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病気は嘘。でも信じた人は本気。

今年の2月に
Netflixで配信が始まった
「アップルサイダービネガー」。 
ズバリ、健康詐欺師を題材にした作品です。

色々なメディアで
取り上げられていたので、
既に観た方も多いのではないでしょうか。

嘘に基づく実話にインスパイアされ、
登場人物や出来事は
創作・脚色されている、という
一風変わった説明文で
各回が始まるこのドラマは全6話。

各種批評に書かれていたように、
まさに「イッキ見」したくなり、
そして、このGWで私もイッキ見してしまった作品でした。

⚠️ネタバレも含む
鑑賞録になりますので、
観ようと思っている方は
ここでご退場くださいませ。

物語はオーストラリア出身の
アナベル・ナタリー・ギブソン(映画内ではベル・ギブソン/現在33歳)の虚偽の成功とその崩壊を、
まさに説明コピー通りに
「created or fictionalisted (創作、もしくは、フィクション化された)」興味深い内容に仕上がっていましたね。

とにかく、嫌悪感を通り越して
憎悪すら感じるうす汚い承認欲求に取り憑かれた主人公。

投稿されている情報を
信じるも信じないも
個人責任のSNSの世界。 

そこで人気のポジションである
インフルエンサーとしての成功に
主人公は憧れるのでした。

醜さの極みという
表現を使用したのは、
彼女が成功を成し遂げるために選んだ手法にあります。

それは、自身が元ガン患者であり
さらに、自然療法でガンを克服した
という経歴ならぬ病歴詐称による
プロフィールのでっち上げ。

そのプロフィールを使って、
癌である人たちや
その家族を巻き込んで
信頼という名声を築き、
金を稼ぎまくったのでした。

このドラマというか、
彼女の詐欺行為が実社会でも
段取り良く展開できたのは、
見事にいくつかの「人の欲」という
パズルが組み合わさったから、
ということだと感じました。  

・生き続けたい「生」への欲求
・女性の「美」に対する欲求
・仕事での「出世」「手柄」への欲求
……等々

何よりも、
ガン患者とその家族にとっては、
受け入れたくない現実よりも
信じたいと思う世界、
それが本当であって欲しいと
思える架空の世界を
彼女は提供した、のでした。

弱者という設定で、
多くの共感と哀れみを獲得した
実世界での彼女の演技力はきっと
「商売弱者」という役柄を見事に超越していたのだと思いました。

確かに、お涙、不幸物語に、
人はついつい
騙されてしまうのだと思います。

ロマンス詐欺や結婚詐欺も
ジャンルとしては近しいのでは
ないでしょうか。

邪心や下心、嫉妬心に虚栄心。
確かに親ガチャで
不幸せなティーンエイジャーの時代であったかもしれないが、
それを逆恨みして心が歪んでしまったのも事実。

ただ、欲望を具現化した、
形にしてしまった、
彼女の図太い精神力と
行動力は素晴らしいと思いました。

まあ、模倣する対象者がいて、
二番煎じとしてその対象者の行為をなぞり、追いつき追い落としただけのことではありますが。

そこなんです。凄いところは。

一番手よりも、
後発の二番手のほうが
模倣する相手がいるので
成功しやすいということを
学んでいた、そこですね。

ビジネスにおいて、
真っ当な戦いなどというものは
存在しないですよね。
先行者が優れていれば、
それを模倣して、改良して、より良いサービスとみせて展開する。

本来であれば、
医療や健康の領域で
そんな醜い詐欺行為があっては
欲しくないですが、
ビジネスとなれば、ということなんでしょうね。

病気やダイエット、薄毛……などなど
人の悩みにつけ込む商売。

つけ込むは
不適切な表現かも、ですね。
きちんと、結果をだしているものも
あるでしょうから。

しかし、
人の悩みをターゲットにした
商売は儲かるのでしょうね。

悩みや不満を改善、解消するのが
確かにビジネスではあります。

しかし、
なにも改善、解消されなければ、
ビジネスとは呼べないですよね。

それは、詐欺です。

製品の差別化が困難になった現代。
イメージと言葉巧みに購入をそそのかすセールスが増えてますね。

テレビでCMをしているから、
ネットで大量に宣伝しているから、
大丈夫。
……ホントですか?

ドラマを観ていて、
ずっと思っていたこと。
それは、
なぜ、疑問をもたないのか、と。

医療費は安くはないですが、
最先端の技術をもってしても
治療が困難なものが食品や信仰心で
治るのでしょうか?

そうなんです。
このドラマに違和感があったのは、
疑問の持ち方が薄い人たちばかりであるという設定でした。

6話という設定が、
そうさせてしまった大きな要因なのでしょうが。

なので、映画ぐらいの時間に
濃縮して制作していたら……
もっとリアリティとリズム感も良かったのでは、と感じました。

まあ、Netflixも
CMビジネスを導入した以上、
CMチャンスが多いほうが
良いので2時間のストーリーは
倍の4時間ものに薄めたほうが
広告費を稼げるワケですから、
仕方ないですね。

ノンCMの契約者が増えない限り
作品のクオリティとCMは
トレードオフの関係ということ
ですね。

ちなみに、
多くの人々を欺いて利益を得た詐欺事件として、彼女は2017年にオーストラリア連邦裁判所から41万オーストラリアドルの罰金を科されましたが、2025年現在も未払いのままだそうです。

今回も最後まで読んでくださって
ありがとうございました。


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