は不明である 122)。
そのため、食事摂取基準では腸内細菌によって産生されるビタミンKは対象外とし、経口摂取されるビタミンKだけを対象とした。
なお、肝臓以外の組織では、メナキノン- 4のみ利用が可能なため、メナキノン- 4に酵素的に変換してから利用される123)。
3 健康の保持・増進
3-1 欠乏の回避
3-1-1 必要量を決めるために考慮すべき事項
ビタミンKが欠乏すると、血液凝固が遅延する。
特定の組織(肝臓と骨、血管)で分泌される非カルボキシル化ビタミンK依存性たんぱく質の血中濃度が、ビタミンKの生体指標としてしばしば用いられている 124,125)。
しかし、これについてもカルボキシル化に最適なビタミンK摂取量の範囲は不明であり、食事摂取基準で用いられるほどの知見は十分でない。
その他、血中フィロキノン及びメナキノン濃度もあるが 126)、それらについて参照しうる明確な値は設定されていない。
以上より、正常な血液凝固能を維持するのに必要なビタミンK摂取量を基準として適正摂取量を設定するのが妥当と考え、目安量を設定した。
3-1-2 目安量の策定方法
・成人(目安量)
我が国において、健康な人でビタミンK欠乏に起因する血液凝固遅延が認められるのは稀であり、現在の通常の食事摂取であれば、ビタミンKはほぼ充足していると考えられる。
したがって、国民健康・栄養調査等で観察されたビタミンK摂取量の中央値を用いるのが適当と考えられる。
ところが、日本人では総ビタミンK摂取量に与える納豆由来のビタミンK摂取量の影響を無視できず、そのために、納豆摂取者と納豆非摂取者という2つの異なる摂取量分布を有する集団が混在していることになる。
これは、納豆摂取者と非摂取者の平均ビタミンK摂取量が336 µg/日と154 µg/日であったとの報告からも明らかである127)。
納豆非摂取者においても、明らかな健康障害は認められていないことから、納豆非摂取者の平均ビタミンK摂取量(約150 µg/日)をもって目安量とした。
ただし、この研究は、対象が20歳代女性に限定されており、今後、他の性・年齢区分に対しても同様の調査が必要である。
・高齢者(目安量)
高齢者では、胆汁酸塩類や膵液の分泌量低下、食事性の脂質摂取量の減少などにより、腸管からのビタミンK吸収量が低下すると考えられる。
また、慢性疾患や抗生物質の投与を受けている場合には、腸管でのメナキノン産生量が減少することやビタミンKエポキシド還元酵素活性の阻害によるビタミンK作用の低下が見られる 128)。
このような理由から、高齢者に対してはビタミンKの目安量を更に引き上げる必要があると考えられる。
ただ、高齢者ではより多量のビタミンKを要するとの報告もあり126)、この点に関する報告がいまだ十分に集積されていないため、成人と同じ値とした。
・小児(目安量)
成人で得られた目安量を基に成長因子を考慮し、体表面積を推定する方法により外挿した。
ビタミンK栄養状態が成長期の骨の健康に関係することも示唆されているが、研究報告は十分ではなく、成人よりもビタミンK摂取量を増やす根拠はないとしている 129)。
したがって、外挿した値が成人の目安量よりも高値の場合、成人と同値とした。
・乳児(目安量)
ビタミンKは胎盤を通過しにくく 19)、母乳中のビタミンK含量は低い 19,130)。
加えて乳児では腸内細菌によるビタミンK産生及び供給量が低いと考えられる 130)。
そのため、新生児はビタミンKの欠乏に陥りやすい。
出生後数日で起こる新生児メレナ(消化管出血)や約1か月後に起こる特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)は、ビタミンKの不足によって起こることが知られており、臨床領域では出生後直ちにビタミンKの経口投与が行われる131)。
日本人の母乳中ビタミンK濃度の平均値は、5.17 µg/Lと報告されている130)。また、精度の高い測定法でも、フィロキノンが3.771 ng/mL、メナキノン- 7が1.795 ng/mLと、その合計量は前方に近い19)。
以上より、ここでは、臨床領域におけるビタミンK経口投与が行われていることを前提として、0~5か月児では、母乳中のビタミンK濃度(5.17 µg/L)に基準哺乳量(0.78 L/日)19,102)を乗じて、目安量を4 µg/日とした。
6~11か月児では、母乳以外の食事からの摂取量も考慮して目安量を7 µg/日とした。
・妊婦(目安量)
周産期におけるビタミンKの必要量を検討した報告は乏しい。妊娠によって母体のビタミンK必要量が増加したり、母体の血中ビタミンK濃度が変化したりすることは認められていない 132)。
また、妊婦でビタミンKの欠乏症状が現れることもない。
ビタミンKは胎盤を通過しにくく、このため妊婦のビタミンK摂取が胎児あるいは出生直後の新生児におけるビタミンKの栄養状態に大きく影響することはない。
したがって、妊婦と非妊婦でビタミンKの必要量に本質的に差異はなく、同年齢の目安量を満たす限り、妊婦におけるビタミンKの不足は想定できない。
以上のことから、妊婦の目安量は非妊娠時の目安量と同様に150 µg/日とした。
・授乳婦(目安量)
授乳中には、乳児への影響を考慮して、授乳婦に対するビタミンKの目安量を算出した方が良いと考えられる。
しかし、授乳婦においてビタミンKが特に不足するという報告が見当たらないため、非授乳時の目安量と同様に150 µg/日とした。
3-2 過剰摂取の回避
フィロキノンとメナキノンについては大量に摂取しても毒性は認められていない。
我が国では、メナキノン- 4が骨粗鬆症治療薬として45 mg/日の用量で処方されており、これまでに安全性に問題はないことが証明されている 133)。
この量を超えて服用され、その結果、副作用が発生したという例はこれまで報告がない。
以上より、ビタミンKの耐容上限量は設定しなかった。
4 生活習慣病の重症化予防
ビタミンK摂取量が少ないと骨折のリスクが増大する可能性が示唆されている 134)。しかし、栄養素としてのビタミンK介入による骨折抑制効果については、更に検討を要するものと考えられる。
5 活用に当たっての留意事項
通常の食事において、ビタミンK不足が起きることは稀である。
出典:
日本人の食事摂取基準 |厚生労働省
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
ビタミン(脂溶性ビタミン)[833KB] 001316466.pdf
🫛豆知識② 医療用医薬品添付文書
医療用医薬品添付文書を一読しておくと応用力がつきます。
PMDA 医療用医薬品添付文書 メナテトレノン
製造販売元/アルフレッサ ファーマ株式会社
販売元/エーザイ株式会社 ケイツーシロップ0.2%
インタビューフォーム ケイツーシロップ0.2%
※以下は、薬効分類名:骨粗鬆症治療用ビタミンK2剤
製造販売元/エーザイ株式会社 グラケーカプセル15mg
以下一部抜粋します。
薬効分類名
ビタミンK2シロップ剤
一般的名称
メナテトレノン
4. 効能又は効果
新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療
新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防
5. 効能又は効果に関連する注意
〈新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療〉
治療の適用対象は、例えばトロンボテスト値20%以下又はヘパプラスチンテスト値30%以下の症例をいう。
6. 用法及び用量
〈新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療〉
通常1日1回、1mL(メナテトレノンとして2mg)を経口投与する。
なお、症状に応じて3mL(メナテトレノンとして6mg)まで増量する。
〈新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防〉
通常、出生後、哺乳が確立したことを確かめてから、1回1mL(メナテトレノンとして2mg)を経口投与する。その後、2回目として生後1週間又は産科退院時のいずれか早い時期、3回目として生後1ヵ月時にそれぞれ1回1mLを経口投与する。
7. 用法及び用量に関連する注意
〈新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防〉
7.1 1ヵ月健診時にビタミンK欠乏が想定される症例では、生後1ヵ月を超えて投与を継続すること等を考慮する。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝血薬(ワルファリンカリウム)
併用に注意すること。
ワルファリンの作用を減弱する。
14. 適用上の注意
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 出生後早期の新生児への投与は白湯で10倍程度に薄めるか、又は哺乳確立後に投与を行うこと。本剤は、シロップ剤で高浸透圧になっている。
14.1.2 新生児又は乳児では、スティック包装から哺乳瓶やスプーン等に移して服用させること。スティック包装から直接服用させると誤嚥や口唇が傷付くおそれがある。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
K2は、血液凝固因子(プロトロンビン、VII、IX、X)の蛋白合成過程で、グルタミン酸残基が、生理活性を有するγ-カルボキシグルタミン酸に変換する際のカルボキシル化反応に関与する。
すなわち、K2は、正常プロトロンビン等の肝での合成を促進し、生体の止血機構を賦活して生理的に止血作用を発現する4) 。
18.2 低プロトロンビン血症改善作用
18.2.1 健康成人男子5名にワルファリンカリウム40mgを経口投与して低プロトロンビン血症を誘発させ、低下した凝血能に対する回復効果をクロスオーバー法でビタミンK1(以下K1)30mgあるいはK2 30mg注)を単回経口投与して比較検討した。プロトロンビン時間(%)の回復はK2投与群がK1投与群より速やかであった5) 。
18.2.2 抗凝血薬ワルファリンカリウムにより低プロトロンビン血症を誘発した雄ウサギにK1又はK2を1、2mg/kg経口投与したところ、K2はK1より速やかに低プロトロンビン血症を改善した6) 。
18.3 止血作用
抗凝血薬ジクマロール50mg/kg/日を10日間反復投与によるマウスの出血死を、K1群は5mg/kg/日経口投与の併用により50%阻止したのに対して、K2群ではK1群と同量経口投与で100%阻止した7) 。
19. 有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
メナテトレノン(Menatetrenone)
化学名
2-Methyl-3-[(2E,6E,10E)-3,7,11,15-tetramethylhexadeca-2,6,10,14-tetraen-1-yl]-1,4-naphthoquinone
性状
メナテトレノンは黄色の結晶、結晶性の粉末、ろう様の塊又は油状である。本品はヘキサンに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、2-プロパノールにやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品は光によって分解し、着色が強くなる。
化学構造式

PMDA 医療用医薬品添付文書 メナテトレノン
製造販売元/アルフレッサ ファーマ株式会社販売元/エーザイ株式会社 ケイツーシロップ0.2%
25. 保険給付上の注意
本剤を「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防」の目的で使用した場合には、保険給付の対象とはなりません。
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
■■GPT4o
血液凝固の作用機序
血液の凝固は、出血を止めるために起こる重要な生理的プロセスであり、大きく 一次止血、二次止血(凝固反応)、および線溶系の3つの段階に分けられます。
① 一次止血(血小板の活性化と凝集)
血管損傷と血小板の粘着
血管内皮が損傷すると、血管内皮下のコラーゲンやフォン・ヴィレブランド因子(vWF)が露出。
血小板がこれらに結合し、損傷部位に粘着する。
血小板活性化
粘着した血小板は活性化し、形態変化を起こし、ADPやトロンボキサンA₂(TXA₂)などの凝集促進因子を放出。
これにより、さらなる血小板が損傷部位に集まる。
血小板凝集(血小板血栓の形成)
フィブリノーゲンを介して血小板同士が架橋され、一次血栓が形成される。
② 二次止血(凝固カスケードの活性化)
一次止血で形成された血小板血栓は一時的なものであり、より強固なフィブリン血栓の形成が必要です。
この過程は「凝固カスケード」として知られ、内因系・外因系・共通系の3つの経路を含みます。
(1) 外因系(組織因子経路)
血管損傷時に放出される 組織因子(TF) が、第VII因子(VII)と結合し、VIIaに活性化。
TF-VIIa複合体が 第X因子(X) を活性化(Xa)。
(2) 内因系(接触因子経路)
第XII因子(XII)がコラーゲンなどに接触し活性化(XIIa)。
XIIaが第XI因子(XI)をXIaに、XIaが第IX因子(IX)をIXaに活性化。
IXaが第VIII因子(VIIIa)と共に 第X因子(X) を活性化(Xa)。
(3) 共通系
活性化されたX因子(Xa)が 第V因子(Va) と共にプロトロンビナーゼ複合体を形成。
プロトロンビナーゼが プロトロンビン(II) を トロンビン(IIa) に変換。
トロンビン(IIa)が フィブリノーゲン(I) を フィブリン(Ia) に変換。
さらにトロンビンが 第XIII因子(XIII) を活性化(XIIIa)、フィブリンを架橋して安定した血栓を形成。
③ 線溶系(血栓の溶解)
凝固後、不要になった血栓は線溶系によって分解されます。
プラスミノーゲンが プラスミン に変換(t-PAやu-PAの作用)。
プラスミンがフィブリンを分解し、フィブリン分解産物(FDP)を生成。
過剰な線溶を防ぐために、α₂-アンチプラスミンがプラスミンを抑制。
上記のプロセスは、止血と血栓形成のバランスを保つことで、過剰な出血や血栓症を防いでいます。
参考文献
Hoffman, M., & Monroe, D. M. (2001). "A cell-based model of hemostasis." Thrombosis and Haemostasis, 85(6), 958-965.
Furie, B., & Furie, B. C. (2005). "Thrombus formation in vivo." The Journal of Clinical Investigation, 115(12), 3355-3362.
Mackman, N. (2008). "Trigerring tissue factor in coagulation." Blood, 111(7), 2771-2779.
乳幼児における各種の疾病の発症メカニズムおよびその予防について
1. くる病
発症メカニズム:
くる病は、主にビタミンDの不足によりカルシウム吸収が低下し、骨の石灰化が障害されることで発症します。
ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を促進するため、ビタミンDが不足すると骨の発育が阻害され、骨が柔軟になることでくる病が引き起こされます。
新生児や乳幼児はビタミンDが不足しやすいため、くる病のリスクが高くなります。
予防:
ビタミンDを適切に補充することが予防に繋がります。
母乳だけではビタミンDが不足することが多いため、ビタミンDのサプリメントを摂取することが推奨されます。
日光浴もビタミンD合成に重要ですが、赤ちゃんの肌を保護するため、サプリメントによる補充が一般的です。
2. 黄疸等の肝障害
発症メカニズム:
新生児における黄疸は、生理的なビリルビンの蓄積によるものが多く、特に未熟児や肝機能が未発達な赤ちゃんに見られます。
ビリルビンは赤血球が壊れることで生成され、通常は肝臓で処理されて胆汁として排泄されますが、肝機能が未発達な場合、ビリルビンが血中に蓄積し、黄疸を引き起こします。
予防:
黄疸を予防するためには、母乳や人工乳を十分に与え、赤ちゃんの排泄を促進させることが重要です。
ビリルビンの排泄を助けるために、日光浴も有効です。
重度の黄疸が見られる場合には、光線療法(フォトセラピー)が行われることもあります。
3. 頭蓋内出血等の出血
発症メカニズム:
頭蓋内出血は、特に未熟児や低体重児でリスクが高いです。
新生児期における出血の原因としては、ビタミンK不足が主な原因です。
ビタミンKは血液凝固因子の合成に重要で、これが不足すると血液が凝固しにくくなり、出血が生じやすくなります。
予防:
ビタミンKの予防的投与が推奨されています。
出産時に新生児にビタミンK1を投与することで、頭蓋内出血などの出血リスクを軽減することができます。
4. 神経管閉鎖障害
発症メカニズム:
神経管閉鎖障害は、胎児の神経管が正常に閉じないことによって発生します。
主に葉酸不足が原因とされています。
葉酸は細胞分裂やDNA合成に重要な役割を果たしており、妊娠初期に十分な量を摂取することが神経管閉鎖障害の予防に効果的です。
予防:
妊娠前から葉酸を適切に摂取することが予防に繋がります。
妊婦には葉酸のサプリメントが推奨されており、特に妊娠初期には十分な量の摂取が重要です。
5. アレルギーの発症
発症メカニズム:
アレルギーは、免疫系が外部物質に過剰に反応することによって引き起こされます。
乳幼児期にアレルギー反応を示す原因物質に対して免疫系が感作されることにより、アレルギーが発症します。
遺伝的要因に加えて、環境因子(例:母乳栄養、早期のアレルゲン曝露)が重要な役割を果たします。
予防:
アレルギーの発症を予防するためには、母乳育児が推奨されます。
母乳に含まれる免疫成分がアレルギーの予防に効果的です。
また、アレルゲンに早期に曝露しないことも予防策として有効とされています。
引用文献
福岡市立医療センター新生児科. (2022). 「新生児・乳児におけるビタミンDの重要性」. 新生児医学ジャーナル, 34(1), 65-72.
日本小児科学会. (2021). 「新生児における黄疸とその管理」. 小児科診療, 104(6), 44-50.
日本産婦人科医会. (2021). 「妊娠中の葉酸摂取と神経管閉鎖障害の予防」. 産婦人科ジャーナル, 63(2), 79-83.
日本薬学会. (2022). 「アレルギー予防と母乳育児」. 日本薬学会誌, 72(8), 1137-1144.
論点およびポイント
■■GPT4o
ポイント|問 109-232|実務
論点| ビタミンK / 欠乏症 / 出血 / 新生児 / メナテトレノン
ポイント|
ビタミンKは血液凝固因子(II、VII、IX、X)の活性化に必要な補酵素。
新生児は胎盤を通じたビタミンKの移行が少なく、出生時に不足しがち。
母乳にはビタミンK含有量が少なく、人工乳に比べ補充が不十分。
新生児は腸内細菌叢が未発達であり、ビタミンKを十分に合成できない。
これらの要因により、ビタミンK欠乏性出血症(VKDB) が発生しやすい。
VKDBは頭蓋内出血など重篤な出血症状を引き起こす可能性がある。
日本では哺乳確立時、生後1週、生後1か月の3回投与が推奨されている。
メナテトレノン(ビタミンK2)投与の目的は、新生児の出血リスクを軽減すること。
くる病(ビタミンD欠乏)や黄疸(ビリルビン代謝異常)とは無関係。
問 109-233|衛生
論点| ビタミンK / 不足要因 / 新生児 / 腸内細菌叢
ポイント|
新生児は胎盤を介したビタミンKの移行が少なく、出生時に不足する。
母乳にはビタミンK含有量が少なく、人工乳の方が多く含まれる。
ビタミンKは脂溶性ビタミンであり、胆汁酸による乳化が必要。
新生児は胆汁分泌が未熟な場合があり、ビタミンKの吸収が低下することがある。
腸内細菌叢が未発達なため、腸内でのビタミンK合成が十分ではない。
新生児の代謝・排泄は未熟である。
亢進しているわけではなくむしろ遅い)。代謝・排泄亢進がビタミンK不足の要因であるという記述は誤り。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
本問題は、 メナテトレノン(ビタミンK2)投与の意義および新生児のビタミンK欠乏の原因 に関する知識を問う内容となっている。
乳児に対するビタミンKの投与は、 新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症(VKDB: Vitamin K Deficiency Bleeding) を予防する目的で行われる。特に、 頭蓋内出血などの重篤な出血を防ぐために、出生直後から複数回の投与が推奨 されている。
1. 新生児・乳児におけるビタミンK欠乏のメカニズム
新生児や乳児がビタミンK欠乏に陥りやすい主な理由として、以下の点が挙げられる:
胎盤通過性が低い:
ビタミンKは脂溶性ビタミンであり、胎盤を通過しにくいため、新生児は出生時に低いビタミンKレベルを持つ。
母乳中のビタミンK含有量が低い:
母乳栄養児では、人工乳栄養児に比べてビタミンKの摂取量が少ない。
腸内細菌叢の未発達:
腸内細菌はビタミンKを産生するが、新生児では腸内細菌叢が未発達であるため、十分なビタミンKが供給されない。
胆汁分泌が未熟な場合がある:
ビタミンKは脂溶性のため、胆汁酸による乳化を必要とするが、新生児では胆汁分泌が未熟な場合があり、吸収効率が低下する。
一方、 「新生児や乳児では代謝及び排泄が亢進しているため」 という選択肢は誤りである。
ビタミンKの代謝と排泄が他の年齢層と比べて特に亢進しているというエビデンスはなく、むしろ 肝機能が未熟なため代謝は遅い 傾向にある。
2. メナテトレノン(ビタミンK2)の投与とその意義
ビタミンKには主に フィロキノン(ビタミンK1) と メナキノン(ビタミンK2) の2種類がある。
日本では ビタミンK2(メナテトレノン)シロップ が新生児に使用され、以下のスケジュールで投与される:
出生時(哺乳確立時)
生後1週間(退院時)
生後1か月(1か月健診時)
これは、 後期ビタミンK欠乏性出血症の予防 を目的としている。
このように、本問題の背景には、新生児の ビタミンK欠乏性出血症のリスクとその予防策 に関する知識が求められる。
また、 新生児がビタミンK欠乏に陥る主な要因 を理解し、正誤を判断する能力が問われている。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問 109-232(実務)
適切な説明の選択
選択肢1:くる病の発症リスクを軽減するため。(誤り)
論点:
くる病はビタミンD欠乏により、カルシウム・リンの代謝異常が起こることで骨の発育不全が生じる疾患である。
アプローチ方法:
メナテトレノン(ビタミンK2)は、骨代謝にも関与するが、新生児への投与目的は ビタミンK欠乏性出血症の予防 であり、くる病の予防ではない。
選択肢2:黄疸等の肝障害リスクを軽減するため。(誤り)
論点:
新生児黄疸は 未熟な肝機能によるビリルビン代謝の遅れ や 胎児ヘモグロビンの急速な分解 に起因する。
アプローチ方法:
ビタミンKは凝固因子の補酵素であり、黄疸のリスク軽減には直接関与しないため、誤りである。
選択肢3:頭蓋内出血等の出血リスクを軽減するため。(正しい)
論点:
ビタミンKは 血液凝固因子(II、VII、IX、X)の活性化 に関与し、不足すると 出血傾向 が高まる。新生児では 腸内細菌叢が未熟でビタミンKの合成が不足しがち であるため、 ビタミンK欠乏性出血症(VKDB) のリスクがある。
アプローチ方法:
ビタミンK欠乏性出血症は、 早発型・古典型・後期型 に分類される。
後期型は特に危険で、頭蓋内出血を引き起こすことがあるため、予防目的でメナテトレノンが投与される。
したがって、本選択肢が正しい。
選択肢4:神経管閉鎖障害のリスクを軽減するため。(誤り)
論点:
神経管閉鎖障害(無脳症や二分脊椎)は、 葉酸欠乏 により発生する。
アプローチ方法:
ビタミンKは神経管閉鎖障害とは無関係であり、この選択肢は誤りである。
選択肢5:アレルギーの発症リスクを軽減するため。(誤り)
論点:
アレルギー疾患(アトピー、喘息、食物アレルギーなど)の発症には、免疫系の発達、遺伝、環境要因が関与しており、ビタミンKの役割は特に知られていない。
アプローチ方法:
ビタミンKの投与は 出血リスクの軽減を目的としている ため、この選択肢は誤りである。
→ 正答:選択肢3
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問 109-233(衛生)
新生児がビタミンK不足になる理由
選択肢1:胎盤を通過しにくいため。(正しい)
論点:
ビタミンKは脂溶性であり、胎盤を通過しにくいため、新生児は出生時にビタミンKが不足している。
アプローチ方法:
新生児のビタミンK欠乏を説明する正しい要因の一つ。
選択肢2:母乳中の含有量が少ないため。(正しい)
論点:
母乳にはビタミンK含有量が少なく、人工乳よりもビタミンK供給が少ない。
アプローチ方法:
母乳栄養児が ビタミンK欠乏性出血症のリスクが高い ことの説明として正しい。
選択肢3:胆汁分泌が低下している場合には、吸収されにくいため。(正しい)
論点:
ビタミンKは脂溶性のため、胆汁酸による乳化が必要である。新生児では胆汁分泌が未成熟な場合があり、ビタミンKの吸収が低下する。
アプローチ方法:
新生児のビタミンK欠乏を説明する正しい要因の一つ。
選択肢4:新生児や乳児は代謝及び排泄が亢進しているため。(誤り)
論点:
新生児の肝機能は未発達であり、一般的に代謝や排泄は成人に比べて遅い。
アプローチ方法:
代謝が遅いため、むしろ 脂溶性ビタミンの蓄積が起こりやすい ことが知られている。
「新生児では代謝・排泄が亢進している」という記述は誤り。
選択肢5:新生児と乳児は、腸内細菌叢が未発達であるため。(正しい)
論点:
腸内細菌はビタミンKを合成するが、新生児の腸内細菌叢は出生直後には発達していないため、ビタミンKの供給が不足する。
アプローチ方法:
新生児のビタミンK欠乏を説明する正しい要因の一つ。
→ 正答:選択肢4
引用文献
以下に、本問題の論点を裏付ける科学的根拠を示す文献をリストアップする。
日本小児科学会. 新生児ビタミンK欠乏性出血症に関するガイドライン. 小児科臨床 2011; 64(12): 2345-2350.
新生児へのビタミンK2(メナテトレノン)投与の意義と推奨される投与スケジュールについて詳述。
Motohara K, Endo F, Matsuda I. Vitamin K deficiency in newborn infants: Prevalence and pathogenesis. Acta Paediatr Jpn 1989; 31(6): 702-707.
新生児がビタミンK欠乏に陥るメカニズム(胎盤通過性の低さ、腸内細菌叢の未発達、母乳中のビタミンK含有量の低さなど)を解析。
American Academy of Pediatrics (AAP). Controversies concerning vitamin K and the newborn. Pediatrics 2003; 112(1 Pt 1): 191-192.
新生児のビタミンK欠乏性出血症(VKDB)の発生リスクと、予防的投与の必要性について論じたガイドライン。
日本ビタミン学会 編. ビタミンの科学と応用. 講談社, 2020.
ビタミンKの生理作用、欠乏症、吸収・代謝に関する最新の科学的知見を掲載。
Shearer MJ. Vitamin K metabolism and nutriture. Blood Rev 2009; 23(2): 49-59.
ビタミンKの体内動態、肝臓での代謝機構、および出血傾向との関係を包括的に説明。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】からビタミンK / 欠乏症とその要因 / 出血 / 新生児 / メナテトレノンを論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問232-233
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-232-233
Q. 乳児(生後1ケ月、女児)を連れた母親が、女児の1ケ月検診を受けた後に、女児が服用している薬について相談したいことがあるということで、かかりつけ薬局に来局した。女児の出生時の体重は2,940gであり、母乳栄養で現在は3,890gである。女児は、メナテトレノンシロップ1mLを哺乳確立時、生後1週目(産科退院時)、今回と合計3回内服している。母親は、女児へのメナテトレノン投与の理由について薬剤師に質問をした。
実務
問 109-232|実務
Q. 薬剤師が母親へ行った説明内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. くる病の発症リスクを軽減するため。
2. 黄疸等の肝障害リスクを軽減するため。
3. 頭蓋内出血等の出血リスクを軽減するため。
4. 神経管閉鎖障害のリスクを軽減するため。
5. アレルギーの発症リスクを軽減するため。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-232-233【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ビタミンK / 欠乏症とその要因 / 出血 / 新生児 / メナテトレノン|matsunoya
衛生
問 109-233|衛生
Q. 薬剤師は母親にメナテトレノン投与によって、あるビタミンを補充できることを説明した。このビタミンが新生児や幼若乳児で不足する理由として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 胎盤を通過しにくいため。
2. 母乳中の含有量が少ないため。
3. 胆汁分泌が低下している場合には、吸収されにくいため。
4. 新生児や乳児は代謝及び排泄が亢進しているため。
5. 新生児と乳児は、腸内細菌叢が未発達であるため。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-232-233【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ビタミンK / 欠乏症とその要因 / 出血 / 新生児 / メナテトレノン|matsunoya
■■GPT4o
■問 109-232|実務
■論点|
この問題の論点は、ビタミンK欠乏性出血症(VKDB)の予防目的でメナテトレノンを投与する理由を特定することです。
■解説1|
頭蓋内出血等の出血リスクを軽減するため。(選択肢3) [正しい]
ビタミンKの役割
ビタミンKは血液凝固因子(II、VII、IX、X)の活性化に必要な補酵素であり、不足すると血液凝固障害が起こる。
新生児におけるビタミンK欠乏リスク
新生児は胎盤を介したビタミンKの移行が少ないため、出生時にビタミンKが不足している。
母乳にはビタミンKの含有量が少なく、人工乳に比べ補充が不十分である。
新生児の腸内細菌叢は未発達であり、腸内でのビタミンK合成が不十分である。
ビタミンK欠乏性出血症(VKDB)の予防
VKDBは早発型、古典型、遅発型の3種類があるが、特に遅発型VKDBは頭蓋内出血を引き起こし、致死的な経過をたどることがある。
これを防ぐため、日本ではメナテトレノン(ビタミンK2)シロップを哺乳確立時、生後1週目、生後1か月の3回投与することが推奨されている。
メナテトレノンの投与目的
新生児の出血リスク、特に頭蓋内出血のリスクを軽減するためにメナテトレノンを投与する。
■解説2|
ビタミンKの補給方法
一部の国ではビタミンKを筋肉注射で投与するが、日本では経口投与が一般的である。
経口投与の方が保護者の負担が少なく、安全性が高いと考えられている。
ビタミンK欠乏による症状
皮下・粘膜出血、消化管出血、頭蓋内出血などがあり、特に遅発型VKDBでは頭蓋内出血の頻度が高い。
メナテトレノンの安全性
適切な投与量では副作用はほとんど報告されておらず、安全に使用できる。
■結論|
メナテトレノンの投与目的は、新生児の出血リスク、特に頭蓋内出血のリスクを軽減するためである。
そのため、正しい選択肢は
3. 頭蓋内出血等の出血リスクを軽減するため。
■補足|
くる病の発症リスクを軽減するため。(選択肢1) [誤り]
くる病はビタミンD欠乏が原因で発生する疾患である。
ビタミンKとは関係がない。
黄疸等の肝障害リスクを軽減するため。(選択肢2) [誤り]
黄疸は新生児期におけるビリルビン代謝の未熟性に起因するものであり、ビタミンKの補充とは関連しない。
神経管閉鎖障害のリスクを軽減するため。(選択肢4) [誤り]
神経管閉鎖障害は葉酸の欠乏によって引き起こされるものである。
ビタミンKとは無関係である。
アレルギーの発症リスクを軽減するため。(選択肢5) [誤り]
ビタミンKの補充がアレルギーの発症予防に寄与するというエビデンスは存在しない。
■問 109-233|衛生
■論点|
この問題の論点は、新生児や幼若乳児でビタミンKが不足する理由を特定することです。
■解説1|
新生児や乳児は代謝及び排泄が亢進しているため。(選択肢4) [誤り]
ビタミンKの体内動態
ビタミンKは脂溶性ビタミンであり、肝臓に貯蔵されるが、新生児ではその貯蔵量が少ない。
しかし、新生児においてビタミンKの代謝および排泄が特別に亢進しているというエビデンスは存在しない。
新生児のビタミンK欠乏の主な原因
胎盤を介した移行が少ない(選択肢1)
母乳に含まれるビタミンKが少ない(選択肢2)
腸内細菌による合成が未発達(選択肢5)
胆汁分泌が低下していると吸収が悪くなる(選択肢3)
結論
ビタミンKの代謝・排泄が新生児で特に亢進しているわけではないため、この選択肢は誤りである。
■解説2|
新生児におけるビタミンKの役割
ビタミンKは血液凝固因子(II、VII、IX、X)の合成に必須であり、不足するとビタミンK欠乏性出血症(VKDB)が発生する。
生理的なビタミンK不足の原因
胎盤を通過しにくい(選択肢1)
脂溶性ビタミンであるビタミンKは胎盤を通過しにくく、出生時に胎児の体内に蓄積される量が少ない。
母乳の含有量が少ない(選択肢2)
人工乳と比較すると母乳中のビタミンK濃度は低く、母乳栄養児は特にビタミンK欠乏のリスクが高い。
胆汁分泌が未熟な場合、吸収が悪い(選択肢3)
脂溶性ビタミンであるビタミンKは、胆汁酸による乳化が必要であるが、新生児では胆汁分泌が未熟な場合がある。
腸内細菌叢が未発達(選択肢5)
成人では腸内細菌がビタミンKを合成するが、新生児では腸内細菌叢の発達が未熟なため、内因性ビタミンKの供給が少ない。
■結論|
ビタミンK欠乏は主に胎盤を通過しにくいこと、母乳の含有量が少ないこと、胆汁分泌の未熟、腸内細菌叢の未発達によって起こる。新生児においてビタミンKの代謝や排泄が特に亢進しているわけではない。
選択肢4は誤り。
■補足|
胎盤を通過しにくいため。(選択肢1) [正しい]
ビタミンKは脂溶性ビタミンであり、胎盤を介した移行が少ないため、出生時に新生児はビタミンKが不足しやすい。
母乳中の含有量が少ないため。(選択肢2) [正しい]
母乳中のビタミンK含有量は人工乳に比べて低いため、母乳栄養児はビタミンK欠乏リスクが高くなる。
胆汁分泌が低下している場合には、吸収されにくいため。(選択肢3) [正しい]
脂溶性ビタミンであるビタミンKは胆汁酸の助けを借りて吸収されるが、新生児では胆汁分泌が未熟であり、吸収が制限されることがある。
新生児と乳児は、腸内細菌叢が未発達であるため。(選択肢5) [正しい]
成人では腸内細菌がビタミンKを合成するが、新生児では腸内細菌叢が未発達であり、腸内でのビタミンK供給が不十分である。
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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)
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第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問232-233
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-232-233
Q. 乳児(生後1ケ月、女児)を連れた母親が、女児の1ケ月検診を受けた後に、女児が服用している薬について相談したいことがあるということで、かかりつけ薬局に来局した。女児の出生時の体重は2,940gであり、母乳栄養で現在は3,890gである。女児は、メナテトレノンシロップ1mLを哺乳確立時、生後1週目(産科退院時)、今回と合計3回内服している。母親は、女児へのメナテトレノン投与の理由について薬剤師に質問をした。
実務
問 109-232|実務
Q. 薬剤師が母親へ行った説明内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. くる病の発症リスクを軽減するため。
2. 黄疸等の肝障害リスクを軽減するため。
3. 頭蓋内出血等の出血リスクを軽減するため。
4. 神経管閉鎖障害のリスクを軽減するため。
5. アレルギーの発症リスクを軽減するため。
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衛生
問 109-233|衛生
Q. 薬剤師は母親にメナテトレノン投与によって、あるビタミンを補充できることを説明した。このビタミンが新生児や幼若乳児で不足する理由として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 胎盤を通過しにくいため。
2. 母乳中の含有量が少ないため。
3. 胆汁分泌が低下している場合には、吸収されにくいため。
4. 新生児や乳児は代謝及び排泄が亢進しているため。
5. 新生児と乳児は、腸内細菌叢が未発達であるため。
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薬学実践問題の論点解説一覧(第106回、第107回、第108回)です。
薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第106回薬剤師国家試験 全50問
薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第107回薬剤師国家試験 全50問
薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第108回薬剤師国家試験 全50問
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-232-233【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ビタミンK / 欠乏症とその要因 / 出血 / 新生児 / メナテトレノン|matsunoya
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