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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-107【化学】論点:1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォール

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問107

一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】 


化学|問 106-107 
Q. 図は、ある化合物の1H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を表したものである。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、拡大図A、B、Cの拡大率はそれぞれ異なる。また、ウのシグナルは重水を添加することにより消失する。
表:
シグナル|積分比|シフト範囲|ピークの数
ア|12|1.2 - 1.3|2
イ|2|3.1 - 3.2|7
ウ|1|4.8|1
エ|1|6.9|3
オ|2|7.0-7.1|2

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

■選択肢
1. プロポフォール (Propofol, 2,6-Diisopropylphenol, IU PAC name: 2,6-di(propan-2-yl)phenol)
2. 3,5-Diisopropylphenol, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)phenol
3. 3,5-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)benzoic acid
4. 3,6-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,6-di(propan-2-yl)benzoic acid
5. 1,3-Diisopropoxybenzene, IU PAC name: 1,3-di(propan-2-yloxy)benzene


松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-107【化学】論点:1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォール|matsunoya


こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【化学】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107【化学】 、論点:1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォールを徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-107【化学】論点:1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォール|matsunoya

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滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ|

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

第106回薬剤師国家試験の問107【化学】(問106-107)では、化学構造式から1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォールなどが問われました。
今回、化学構造式から化合物名を特定する必要はないですが、正答は選択肢1のプロポフォールです。
問題の選択肢に各化合物の化合物名とIU PAC name を書き込んでおきました。
IU PAC name を読み取って、化学構造をカタマリで覚えよう。

■選択肢
1. プロポフォール
(Propofol, 2,6-Diisopropylphenol, IU PAC name: 2,6-di(propan-2-yl)phenol)
2. 3,5-Diisopropylphenol, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)phenol
3. 3,5-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)benzoic acid
4. 3,6-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,6-di(propan-2-yl)benzoic acid
5. 1,3-Diisopropoxybenzene, IU PAC name: 1,3-di(propan-2-yloxy)benzene

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

以下にプロポフォールの1H-NMRスペクトル 構造解析を図で示しました。
各プロトンのシフトは、だいたい覚えておくしかないです。

アプローチ方法

1. 水素の数(積分比)を数える。周辺の水素の数(ピークの数)を推定する。
2. どの範囲にシフトしているかで水素の結合位置を推定する。
3. 今回の問題でキーになるのは、フェノール性水酸基の存在とイソプロピル基の位置の違いによるベンゼン環の水素の位置とカップリングです。
4. フェノール基があるのは選択肢1か選択肢2です。

問106-107 論点解説

5. ベンゼン環の水素の位置が3つ隣り合っている(例:4位の水素のピークが3本に分かれる)のは選択肢1か選択肢5です。

問106-107 論点解説

1H-NMRスペクトル 構造解析 / プロポフォール

問106-107 論点解説

ア(12H, 1.2-1.3 ppm, 2ピーク): 4つのメチル基
イ(2H, 3.1-3.2 ppm, 7ピーク): イソプロピル基のメチン水素
ウ(1H, 4.8 ppm, 1ピーク): フェノールOH
エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク): 芳香環上の一つのプロトン
オ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク): 対称的な2つのプロトン


まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■Grok 2


Propofol の化合物プロフィール

Propofol | C12H18O | CID 4943 - PubChem
2,6-Diisopropylphenol
IU PAC name: 2,6-di(propan-2-yl)phenol

選択肢1. Propofol  第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

Propofolの構造:
プロポフォールは、1,3-ジイソプロピルベンゼンの2位の水素がヒドロキシ基に置換されたフェノールです。
役割:
静脈内麻酔薬
鎮静剤
制吐薬
抗痙攣薬
使用方法:
一般的な麻酔の導入および維持に使用される静脈内麻酔薬。
静脈内投与により無意識状態を誘発し、その後、他の薬剤の組み合わせで麻酔を維持します。
回復特性:
プロポフォールによる麻酔からの回復は通常迅速で、チオペンタール、メトヘキシタール、エトミデートと比較して、眠気、嘔吐、吐き気などの副作用が少ない。
適用範囲:
麻酔が必要な診断手技前
難治性の状態てんかんの管理
手術前の麻酔導入および/または維持
薬理学的効果:
プロポフォールは麻酔作用を通じて生理的効果を発揮します。


1H-NMRスペクトル 構造解析

プロポフォール (Propofol, 2,6-Diisopropylphenol)

問106-107 論点解説

ア(12H, 1.2-1.3 ppm, 2ピーク): 4つのメチル基
イ(2H, 3.1-3.2 ppm, 7ピーク): イソプロピル基のメチン水素
ウ(1H, 4.8 ppm, 1ピーク): フェノールOH
エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク): 芳香環上の一つのプロトン
オ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク): 対称的な2つのプロトン


1. メチル基(-CH₃)のシグナル:

問106-107 論点解説
  • 積分比: 12H

  • シフト範囲: 1.2 - 1.3 ppm

  • ピークの数: 2

  • 特定される化学構造:
    プロポフォールには2つのイソプロピル基があり、それぞれ2つのメチル基(-CH₃)を持っています。これらのメチル基は同等の化学環境にあるため、2つのピークとして現れます。

2. メチン基(-CH-)のシグナル:

問106-107 論点解説
  • 積分比: 2H

  • シフト範囲: 3.1 - 3.2 ppm

  • ピークの数: 7

  • 特定される化学構造:
    イソプロピル基のメチン(-CH-)部分のプロトンはメチル基とカップリングし、7ピークのパターンを形成します。2つのイソプロピル基があるため、このシグナルは2つのメチン水素を示します。

3. OH基のシグナル:

問106-107 論点解説
  • 積分比: 1H

  • シフト範囲: 4.8 ppm

  • ピークの数: 1

  • 特定される化学構造:
    4.8 ppmのシグナルはフェノール性OH基のシグナルです。重水を添加すると消失するため、このOHが存在することを確認できます。

4. 芳香環上のプロトンのシグナル:

問106-107 論点解説
  • メタ位のプロトン(4位):

    • 積分比: 1H

    • シフト範囲: 6.9 ppm

    • ピークの数: 3

    • 特定される化学構造:
      4位のプロトンはイソプロピル基の影響を受けるため、このシフト範囲に現れ、3ピークはこのプロトンが他のプロトンとカップリングしていることを示します。

問106-107 論点解説
  • オルト位のプロトン(3位と5位):

    • 積分比: 2H

    • シフト範囲: 7.0 - 7.1 ppm

    • ピークの数: 2

    • 特定される化学構造:
      3位と5位のプロトンは2,6位のイソプロピル基の影響を受け、対称的に配置されているため、2つのピークとして現れます。


まとめ

シグナル | 積分比 | シフト範囲 | ピークの数 |
・特定される化学構造

メチル基 | 12 | 1.2 - 1.3 ppm | 2 |
・2つのイソプロピル基の4つのメチル基

問106-107 論点解説


メチン基 | 2 | 3.1 - 3.2 ppm | 7 |
・2つのイソプロピル基のメチン水素

問106-107 論点解説

OH基 | 1 | 4.8 ppm | 1 |
・フェノールのOH基

問106-107 論点解説

メタ位の芳香環プロトン | 1 | 6.9 ppm | 3 |
・メタ位(4位)のプロトン

問106-107 論点解説

オルト位の芳香環プロトン | 2 | 7.0 - 7.1 ppm | 2 |
・オルト位(3位と5位)のプロトン

問106-107 論点解説

これにより、プロポフォールの1H-NMRスペクトルは上記の特徴的なシグナルを示すことが期待されます。


化学シフトとは

1H-NMR(プロトン核磁気共鳴)スペクトルにおける化学構造の特定は、化学シフトを理解することが非常に重要です。以下に、化学シフトについて網羅的に説明します。


基本的な概念

  • 化学シフト: プロトンが置かれている化学環境によって異なる周波数で共鳴する現象。これにより、異なるプロトンが異なる部分にシグナルを示すことが可能になります。

  • 単位: 化学シフトはパーツ・パー・ミリオン(ppm, parts per million)で測定され、基準物質(通常はテトラメチルシラン、TMS)のシグナルからの相対的シフトを表します。

化学シフトの影響要因

  1. 電子密度:

    • シールド効果: プロトンが電子密度の高い環境に囲まれている場合、磁場からより強くシールドされ、シフトが上方(低ppm)に移動します。例えば、メチル基やアルキル基。

    • デシールド効果: 電子密度が低い環境にいる場合、シフトが下方(高ppm)に移動します。例えば、アルデヒドやカルボキシル基近傍のプロトン。

  2. 隣接基の影響:

    • 隣接する電子引寄せ基や電子供与基は、プロトンの化学シフトに大きな影響を与えます。例えば、-Cl、-NO₂(電子引寄せ)や-OH、-NH₂(電子供与)など。

  3. ハイドロキシル基やアミノ基のプロトン:

    • OHやNHのプロトンは水素結合により、シフト範囲が非常に広くなります。特にOHのシグナルは可変で、溶媒や濃度によって変化します。

  4. 芳香環の影響:

    • 芳香環上のプロトンは、環電流効果によりシフトが下方にずれます。特に、オルト位、メタ位、パラ位のプロトンはそれぞれ異なるシフト範囲を持ちます。

  5. 溶媒効果:

    • 使用する溶媒によって、プロトンの化学シフトは変化します。例えば、CDCl₃とDMSO-d6では同じプロトンのシフトが異なる場合があります。

  6. 立体化学と空間効果:

    • 分子内のプロトンの空間配置や立体障害は化学シフトに微細な影響を与えることがあります。例えば、シスとトランス異性体は微妙にシフトが異なることがあります。

化学シフトの範囲

  • アルカン(メチル、メチレン、メチン): 0.5 - 2.0 ppm

  • アルケン(二重結合上のH): 4.5 - 6.5 ppm

  • アルキン(三重結合上のH): 2.0 - 3.0 ppm

  • 芳香環上のH: 6.0 - 8.5 ppm(位置により異なる)

  • アルデヒド: 9.5 - 10.5 ppm

  • カルボキシル基のOH: 10.5 - 12.0 ppm(広範囲)

  • フェノールOH: 4.0 - 6.0 ppm(広範囲)

  • アミンNH: 1.0 - 5.0 ppm(広範囲)

化学シフトの利用

  • 構造決定: 各プロトンの化学シフトからその化学環境を推測し、化合物の構造を特定します。例えば、シフトが下方にある場合、電子引寄せ基の存在を示唆します。

  • シグナルの割り当て: 化学シフトの範囲とプロトンの種類を関連付けることで、どのシグナルがどのプロトンに由来するかを割り当てます。

  • 反応追跡: 反応前後の化学シフトの変化を観察することで、反応がどのように進行したかを確認できます。

化学シフトは1H-NMRスペクトル解析の基本であり、化合物の構造を理解するための重要な情報源です。各プロトンの化学環境を深く理解することで、より正確な構造決定が可能となります。


プロトンのカップリングとは


1H-NMR(プロトン核磁気共鳴)スペクトルにおける化学構造の特定は、プロトンのカップリング(スピン-スピンカップリング)を理解することが非常に重要です。以下に、プロトンのカップリングについて網羅的に説明します。

基本的な概念

  • カップリング: 隣接するプロトン(または他の核種)のスピン状態が互いに影響し合う現象です。この影響により、NMRスペクトル上でシグナルが複雑なパターンを形成します。

  • カップリング定数 (J): カップリングの強さを示す定数で、単位はヘルツ(Hz)。カップリング定数は2つの核間の距離や結合角度に依存します。

カップリングの種類

  1. スプリッティングパターン:

    • ダブレット (Doublet): 一つの隣接プロトンとカップリングする場合、シグナルは2つのピークに分かれます。

    • トリプレット (Triplet): 二つの等価な隣接プロトンとカップリングする場合、3つのピークに分かれます。

    • クワルテット (Quartet): 三つの等価な隣接プロトンとカップリングする場合、4つのピークに分かれます。

    • より複雑なパターン: 異なるカップリング定数を持つ複数のプロトンとカップリングする場合、ムルチプレット(multiplet)として現れます(例:ダブルトリプレット、トリプルドブレットなど)。

  2. n+1ルール:
    一般に、シグナルはカップリングする隣接プロトンの数(n)に1を加えた数(n+1)のピークに分裂します。これは等価なプロトンの場合に特に適用されます。

カップリングの特性

  • カップリングの方向性: カップリングは双方向であり、両方のプロトンが互いに影響を与えます。

  • カップリング形状:

    • 同等のカップリング: 等価なプロトン間のカップリングでは、シグナルの間隔が等しくなります。

    • 異等のカップリング: 異なるカップリング定数を持つ場合、シグナルの間隔が不均等になり、より複雑なパターンを形成します。

  • シフトの影響: カップリングは化学シフトに直接影響を与えず、ピークの形状や数に影響しますが、シグナルの中心位置はカップリングによって変化しません。

重要なカップリングの例

  • ビシナルカップリング (vicinal coupling):
    三重結合や二重結合を介してのカップリング。結合角度に強く依存し、カルボカーボン単結合では特に大きな影響が現れます。

  • ジェミナルカップリング (geminal coupling):
    同じ炭素上に存在する二つのプロトン間のカップリング。通常は小さいカップリング定数を持つ。

  • ロングレンジカップリング (long-range coupling):
    4つまたはそれ以上の結合を介してのカップリング。通常は小さなカップリング定数を持つが、分子の構造に依存して検出されることがあります。

実際の解析での利用

  • 構造決定: カップリングパターンを解析することで、プロトンの隣接関係や分子内の構造的特徴を特定できます。例えば、メチレン基(-CH₂-)がどのように置換されているかを推測できます。

  • シグナルの割り当て: 化学シフトと合わせて、どのプロトンがどのピークに対応するかを割り当てる手助けになります。

  • 立体化学の推測: カップリング定数の大きさやパターンは、分子の立体配座(シス・トランスの関係など)を示唆することがあります。

プロトンのカップリングはNMRスペクトルを解釈する上で重要な要素であり、分子の詳細な構造を理解するために不可欠です。


論点およびポイント

■■Grok 2


化学|問 106-107
論点|1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォール
ポイント|

1H-NMRスペクトル シグナル解析:
各プロトンのシフト範囲、積分比、ピークの数を理解し、構造と関連づけることが重要。
ア(12H, 1.2-1.3 ppm, 2ピーク): 4つのメチル基
イ(2H, 3.1-3.2 ppm, 7ピーク): イソプロピル基のメチン水素
ウ(1H, 4.8 ppm, 1ピーク): フェノールOH
エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク): 芳香環上の一つのプロトン
オ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク): 対称的な2つのプロトン

問106-107 論点解説

積分比とシフト範囲:
積分比からプロトンの数を、シフト範囲から化学環境を推測。
イソプロピル基の存在と配置を確認する。

OH基の特定:
4.8 ppmのシグナルが重水で消失するという情報からフェノールOHの存在を確認。

芳香環のプロトン配置:
芳香環上のプロトンの配置とシフト範囲から、2,6-ジイソプロピルフェノールの構造が最も適合する。
特に、エとオのシグナルがこの構造の予想シフトと一致。

選択肢の比較:
各選択肢の構造とNMRデータの一致を確認し、不一致が見られる選択肢を排除。特にカルボキシル基やエーテル結合の存在がシフト範囲に与える影響に注目。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■Grok 2


総合的な論点


  1. NMRスペクトルの解釈:

    • 1H-NMRスペクトルは、化合物中のプロトン(水素原子)の化学環境を反映します。このため、各プロトンのシフト範囲、積分比、ピークの数から化合物の構造を推測することが可能です。

  2. シグナルの種類:

    • : 積分比12と2ピークはメチル基(-CH₃)のシグナルを示唆します。4つの等価なメチル基があることを示しています。

    • : 積分比2と7ピークはメチン(-CH-)のシグナルを示唆します。イソプロピル基のメチン水素の典型的なシグナルです。

    • : 積分比1と1ピークで4.8 ppm付近にあるシグナルは、重水で消失するOH基のシグナルを示しています。これはフェノール基の存在を示唆します。

    • : 積分比1で3ピークは芳香環上の1つのプロトンを示します。

    • : 積分比2で2ピークは芳香環上の2つのプロトンを示します。これらは対称性を持つことを示唆します。

  3. 構造の特定:

    • これらのシグナルから、化合物はイソプロピル基、フェノール基、そして芳香環を持つことがわかります。特に、イソプロピル基が2つあり、フェノール基が1つある構造が推測されます。

  4. シフト範囲と積分比の重要性:

    • シフト範囲はプロトンが置かれている化学環境を示し、積分比はそのプロトンの数を示します。例えば、12の積分比は4つのメチル基を示し、2.6-ジイソプロピルフェノール(プロポフォール)の構造に一致します。

問106-107 論点解説

問題は、与えられたNMRデータに基づいて正しい分子構造を特定する能力を試しています。
各シグナルの具体的な化学シフト、ピークの数、積分比は、化合物の構造を正確に特定するための重要な手がかりとなります。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢1: プロポフォール (Propofol, 2,6-Diisopropylphenol)
論点:

  • プロポフォールは2,6位にイソプロピル基を持ち、1つのOH基が4位に存在します。

  • NMRデータはこの構造と完全に一致します。特筆すべきは、フェニル環上のプロトン配置がNMRデータと一致することです。

問106-107 論点解説

アプローチ方法:

  • メチル基のシグナル:
    12Hの積分比と1.2-1.3 ppmのシフトは4つのメチル基を示し、これは2つのイソプロピル基に一致します。

  • メチン基のシグナル:
    2Hの積分比と3.1-3.2 ppmのシフト、7ピークはイソプロピル基のメチン水素を示します。

  • OH基のシグナル:
    4.8 ppmのシグナルは重水で消失し、フェノール基の存在を確認します。

  • 芳香環のシグナル:
    エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク)とオ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク)は、2,6-ジイソプロピルフェノールの芳香環のプロトンの配置と一致します。

メタ位の芳香環プロトン | 1 | 6.9 ppm | 3 |
・メタ位(4位)のプロトン

問106-107 論点解説

オルト位の芳香環プロトン | 2 | 7.0 - 7.1 ppm | 2 |
・オルト位(3位と5位)のプロトン

問106-107 論点解説

選択肢2: 3,5-Diisopropylphenol
論点:

  • 3,5-ジイソプロピルフェノールでは、イソプロピル基が3,5位に位置します。これにより、芳香環上のプロトンのシフトパターンが問題文のNMRデータと一致しません。特に、メタ位にイソプロピル基があるため、プロトンのシフトが異なります。

アプローチ方法:

  • メチル基のシグナル: 12Hの積分比は一致しますが、メチン基のシフトやピークの数も問題のデータと一致します。

  • メチン基のシグナル: これも一致します。

  • OH基のシグナル: これも一致します。

  • 芳香環のシグナル: しかし、芳香環のプロトンは3,5位のイソプロピル基の影響で、問題のシフト範囲とは異なるシフト値を示すはずです。具体的には、メタ位のプロトンのシフトが異なるため、エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク)やオ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク)と一致しないことが予想されます。


  • 芳香環のプロトン:

    • のシグナル(1H, 6.9 ppm, 3ピーク):このシグナルは3,5-ジイソプロピルフェノールではメタ位のプロトンに相当しますが、シフト範囲が一致しません。メタ位のプロトンは一般に6.4-6.6 ppmの範囲にシフトする傾向があります。

    • のシグナル(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク):オルト位のプロトンはこの範囲にシフトする可能性がありますが、3,5-ジイソプロピルフェノールの場合、シフトは若干異なる可能性があり、ピークの数も3ピークではなく2ピークであるべきです。


選択肢3: 3,5-Diisopropylbenzoic acid
論点:

  • 3,5-Diisopropylbenzoic acidにはカルボキシ基(-COOH)が存在し、フェノール基性OHではなく、カルボキシ基のOHのシグナルを示します。

  • このため、4.8 ppmのシグナル(ウ)が問題のデータと一致しません。

  • また、カルボキシ基(-COOH)の影響で芳香環上のプロトンのシフトが異なります。

アプローチ方法:

  • メチル基のシグナル: 12Hの積分比は一致します。

  • メチン基のシグナル: 積分比とピーク数も一致します。

  • OH基のシグナル: 問題ではフェノール性OHのシグナルとして解釈されますが、ここではカルボキシルOHのシグナル(10.5-12.0 ppm付近)が存在します。これは重水で消失しますが、シフト範囲が問題のデータと一致しません。

  • 芳香環のシグナル: 3,5-Diisopropylbenzoic acidのプロトンは、カルボキシル基の影響でシフト範囲が異なるため、エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク)やオ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク)と一致しないことが予想されます。


選択肢4: 3,6-Diisopropylbenzoic acid
論点:

  • 3,6-Diisopropylbenzoic acidも同様にカルボキシル基を持ち、フェノール性OHではなくカルボキシOHのシグナルが出現します。これにより、ウのシグナルが問題のデータと一致しません。

  • また、3,6位にイソプロピル基が位置することで、芳香環上のプロトンのシフトパターンが異なります。

アプローチ方法:

  • メチル基のシグナル: 12Hの積分比は一致します。

  • メチン基のシグナル: 積分比とピーク数も一致します。

  • OH基のシグナル: カルボキシOHのシグナル(10.5-12.0 ppm付近)は問題のデータと一致しない。

  • 芳香環のシグナル: 3,6-Diisopropylbenzoic acidでは、芳香環のシフトが異なり、特にメタ位とオルト位のプロトンのシフトが問題のデータと異なる値を示すはずです。従って、エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク)やオ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク)と一致しないことが予想されます。


選択肢5: 1,3-Diisopropoxybenzene
論点:

  • 1,3-ジイソプロポキシベンゼンでは、イソプロポキシ基が1,3位に存在し、フェノールOHではなくエーテル結合の影響を受けるため、NMRのシグナルが問題文のデータと大きく異なります。

  • 特に、メチン基のシフト範囲や芳香環上のプロトンの配置が一致しません。

アプローチ方法:

  • メチル基のシグナル: 12Hの積分比は一致しますが、シフト範囲がメチル基の場合よりも下方にシフトします。

  • メチン基のシグナル: 積分比は一致しますが、酸素に結合しているため、シフト範囲が4.4-4.6 ppm程度にシフトします。

  • OH基のシグナル: フェノールOHのシグナル(4.8 ppm)は存在せず、エーテルの影響によりこのシグナルは出現しません。

  • 芳香環のシグナル: イソプロポキシ基の影響で、芳香環のプロトンのシフトが問題のデータと大きく異なります。エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク)やオ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク)と一致しないことが予想されます。


 引用文献のリスト

  • Silverstein, R.M., Webster, F.X., Kiemle, D.J., & Bryce, D.L. (2014). Spectrometric Identification of Organic Compounds (8th ed.). Wiley.

  • Pretsch, E., Bühlmann, P., & Badertscher, M. (2009). Structure Determination of Organic Compounds: Tables of Spectral Data (4th ed.). Springer.


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学理論問題【化学】から1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォールを論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問107

一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】 


化学|問 106-107 
Q. 図は、ある化合物の1H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を表したものである。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、拡大図A、B、Cの拡大率はそれぞれ異なる。また、ウのシグナルは重水を添加することにより消失する。
表:
シグナル|積分比|シフト範囲|ピークの数
ア|12|1.2 - 1.3|2
イ|2|3.1 - 3.2|7
ウ|1|4.8|1
エ|1|6.9|3
オ|2|7.0-7.1|2

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

■選択肢
1. プロポフォール (Propofol, 2,6-Diisopropylphenol, IU PAC name: 2,6-di(propan-2-yl)phenol)
2. 3,5-Diisopropylphenol, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)phenol
3. 3,5-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)benzoic acid
4. 3,6-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,6-di(propan-2-yl)benzoic acid
5. 1,3-Diisopropoxybenzene, IU PAC name: 1,3-di(propan-2-yloxy)benzene


■■Grok 2


化学|問 106-107

■論点|1H-NMRスペクトル / 構造解析 / プロポフォール

この問題の論点は、NMRスペクトルから化合物の構造を特定することです。

■解説1|

プロポフォール(選択肢1)[正しい]

  • メチル基のシグナル:
    12Hの積分比と1.2-1.3 ppmのシフト範囲は、2つのイソプロピル基のメチル基と一致する。

  • メチン基のシグナル:
    2Hの積分比と3.1-3.2 ppmのシフト範囲は、7ピークで2つのイソプロピル基のメチン水素を示す。

  • OH基のシグナル:
    4.8 ppmのシグナルが重水で消失することはフェノールOHの存在を示す。

  • 芳香環のシグナル:
    エ(1H, 6.9 ppm, 3ピーク)とオ(2H, 7.0-7.1 ppm, 2ピーク)は、2,6-ジイソプロピルフェノールのプロトン配置と一致する。

問106-107 論点解説

■解説2|

メチル基の積分比:
12の積分比は4つのメチル基を示し、これは2つのイソプロピル基に対応する。
メチン基のカップリング:
イソプロピル基のメチン水素はメチル基とのカップリングにより複雑な7ピークを形成する。
OH基の化学シフト:
フェノールOHのシグナルは4.8 ppm付近で、重水により消失する性質を持つ。
芳香環のプロトン配置:
2,6-ジイソプロピルフェノールでは、メタ位にプロトンが存在し、シフト範囲が6.9 ppmで3ピークを示す。
また、2つのオルト位のプロトンは7.0-7.1 ppmで2ピークとして現れる。これらが問題のデータと一致する。

■結論|

選択肢1、プロポフォール(2,6-ジイソプロピルフェノール)が問題に示されたNMRデータと最も一致する。これはシグナルの積分比、シフト範囲、ピークの数が全てこの化合物の構造と対応しているからである。

■補足|

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

選択肢2(3,5-ジイソプロピルフェノール):
芳香環上のプロトンの配置が異なり、シフト範囲とピーク数が一致しない。特に、メタ位にイソプロピル基があるため、シフトパターンが異なる。
選択肢3(3,5-ジイソプロピルベンゾエ酸):
カルボキシル基の存在により、OH基のシグナルが10.5-12.0 ppmに現れ、問題の4.8 ppmとは一致しない。また、芳香環上のプロトンのシフトも異なる。


第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

選択肢4(3,6-ジイソプロピルベンゾエ酸):
同様にカルボキシルOHのシグナルが問題のデータと一致しない。さらに、3,6配置により芳香環のプロトンの配置が異なる。
選択肢5(1,3-ジイソプロポキシベンゼン):
イソプロポキシ基の影響でメチン水素のシフトが4.4-4.6 ppmにシフトし、問題のデータと一致しない。また、OH基のシグナルが存在しないため、ウのシグナルについても不一致である。


これにより、選択肢1以外の選択肢はNMRデータと一致しないことが明確である。

メチン基 | 2 | 3.1 - 3.2 ppm | 7 |
・2つのイソプロピル基のメチン水素

問106-107 論点解説

OH基 | 1 | 4.8 ppm | 1 |
・フェノールのOH基

問106-107 論点解説

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すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問107

一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】 


化学|問 106-107 
Q. 図は、ある化合物の1H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を表したものである。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、拡大図A、B、Cの拡大率はそれぞれ異なる。また、ウのシグナルは重水を添加することにより消失する。
表:
シグナル|積分比|シフト範囲|ピークの数
ア|12|1.2 - 1.3|2
イ|2|3.1 - 3.2|7
ウ|1|4.8|1
エ|1|6.9|3
オ|2|7.0-7.1|2

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問107

■選択肢
1. プロポフォール (Propofol, 2,6-Diisopropylphenol, IU PAC name: 2,6-di(propan-2-yl)phenol)
2. 3,5-Diisopropylphenol, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)phenol
3. 3,5-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,5-di(propan-2-yl)benzoic acid
4. 3,6-Diisopropylbenzoic acid, IU PAC name: 3,6-di(propan-2-yl)benzoic acid
5. 1,3-Diisopropoxybenzene, IU PAC name: 1,3-di(propan-2-yloxy)benzene


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