里見八犬伝聖地巡礼【下総三】結城城跡・結城古戦場跡
2025年4月12日
南総里見八犬伝の物語は、結城合戦に敗れた里見義実が、父・里見季基と別れて安房へ落ち延びる場面から始まる。
結城城の落城を前に死を決意する父と、生き延びるため旅立つ息子。
八犬伝の壮大な物語は、悲劇的なこの別れから動き出す。
史実を見ると、義実の父とされる里見家基の最期には諸説ある。
物語と同じく結城合戦で討ち死にしたという説もあれば、合戦の引き金となった鎌倉公方・足利持氏に従って自害したという説もある。
どちらが正しいかは、今のところ定かではない。
里見八犬伝では、11代当主・結城氏朝が、足利持氏の遺児・春王丸と安王丸を引き取り、次期鎌倉公方として擁立して幕府に挙兵。
その旗のもとで戦う里見季基が描かれている。
というわけで、今回の聖地巡礼は——
下総結城氏11代当主・結城氏朝を中心に、結城の地をめぐっていきたいと思います。
さじき塚から始まる静かな追悼
JR水戸線・結城駅を下車して、まず向かったのは、氏朝が散ったとされる「さじき塚」。

結城氏朝・持朝親子が結城城から討って出て、ここで壮絶な最期を遂げたと伝わる場所。
今は人影もなく、静かな空間に石碑がひっそりと残されているだけ。
この凄惨なドラマに想いを馳せつつ手を合わせると……
…胸が締め付けられるほど切ない、聖地巡礼でした。【完】
いやいや、せっかく桜が綺麗な季節。
ここからは「結城氏ゆかりの地×桜めぐり」の聖地巡礼へ、一気にいっきま~すっ🌸
結城氏ゆかりの寺社をめぐる
まずは駅前の結城市観光物産センターで、観光マップと結城城御城印をゲット❣️
健田須賀神社をお詣りして、御朱印もいただきました。

続いて足を運んだのは、初代・結城朝光が創建した「浄土真宗 本願寺派 新居山 稱名寺」。

ここには朝光・朝広・広綱・時広と、初期4代までの結城氏の墓が並んでいる。
お墓参りをしていると、境内ににゃんこを発見🐈 かわゆ~い😻

桜に包まれた結城の寺社めぐり
続いて、桜の名所としても知られる「弘経寺」へ

広い境内にたくさんの桜の木。桜吹雪で地面はピンクの絨毯に。

これまで紹介しきれない美しい桜をいっぱい見てきたのに、
この圧倒的な光景にボ~ッとしていたら……お昼の鐘の音が~🙀
まだ肝心の聖地を、全然めぐってないち😅
ちょっとここからは、聖地以外はぶっ飛ばしでいかないとぉ〜🙀
なんて思いつつも、住吉神社の枝垂れ桜がまた美しくて、ついひと休み。

神社やお寺が密集してて、それぞれに桜が美しい結城のまち、恐るべし🌸
城跡に残る戦国の地形をたどる
歴史資料が並ぶ「結城蔵美館」で、戦国時代の結城城の地形をしっかりお勉強。
看護専門学校や小学校、結城行在所跡の桜を堪能しつつ、かつての結城城内へ突入。
まずは往時の姿を伝える「曲輪」と「内堀」。


そしてついに「結城城跡」の看板がある「結城歴史公園」へ。
とはいえ、本丸のあったこの桜が綺麗な公園は、遺構はほとんど残ってなくて、地元のみなさまの憩いの場所になっている。
そんなのどかな園内で「結城合戦タイムカプセル埋没記念之碑」を発見!

現代に建てられた新しい碑なので、悲壮な歴史の痕跡というわけではないけど、とりあえず聖地巡礼的には「結城合戦」の文字が刻まれてるだけでもテンション上がる~😆
うしろの桜も綺麗だし、なんかほのぼのいい公園だなぁ…なんて思いつつ。
室町時代終盤の「結城合戦」では、籠城し兵糧がつき、多くの兵が散った場所。ひらひらと舞い落ちる桜の花びらを見つめながら、八犬伝の始まりの物語を思い浮かべてみる。
戦死を覚悟した父と別れなければならなかった義実の胸中は、どれほど辛かったことか。
そして義実はここから遠く、神奈川県の三浦の浜まで落ち延びた。
「ここから落ち延びるって、相当な距離だよね😱」
その果てしなさを肌で感じられるのも、聖地巡礼の醍醐味。
住宅街に潜む戦国の要塞と、水辺の夕暮れ
結城歴史公園を後にし、今は住宅地になっているかつての城内エリアを歩く。
やっぱり戦国時代の内堀が、けっこうクリアに残ってる!
お城めぐりでは、こうした地形の痕跡が本当に興味深い。

結城城西にあたる「水辺公園」も水鳥さんが飛んでいたりで素敵な場所。
夕方になって心地よい風が吹き抜ける中、優美に揺れる枝垂れ桜が本当に美しい🌸

令和とは思えない別世界「結城家御廟」
今回の旅で絶対に辿り着きたかった念願の聖地、「慈眼院結城家御廟」。
結城氏歴代(16代まで)の墓が、土塁に囲まれ鎮座してる。



ちょっぴりわかりにくい場所に隠れるように存在していて、
もちろん人影もなくて…、
足を踏み入れた瞬間に、戦国時代にタイムトリップした感覚に。
並んだ全てのお墓に静かに手を合わせ、
11代結城氏朝公には念入りにご挨拶。
こうして自分の足で結城の地を歩き、彼らが確かに生きた証に触れることで、八犬伝の“始まりの悲劇”が、より深く胸に染みてくる。
乗国寺──祀られなかった氏朝のこと
旅の最後に訪れたのは「乗国寺」。
ここは、のちに13代・成朝が、父である12代当主・結城持朝の菩提を弔うために開山したと伝えられるお寺。
持朝は結城合戦で父・氏朝とともに最期を遂げた人物。
……ここで歴史オタクとして気になるのが、
氏朝お父さんと持朝お兄さんは同じ結城合戦のタイミングで最期を遂げているのに、なぜ息子の持朝お兄さんだけをここに祀って、お父さんの氏朝は一緒に祀ってくれなかったのかな?という疑問。
当時の政治的背景や家族の事情を想像すると、妄想が捗るポイント。

夕暮れ時の広くて静かな寺院は、本当に印象的でした。
「結城の大法要」で、八犬士がついに揃う
物語の始まりとして、悲しくて切ない「結城合戦」のエピソードが描かれる結城の地。けれど結城は、それだけの場所ではない。
物語後半には「結城の大法要」という重要なエピソードが登場する。
結城の古戦場に庵を結んだ丶大法師のもとに穂北から七犬士も訪れて法要が盛大に行われた。これに招かれなかった悪僧・徳用は結城家の奸臣らと謀ってこの法要を襲う。七犬士とはぐれた丶大法師を左右川で救ったのは、安房からかけつけた犬江親兵衛だった。ここに八人の犬士が全員揃った。
そう、この結城の地で行われた法要の直後、長い長い旅路を経て、物語史上初めて「八犬士」が全員勢揃いするんですぅぅ~😹!
実はこの場面、作者・馬琴先生自身もかなり嬉しかったようで、物語の進行をピタリと止め、ここだけ急に一人称で語り始める。
長年読み続けてきた読者が「やっと揃ったぁぁ!」と叫びたくなる場面だけど、どうやら作者も同じ気持ちだったらしい(笑)。
二十余年にわたって書き続けた馬琴先生にとっても、この瞬間は特別だったんだろうなあ。
始まりの悲劇の舞台であり、同時に、固い絆で結ばれた八犬士が真に一つになる「約束の地」でもある結城。
始まりは悲劇、再会は希望。
結城という地は、八犬伝の運命が大きく交差する場所なのかもしれない。
この歴史の厚みと物語のエモさが交錯する空気感、これだから聖地巡礼はやめらな〜い!
脳内でやっと完全体になった八犬士たちと共に、今回の結城・聖地巡礼を締めくくりたいと思いますっ!
はぁ……何度読み返しても、この「八犬士具足」の全員集結シーンは最高に胸熱うぅぅ😻
👆聖地巡礼で移動したルートの、3Dアニメーション動画です。👆
⬇️南総里見八犬伝のあらすじと、聖地巡礼の時系列のまとめはこちら⬇️
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