おむすびのキモチ <スピンオフ>
ピロローン
炊飯器の米が炊き上がった合図。
ふたを開ける。
ほかほかの湯気が顔にあたる。
「炊きたてのご飯、いい香り」
今日は、森林浴を兼ねたお出かけだ。
おむすびを2個、持って行こう。
こういう時は、コンビニで買うより、自分で作る。
さあ、出かけるぞ。
ベッドでゴロゴロしたい気持ちを振り切って。
おむすびを握りながら、お出かけモードに切り替えていく。
***
今日のおむすびの具材。
梅干しと塩昆布。
おむすびの定番中の定番。
外は日差しが強くなりそうだ。
こういう時に外で食べるおむすびは、シンプルな方が好み。
「あっちちぃ」
できたてのご飯、熱いよね。
でも、このつやつやがたまらない。
***
ほうほう。
今日はお出かけですね。
梅干しと塩昆布。
ちょっと疲れた体に、染み渡るおいしさになりますよ。
炊きたてご飯は熱いから、気をつけて。
でも、おいしさは保証しますよ。
熱いから、少し冷ます?
うんうん。
それ、大事ですよね。
今日は、のりととろろ昆布を巻くんだ。
か・ん・ぺ・き!
アルミホイルにくるっと巻いて。
準備万端ですねっ。
***
・・・そろそろ時間では?
バタバタバタ。
あーあ。
早起きしたのに、やっぱり時間が押しちゃってる。
バタン。
・・・ん?
玄関ドアが閉まった?
主さーん。
あら、行っちゃった。
私を忘れていますよ。
まあ、いいっか。
電車に乗ったお出かけもいいけれど。
テーブルの上でのんびり昼寝するのもいいですねぇ。
***
バタン。
玄関ドアの音がしたと思ったら。
バタバタと足音。
キッチンのドアが開く。
「あったぁ。やっぱり入れ忘れたのかぁ」
「ああ。主さん。
おかえり。ちゃんと留守番していたよ」
満面の笑みで主を迎える。
・・・ホイルの中のおむすびの、顔は見えないけれど。
<Fin.>
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