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過敏性腸症候群(IBS)と人間関係——誰かといると緊張するのはなぜ?



私は知らない人と話すとき、
体が固まる感覚があった。

知らない人から見られていると感じるだけで、
腸がざわざわした。
会話の最中も
「うまく話せているかな」
「変に思われていないかな」と
頭の中がぐるぐるして、
気づけばお腹が痛くなっていた。

これは気持ちようだと思っていたけれど、
実は体の仕組みそのものだったらしい。
腸と脳は、迷走神経という太い神経で
直接つながっている(腸脳相関と呼ばれる)。

脳が「気を張らなきゃ」と感じると、
その信号はそのまま腸にも伝わる。
緊張する場面でお腹が痛くなるのは、
脳が感じたことに、
腸が正直に反応しているだけだった。

なぜそんなに緊張するのか、
長い間わからなかった。


根っこにあったのは、「ダメな人間だと思われる恐怖」

内観を続ける中で、少しずつ見えてきた。

私が恐れていたのは、
相手そのものじゃなかった。

ダメな自分を見られること。
こんな人間なんだと、ジャッジされること。
ダメな人間だと思われること。

そしてその奥には、
もっと大きな思い込みがあった。

「ダメな人間だと思われたら、生きていけない」

今思うと、それくらい強く信じていた。
だから知らない人の目が、
こんなにも怖かった。

大げさに聞こえるかもしれないけれど、
この怖さには理由があるように思う。
もともと私たち人間は、
一人で生きていくのが難しい生き物で、
まわりから外れることや、
変な人だと思われることを、
昔からずっと避けてきた。

特に日本人の私たちは
「みんなと同じであること」や
「協調性」が大事にされてきたから、
人と違うと思われることへの怖さは、
余計に根深くなりやすい。
頭では「大丈夫」とわかっていても、
体が先に緊張してしまうのは、
その名残なのかもしれない。


「それって、本当に?」と
自問してみた

ある日、
内観の中でその思い込みに向き合ってみた。

ダメな人間だと思われたら、どうなるの?
何で生きていけないの?
本当に何かが変わるの?

これは、思い込みを確かめるときに
よく使われる問いかけ方に近い。
感情をなくそうとするためではなく、
「本当にそうなのか」を、
自分自身で確かめるための問いだった。

そう自分に問いかけてみた。

そして気づいた。

……何にも変わらない。

あんなに恐怖を感じていたのに、
実際に「ダメな人間だと思われる」ことが
起きても、何にも変わらないじゃないか。
生活は続くし、
空は青いままだし、
私はここにいる。

拍子抜けするような、
でも確かな気づきだった。


緊張が、
少しずつほぐれていった

その気づきから、
人といるときの緊張が少しずつ変わっていった。

そして今は、知らない人と話すとき、
全然緊張しなくなった。
知らない人に自分から話しかけることにも、
抵抗がない。

あの頃の自分が聞いたら、
信じられないと思う。

「ダメだと思われても、何にも変わらない」という感覚が、
体の底にある安心感になっていったのだと思う。


人の目が怖い、
緊張するとお腹が痛くなる——
それはあなたが弱いのではない。

ただ、
「ダメだと思われてはいけない」
という思い込みが、
体に出ているだけかもしれない。

その思い込みに、
一度だけ「それって本当に?」と
問いかけてみてほしい。


最後まで読んでくださって、
ありがとうございます。
IBS(過敏性腸症候群)と
自己受容についての話を、
週2回(火曜・金曜)に投稿しています。
腸のつらさの裏にある心の仕組みがわかると、
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