ヘルシンキ,陽キャは白い帽子でやってくる
ちょうど一年前の今ごろ。
日付が5月1日に変わる頃、私はヘルシンキ空港に降り立った。
北京を発ち、ストックホルムで乗り継いで。北欧は近い。
その夜は、静かにホテルに入って、そのまま眠った。
翌朝。早めに起きて、街散策スタート。
青い空がすっきり美しい。そしてまだひんやり寒い。

どこかでコーヒーを飲みたくても、まだカフェも開いていない。
「まったりした街だなぁ」と歩いていたら──
あれよあれよと人が増えてきて、
気づけば、街がわさわさと動き出していた。

そして、気づき始める。
……なんだ、この空気。━━なんだ!?


ん!?
━━街中が帽子!帽子!帽子!?
若い子もご年配の方々も、みんな白い帽子をかぶってる。
ちょっと共産圏っぽい雰囲気というか…
ん?フィンランドってこんなだったっけか?と。
ヘルシンキの人って、そんなに帽子が好きなの?
……にしても白い帽子率、高すぎない!!!?

━━そしたら違った。
どうやら、5月1日は「バップ(Vappu)」という祝日。
フィンランドでは、長い冬の終わりを祝う日だそう。
そして、学生のお祭り。労働者の祝日(メーデー)。
いろんなお祝いがミックスされて、あの知的で静かなイメージのヘルシンキの人々が、陽キャ大変身してた。



そうとも知らずにヘルシンキを訪れていた私は(それくらい調べておけよと言われそうだけど)、うっかり、異国のカーニバルに迷いこんだ気分。

この白い帽子は、フィンランドでは“高校卒業”の証で、「学業達成の象徴」だそう。バップの日には、年齢関係なく、持ってる人みんながそれをかぶって街に出る。誇りを込めて、白い帽子で春を祝うのが、この国のスタイル。
街中にビビッドカラーがあふれ出し、
色フェチの私は、キュンキュン。
視界がカラフルになればなるほど、テンションも上がる(笑)







こうして、通りすがりの〝旅人〟が、
わけもわからぬまま、気づけば祭りの中にいた。
旅ってのは、時々、サプライズが上手すぎる。
━━明けて翌朝。
もう、誰も帽子をかぶっていなかった。
あの賑やかさも、どこへやら。
「え?昨日、何かありましたっけ?」と言わんばかりに、
人々は再び静かで、品のいい空気の中に戻っていた。
どうやら、陽キャは、白い帽子でやってくる。
春はいつだって、通りすがり。
読んでくださり、嬉しいです。
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