I'm Backでカメラと同期可能な、たったひとつの冴えないやりかた(案)
先日の記事で、フィルムカメラをデジタルカメラ化する「I'm Back Roll」への期待を述べました↓
しかし過去10年に渡ってリリースされてきた「I'm Back」シリーズは、デジタル化されたユニット部分と完全メカニカルなフィルムカメラ部分との間で露出やシャッター速度等の情報やり取りが出来ない上、シャッターをレリーズしたタイミングさえ同期が取れない根本的な課題があります。

つまり、「I'm Back」シリーズはカメラでの写真撮影において最も大切な部分でパッシブな方法によるタイミング推測でしか無く、その精度も実用レベルを下回るものです。
これを何とか、よりアクティブな方法でタイミング制御できないか?私なりに考えた唯一と言って良い方法の「案」(=たったひとつの冴えないやりかた)が今回の記事です。
※あくまで「案」であり実現性は未検証です、悪しからず。
Bluetooth外部露出計とワイヤレスレリーズボタンを利用する
私の案はパトローネ状のイメージセンサーに加え、専用に制御設計した「外部露出計」と「ワイヤレスレリーズボタン」を追加。それらをBluetooh接続し、メカニカルなカメラ側と同期を取るというもの。
全体図を示すと下記イメージ↓

(1)ワイヤレスレリーズボタン
まず、ネジ穴のあるレリーズボタンに装着する小さなワイヤレスレリーズボタン(コイン電池CR1632で駆動)を設けます。

このワイヤレスレリーズボタンには、指をのせたタイミングで各ユニットとBluetooth通信を行い、撮影スタンバイ状態に移行させます。
(2)外部露出計ユニット
そして制御を行うCPUの入ったユニットと「外部露出計」兼「外部フラッシュ」として設けます。

カメラ内部の露出計と連動できないので、露出制御を外部で行う発想です。ただ、単純に露出計を載せたダケだと露出計内蔵のフィルムカメラに載せた姿が間抜けなので、外部フラッシュ機能を持たせることで”違和感”を廃します。
前述のワイヤレスレリーズボタンに指を添えたタイミングで露出計が測光を開始し、シャッター速度等の設定値をユーザーにフィードバックします。
(3)カメラのマニュアル設定
撮影者は前述の外部露出計が示す値に従って、カメラ本体をフルマニュアル設定します。これでカメラと露出計との設定値が連携できました。
(4)設定情報をセンサー側に伝達
前述(3)の裏で外部露出計とカメラ内に仕込んだセンサー側(例えばI'm Backのような装置)とBluetoothで設定値を連携させておきます。これで、カメラと露出計の設定値とセンサー側でも連携できます。
(5)シャッターボタンのレリーズ
シャッターボタンを押下しレリーズする動きはワイヤレスレリーズボタンによってカメラ内のセンサーに伝達され、シャッター自体も切られると共に、このタイミングで各ユニットとの同期が可能となります。
こうした(1)〜(5)まで一連の動作によってメカニカルなカメラ側と同期を行うことができます。
課題1:レイテンシ
Bluetooth Low Energy (BLE)を用いれば、レイテンシ(遅延)は10ms程度まで抑えることが出来ますが、これは10ms ≒ 1/100秒に相当し、それなりに遅延は発生することを意味します。
つまり、有効なシャッター速度の範囲は自ずと限定される、ということですね、これは致し方ない。
(Bluetoothでは無く2.4GHz帯とかを使えばレイテンシ問題は改善でるでしょう、極小なワイヤレスレリーズボタンに組み込むのは消費電力等から考えても難しい)
課題2:露光タイミングのズレ
レンジファインダーであれば単純なシャッター機構も、一眼レフカメラの場合、以下のように複雑な過程を経てイメージセンサーに露光されます。
ミラーアップ
↓
シャッター先幕(←ここから露光開始)
↓
シャッター後幕(←ここで露光終了)
↓
ミラーダウン
このタイムラグと前述のBluetoothレイテンシを算出して吸収する必要がありそうです(例えば、露出計でシャッター速度は1/250と出たけれども、カメラ設定は1/125にせよ、等のように差を設けることで吸収できるかも知れません。撮影体験としてはイマイチですが)。
また、ユニット上で「一眼レフカメラモード」「レンジファインダーモード」と切り替えることでタイムラグの度合いも調整できるようにすれば汎用的に使用できるかも知れませんね。
まとめ
究極の理想はパトローネ状のイメージセンサーのみでフィルムカメラをデジタルカメラ化することですが、それ単体ではどうやってもシャッター速度やレリーズタイミングの同期が取れません。
全くもって冴えない方法ではありますが、カメラの体裁を壊さない程度の付属品を新たに作って設けることで、一定の解決は期待できるのかな?と考えました。
・・・と、思ったものの、うーん、そこまでして往年のフィルムカメラを「ガワ」として使う意味があるのか?と言われると謎ですね。
レトロ調カメラが各社から豊富に揃っていますし、マウントアダプターで往年の銘レンズは使えますし。むしろこの組み合わせで撮った写真は普通のデジカメで撮ったような写真しか生まれない訳でありまして(別にフィルムで撮影したような写真が撮れる訳では無いですし)。
やはり、I'm Back系の試みは”ロマン”でしかない、のでしょうね。〔了〕

