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8/13 ビシュケク→タシュケント→ブハラ→ヌクス(前編)

前↓


タシュケント行きのバスの車内には、もう2時間も運転席からの謎のブザーと音楽が鳴り響いている。ファーストクラスのような豪華なシートを据えている割に、運転手らは乗客の快適性などどうでもいいようだ。アルマトイ→ビシュケクの3倍近い運賃を取られたことや、土禁や飲食物の持ち込み禁止などの車内ルールにスタッフが過剰に目を光らせていることも相まって、正直愉快ではない。ビシュケクは最後もビシュケクらしい手土産を持たせてくれた。
午前3時、バスかウズベキスタンの国境に到着し、眠い目を擦りながらイミグレの長い列に並ぶ。ただでさえ寝不足で気持ちに余裕がないにも関わらず、気を抜くとすぐに列を抜かれるので、本当にイライラしてきた。さすがに頭に来たので一度1人制止したが、さななが隙を見せた瞬間に抜かれてしまう。勘弁して欲しい。そんな戦いを終えて入国を果たすと、今度はバスの入国手続きをゴミの山の中で待ち続ける試練が待っていた。

右の女性は別のバスの排熱で暖をとっている

バスの再出発を待つことおよそ40分。その後ようやくタシュケントの地を踏んだのは、午前5時のことである。
よく知られているように、知らない国の知らない街に朝5時という状況ほど次の一手に困る時はない。観光やホテルに行くには早すぎるし、そもそも一部の交通機関は動いていない。こういう場合、開いてる何らかの店で時間を潰すのが鉄板だが、3時に叩き起こされた我々には食欲も一切なかった。
結局、とりあえずターミナルに待機という最もつまらない選択に落ち着いた我々であったが、ウズベキスタンでの旅程を話し合うことで、この完全に意味のない時間を有意義なものに仕立て上げる方針で一致する。今のところ、今後の予定はここタシュケントから西に移動しつつ、最後は干上がった湖・アラル海への玄関として知られるヌクスを訪れ、カザフスタンのアクタウに抜ける…という程度にしか決まっていないのだ。
まずは、出口となるヌクス→アクタウから調べ始めることにする。この区間は寝台列車での移動が王道だが、これは予約が取りづらいことで知られており、何週間も前に予約を押さえておく必要がある。そのため、この択は後半にかけノープランになっていくこの旅行と相性が悪く、多様の中では自然に消去されていた。多様は夜行バスか、ウズベキスタンの各都市を結ぶ乗合タクシーでのアタックを有力視している。
しかし、Redditを眺めていたら衝撃的な投稿が目に飛び込んできた。「現在アクタウへ抜ける国境は列車でしか出境できず、タクシーやバスを利用する場合、タシュケントまで戻ってからカザフスタン側を大回りする必要がある」…マジか。慌てて寝台列車を調べたが、当然3人分の空きなどあるはずがない。完全にぬかった。

こういうことらしい

日程がタイトなこの旅行で、引き返してのカザフスタン側からの大回りは論外だ。かといって、サマルカンドより西側のウズベキスタンを全て諦めることなどできるわけがない。こうなると、残された選択肢は1つ…飛行機だけだ。
実は、この旅行で一度飛行機を使うことは既に確定していた。アゼルバイジャンが現在空路以外での外国人入国を認めていないため、カスピ海を超えるために飛行機を使わざるを得ないのだ。だから、正直なところ、ヌクスから飛行機を使っても多様は別にいい。もちろん、カスピ海以外を陸路で走り切るという目標は掲げていたが、一度飛行機が確定している時点で結構萎えていたし、実績よりも見られる場所を全てきちんと見ることの方が多様には大切だ。
そんなわけで、航空券のリサーチを開始したが、ヌクス発の便は少ない上に東京からニューヨークに行けるくらい高い。その後色々な案を1時間ほど検討した結果、最安だった8/19午後のサマルカンド→バクーの航空券を予約して、なんとか19日までにサマルカンドに「戻る」ことが最も現実的な選択ということになった。
となると、今から最速で西端のヌクスに到達し、サマルカンドに戻りながら道中の都市を見ていくことが最適な選択だ。タシュケントから今日最も遠くの街へ行けるチケットを調べてみると…「8時半発、14時半着のブハラ行き」があるではないか!今は7時なので全然間に合うし、正直タシュケントにはそれほど興味がない。
そんなわけで、我々はソ連っぽい地下鉄でタシュケント駅へ急行し、さっき着いたばかりのこの街を一瞬で離脱した。乗車した特急シャルク号は見た目こそぼろっちいが、エアコンも効いていて快適である。

憧れのホームから「登る」タイプの客車だ

そして、ブハラ行きのシャルク号の中で3Gネットサーフィンに興じていると、なんとブハラから最終目的地のヌクスへ向かう今夜の寝台列車にも空きがあるのを発見してしまう。夜行バス→夜行列車と乗り継ぐのはもちろん体力的にしんどいのだが、早くヌクスに辿り着けるなら願ったり叶ったりだし、何より宿代が浮くのはデカい。半分寝ているバナナとマサカリに許可を取って、1700キロの地獄の旅路を確定させた。

ひとまずここに6時間だ

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